October 15日~21日
  味わう埼玉の「和」 大宮公
さいたま市・埼玉の「和」の文化を味わってもらうイベント「埼玉 WABI SABI 大祭典2018」が13日、14日、大宮区の大宮公園を中心に行われた。
来年のラグビーワールドカップや、2020年東京オリパラを前に、日本文化の伝統と革新をアピールするのが目的。
初日の特設ステージでは、武田真治さん(サックス)と藤原道山さん(尺八)のセッションや、歌手の元ちとせさんがライブパフォーマンスを披露。このほか、NPO法人川越きもの散歩が埼玉の伝統織物「川越唐桟とうざん」や「秩父銘仙」などを紹介する着物ファッションショー、川越市出身の書道家・矢部澄翔さんの書道パフォーマンスなどが行われた。 そのほか、会場では参加者が多彩な埼玉のグルメを楽しんでいた。

  ひとり親世帯の七五三応援 京都
京都市・ひとり親世帯の七五三を応援しようと市が企画した撮影会が14日、左京区のひとり親家庭支援センター「ゆめあす」で開かれた。12人の子どもたちが晴れ姿を披露。お母さん、お父さんといっしょにとびきりの笑顔で写真に収まった。
子どもたちは、京友禅の老舗「千總」から市に贈られた赤や黄色やピンクの花柄の着物を着付け教室から派遣された女性に着付けてもらって、はにかんだり笑ったり。カメラの前では最初は緊張していたが、次第に堂々とポーズをとった。
長男結翔君(5)と参加した左京区の加藤優美さん(34)は「立派に成長したな、と実感した。写真に残せてよかった」と喜んだ。
この撮影会は2014年から開催。毎年、抽選で選ばれた十数組が参加している。問い合わせはゆめあす☎075(708)7750へ。

  萩城下町に着物で集合 SNSで呼びかけ100人
山口県・ユネスコの世界文化遺産の構成資産の一つ、萩市の「萩城下町」で14日、着物を着て街並みを埋め尽くそうというイベントがあり、約100人が参加した。
市観光協会などの実行委員会が21日まで開催している「着物ウィークin萩プレミアム」の一環。口コミやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で参加を呼びかけた。
14日は、イベント期間中に着物を貸し出している旧久保田家住宅周辺に参加者が次々と集まり、全員で記念写真を撮影するなどした。写真は市の観光PRに活用される。

  和やかに交流深める 室蘭できものの集い
北海道・装道礼法きもの学院北海道認可連盟室蘭・登別地区(実松智恵子代表)の「きものの集い」が13日、室蘭市宮の森町の蓬らい殿で開かれた。会員ら約70人が参加し、色鮮やかな着物を着て楽しい時間を過ごしていた。
普段は着る機会の少ない着物を着て楽しく過ごしてほしいと開かれている。昨年は夏に開催したこともあり、浴衣の集いを行った。会員による着装もあり、参加者の多くは着物に身を包んでいた。
実松代表は「和気あいあいと歓談し、楽しい思い出の1ページにしましょう」とあいさつした。余興では、室蘭地区民謡連合会に所属する善楓会の宮川善楓さんによる民謡、会員有志によるおかめとひょっとこの踊りなどが披露され、会場を盛り上げた。カラオケやゲームも行われ、参加者たちは交流を深めていた。

  鮮やか晴れ姿570人 長浜きもの大園遊会
滋賀県・振り袖姿の女性が勢ぞろいする「第34回長浜きもの大園遊会」が13日、長浜市の中心市街地一帯であった。ピンクや赤、緑など色鮮やかな着物に身を包んだ県内外の女性570人余りが、古民家の町並みを散策しながら秋の風情を楽しんだ。
メイン会場の同市元浜町の大通寺では集まった女性たちが、しっかりと振り袖が見えるよう両手を小さく広げて「ハイ、ポーズ」。しとやかに笑みを浮かべていた。家族と一緒に、紫色の着物姿で中心商店街を散策していた長浜市びわ南小学校四年の塚田ゆずちゃん(9)は「着心地が悪いけど、1年ぶりに着られてうれしい。髪の毛を後ろで結んでもらい、ピンクと黄色の髪飾りも付けてもらったよ」とご満悦だった。
特設ステージでは、県出身の女優堀田真由さん(20)が花柄をあしらった黒色の着物姿で登場、「色合いや着付け方などさまざまな着物の着こなし方があって、参考にしたいです」と話した。
市は高級着物の生地「浜ちりめん」の産地。大園遊会は、地元の浜縮緬工業協同組合や長浜観光協会などが着物文化創造と観光客誘致を目指して毎年10に開いている。浜ちりめん
  秋田の絞り染め紹介 高崎市染料植物園
群馬県・秋田県に伝わる絞り染め技法を紹介する「絞り染め技術の伝承 秋田県立博物館の取り組み」が、高崎市染料植物園で開かれている
地域の絞り染め技術の伝承や研究を目的とする博物館主催の教室受講者20人が制作した着物や染織見本、計約50点が展示されている。また同園収蔵品からは、浅舞絞りや大枡絞りなどの古い資料を見ることができる。11月25日まで。
本展期間中に「絞り染め」の服、スカーフなどを身につけて来館すると、絞り割引が適用され、入館料が団体割引料金になる。午前9時~午後4時半。9日と毎週月曜休園。問い合わせは同園☎027(328)6808。

  京都の織物新境地へ 多角化に活路
京都市の織物産業を担う西陣織や京友禅の企業が、帯や着物など和装以外の事業を強化している。ブランド店やホテル向けの内装材、チョコレート菓子の箱、紳士服など用途は広がる。呉服市場が縮小するなか、新たな需要の開拓で生き残りを図っている。
西陣織は先染めの絹織物。和紙に金箔を塗り細く糸状にした金糸などを絹地に織り込んだ高級生地は、独特の光沢や質感が高い評価を受ける。老舗の細尾(京都市)は壁紙などの内装材に注力する。和装の技術を生かしながら、モダンで抽象的な図柄や模様の布地を生産する。クリスチャン・ディオールやシャネル、ルイ・ヴィトン、ウブロといった有名ブランドの旗艦店、高級ホテルの実績を積む。12代目の細尾真孝常務は「受注の増加に生産能力が追いつかず、足元では数カ月のオーダー待ち状態」という。来年にも京都府北部に新たに生産拠点を設ける方針だ。
同じく西陣織を手掛けるリニスタ(京都市)は、テーマパークのパレード衣装などの需要が見込める素材を開発した。繊維の中に光ファイバーを織り込み、発光ダイオード(LED)ライトを仕込むと光ファイバーが布を内側から発光する。新分野に取り組むためには、人づくりが大きな課題となる。
室町時代創業の京友禅の千總(京都市)。国内外のアパレルブランド向けの高級洋装生地のほか、菓子箱などのデザインを手がける。16年に部門横断による生産体制を整備し、和装で技術を積んだ図案家を中心に、洋装の業務を手掛けられるようにした。
和装以外の事業が軌道に乗った事業者は一部にすぎない。「京都の文化の根底を揺るがす」(門川大作市長)と、織物産業の衰退に危機感を持った市は支援を手厚くする。

  西陣織をあしらったピアノ制作 静岡の会社がコラボ
湖西市新居町のオギノピアノ工房は、磐田市匂坂中のふすま製造「富士産業」とコラボレーションし、西陣織をあしらったアップライトピアノを製作した。完成品はまるで着物を着せたよう。2020年東京オリパラで訪日外国人客の増加を見込み、日本の伝統文化と楽器のまち・遠州を世界に発信することを狙う。
正面のパネルや鍵盤横の部分、椅子に西陣織の生地を貼り付け、上から透明な塗料を塗って仕上げた。西陣織は、赤地に金糸や銀糸が織り込まれた「流水桜」という模様で、見る角度によってキラキラと輝く。側面には、特注の金色の飾りひもも付けた。「糸目や織りの技術を見て感じてもらい、これぞ日本のピアノだ、とアピールしたい」とオギノピアノ工房店長の荻野光彦さん(51)は話す。
工房ではもともとピアノの調律や修理をしていたが、家庭で使われなくなった中古品を新たなデザインに生まれ変わらせる事業も10年ほど前から始めた。これまでに洋風の家に合う白いピアノのほか、風神雷神図や井伊直虎をテーマにした和風のピアノも製作した。荻野さんの兄で工房代表の恒夫さん(56)が製作や調律を担当している。
今回のコラボは、西陣織や京友禅を使ったふすまや扉も手掛ける富士産業が持ち掛けた。社員の永田義晴さん(58)は「着物も、ふすまも、ピアノも需要が少なくなってきている。協力することで、日本の文化や技術に再び光が当たるきっかけになれば」と期待する。問い合わせはオギノピアノ工房☎053(594)5855。
    8日~14日
  七五三の晴れ姿京都で支援 ひとり親あきらめないで
京都市・ひとり親家庭の七五三を手助けする市の支援策が好評だ。京友禅の老舗の着物で記念撮影し、料金は1千円。今年も14日に撮影会が開かれ、12組の親子が成長の証しを写真に収める。
全国展開する大手写真館では、七五三の場合、衣装代など込みで撮影が税抜き3千円、写真は四つ切り1枚につき税抜き5900円かかる。経済的な理由から七五三の撮影を諦めたという声がゆめあす(ひとり親家庭支援センター)に寄せられていたことから、市は2014年にひとり親家庭限定の撮影会を始めた。
経済的な条件に関係なく、毎年10数組を抽選で選ぶ。毎年秋ごろに募集し、今年は31組の応募があった。ゆめあすには撮影会の参加者が写真を持って訪れたり、お礼の手紙が届いたりする。
タイミングを逃した人も撮影会に参加している。織物職人の藤井秀敏さん(48)=上京区=は4年前、当時6歳だった長男祥吾君と撮影会に参加した。「撮っておきたかったな、という思いはやはりあった。ひとり親だと写真館に行きにくい、という人も中にはいるので、重要な取り組みだと思う」と話す。
撮影のときに子どもたちが着るのは京友禅の老舗「千總」(中京区)の着物。同社は1987年から毎年、社会貢献の一環で市に振り袖などの着物を贈っている。これまでに162セットを寄贈した。
同社によると、友禅染に箔や刺繡を施したものなど華やかな着物を選んで寄贈している。「人生の節目を華やかに迎えてほしい」との思いを込めている。

  各地の養蚕ことばを調査 群馬の県立女子大生
養蚕に関する言葉の豊かさを再認識してもらおうと、県立女子大の学生が10月21日と11月11日、世界文化遺産の富岡製糸場(富岡市)を訪れた観光客を対象に「蚕」と「桑の実」を表す方言を調査する。
2015年に世界遺産登録1周年記念の「論文作文コンクール」で「絹の国賞」を受賞した同大学生の提言が基になった。「養蚕ことば」を介して学生が観光客と交流しながら、絹文化への理解を深める場にしたい考えだ。
調査するのは文学部国文学科の新井小枝子教授(49)の下で方言を研究している3年の田島玲奈さん(20)、今井冴佳さん(21)、石橋花菜さん21)、鈴木佑香さん(21)と、2年の海老根ちひろさん(20)、大場椎奈さん(19)の6人。富岡製糸場世界遺産伝道師協会との共同研究で、「絹文化!お国ことばプロジェクト2018in富岡」として銀座まちなか交流館で行う。

  結城紬軽くて暖かい 茨城の中学生が体験授業
結城市の地場産業で、ユネスコ無形文化遺産に登録されている「結城紬」の体験授業が13日、同市大木の市立結城南中で行われ、2年生が着心地を肌で味わった。
技術・家庭科の授業の一環。市がPR用に所有している「結城紬」を貸し出し、着付けのボランティア団体「ゆうき着楽会」のメンバーが出前授業として行った。
この日参加した男女生徒約130人のほとんどが結城紬を着るのは初めて。山中響さん(14)は「軽くて暖かいのにびっくり。(帯で)おなかが締まって気持ちいい」と話していた。結城紬

  ベントスペース「和桜」 奈良にオープン
着物の販売、レンタルなどの「京ろまん」(奈良市=郡史朗社長)はこのほど、国内外の観光客に奈良をより楽しんでもらうためのエンターテインメントシアター「和桜わお」を、奈良市油阪地方町の京ろまんビル2階にグランドオープンした。こけら落としイベントが同日開かれ、多くの招待客でにぎわった。
イベントでは冒頭、郡社長が「多くの観光客に宿泊してもらうには楽しめる場所が必要。お酒や食事を味わいつつショーやライブを満喫できる場を提供したい」とあいさつ。花魁の着付けショーなども披露された。
京ろまんは、和文化体験コンセプトショップ「わぷらす奈良」も要している。

  KIMONOプロジェクト 市村さんの「イエメン」完成
2020年東京五輪・パラリンピックに向けて世界206の国と地域を着物で表現する「KIMONOプロジェクト」で、十日町市の伝統工芸士、市村久子さん(64)が担当したイエメンの着物が完成し11日、市内でお披露目会を開いた。
昨年暮れ、同プロジェクトを企画する一般社団法人イマジンワンワールド(福岡県久留米市)から市村さんの元に話が持ち込まれた。
「各国をテーマとする振袖をつくり、世界との交流を深めつつ 日本文化を世界に発信する」このプロジェクトに共感した市村さん。描いたのは中東アラビア半島南端部に位置するイエメン共和国。すくい織りで振袖を織り、その着物を東京オリンピックへ参加させようと、構想から半年、今、素晴らしい振袖が織り上がった。

  学生きもの優秀作品展』に展示 東京家政大
東京都・13日(土)、14日(日)に開催される「きものサローネin日本橋」(主催:きものサローネin日本橋実行委員会)の「学生きもの優秀作品展」に、東京家政大学服飾美術学科の卒業研究作品3点が展示される。
「きものサローネin日本橋」は、2012年から毎年開催されているきものファッション&カルチャーイベント。昨年は延べ15000人を超える来場客で賑わった。
この一環として日本橋三井ホールCOREDO室町の4階エントランスで行われる「学生きもの優秀作品展」に、同大学の作品が展示される。平成27年度卒業生の黒須優さんの作品「親子で楽しむきもの」(2点)と、平成29年度卒業生の田中千紘さんの「引き振袖」が展示される。入場無料。

  ボスニアの着物 唐津でお披露目
佐賀県・東欧の国、ボスニア・ヘルツェゴビナを表現した着物が13日、唐津市でお披露目されることになった。福岡県久留米市の老舗呉服店主・高倉慶応さん(50)の提唱で、2020年の東京五輪に向けて世界196カ国にちなんだ着物を制作する「KIMONO PROJECT」の一環。
唐津市出身で東京在住の伊藤登志子さん(74)が、同国で体の不自由な子どもを支援したり、桜の木を贈ったりする団体の代表を務めている。プロジェクトの全国展開を知った唐津商工会議所や呉服店の関係者らが「この国を応援しよう」と決め、昨年8月から動き出した。
国旗は紺色と黄色を基調としており、「天然の染料できれいな発色に」と琉球紅型で制作することにした。人間国宝を父に持つ沖縄県読谷村の玉那覇有勝さん(50)が手がけた。伊藤さんの平和授業を受けた市立佐志小の児童が描いた絵を、専門家が柄に図案化した。
お披露目会は午後1時からで、同市相知町出身のモデル、辻千恵さんが着る。ほかに県内で五輪の事前合宿をするタイやオランダ、ニュージーランドと、佐賀との縁が深い計20カ国の着物ショーもあり、高校生などがモデルになる。

  カカオ染め着物香港で披露 京都の富田さん
チョコレートの原料カカオを使った染料で染め上げた着物を、上京区の着物デザイナー冨田伸明さん(55)が完成させた。柄が立体的に浮かび上がり、甘い香りが漂う。栃木県産イチゴで染めた着物(既報)とともに、12日に香港で開かれる「日本秋祭in香港」の開幕イベントで披露する。
着物制作会社を経営する。日本の伝統技術を発信しようと、以前からカカオなどの食べ物や金箔(きんぱく)の染料で着物を染め、世界各地で紹介してきた。
新作の着物は、真珠やカカオの粉末を混ぜた染料と、厚みを増やした型を使って正倉院文様を2色で染めた。2年前にカカオで作った着物と比べ、柄が立体的になり、香りが強くなった。イチゴ染めはイチゴ15キログラムを煮出して4色の染料を作った。ハスの花をモチーフに色を重ねて染め、立体感を出した。
着物は香港で披露された後、イタリアやマルタ、スロベニア、クロアチアのイベントや、フランスの日仏友好160年記念イベントで紹介される。
冨田さんは「着物は世界で注目されている。職人の技術の素晴らしさを再認識してほしい」と期待している。

  華麗ランウエー大歓声 TGC北九州
福岡県・まばゆいばかりの先端ファッションに身を包んだモデルたちが、ランウエーを華麗に歩く。6日、小倉北区の西日本総合展示場新館で開かれた「東京ガールズコレクションKITAKYUSHU2018」。台風25号の接近にもかかわらず、会場には若い女性を中心に約1万3200人が詰め掛け、国内最大級のファッションの祭典に酔いしれた。
ショーにはモデルの中条あやみさんや大政絢さんら約60人が登場。中条さんは地元名産の小倉織、大政さんは博多織の姿をそれぞれ披露し、観客を楽しませた。〔4時間以上にわたったステージでは、熱いショーが繰り広げられ、ゲストの土屋アンナさんや、ダレノガレ明美さんらが姿を現すと、会場の熱気は高まった。小倉南区から訪れた斉藤瑠香さん(22)は「私もランウエーを歩いてみたい」と目を輝かせた。
午後3時すぎには、オーディションで選ばれた一般のカップル4組が登場する「WEDDING COLLECTION」が幕開け。美しい白のウエディングドレスと、タキシードなどに身を包んだカップルが温かい歓声に包まれた。

  金澤きもの小町 秋晴れの城下彩る
着物で金沢市街を散策するイベント「金澤きもの小町」(石川県和装文化協会主催)は8日、市中心部で行われ、あでやかな振り袖や訪問着など和装の参加者が秋晴れの城下町を彩った。北國新聞赤羽ホールでは、加賀友禅の着物や洋服のファッションショーが繰り広げられ、来場者は金沢の伝統技法が光る工芸への関心を高めた。
イベントは今年で10回目で、石川県和装文化協会の設立10周年を記念した。県内外から集まった大勢の参加者は思い思いの着こなしで、長町武家屋敷跡や金沢城公園、ひがし茶屋街などでそぞろ歩きを楽しんだ。兼六園などで開催された「金沢城・兼六園大茶会」(県茶道協会、一般財団法人県芸術文化協会など主催)にも参加し、心尽くしの一服を味わった。

  紬美人の英大生が研究発表 テーマは染色技術
鹿児島大学国際島嶼教育研究センターは9日、織物の染色技術をテーマとした特別研究会を開いた。奄美市名瀬の同センター奄美分室でも、インターネット上のテレビ電話「スカイプ」を通して7人が聴講。「織物の展望と草木染の錬金術―現代日本の地方における新しい世代の染色家」を演題に、染色技術の歴史と現状に理解を深めた。
英国オックスフォード大学の学生シャーロット・リントンさんが講師を務めた。シャーロットさんは昨年11月、自然の素材を使った大島紬を研究するため龍郷町に移住。今年1月には、本場奄美大島紬協同組合の2018紬美人に選ばれている。
シャーロットさんは奄美大島の織物工房で、大島紬など織物の製造過程を調査。伝統的な泥染めや藍染めなど染色技術と、その現代的な応用に注目し「機織りの染め糸に使われてきた技術が、今は流行を意識した衣類やインテリア製品のために使われている」と指摘した。
デザインの応用がききやすく、自然の材料を使っていることから、メディアなどでも取り上げられ、染色技術の知名度は上昇。一方、機織りなど他の製造過程の影は薄れ、担い手不足が深刻化しているという。
聴講した女性は「詳しく調べられていてよかった。大島紬の製造過程の複雑さは、世界に誇れる技術だと改めて感じた」と話した。

  華やか創作舞妓 七間町で着物の魅力PR
静岡県・県美容業生活衛生同業組合と静岡市葵区の七間町名店街は8日「創作舞妓ストリートファッションショー」を同区七間町などで開いた。小3から30代の女性たち計24人がモデルとなり、華やかな舞妓姿で七間町通りを練り歩いた。
色とりどりのかんざしを挿し、だらり結びの帯と振り袖を身につけた女性たちがゆっくりとした足取りで七間町通りを歩くと、買い物客らも足を止めて見守った。参加者は駿府城公園紅葉山庭園までの約1㌔を往復し、記念撮影をするなどして着物文化の魅力を発信した。
静岡英和学院大の学生や東南アジア出身の留学生らもモデルを務めた。ショーは2016年に始まり3回目。9月には富士宮市で実施した。11月には袋井市でも行う。

  織物技術で飛躍 西陣の老舗細尾
京都市・西陣織の老舗株式会社細尾(中京区)は2006年に内装材やインテリア素材を取り扱い始めた。西陣織の布地を張ったソファをパリの展示会に出品したが、当初はほとんど注文が入らなかった。12代目の細尾真孝常務は「和装の色柄を生かしたインテリアは、百貨店の日本フェアなどに需要が限られていた」と振り返る。
転機は2009年に訪れた。ニューヨークの展示会で細尾の商品を見たクリスチャン・ディオールのデザイナーが声をかけてきた。注目されたのは柄ではなかった。布に金箔や銀箔を織り込む西陣織独特の光沢感や質感が評価されたのだ。「西陣織の技術が素材として評価された」という。
国内の和装人口の減少で、内需は右肩下がりが続く。商材の幅を広げ、海外に顧客網を広げなければ国内の落ち込みは補えない。逆に新市場を開拓できれば、若い雇用の確保にもつながる。伝統産業の技術力を後世に伝えたいとの思いが同社を突き動かす。
2017年にはイタリア・ミラノで開かれる展示会に、パナソニックと協力し自社製の布を張ったスピーカーを出品した。金属が織り込まれた布の上で指を動かすと、金属の糸を通じ静電気がセンサーに伝わる仕組みで、スピーカーのスイッチを入れたり、音量を変えたりできる。織物の洗練された美しさとパナソニックの技術力による新旧ものづくりが融和し、来場者の評判も上々だった。
大学との連携にも柔軟だ。東京大学とは3年前から人工筋肉を織り込んだ布を使ったパワースーツの研究に着手。人工知能(AI)の研究者らと組みAIに織り方の基本的な規則を教え、織物などの新たな作り方を探る取り組みも始める。
細尾常務は「海外の展示会でこうした取り組みが評価されるか見きわめたい」と訴える。外部の先端技術も貪欲に取り込み、西陣織を進化させる挑戦は続く。

  圧巻100人がパレード 与野で大正時代まつり
さいたま市・与野の初秋を彩る「大正時代まつり」が7日、中央区のJR与野駅西口駅前通りで行われ、大正時代を思わせる矢羽柄の着物にはかま姿で100人がパレード。圧巻の光景に沿道からは大歓声が上がった。
今年で27回目を迎えるまつりは1912(大正元)年に開業した与野駅の開業80周年を記念して始まった。
関東地方は同日、暖かい空気に覆われ、北から吹き込んだ風で気温が上昇。熊谷地方気象台によると、越谷で最高気温32.8度を観測するなど県内全域8観測地点で30度以上の真夏日となり、8月中旬から下旬並みの陽気となった。
東京都町田市から参加した大学生の足立孝海さん(20)は、学帽に丸眼鏡、はかま姿で当時の書生に仮装して今年3回目の参加。「1年に1度、ここで会う仲間もいます。とても楽しい」と笑顔を見せた。
まつりの実行委員長で与野銀座商店街協同組合の倉持一夫さん(63)は「天気も良く大勢の方々に参加いただき、新旧住民の交流の場となったのでは」と話していた。

  群馬シルクの魅力発信 大井競馬場
東京都・群馬のシルクの魅力を発信するイベント「Nipponのシルクと光」(県市長会、県町村会、特別区長会など共催)が7日、大井競馬場で開かれ、伊勢崎銘仙のファッションショーやシルクをテーマにした講演会など多彩な催しが行われた。
講演会では農業・食品産業技術総合研究機構の飯塚哲也さんが、遺伝子組み換え技術で誕生した蛍光シルクを説明。ファッションショーでは伊勢崎銘仙の着物やドレス、蛍光シルクのワンピースが登場し、来場者の注目を集めた
東京23区と地方が連携して経済活性化を目指す「特別区全国連携プロジェクト」の一環。同日に大井競馬場で本格オープンした関東最大級のイルミネーション「TOKYO MEGA ILLUMINATION」(東京都競馬、特別区競馬組合主催)を盛り上げた。

  あでやかに“OIRAN”道中 栃木で初の外国人
栃木市ゆかりの浮世絵師喜多川歌麿にちなみ、花魁おいらんなどに扮して練り歩く「歌麿道中」を外国人が演じる「外国人の歌麿道中」がこのほど、同市内のホテルで初めて行われた。台風24号の影響で屋外から屋内での開催に変更されたが、あでやかな姿が会場を彩った。
歌麿道中は、市に滞在したとされる歌麿と市の深い縁をPRしようと毎年行われている「歌麿まつり」の目玉。江戸文化に触れることで、外国人に歌麿と市の関係を海外にも発信してもらおうと企画した。
7カ国14人の演者は、三味線の演奏の中一歩一歩集中しながら歩を進めていた。スマートフォンのカメラで互いに写真を撮り合う姿も見られた。
花魁役を演じたパラグアイ出身、小山市在住のリベラス・ガブリエラさん(25)は「感動した。うまく歩けてうれしい」と笑顔を見せた。
「歌麿まつり」は開催中で、通常の歌麿道中は13日、市中心部の巴波うずま川などで行われる。

  図案家が商品開発に 京友禅「千總」
京友禅の老舗・千總(中京区)は図案家を自社で抱える数少ない企業。千總の図案家は創業から460年以上になるものづくりを支える。
千總は京都を代表する老舗企業だ。創業は1555年の戦国時代。法衣装束商としてスタートし、明治時代には京友禅のデザインを日本画家に依頼するなど新しい取り組みも始めた。「環境が変わってきている」と話すのは仲田保司社長。和装産業が下火になる一方、日本的な文様や絵柄は国内外問わず人気。そこで注目したのが「図案力」だ。
図案家の大きな役割の一つが、着物など商品に描かれる絵柄を考えること。例えば、日本において、慶事には鶴や熨斗などがふさわしいとされる。長寿や豊穣ほうじょうなど着物が持つ「意味」をいかに込めるか。最も試行錯誤する段階だ。「千總のものづくりにはデザイン、技術、素材の3拍子が欠かせません」と語るのは今井淳裕さん。18年間、図案家として勤め現在は商品開発を手がける。例えば技術は友禅染の手法、素材は生地で「お客様の状況や用途を考えて商品開発につなげる」。
2009年からサントリーの茶系飲料「伊右衛門」のデザインを担当。英国王室が愛用する旅行かばん「グローブ・トロッター」ともコラボレーションし、限定トランクを発売。内装には手描き友禅の鶴をあしらい、「旅」を連想させる作りにしている。「和装以外で千總の力を示すのはブランディング戦略として効果的」と仲田社長。和装以外のデザインも年間100ほどで、全体の2割強を占める。
商品開発を手がけるプロデューサーには主に営業畑の社員が就いていたが、図案家経験者の今井さんが初めて就任した。「必要であるように変化していけばいい」と今井さん。千總の「図案力」は身近なものになってきた。

  谷崎文学の文字を着物で再現 大山崎山荘美術館
谷崎潤一郎の小説には、時代の風俗が色濃く描かれ、女性のファッションも作品の重要な要素となっている。アサヒビール大山崎山荘美術館(大山崎町)で開催中の「谷崎潤一郎文学の着物を見る」展では、小説の描写や挿絵をもとに、ヒロインたちの装いがアンティーク着物で再現されている。
会場では、代表作「細雪」で象徴的な花見の場面を表して展示されている着物が、目に入る。もとになったのは、モデルである谷崎の妻・松子とその姉妹らの花見の写真。映画でも繰り返し演じられる場面で、着物は品の良さが際立つイメージがあったが、ここで再現された装いは、色や柄を大胆に合わせた独特のあでやかさがある。
他にも、「痴人の愛」、「春琴抄」、「台所太平記」など、多様な作品に表された魅力あふれるヒロインたちのよそおいの数々を、谷崎の文章や挿絵、時代風俗なども手がかりに、アンティーク着物で再現している。
14日には、本展の着物を監修した大野らふさん(キモノスタイリスト)による、谷崎潤一郎文学と着物についてのトークがある。12月2にちまで。詳細は同館☎075(957)3123。

  大阪に大島紬産地? 池田市の大島美術館
大阪府・産地から遠く離れた大阪に、泥染めやテーチ木染めなどの数多くの工程をこなし、織り子たちの思いや丁寧な手仕事を伝える大島紬の産地?・・がある。紬の魅力を伝えているのは池田市にある「大島美術館」だ。大島紬が鹿児島県奄美大島と鹿児島市で生産される高級絹織物であることは周知の事実であろう。
同館の設立の背景には古い伝説に由来があった。ときは4世紀末~5世紀初頭。呉服くれはとり穴織あやはとりという姉妹が池田の地に住みつき、機織りの技術を伝えたとされる。市内には、そんな伝説を受け継ぐ呉服神社があり、ご利益にあずかろうと、呉服関係者も参拝に訪れる。市章は、織姫が糸を染めるために水をくんだ井戸や、糸巻きがモチーフになっている。大島紬のすべてを体感できるまさに感動ワールドだ。
同館は、界全体の活性化を考え、昭和57年に約8社の機屋で「本場奄美大島紬織元協同組合」(鹿児島県知事許可組合)を設立。織元直結の生産・企画・販売体制をとっている。
清衣きょらぎん」とは、奄美の言葉で美しい着物という意味だ。数十万円と安くはないが、世界一、緻密な織物といわれるがゆえに、価格も含めて納得してもらいたい」館内を案内してくれた同館の肥後勝代さん(72)は「工程の一つ一つが分業制で全員が名人。小さな島で生まれた技術と、織り子たちの丁寧な手仕事を多くの人に知ってほしい」と語る。

  日本橋橋上で『きもの大集合写真』 28日
般社団法人日本橋室町エリアマネジメントは、着物文化を発信し街に賑わいを創出するイベントとして、「日本橋橋上」で行われる『きもの大集合写真』を今年も開催する。
「着物をまとい、日本の伝統文化と美に浸る秋。本イベントを通じて、日本橋を訪れる多くの方々に着物の美しさを体感していただき、日本の文化として愛されている着物の魅力を、日本橋から全国、そして世界に向けて発信していきます」と主催者。
写真撮影は、10月28日(日)14時30分頃日本橋橋上で行われる(無料・小雨決行)。集合場所は日本橋1丁目のコレド日本橋アネックス広場で時間は14時頃。
当日は日本橋の橋上を通行止めにして、着物姿の一般参加者と大集合写真が撮影される。参加者には、ノベルティがプレゼンされる。問い合わせ先は☎03(3242)0010。

  女性歌人「3人のアキコ」 飯塚で企画展
福岡県・大正から昭和初期を駆け抜けた女性歌人、与謝野晶子(1878~1942)、柳原白蓮(1885~1967)、江口章子あやこ(1888~1946)を紹介する企画展「愛を貫いた3人のアキコ~三者三様の人生模様」が、飯塚市の旧伊藤伝右衛門邸で開かれている。11月14日まで。
同時代を生きた3人はそれぞれ交流を持っていた。白蓮の本名は燁子あきこ。東京で晶子と歌を詠むなど親交があった。章子は自らを「あきこ」と名乗っていたといい、2人目の夫、北原白秋と離婚後、別府市の白蓮の別荘に身を寄せたとされる。作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは著書「ここ過ぎて」で、3人を「大正の3あき子」とつづっている。
展示数は計130点。邸内の「主人居間」には白蓮と章子が愛用していた着物や白蓮の姿見、3人の直筆の短冊や掛け軸を展示し、「子供室」には晶子の夫である鉄幹が発行していた文芸雑誌「明星」や3人の説明パネルが並ぶ。各部屋には、初公開を含む白蓮の直筆掛け軸が飾られている。
有料。問い合わせは飯塚観光協会☎0948(22)3511。

  龍助町家通り歩行者天国に 商店主ら初企画
石川県・築80年以上の町家が数多く残る小松市龍助町で14日、「北国とおり町マーケット」が初めて開かれる。町内を貫く旧北国街道を、約100㍍にわたって歩行者天国にする。県内外から菓子や雑貨店など計50店が露店を出す。午前10時~午後5時。
龍助町と、同町に隣接する西町の商店主らでつくる「北国とおり町にぎわい協議会」が企画した。同協議会は、旧北国街道が通る両町の一帯を「北国とおり町」と名付け、地域の活性化を図っている。
散策を楽しんでもらおうと、同市松任町の「CLUTCHキモノ店」は、会場で着物のレンタルをする。龍助町の滝本茣蓙ござ店は、町家の店舗2階を開放し、カフェにする。両店とも12日までの予約が必要。会場には、毎年5月のお旅まつりで使われる豪華な同町の曳山も展示し、撮影できるようにする。
同協議会の中出暁史会長(35)は「町家の古い町並みが楽しめる通りに、個性豊かな店舗がそろい、古いものと新しいものの両方に出合える日になる」と話す。詳細は、ホームページ、フェイスブック、インスタグラムに載せている。
    1日~7日
  長浜きもの大園遊会 堀田真由さんトークショ
滋賀県・長浜市の長浜観光協会などでつくる「長浜きもの大園遊会」の運営委員会は、13日に市中心部で開催する同園遊会の参加者を募集している。対象は「振り袖着用の16歳以上女性」としている。
午前10時~午後3時半。参加者は、高級着物などが当たる抽選会に参加できるほか、慶雲館(同市)や長浜城歴史博物館(同市)など市内7カ所の観光施設に無料で入場できる。
午後2時10分からは、大通寺(同市)でドラマや映画で活躍中の県出身の女優堀田真由さん(20)のトークショーが昨年に続いてある。
参加無料、先着千人。電話で9日まで受け付ける。詳細は運営委☎0749(65)6521。浜ちりめん

  こぎん刺しの古里巡るツアー 弘前など3市村
青森県・津軽の伝統工芸「こぎん刺し」の古里を巡る「なるほど!こぎんツアー」が3~5日の3日間行われ、首都圏などのこぎん愛好家が弘前市や平川市、西目屋村などのこぎん刺しゆかりの地を巡った。
ツアーは、県外のこぎん刺し愛好家に、実際に津軽を訪れて歴史や背景を知ってもらおうと、デザイナーの山端家昌さん(おいらせ町出身、東京都)らでつくる実行委員会が主催。山端さんが神奈川県で開くこぎん刺し教室の生徒や、ネットで開催を知った20~70代の女性24人が参加した。
ツアーではこのほか、西目屋村の津軽ダムや弘前市の佐藤陽子こぎん展示館、弘前こぎん研究所、弘前市立博物館のほか、大正時代に農民の副業としてこぎん刺しを使った製品開発に取り組んだ平川市の大川亮氏の邸宅などを訪れた。またこぎん刺しの第一人者として知られる故・前田セツさんの作品を展示する同市の「こぎんの家」も見学した。
参加した横浜市の会社員森美千子さん(54)は「弘前には以前も来たことがあるけれど、ツアーでは貴重な場所を見られて感激した」と話していた。

  町民モデルで着物ショー 野木町
栃木県・国重要文化財の野木町町煉瓦窯で「明治150年記念れんがまつり」が始まった。同時開催の「町文化遺産フェスティバル」と合わせ、町内外から約1000人が来場。公募した町民をモデルにした「大正浪漫のきものショー」などで盛り上がった。同まつりは7日まで。
きものショーは、煉瓦窯が稼働していた明治~昭和時代を振り返ろうと、初めて企画された。町民モデル16人と真瀬宏子町長、町在住の中学生歌手鈴木杏奈さん(14)ら計20人が、当時流行した柄の着物やはかまに身を包み特設ステージに登場。煉瓦窯を背景に、記念撮影に応じた。

  現代美術思わすビンテージ銘仙 明治館で展示
群馬県・伊勢崎銘仙の企画展「アーティスティック銘仙と図案展」が11月4日まで、伊勢崎市曲輪町のいせさき明治館で開かれている。現代アートのような柄の着物18点と図案29点が訪れる人を楽しませている
昭和初期から中期に作られたビンテージ銘仙を飾った。昔の織物が好きという栃木県佐野市の会社員、篠宮勝利さん(46)は「今風の柄で、80年も前のものに見えない。着物を作るのに何人もの人が関わったと聞き驚いた」と話していた。銘仙の話
 銘仙が面白い
  「スカイベリー」染めの着物 結城紬使用
着物デザイナーの冨田伸明さん(55)=京都市=は、栃木県産のイチゴ「スカイベリー」で染め上げた着物を制作した。15㌔のスカイベリーを煮詰めてつくった染料で、小山市産の結城紬の生地にピンクのハスの花を描いた。着物は10月以降、香港や欧州の日本文化を紹介するイベントなどで披露する。
板場京友禅と呼ばれる特殊な染め方を採用し、スカイベリーの食物繊維を生地に付着させることでハスの花を立体的に表現した。煮詰める時間の長短で濃淡の異なる4種類の染料を用意したという。
海外のお披露目に先立ち、とちぎ未来大使を務める冨田さんは4日に県庁を訪れた。「日光東照宮は持ち運びできないが、着物なら海外でも栃木の魅力をアピールできる」と語った。

  はれのひ初公判 元社長篠崎洋一郎融資詐取認める
成人式でトラブルを起こし倒産した「はれのひ」(横浜市)が銀行から融資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた同社元社長篠崎洋一郎被告(56)の初公判が5日、横浜地裁であり、篠崎被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
検察側は冒頭陳述で、同社は2015年8月ごろから経営に行き詰まり、自転車操業状態に陥っていたと指摘。同年11月に債務超過を理由に銀行から融資を断られた後、別の融資を受けるため「商品の在庫の水増しなどを担当者に指示し、虚偽の決算書を作成させた」と述べた。成人式のトラブルについても、営業停止を顧客に事前に知らせなかったことで「多くの新成人が晴れ着を着られなかった」とした。
篠崎被告はこの日、えんじ色の長袖Tシャツにグレーのズボン姿で法廷に姿を現した。裁判長に名前を問われると、「はい。篠崎洋一郎です」とはっきりとした口調で返答。その後、検察官が起訴状を読み上げるのを直立不動の体勢で聞いた。罪状認否が終わると1礼して被告人席に深く腰掛け、何度もまばたきをしながら傍聴席を見渡した。
起訴状によると、篠崎被告は2016年9月、神奈川県内と東京都内の銀行2行に虚偽の決算書類などを提出し、計約6500万円をだまし取ったとされる。
同社は今年1月8日の成人の日を前に突然営業を停止し、着付け会場に晴れ着が届かなかったり、予約していた着付けやメークができなくなったりする新成人が横浜市や東京都八王子市などで相次いだ。
同社の破産管財人によると、負債総額は約7億8500万円。今年の成人式で振り袖などを提供できなかった新成人は約210人(契約額約5800万円)、来年以降に提供できないのは約920人(同約2億8700万円)に上る。同社にはほとんど資産が残っておらず、顧客への返金は一切ないまま破産した。
篠崎被告は1月26日に謝罪会見を開き、その後、出国。債権者集会があった3日後の6月23日に米国から帰国し、詐欺容疑で神奈川県警に逮捕された。
新成人らへの被害について県警は、成人式当日も着物が用意されていたことから、だます意図があったと立証するのは困難と判断し立件を見送った。

  新たなきもの文化の創造 日本橋で若手世代が挑戦
東京都・日本橋の東京織物卸商業組合をはじめ、全国の着物産地組合やメーカー、小売店などが、着物文化を気軽に楽しんでもらおうと開くイベント「きものサローネ」。6回目となる今年は、「YUITO」、「COREDO室町」、日本橋案内所前(以上、日本橋室町)の2会場で開催する。目標来場者数は2万人。
YUITOの5、6階で行われる「きものカーニバル」(5日~7日)は全国から着物や和装小物店約100店が出店する。展示販売のほか、今秋公開の映画「日々是好日」とコラボした和文化体験や各店が提案する100体のマネキンコーディネート、「墨流し染め」や「米沢織」などの体験イベントなどを展開する。
日本橋三井ホールで13、14日に開催する「きものコレクション」は、全国の着物産地の新作発表会や着物ファッションショー、全国の和装学園の学生による「学生きもの優秀作品展」などを行う。
実行委員長の天野豊さんは「全国きもの業界の次代を担うメンバーで構成する実行委員会手作りのイベントだが、プロのイベントプロデューサーもいるのでかなり本格的なショーが楽しめる。販売する側もお客さまも若手世代で、新しいきものの世界を作るチャレンジャブルなイベント。気軽に来場して楽しんでほしい」と話す。 28日には、日本橋橋上で、きもの着用なら誰でも無料で参加できる恒例の「きもの大集合写真」撮影会も行われる。 開催時間は10時~18時。入場無料。

  トキめくかわいさ 佐渡できものファッションショー
新潟県の魅力や観光について語り合う「新潟美人100人会議」がこのほど、佐渡市で開かれた。窪田のレストラン「ラ・プラージュ」で、トキをモチーフにした着物のファッションショーを実施。参加者は、本県の着物文化の奥深さを再認識していた。
食や美容、文化に関わる企業などでつくる新潟美人実行委員会が主催。約40人が参加し、新潟港から日帰りの日程で実施した。
ファッションショーで披露された着物は、県内の業者と学生が共同でデザインしたもので、羽ばたくトキと花々があしらわれている。女性モデル3人が着物を身にまとって会場に登場すると、参加者から「かわいい」と歓声が上がった。
新潟市中央区の主婦、西野敏江さん(64)は「新潟には良い着物文化がある。もっと多くの人が着るといい」と感心していた。新潟-両津間往復の佐渡汽船内では、古町芸妓げいぎによる舞踊や、パネルディスカッションなどを実施した。

  伝統の織物「秩父銘仙」知って 秩父銘仙協組が出前授業
秩父地方の伝統的工芸品である織物「秩父銘仙」について、子どもたちに知ってもらおうと、秩父銘仙協同組合と地域おこし協力隊員がこのほど、秩父市立吉田小で今年初めての出前授業を行った。4年生約40人が、秩父銘仙の歴史と特徴の説明を受け、実際に「型染め」と呼ばれる手法を体験した。
大正時代から昭和時代初期にかけて、女性に大流行、秩父経済を支えた基幹産業だった。NHKの連続テレビ小説「花子とアン」では主人公とその妹が秩父銘仙を着て出演したほど当時は人気の着物だった。しかし、洋服の普及や外国産の安い衣料の輸入、養蚕業の衰退などで、次第に姿を消していった。同組合の野沢功一理事長によると、現在は5~6軒で伝統を受け継いで、生産しているに過ぎないという。2013年には国の伝統的工芸品に指定された。
今回の出前授業は、秩父銘仙の宣伝活動を担っている地域おこし協力隊員の関川亜佐子さんが講師となり、野沢理事長ら組合員が手伝って、実現した。関川さんは「絹糸は1本で1300㍍にもなります。秩父の伝統産業でした」などと説明。連続テレビ小説の登場人物が秩父銘仙を着ていることを知り、子どもたちが「へーっ」と驚く場面も。
型染めの体験では、絹糸で織られた白い巾着袋に、犬や猫、ペンギンなどの動物や花、ヨットなどの乗り物をデザインした型紙を使って絵の具で染色し、次々と自分なりの「マイバッグ」を楽しそうに作っていった。出前授業は同小のほか、市内の3校でも順次実施していく。銘仙の話

  紫香楽宮で古代衣装体験 地元女性ら40着手作り
滋賀県・8世紀半ば、甲賀市信楽町に聖武天皇が造営した都「紫香楽宮」があったことをPRしようと、同町勅旨の着付師、川崎加代さん(67)らが奈良時代の宮廷風衣装を作った。インターネットの画像を手掛かりに、型紙から全て手作りし、7カ月かけて40着を完成させた。10月7日から始まる地域おこしイベント「都あかり」で披露し、希望者に着てもらう。
川崎さんは今年1月に、紫香楽宮PRの目玉として子ども用の古代衣装作りを市教委歴史文化財課から提案された。4月には地元の雲井自治振興会から大人用の製作依頼もあった。裁縫の技術がある知人ら7人と「古代衣装グループ」を結成。川崎さんの自宅で作業し、子ども用衣装20着、大人の男性用7着、女性用13着を完成させた。いずれも材料代だけもらい、ボランティアで作ったという。
ネット上の写真を参考にして「大きすぎたり小さすぎたり、最初は失敗ばかりだった」が、試行錯誤を重ね、スカート状の「上裳うわも」やベストに似た「背子はいし」、髪飾りなどを仕上げた。見た目を華やかにするため、自身の帯を裁断して女性用の背子や男性用の帯に活用した。「作るなら、人にすごいと言ってもらえる物にしたかった」と川崎さんは話す。
都あかりは7~13日夜、紫香楽宮と同時期に建立が計画された甲賀寺跡(同町黄瀬)をライトアップする。古代衣装は、7、8、13日に来場者向けの無料着用体験があり、着付けは川崎さんらが担当する。7日の開会セレモニーに参加する地元小学生や、8日に特設ステージでよし笛を演奏するグループも着用する。
川崎さんは「見たり着たりして、日本の中心がかつて信楽にあったということに思いをはせてもらえればうれしい」と話す。
衣装は今後、別のイベントでも活用する予定。問い合わせは雲井地域市民センター☎0748(83)8531。 きもの変遷史

  琉球かすり着ようよ! 都内で展示即売会
沖縄県南風原町はえばるちょうの職人たちが仕上げた琉球かすりなどを展示販売する「みやらび展」が6日から、台東区柳橋の「ルーサイト・ギャラリー」で開かれる。8日まで。
同町は琉球かすりや南風原花織など多彩な織物の産地。琉球かすりは柄が多彩で、かつては琉球王朝に献上された布だった。工程ごとに専門の職人がいるというが、高齢化で次の世代への継承が課題だ。「みやらび」は沖縄の言葉で「純粋な心を持った人」という意味。
同展は、首都圏ではなかなか見られない琉球かすりの魅力を知ってもらおうと開かれ、約50点を展示即売する。仕立職人も同席して、買った布を着物などに仕立てるサービスも有料で行う。
入場無料。問い合わせは「イツアンドコー」の深澤伊津子さん090・7406・2022。琉球の染
 日本の絣
  イラクサ糸の着物 阿寒湖で伝統再現
北海道イラクサ類の茎でよった糸でアイヌ文様を施した着物が、釧路市阿寒町の阿寒湖アイヌコタンのアイヌ文化伝承創造館で開催中の「アイヌアート展2018」に展示されている。コタンを拠点とする刺しゅう家・西田香代子さん(70)がアイヌ民族の伝統技術を再現し、北海道博物館(札幌市)が収蔵する古い着物を3年がかりで複製。先人が自然と共生した時代の知恵もよみがえらせた作品。
西田さんが10数年前、旧北海道開拓記念館(現北海道博物館)が倉庫に保管する古いアイヌ民族の着物を見せてもらった時、斬新な文様が目に留まり、許可を得て複製した。「文様の多い着物ほど、雄弁で人望がある人がまとったと言われているので、これほどの着物を着た人は、どんな人だったのか考えながら作業をするのが楽しかった」。西田さんが振り返る。
文様だけでなく作り方も忠実に複製するために、糸づくりから作業を始めた。イラクサを原料とする糸づくりはアイヌ民族の伝統技術だが、継承者は少なく、アイヌ文化研究家の藤村久和・北海学園大名誉教授(78)=札幌市=に習った。藤村名誉教授によると、イラクサの糸は戦後間もなくまでよく見られたが、木綿糸の普及などで姿を消していったという。
西田さんはオホーツク管内の旧端野町(現北見市)出身。阿寒湖温泉で夫の正男さん(72)と結婚後、23歳で義母の勧めで刺しゅうを始めた。1998年に道アイヌ工芸展道知事賞を受賞し、現在は道アイヌ協会の優秀工芸師。正男さんと営むチニタ工芸店で店番をしながら針を持つ。イラクサの糸を使った古い着物の複製は大仕事だが、再度挑むつもりだ。
「アイヌアート展」は11月20日まで。入場無料。

  着物を上下に解体? POP UP STOREで簡単着物販売
京友禅の名門「吉川染)匠」(京都市上京区)と西陣織の老舗「渡文」(同市上京区)が立ち上げた新ブランド[les mondes(レ・モン)]は、2018年秋冬シーズンから展開を始めた新ブランド。ロングスカートとジャケット、帯を自由にセットアップして楽しめそう。「色・柄を上下で変えてみたり、帯の素材を取り替えるなど、様々なアレンジをお試しいただけます」と提供者。
生地にはポリエステルなどの素材を使用し、家庭での洗濯を可能にしている。着姿・着やすさにこだり洋服感覚でキモノとしても楽しめる、新しいスタイルのファッションブランドとなっている。
先月からオンラインサイトでの販売はされていたが、今回初めて期間限定の「POP UP STORE」にて販売される。
STOREは、日本橋高島屋S.C. 新館1階 日本橋ガレリア コミュニティースペースで期間は3日(水)~9日(火)。問合せは日本橋高島屋☎03(3211)4111。 

  博多織発信 「和の博多」開幕
福岡市・和文化の魅力を発信する複合イベント「和の博多」が先月29日に開幕。初日は博多織発祥地の承天寺(博多区)で伝統芸能や和雑貨販売などのオープニングイベントがあり、着物姿の女性客らでにぎわった。同寺では伝統芸能や和雑貨販売も行われる。
枯れ山水の「洗濤庭せんとうてい」を望む方丈(本堂)では、筑前琵琶演奏などに続き、博多織工業組合の岡野博一理事長、映像ディレクター上原桂さん、人気インスタグラマー西本早希さんの3人がトーク。博多織のPR方法について「レンタルを増やして結婚式などで気軽に着られるようになれば」「偉い人がビジネスシーンで着るようになったら面白い」などの意見が出された。
「和の博多」は11月4日まで。期間中、協賛する飲食店や観光施設などを和装で訪れると、各種特典が受けられる「博多のまちは着物でお得」や、観光施設や寺社を巡るスタンプラリーもある。

  タンスで眠る振り袖 一宮市でレンタルに活用
愛知県・タンスに眠る振り袖を新成人たちの晴れ着に。貸したい振り袖を登録してもらい、借りたい人にレンタルする事業を、一宮市の老舗呉服店の関係者が始めた。
一宮商工会議所が9月に開いた新商品・サービス発表会で、振り袖の「レンタルシェアリング」が紹介された。紹介されたのは、地元呉服店「三井屋」の前社長、今井孝志さん(63)が立ち上げた新会社「美秀」の事業。
振り袖と帯、長襦袢の3点を貸したい人からいったん送ってもらい、今井さんがサイズや汚れなどを確かめて写真撮影。評価点や着用回数、レンタル料とともに美秀のHPに掲載し、振り袖を購入した時の思い出や、どんな人に着てもらいたいかといった貸す人のコメントも添える。借りたい人はHPを見てお気に入りの振り袖を選ぶ。契約が成立すれば、美秀がコーディネートする草履やバッグなどの小物一式と一緒に成人式前に宅配され、式後に返却する。貸した人にはレンタル料の2~3割が支払われ、クリーニングされた振り袖が戻るシステムだ。
数年前から、家庭のタンスにしまわれた振り袖を有効活用する事業を検討。三井屋の後継も決まったため、昨年3月に自宅に美秀を構えた。三井屋の顧客らに声をかけて振り袖の出品を募りながら、レンタルの準備を進めた。振り袖は写真撮影後、出品者に戻すため店舗はなく、着付けは借り主が美容院などに独自に頼む必要がある。
「登録を300点ぐらいに増やし、貸したい方の振り袖への思いも知って借りていただきたい。呉服店やレンタル店を回って、気に入ったものがない場合も、ぜひHPを見ていただきたい」と今井さんは話す。
成人式の記念写真を前撮りする人には、貸し出しを早める相談に応じるという。問い合わせは美秀☎0586(76)2110へ。

  高齢者着物で笑顔 北本でNPOが着付けを支援
埼玉県・「年を取って体が動かなくなったから、車いすだからと、着物をあきらめないで」。県内で、体の自由が利かなくなったお年寄りの着物の着付けを支援、車いすに座ったままでも着付けられる方法を、NPO法人「全日本福祉理美容協会」埼玉支社(北本市)の菅原恵津子さん(58)と松尾紀子さん(44)の2人が編み出した。
二人が活動を始めたのは2年ほど前。理容師の菅原さんは、入院中の女性患者の髪をカットして喜んでくれたことがきっかけだった。「おしゃれを手伝ってあげると、こんなに笑顔になってもらえるんだ」とやりがいを感じた。
松尾さんは元々婚礼の着付けの仕事をしていたが「これで着物を着るのも最後かしら…」と寂しそうに話すお年寄りが多かった。「ああいう人たちに、もっと着物を着てもらえたら喜んでくれるのではないだろうか」と考えた。
松尾さんは「車いすでも着物を着られる方法を」と工夫を重ねた。菅原さんにも協力してもらい、座ったまま着付けをできる方法を考案。実際に試してみると、とても喜んでもらえた。
「久々に着物が着られてうれしい」。熊谷市内の福祉施設で車いすの高齢女性がしみじみと喜んだ。菅原さんと松尾さんの二人が手伝い、座ったままで浴衣を着付けた。「何年ぶりだろう…。何かしゃんとするねえ」との女性の言葉に笑顔が広がった。
二人は「手持ちの物でも楽に着られるので、着物を着て若返ってほしい」と声をそろえる。問い合わせは、全日本福祉理美容協会埼玉支社☎048(593)6666へ。

  9月度生産実績 丹後織物工業組合
京都府・丹後ちりめんは2020年、創業300年を迎える。
長い歴史を背に、東京は渋谷のヒルサイドテラス アネックスA棟で3日~4日、丹後織物総合展「Tango Fabric Marche」を開催する。どなたでも入場「OK」ということなので、足を運んで丹後ちりめんの技術を見てほしい。
そんなイベントをひかえた丹後産地の9月の生産実績はいかなるものであったろうか。無地は健闘したようだが、残念ながら昨年の生産実績を下回り、2か月連続で昨年を上回ることはできなかった。
生産量は25.448反で、昨年同月の26.458反を1.010反下回った。操業日数は22日で前年同月と同じであった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。△一越・古代=135(73)△変り無地=4.775(4.311)□小計=4.910(4.384) ▼紋綸子(軽)=2.303(2.548)▼紋綸子(重)=2.826(3.259)▼銀意匠・朱子一重=8(30)▼紋・無地意匠・朱子二重=12.779(13.322)▼絽織・紗織=1.224(1.273)▼その他の紋=157(197)▼金・銀通し=870(1.155)△縫取・絵羽=371(290) ■小計=20.538(22.074) ■合計=25.448(26.458) ▼パレス=559(598) ▼紬=228(277)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。丹後ちりめん

  好みの1着で記念写真を 浅草の江戸友禅館
東京都・江戸禅染絵師、故井浦深泉(1915~98年)の手掛けた「すみだ川染め」の着物を紹介している台東区の「江戸友禅館」(雷門)が今秋、好みの江戸友禅を着て記念写真を撮ることができるサービスを開始した。「唯一無比の着物を着て、豊かな日本文化を感じてほしい」とオーナーの大橋光臣さん(70)は話す。
浅草寺の雷門そばにある江戸友禅館は、呉服店主の大橋さんが2007年に店の一角で開館。井浦さんの作品約500点(全て非売品)を所蔵している。日本文化の奥深さに触れようと、近年は来館する外国人観光客が増加。「着てみたい」との声に応え、30分の時間制限を付けて門外不出の着物を着ることができるようにした。
江戸友禅は、江戸時代の文化文政期に深川芸者(辰巳芸者)がまとった男仕立ての着物に端を発するとの説があり、加賀友禅や京友禅とは趣が異なり、大胆で粋な文様が特徴とされる。
井浦さんは墨田区東向島で作業し、染色後にのりを洗い落とす「友禅流し」の工程を近くの隅田川で復活させた。芸者衆が松の内に着る梅、松、桜をあしらった江戸友禅の真骨頂「心の絆」や、隅田川の花火を描いた「江戸の華」、歌舞伎が題材の「安宅の関」、芸道に生きる芸妓(げいぎ)の姿を三味線を弾く骸骨で表現した「執念」など幅広い作品を残した。  着用は完全予約制で5000円(江戸友禅のハンカチ、手拭いの土産付き)。写真は、自身のスマートフォンなどで撮影する。館では男物、女物の着物の柄を解説したリストを作成、所蔵する全ての作品の中から着用する一着を選ぶことができる。申し込み、問い合わせは、江戸友禅館☎03(3842)2546へ。

  感動のロッキー山脈 京都で更紗作家展
京都府・手描き染め更紗作家の故青木寿恵さん(1926~2010年)の作品による「寿恵更紗の着物展」が、向日市寺戸町の寿恵更紗ミュージアムで開かれている。開館10周年を記念し、ロッキー山脈などを描いた代表作の着物などを集めた。
更紗は紀元前のインドで発祥したとされる染め文様。青木さんは、植物染料を使い、風景や花、鳥などと幾何学模様を組み合わせて手描きで創作しており、世界各地で高い評価を得た。
今回の展示では、同ミュージアムの2008年11月の開館から10年を記念し、過去の企画展で人気の高かった着物13点を選び、帯や額装も含めて計37点を並べた。1982年作の着物「カナダの夜明け」は、青木さんが飛行機から眺めたロッキー山脈に感動して描いた作品で、雪を頂いてそびえる峰に紅葉したカエデをあしらっている。11月14日まで。有料。

  ウズベキスタンの振り袖 サクラパックスが制作
富山市・パッケージメーカーのサクラパックス(高木)が、世界各国をイメージした着物を制作して国際交流する「KIMONOプロジェクト」に参加、ウズベキスタンの振り袖を作った。日本とウズベキスタン両国になじみの深い桜が色鮮やかに描かれており、橋本淳社長は「両国の多くの人に見てもらい、友好の懸け橋にしたい」と話している。
プロジェクトは、世界各国のオリジナルの着物を作り、「和の心」を発信して交流を深めようと、2014年にイマジンワンワールド(福岡県)が始めた。全国からスポンサーとなる企業などを募り、振り袖や帯を制作する仕組みで、20年までに196カ国分の完成を目指している。
同社は、ウズベキスタンにあるオペラハウス「ナボイ劇場」が、旧ソ連の捕虜となった日本兵の手によって建設されたことに着目。劇場の周辺に日本から持ち込まれた桜が植えられ、現地で春を告げる風物詩になっていることなどから、ウズベキスタンの振り袖を作ることを決めた。
制作は加賀友禅の伝統工芸士、古泉良範さんが担当。ピンクを基調として色鮮やかに仕上げた。桜がちりばめられ、ナボイ劇場も描かれている。
このほど、都内でウズベキスタンのガイラト・ファジロフ駐日大使と面談し、完成した振り袖を披露。橋本社長は「日本の文化を発信し、両国の友好関係を築くきっかけにしたい」と語った。今後は、県内でも振り袖を披露するという。
 
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