March
 
縮布の雪晒し始まる 南魚沼
新潟県・南魚沼市上十日町で雪を利用して麻織物(縮布ちぢみ)についた汚れを落とす「雪晒し」が始まった。雪上には、色や柄の違う織物の数々がさらされ、純白の世界を彩った。
雪晒しは、同市塩沢の織物会社社長中島清志さん(82)が、日々の天候を見ながら行っている。さらされるのは、国の重要無形文化財に指定される越後上布が多い。水分を含んだ布を雪上に置き、太陽光で雪が解け、布目を通して蒸発する際、布の汚れを落とすという。表面を傷つけないことから、長い間続けられている。
雪晒しをするのは自社で織られたばかりのものから客の依頼の品までさまざま。依頼品が自社の製品の場合もあり、思わぬ再開に観劇することもある。これらは着物に仕立てられ、長年愛用されたもので「里帰り」と呼ばれる。汚れた具合を見ながら、最低3日、その後は5日、7日と続け状態を見る。中島さんは「作業は雪、気温、風など自然条件を判断しながらやる。伝統技術を守るため、後継者育成にも努めていきたい」と話した。塩沢の織物 自然卿小千谷の織物

  はかま着用規制せず 名古屋市教委
愛知県・名古屋市教育委員会は、新年度以降、小学校の卒業式ではかまの着用を規制しない方針を明らかにした。1月に小学校高学年生と保護者にアンケートを行い、保護者の5割以上が「各家庭で判断すればいい」と答えたことなどが理由で、実態に応じて学校ごとに対応を検討するという。
卒業式でのはかま着用は数年前から全国で流行し、「華やかさを競い合い、家計を圧迫する」との批判が出ていた。アンケートは市内16区から小学校を1校ずつ抽出し、5、6年の児童と保護者計約3300人から無記名式で回答を得た。
アンケートでは、卒業式で着たい服装について、男子は5年の44.0%、6年の57.2%がスーツなどの「洋装」と回答。一方、女子は着物やはかまなどの「和装」が最多で、5年で49.3%、6年で49.5%を占めた。「中学校の制服」は男女計.7%だった。
保護者の約4割は「服装が華美になりすぎている」「経済的負担が大きい」と回答。ただ、今後の対応については「家庭で判断する」が52.5%だったのに対し、「市全体で一定の方針が必要」は33.9%にとどまった。関連記事

  倉吉絣新たな継承者 鳥取短大9人に修了証書
鳥取県・鳥取短大絣研究室の第30回修了式がこのほど、倉吉市福庭の同短大絣美術館で行われた。研究生3人と特別研究生6人に、松本典子学長から修了証書が手渡された。
松本学長は修了証を手渡すと「節目の30周年を迎えるのを機に、倉吉絣を継承する機運を高めたい。皆さんの研さんが雰囲気を盛り上げる要になる」と呼び掛けた。
研究生の谷口朋子さんは「初めての経験に戸惑うこともあったが、恵まれた環境で専念できた。倉吉絣を学ぶ濃密な日々は私たちの貴重な時間」と振り返った。特別研究生は、自作の着物を着て修了式に臨んだ。
同研究室修了作品展は、30日から4月1日。日本の絣

  東証マザーズへの上場のお知らせ エボラブルアジア
東京都・One Asia のビジョンをかかげ、アジアを舞台に、オンライン旅行事業、訪日旅行事業、ITオフショア開発事業と投資事業を手掛ける株式会社エボラブルアジア(港区)が、出資先である株式会社和心(渋谷区)の東京証券取引所マザーズ市場へ新規上場したことを告知した。
29日新規上場した和心は、公募・売り出し価格(公開価格)と同じ1700円の買い気配で始まった。和雑貨の販売や着物レンタルサービスを展開する。主幹事はSMBC日興証券で公募29万株、売り出し11万4000株のほか、オーバーアロットメントによる売り出し6万600株を実施した。関連記事

  織り学んだ3人に修了証書 本場奄美大島紬専門学院
鹿児島県・大島紬の織り技術者を育成する本場奄美大島紬専門学院(校長・山田伸一郎本場奄美大島紬協同組合理事長)の2017年度修了式が28日、奄美市名瀬の旧鹿児島県工業技術センター奄美分庁舎であった。1年間、織り技術を学んだ3人に修了証書が手渡され、出席者は大島紬業界や産地の将来を担う技術者の誕生に期待を寄せた。
16年度は学院生の入校がなかったため、2年ぶりの修了式。同組合事務所の同旧分庁舎への移転に伴い、本年度から会場を変更した。本年度の修了生は、奄美市名瀬の四元美保さん(45)、伊藤昌代さん(29)、大谷果歩さん(23)。
山田校長は「この1年間の経験を基礎に技術向上に努め、産地活性化に頑張ってくれると期待している」と激励し、来賓祝辞では朝山毅市長(代読)と県大島支庁の鎮寺裕人支庁長(同)が期待の言葉を贈った。
修了生を代表して四元さんが「細い糸を縦と横に合わせながら織る作業は根気のいることで、毎日が自分との戦いだった。初めて一反を織り上げた時の感激は一生忘れられない」と謝辞。優秀学院生表彰では大谷さんに奄美市長賞が贈られた。奄美大島

  総天然染料の加賀友禅 「菊桜」使い開発
石川県・金沢市の加賀友禅作家久恒俊治さん(68)が、尾山神社(金沢市)の菊桜の花だけを使って染めた加賀友禅を完成させた。化学染料は一切使われていない。北陸先端科学技術大学院大(能美市)の増田貴史助教と、染料を共同開発した。現在、フランス・パリのショールームでも展示され、注目を集めている。
全体がピンクに染められた透け感のある長さ約2㍍ルの布に、濃さが異なる桜の花がちりばめられている。「天然染料でこんなに濃い色が出るなんて、初めは信じてもらえないくらい」と久恒さんは笑う。
加賀友禅には顔料や化学染料が使われる。しかし、化学染料がない時代は植物から染料を抽出していたはず。「昔に戻ってみよう」と三年前、尾山神社に咲くヤエザクラの一種「菊桜」を使って草木染の加賀友禅づくりに取り組み始めた。
しかし、草木染は染料が入った湯の中で布を煮詰めて色づけるのが普通で、筆の先に常温の染料を付けて模様を描いただけでは色が落ちる。加賀友禅ならではの問題にぶつかった。
昨年、県産業創出支援機構から、北陸先端大で天然染料のインクジェットを開発した増田助教を紹介してもらい、共同開発することにした。色を定着しやすくする触媒を混ぜ、何度も布を染めて調整を繰り返した。ベージュがかった色が、次第に鮮やかなピンクに。初めは発色のため化学染料を数%混ぜていたが、今年一月、とうとう100%天然の染料が完成した。
今月末までフランス・パリで開催中の日本の伝統産業を紹介する展示会に、菊桜染めのストールを出展。現地の人からは、染めの美しさだけでなく「化学染料で水を汚さない」と環境の点も評価されたという。
量産が難しいため、まだ販売はしていない。「目標は草木染の加賀友禅の着物作り。模様はやはり、桜ですかね。菊桜のように物語があるものを大切に作品にしていきたい」 。
4月7、8日には、しいのき迎賓館(金沢市)前で開かれるイベント「春ららら市」で、菊桜の染料を使う加賀友禅のワークショップを開く。問い合わせは工房久恒076(251)7184。加賀友禅

  高校生モデルが練習 KIMONO PROJECT
福岡市・2020年の東京五輪に向け、世界各国を表現した着物を作る「KIMONOプロジェクト」で、九州各県の高校生がモデルとなるファッションショーの練習が始まった。佐賀県や福岡県から集まった高校生モデル約40人が、プロのモデルから姿勢や歩き方などの指導を受けた。
若い世代に着物文化を再確認してもらうことや、平和な世界を願って行われる。九州各県の高校生100人がモデルとなり、各国をイメージして作られた着物に身を包み、着物を通して国の魅力を発信する。
練習は全4回行い、ショーは4月29日、福岡県久留米市の久留米シティプラザで開かれる。

  和装で博多歩く楽しさ語る 博多区でフォーラム
福岡市・和装で博多の町並みを歩こう。そんなフォーラムが25日、福岡市博多区の日本庭園「楽水園」で開かれ、着物は初心者という人から、毎日着る人までの4人が、和服を着る楽しさや外出先などについて意見交換した。
観光名所などに着物で集まるイベント「キモノでジャックin福岡」元代表の美林直樹さん(46)は、体の太さが変化しても着物であれば、着続けられる利点を紹介。「好きな柄だと何年でも着られる」と語った。着物で外出するとよく話し掛けられるというのは、日本初の試着専門の着物店「KIMONO MODERN」社長の濱田友紀子さん(42)。「コミュニケーションが楽しいし、花柄や水玉など派手な柄でも大丈夫」。落語を披露した市出身の男性落語家、林家はな平さん(33)も急きょ登壇。この日は女性用の着物を身に付けており、「柄が多いし着物だとこういう着方もできる」と語った。
着物を着たのはこの日が3回目という中嶋敬介さん(48)は、秋のイベント「和の博多」を主導する博多まちづくり推進協議会事務局長。博多区上呉服町など寺が多い町並みに和服が似合うと指摘し、「賑わいづくりのためにも大切」と話していた。 官民組織「博多みらいネットワーク」などの主催。

  小学校保護者4割が卒業式の服華美すぎる 名古屋市教委が調査
愛知県・小学校の卒業式に適した服装のあり方について、名古屋市教委は、児童と保護者を対象にしたアンケート結果を発表した。男子は洋装、女子は和装が人気だったが、保護者の4割超が最近の服装について「華美になりすぎ」「経済的負担が大きい」と答えた。
近年、小学校の卒業式で着物を着用する風潮が広まり「費用が高額で、着られない子が寂しい思いをする」などの懸念も出ている。これを受け、市教委は今年1月に各区1校の小学生5、6年生と保護者を対象に無記名の調査票で調査。児童1751人、保護者1574人から回答を得た。
児童が着用したい服装は、スーツ、ドレスなど洋装が42.3%、着物、はかまなど和装が34.1%。男女別では、5、6年女子はいずれも半数近くが「和装」と答えた。
服装について保護者に「華美になりすぎているか」「経済的負担が大きいか」を問うと「そう思う」がそれぞれ44.6%、45.2%を占めた。今後の対応は「家庭で判断」が52.5%、「保護者と学校で話し合って判断」「市全体として一定の方針が必要」は、それぞれ3割強だった。
市教委の担当者は「今後の対応として、市全体で一律的に規制することなく、学校ごとの実態に応じて対応を検討する」と話した。関連記事

  KAWASAKI Kimono Walk かなまら祭
神奈川県・4月1日開催の子宝や商売繁盛を祈る金山神社(川崎市大師駅前)の例祭「かなまら祭」が、今年はJR川崎駅東口で複合商業施設を運営するチッタエンタテイメントのイベントと連動して開かれる。祭りには例年多くの人が訪れるため、夕方以降も飲食を楽しんでもらおうとの試み。
きっかけは昨年、市内で開かれた黒岩祐治知事との対話集会。金山神社のある若宮八幡宮の前宮司中村紀美子さん(71)が祭りを、チッタ常務でプロモーション本部長の土岐一利さん(54)がカワサキハロウィンをそれぞれ紹介。2人は「一緒に何かできたら」と盛り上がったという。
また、チッタが主に外国人観光客向けに昨年6月始めた着物で街歩きを楽しんでもらう「KAWASAKI Kimono Walk」も3月31日・4月1日同時開催される。参加費4千円で、着付け、ヘアアレンジ、小川町バルのリストバンド付き。
着付け時間は両日とも午後2時~5時の間で選べ、午後10時までに返却する。申し込みは、着付け会場のホテル&ホステル「オンザマークス」☎044(221)2250。27日締め切り。

  原始布・古代織展 仙台で手業の美
植物繊維や樹皮から糸を紡いだ縄文・弥生時代以来の手業の美を紹介する「原始布・古代織展」が4月6~10日、仙台市青葉区のせんだいメディアテーク5階ギャラリーで開かれる。
米沢市の原始布・古代織参考館の主催。9回目となる展覧会の目玉は型染め職人田中昭夫さん(埼玉県川口市)と絞り作家菅原匠さん(東京都大島町)の藍染め作品。帯やのれん、タペストリーなど計30点を展示する。
参考館が所蔵している明治時代のコウゾを原料とした紙布や、シナ布やイラクサ布、カラムシ布などの布地や着物、ショール、バッグなど約250点も出品する。繊維をより合わせてつなぎ、長い糸にする「糸績いとうみ」の実演もある。
1986年に開館した参考館は、40年以上前から収集してきた古代布に関する貴重な資料を多数所蔵。展覧会会場でも一部資料を公開する。
山村幸夫館長は「古代布の藍染めは木綿など他の布地に比べ非常に難しい。2人の熟練の技を堪能してもらいたい」と話す。入場無料。連絡先は参考館0238(22)8141。古代布
 幻の工芸織物 藤布
  売り上げ復興支援に 訪日客に中古着物販売
山形県・酒田市の有志でつくる「酒田着物プロジェクト」が25日、宮城県南三陸町の福興市を訪れ、インバウンドに販売した古着の着物の売り上げなどを寄付する。東日本大震災の被災地支援、着物の有効活用、外国人旅行者への日本文化の発信を目指し、メンバーは「一石三鳥」の取り組みに力を入れる。
プロジェクトは、震災直後から南三陸町の商店街を支援してきた酒田市中通り商店街と、ボランティアの仲間が2016年3月に始めた。
家庭に眠っている着物の提供を呼び掛け、チャリティー販売会を年2回開催。売り上げを福興市実行委員会に贈り、運営を後押ししている。
東北地方の観光事業者などで構成する「みちのくインバウンド推進協議会」(酒田市)が今年2月、タイ人を対象に仙台空港を利用した第1弾のツアーを実施。イベントの一環で、プロジェクトは初めて外国人旅行者向けの販売会を市内のホテルで開いた。
来場したタイ人は178人。着物のほか帯、小物など150点を展示し、有料の着付け体験もあった。首都バンコクから訪れたペトピモル・ピントンさん(39)は「着物を着たのは初めて。とても絵柄がきれいで気に入った」と大喜びで記念撮影をしていた。
25日にメンバー8人が持参する売り上げなど20万円の中には、被災地支援の趣旨に賛同したタイ人からの寄付も多く含まれる。
プロジェクト代表の佐藤幸美さん(56)は「タイの皆さんが震災を心に留め、協力してくれたことに感激した。取り組みを続けて着物文化を広める一方、震災の風化防止にも貢献したい」と話す。

  小倉織再生 築城則子氏が縞の魅力現代に
福岡県・縦の縞模様は時に空間を引き締め、時に着物や雑貨を艶やかに彩る。
江戸時代から明治にかけて全国に広まった後、昭和初期に途絶えた「小倉織」を、染織家・築城則子さん(65)が1984年に復元。現代の暮らしや都市デザインに合う織り方と染め方を編み出した。手織りの工芸作品や「小倉 縞縞」ブランドの生地製品、建築装飾などを通じて国内外に縞の魅力を発信している。
小倉高校で校内紙を編集するうち、ジャーナリズムに関心が湧く。早稲田大文学部に進むと演劇科で能楽の研究に没頭。能舞台を見続けるうち、演者の静謐せいひつな動きを支える能装束に目を引かれた。大学をやめ、織物の世界に飛び込んだ。
当時、北九州にあった染織研究所で基礎を学び、様々な産地を訪ねた。影響を受けたのが沖縄県久米島の久米島紬。糸を作り天然の草木で染め、かすりを作り織っていく。全ての作業をこなすおばあさんの下に民宿に泊まりつつ通い続けた。
染織家として歩んでいた30歳のころ、北九州市の骨董品店で小倉織の端切れを見つけた。普通の織物は縦糸と横糸を同程度の割合で編み、両方の糸の色が混ざった生地になる。手にした小倉織は色あせない縦じまと滑らかな触感が特徴。「こんな生地を作りたい」。試行錯誤が始まった。
現代的なデザインを支えるのは、草木染で追求してきた多数の色糸を組み合わせたグラデーションだ。「梅や桜でも生命の力を蓄えたつぼみの頃に煮出すと、糸を鮮やかに発色できる」。同じ紫でも数10種類そろえ、微妙に色あいの異なる糸を並べて立体感のある縞に仕上げる。
日本伝統工芸染織展への出展や銀座・和光ホールでの個展を通じて和装の卸や店の間で評判となり、近年は機械織りにも挑戦。量産によってアパレルやインテリアの世界に進出した。2016年には建築家の白川直行氏と世界的なデザイン展示会、ミラノデザインウイークにてミラノ大学で空間装飾を披露した。
30~40代の弟子が工房を構えるまでに巣立った今、新たな生産体制やブランド戦略の検討を始めている。手織りと量産化の技術をそれぞれ磨きながら、小倉織をどう進化できるか。築城さんの視線は縦じまのように先をまっすぐ向いているようだ。北九州市で遊生染織工房主宰。

  伝統に作り手が新風 秋田八丈
新風を吹き込むのは奈良田登志子さん。2006年に北秋田市に工房を開設(ことむ工房=北秋田市)し、秋田八丈の作り手として活動をしている。
八丈とはかつて着物の単位として使われていた。それが転じて絹織物のことを指すようになった。有名なのは八丈島の「黄八丈」だが、江戸時代には各地でさまざまな八丈が誕生。このうち、奥州伊達と上州桐生から技術を導入して生まれたのが秋田八丈。植物染料で染め上げ、基本は黄、とび、黒の3色。鳶色は秋田独特の染料でハマナスを使っている。また、大きな格子柄やしま柄に特徴を持つ。
奈良田さんの八丈は、鮮やかな色合いに挑戦するなど、伝統に現代の感覚を吹き込んでいる。そのことは掲載写真の織物が表現している。北東北の織物は珍しく、そのひとつである秋田八丈が彼女のセンスで受け継がれていくのは喜ばしいことだ。黄八丈

  製糸場の魅力一冊に 富岡市
群馬県・世界文化遺産、富岡製糸場の魅力をより多くの人に伝えるため、富岡市は「富岡製糸場ブランドブック」(A4横開き、144頁)を作った。市役所で23日、記者発表し、編集や構成を手掛けたアートディレクターの副田高行さん(68)が「見学者の目線で、なるべく分かりやすく優しい文章で仕上げた」と狙いを説明した。
3部構成。1部では製糸場、2部はカイコ、3部はシルク製品を中心に紹介した。フォトグラファーの藤井保さんが撮った製糸場などの写真や、コピーライターの照井晶博さんのキャッチフレーズを随所に使用。副田さんの仕事上の縁で、着物を着た女優、吉永小百合さんが登場する場面もある。表紙は製糸場の赤れんがをイメージしたとしている。

  和装婚を世界へ フィリピンで着物パーティー
大分県・大分、佐伯両市とタイでエステ店を経営する秋元早苗さん(57)=佐伯市=は、和装ウエディングの魅力を海外に広める活動に取り組んでいる。個人的に親交の深いフィリピンを拠点に着物パーティーを定期的に開催。「日本の伝統文化を伝え、インバウンドの増加につなげたい」と意気込んでいる。
秋元さんは日本人学校教師として派遣された夫に帯同し、1990~93年にフィリピンで過ごした。在留中に知り合ったフィリピン人は親日家が多く、すぐに打ち解けたという。帰国後も交流を続ける中、フィリピン人が着物、寿司といった日本の伝統文化に深く関心を持っていることを知った。「せっかくできたご縁を両国の経済交流に生かしたい」と考え、着物パーティーの開催を思い付いた。
昨年5月から計3回のパーティーを企画。ロータリークラブの会合や子供向けのチャリティーショーなどのひとこまで、白無垢や色打ち掛けなどの伝統的な婚礼衣装を現地人モデルらに身に着けてもらい、ファッションショー形式でアピール。会場では佐伯の城下町で撮影した前撮りの様子を紹介したり、観光ブースで「佐伯すし」や乾シイタケなどの特産品の情報発信にも努めた。
最終的な目標は、城下町の風情を生かした和装ウエディングを佐伯観光の目玉の一つにすること。現地の旅行会社を通じた売り込みも進めており、問い合わせもきているという。「日本人の和服離れが進んでいるが、外国人にとっては新鮮で魅力的に映る。日本でしかできない貴重な体験を多くの外国人に広めたい」と話している。

  秩父銘仙を着て卒業式 秩父市立南小学校
埼玉県・秩父を代表する絹織物「秩父銘仙」。大胆でモダンな柄で大正から昭和初期までおしゃれな普段着として流行し、国の伝統工芸品にも指定されている秩父銘仙を卒業生や教師が着て臨む卒業式が23日、秩父市立南小学校で行われた。
銘仙を着ることで秩父の伝統産業への理解を深めてもらい、銘仙の振興につなげたいと、同市地域おこし協力隊の関川亜佐子さん(35)らが企画した。
卒業生28人と教員2人が、女子は秩父銘仙にはかま姿で、男子は秩父しまの着物姿で臨んだ。いずれも学区内にある「ちちぶ銘仙館」が所蔵する着物などで、一部は帯や小物などと共に市民から寄贈された。児童らの着付けは約10人のボランティアが手伝った。
卒業式を終えた辺見茉愛さん(12)は「すてきな着物で、着心地も良かった。心に残る卒業式になりました」と話した。

  女子全員着物で卒業 丹後ちりめん産地
京都府・丹後ちりめんの産地、与謝野町岩滝の岩滝小では22日、卒業生50人のうち、女子児童全員が華やかな着物やはかまを身に着けて式に臨んだ。
同町婦人会が毎年、町内の児童に着付けを行っており、同小と山田小ではこの日、ピンクの着物と紫のはかまを提供し着付けした。
式辞で三田博美校長は「中学生になっても自分自身を磨き続けてください」と言葉を贈った。卒業生は声を合わせ、感謝の気持ちを先生や在校生らに呼び掛けた。
後藤心海さん(12)は「みんなできれいな着物を着て卒業することができ、とてもうれしかった」と話した。丹後ちりめん

  小学校卒業式に「はかま」ブーム 予約急増
東京都・小学生が卒業式にはかま姿で出席することが流行している。女子大学生が着るのは定番だが、和装の主人公が活躍する漫画の影響などで、小学生の間にも広がった。卒業生の半数超がはかま姿の学校もあるという。
江東区の写真館運営のタジオアリス。「夢だったはかまを着られてうれしい」。3月中旬、豊洲店で同区の女子児童(12)が鮮やかなピンクの振り袖を広げ、笑顔をみせた。この日は卒業記念の写真撮影。「式本番が楽しみ」。児童は卒業式にもはかま姿で出席するという。
同社は2014年から一部の店舗で小学生向けはかまレンタルと写真撮影サービスを始め、18年に約500店に拡大。競技カルタをテーマにし、映画化もされた漫画「ちはやふる」の影響で人気に火が付いたという。
台東区の貸衣装業「浅草レンタル着物 小梅」は18年の予約数が昨年の2倍にアップした。濃い緑のはかまが人気で、卒業式当日の早朝に店で着付けをし、学校に送り出す。3月は試着客が1日30~40人ほど訪れて大忙し。桑原喜代子社長は「気軽に上品にはかまを楽しんで」と笑顔で客を迎える。
他府県の衣装レンタル業者も、近年は半数超がはかま姿という学校もあるほどの大ブームになっているという。
ブームの一方で、レンタル料を払えない児童がいじめの対象になりかねないとの懸念から、自粛を呼びかける動きも出ている。
専門家の見方も割れる。文化学園大の近藤尚子教授(日本文化論)は「成人式や七五三など通過儀礼と衣服は密接に結びついている。卒業式を機に日常的に着物に親しんでもらいたい」とブームに肯定的。関西大の山県文治教授(児童福祉学)は「大学などと異なり小学校は義務教育。どんな児童でも参加しやすい形で行うべき卒業式では、高額で華美な服装は望ましくないのではないか」と話した。

  伊勢市駅前にレンタル着物店 和装で参拝
三重県・オープンして2カ月がたった着物レンタル店「椿姫」(伊勢市)。オーナーの野口祐子さんは、安土桃山時代をテーマにしたテーマパークの伊勢・安土桃山文化村(二見町)で客を殿や姫、侍などに変身させるサービスの着付けを約3年間担当し、素早くきれいに着付ける術を身に付けたという。
店内には、着物約100着、帯約60本、それに合う草履やバッグなどの小物類などを取りそろえる。野口さんは「予約して来店して着物を選んでいただければ髪飾りなども含めて10分~20分で着付けさせていただく。伊勢市駅下車してすぐの場所に店舗があり大きな荷物も預かるので、外宮、内宮や別宮など、まる1日ゆっくりと着物で参拝していただけると思う」と話す。
「若い人たちに日本の文化、着物の素晴らしさを知ってほしくて店をオープンさせた。伊勢から少しでもその素晴らしさを発信することができれば。正式参拝の正装も着付けさせていただくので相談いただければ。」とも。問い合わせは同店☎050(3555)3289。

  年々縮小が続く・・・ 呉服市場
矢野経済研究所によると、2017年の市場規模は推定2760億円と08年(4065億円)から3割以上減少。
着物を着る機会が減少し、訪問着や留袖を中心に需要が減り続けているという。
通信販売やリサイクル販売は好調だが、低価格帯に人気が集中し、業界全体は苦戦が続く。
全国の呉服店などでつくる日本きもの連盟会長の奥山功さんは「着物が生活の中からどんどん消えていく」とため息。「先祖から続く文化の継承のためにも、小さなお子さんが興味を持ってくれるのはとても喜ばしい」と話した。

  それぞれの成人式 着物で祝う
京都府・「それぞれの成人式」が21日、京丹後市の道の駅・丹後王国「食のみやこ」であった。京丹後よさこい連が七五三、十三参り、古希、米寿などの人生の節目を着物で祝おうと呼びかけ、親子ら20人が丹後ちりめんの着物姿で参加した。
田村喜代子さん(73)は孫の真那さん(11)と一緒に登場し、「着物を着ると気持ちが引き締まります」と話していた。
「京丹後よさこい連」は、結成して7年の踊り子チーム。京丹後市の美しい景色が歌詞になっている京丹後音頭に合わせて元気に踊る。同時に、丹後ちりめんの衣装を身に着けて京丹後市と丹後ちりめんをPRする。「踊る人も見る人も元気になってもらえる様に、活動しています」とメッセージ。丹後ちりめん

  花と着物のイベント パセオ通りはな祭り
花と着物のイベント「第4回パセオ通りはな祭り」は4月8日午前10時から、福島市のパセオ通りで開かれる。午後4時まで。有志でつくる実行委員会の主催。
同市の花の名所・花見山の観光シーズンに合わせて開催。同通りに県内の飲食店12店がキッチンカーを出店するほか、出店店舗と同通り沿いの店舗でスタンプラリーを実施。スタンプを集めると生花がもらえる。
着物の着付け・レンタルのサービスもあり、着物姿で祭りを楽しめる。料金は千円で、定員は100人。希望者は事前にNPO法人福島ライフエイドのホームページから申し込む。問い合わせはサイトウ洋食店内の実行委員会☎024(521)2342へ。

  京都「ミスきもの」 4人選出
京都市・市が定めた「伝統産業の日」の21日、京都や和装の魅力を発信する「2018京都・ミスきもの」の発表が左京区の京都コンサートホールであった。メンバーに選ばれた4人が、あでやかな着物姿で意気込みを語った。
京都織物卸商業組合などで組織する開催委員会の主催。京都府内に在住、通勤、通学する18~30歳の未婚女性を対象に募集した。今年は166人の応募があり、1次選考を通過した20人がこの日の本選考に臨んだ。
ミスきものに選ばれたのは、いずれも会社員の平田あさ美さん(30)=東山区=と森美咲さん(25)=向日市=、京都女子大3年坂元美友さん(21)=大津市=、同志社大2年谷村栞里さん(20)=上京区=の4人。谷村さんは「『着るアート』である着物の魅力をたくさんの人に伝えたい」と抱負を語った。
この日は、京都市交響楽団の演奏を和装などで楽しむ「きもの de 彩コンサート」も催された。

  あでやかに散策 城下町村上
新潟県・4月3日まで村上市中心部で開かれている「町屋の人形さま巡り」に合わせて、開催地周辺を着物で歩くイベントが20日、始まった。参加者はあでやかな着物を身にまとい、城下町村上をぶらりと散策していた。
同市の商店主らでつくる「村上町屋商人会あきんどかい」が初めて企画。村上市大町のカフェ「そらて小町」で開かれた開幕式では、実行委員長代理の黒田景弘さん(31)が「村上の誇る町屋と着物がどれだけマッチするか楽しみ。雰囲気を楽しんでほしい」とあいさつした。
この日は着物姿の男女約20人が集まり、町屋造りの建物が並ぶ小町から寺町に抜ける「安善小路」をそぞろ歩いた。黒塀が続く通りをバックに記念撮影したり、浄念寺や十輪寺に立ち寄って風情を楽しんだりした。
長崎県から参加した吉岡慶子さん(23)、優希さん(20)姉妹は「着物を着るのは成人式以来。まるで昔の時代にタイムスリップした気分。黒塀通りは迫力があってよかった」と笑顔で話した。
着物イベントは4月3日まで。着物で立ち寄ると商品の割引サービスなどを受けられる「町屋の人形さま巡り」の参加店もある。着物のレンタルや着付けに関する申し込み、問い合わせは美術・骨董加賀☎0254(52)3222。

  すきすき紬デーで巾着作り 奄美大島
鹿児島県・紬小物作り教室(本場奄美大島紬産地再生協議会主催)が20日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬会館であった。奄美市や大和村、龍郷町から参加した女性10人がものづくりの楽しさを味わった。
すきすき紬デー(毎月15日)にちなんだ取り組み。本年度は泥染めや着付け体験などが行われ、最終講座は愛好家から人気の高い手芸教室を企画した。
参加者は同市名瀬の貴島ひとみさんの手ほどきを受け、紬の端切れを使った巾着作りに挑戦した。柄と巾着ひもの色合わせにも気を配りつつ、和気あいあいと製作に取り組んだ。
紬小物や洋服作りが趣味という同市名瀬の大平寿美子さん(69)は「自宅で復習したい」と話し、同市笠利町の藤田睦美さん(61)は「自分で作ったものは愛着が湧きます」と笑顔を見せた。
同協議会の担当者は「初参加者優先で募集したが、定員の倍の問い合わせがあった。来年度も引き続き企画したい」と語った。奄美大島

  人間国宝松枝さん作品展 大木町の生家
福岡県・大木町出身で久留米絣の重要無形文化財(人間国宝)保持者松枝玉記さん(1905~89)の作品展「絣の花を咲かせましょう~松枝玉記の世界」を同町笹渕の生家で開いている。「花」をテーマにした着物20点や、大正-昭和の布資料30点を展示している。22日まで。入場無料。
松枝さんは、大溝村(現大木町)の久留米絣の機屋はたやの3代目として生まれ、旧制八女中学を卒業後、本格的に織りを始めた。普段着や農作業着だった久留米絣が高級織物としての需要が高まった戦後、淡い青色を出す「淡藍」や、糸を染め分けて機にかけ、絵を織り込む「絵絣」など高度な技法を取り入れ、久留米絣のイメージを一新させた。
松枝さんの孫で、久留米絣技術保持者会長の哲哉さん(62)と妻の小夜子さん(61)が生誕113周年を記念し、初めて企画したもの。
工房では織機での機織り体験もできる。哲哉さんは「大木町がかつて久留米絣の一大産地だったこと多くの人に知ってほしい」と話している。久留米絣

  「はれのひ」後遺症 松本梨香さんが新成人招待
神奈川県・はれのひが今年の成人の日直前に突然営業を取りやめた影響で、振り袖姿で式に出られなかった人らを元気づけようと、同市出身の歌手・松本梨香さんが4月1日、南区でコンサートを開く。「みんなを少しでも笑顔にしたい」と、被害の有無にかかわらず新成人は無料で招待する。
家でテレビを見ていると、はれのひの被害を伝えるニュースが繰り返し流れていた。一生に一度の晴れ舞台を台無しにされた人が大勢いることを知り、応援するコンサートをやろうと決めた。
父が大衆演劇の座長をしていたから、着物は常に身近にあった。正月は必ず身に着け、成人式も振り袖姿で出席し「懐かしい面々と会えて、お祭りみたいで楽しかった」と振り返る。それだけに、はれのひの対応に「こんなことがまかり通っていいはずがない」と憤りを隠さない。「着物にまつわる嫌な記憶をコンサートで楽しい思い出に塗り替えてもらえれば」と力を込める。
「上を向いて歩こう!~つなげよう!日本伝統文化~」と題したコンサートは市南公会堂で午後4時開始で定員400人。若い世代に楽しんでもらおうと、新成人に加え、20歳以下限定の無料席を最大で300人分用意する。希望者は専用サイトから申し込む。希望者多数の場合は抽選。問い合わせは実行委員会☎045(228)7743=へ。関連記事

  マレーシアの着物お披露目 久留米市役所
福岡県・2020年の東京五輪に向け、世界196カ国を表現した着物を作る「KIMONO PROJECT」の一環で、久留米高校英語科の2年生たちが図案を考えたマレーシアの着物が21日、久留米市役所で披露された。色鮮やかに仕上がった京友禅の振り袖に、大勢の人が見入った。
世界の着物づくりは、同市の一般社団法人イマジンワンワールド(高倉慶応代表理事)の呼びかけで、全国で取り組みが広がる。
久留米高の活動は昨年4月から。マレーシアの文化、歴史を調べ、国を象徴する絵柄を考えた。図案をもとに京友禅「タケハナ染匠」の竹鼻進代表(京都工芸染匠協同組合理事長)が昨年12月から制作に着手。今月できあがった。
完成した振り袖は、白が基調。マレーシア国旗にならって星と月、赤白のしま模様を採り入れ、超高層ビルなど現代的な意匠も折り込んだ。40個ちりばめたハイビスカスは、クラス全40人の結束の象徴だ。
お披露目イベントでは、マレーシアを含む10カ国の着物を展示。生徒が来場者への解説役を務めた。トークショーでは、制作者の竹鼻さんが「17歳の感性を反映させることを意識した。着物こそ、動く日本の伝統工芸の代表という思いで制作した」と振り返った。生徒の道崎真愛さん(17)は「高校生の私たちが、一つの国の着物を代表して作ることに責任の重さも感じた。1年間の制作を通じて、世界とつながることができました」。
4月29日には久留米市で、完成した100着の着物を披露するファッションショーがある。久留米高生20人もモデルを務める予定だ。

  ミスユニバース埼玉のファイナリスト5人 川越市長を表敬訪問
埼玉県・2018年の「ミスユニバース埼玉」でグランプリに選ばれた岡嶋彩さん(21)らファイナリスト5人が15日、川越市の川合善明市長を表敬訪問した。
ファイナリストは久喜市の岡嶋さん(左から3番目)のほか、東秩父村の高野璃奈さん(25=左5)、川口市の大谷美絵さん(18=左2)、さいたま市の青木友絵さん(27=左1)、同市の中西華菜さん(24=左6)。
川越市が県内有数の観光地で、青木さんの祖父母が同市内に住んでいる縁もあり、今回の表敬訪問となった。
「昨年夏、友人と浴衣を着て蔵造り通りを散策した。楽しかった」と岡嶋さん。祖父母の家によく遊びに来たという青木さんも「歴史があり、着物が似合う街」。5人のファイナリストは「すてきな川越をPRしたい」と口をそろえた。
  県の伝統工芸興味持って 金沢
石川県・後継者不足により存続が危ぶまれている県内の伝統的な工芸品6種類計約200点を紹介する企画展「稀少伝統工芸 いしかわの宝物」が、金沢市兼六町の県立伝統産業工芸館で開かれている。26日まで。
同展では、
細工や加賀竿、加賀染小紋など、作り手が激減した県内の工芸作品を、作者のメッセージや、制作に使われる道具などとともに紹介している。
中でも、加賀染小紋の制作に携わるのは、現在では、金沢市に住む坂口幸市さん、裕章さんの親子だけ。展示場には、
緻密な模様と、上品な色合いを兼ね備えた加賀染小紋の着物の生地が置かれ、訪れた人たちの目を引いていた。
同館の企画・広報担当の中谷真理子さんは「県内には多彩な伝統工芸があるが、高齢化などにより担い手は減っている。この展示を多くの人にみてもらい、興味を持ってほしい」と話した。
1階は入場無料。表具がある2階の入館料は18歳以上260円、65歳以上200円、17歳以下100円。問い合わせは同館☎076(262)2020)へ。加賀友禅

  新規公開株 株式会社和心
東京都・社名は和心わごころ。かんざしなどの和装小物の販売と着物レンタルを手掛ける。本社は渋谷区、代表取締役社長は森智宏
小物販売は自社のデザイナーが企画し、製造、販売まで手掛ける製造小売業の形態をとる。観光地を中心に店舗を運営し、顧客の3割程度が外国人観光客となっている。旅行者の旺盛な消費を背景に、2018年12月期の単独業績は売上高が前期見通し比4割増の35億円、税引き利益は4割増の2億1300万円を見込んでいる。
主力ブランドは「かんざし屋wargo」で、かんざしは月間2万2000本ほどを販売。平均単価は5000円程度だ。京都などで観光客向けに手掛ける着物レンタルはインバウンド需要に応えるため、ウェブサイトで12カ国語で対応する。上場資金を活用して店舗数を今期末までに82店と、17年12月末時点の55店舗から増やす。ITインフラのシステム投資にも充てる。

  「丹後ちりめん調べたよ」 網野南小
京都府・丹後ちりめんフェスティバルが19日、京丹後市の網野南小であった。4年生35人が1年かけて丹後ちりめんの歩みを調べ、発表した。全員が地域の住民たちの協力で丹後ちりめんの着物姿。最後にファッションショーをして盛り上がった。
4年生は昨年度、「地域のお仕事名人」をテーマに職人たちを訪ねて話を聞いた。その時、丹後ちりめんの「すごい技」を持った職人が身近にいることを知り、今年度のテーマを丹後ちりめんと決めた。
子どもたちは絹糸が蚕から生まれることを知り、実際に蚕を飼い、繭から糸引きをした。職人たちから話を聞くと、長年、地域経済を支えてきた産業だったが、最近は生産量が減り、担い手の高齢化が進んで後継者が少ない厳しい現実があることがわかった。
子どもたちが着た丹後ちりめんの着物は、「丹後ちりめんの文化と歴史を学習し体験する会」と網野町の住民たちが提供した。
同会が間人小たいざしょう(京丹後市)の子どもたちに着物を提供しているのを小林雄太教諭(35)が新聞報道で知り、協力を依頼した。丹後ちりめん

  着物ファッションショー 十二単なども
福島市・アクティブシニアセンター・アオウゼは21日午後1時30分~同3時30分、同施設で「アオウゼから元気発信!着物のファッションショーで体も心もハツラツ!」を開く。入場無料。
民族衣裳文化普及協会の協力により、「思い出の着物」、「年中行事の着物」、音楽に合わせて留め袖の着付けから帯締めまでを見せる「華の舞」、十二単などの「王朝装束」の4部に分けてショーを行う。公募で選ばれた一般の人が出演するステージもある本格化しているハクチョウの北帰行。問い合わせは同施設☎024(533)2344)へ。
同協会の三浦喜美子福島支部長、同施設サポーターの菅野久子さん、渡部京子さんは15日、福島民友新聞社を訪れ、「日本古来の文化である着物の良さを知り、興味を持ってもらえれば」と来場を呼び掛けた。

  昔の風情体感 白壁の町柳井
山口県・歴史ある通りで昔の風情を体感してもらう催し「やない白壁花香遊」が18日、柳井市中心部の白壁の街並みで開かれた。着物姿の来場者も目立ち、通りは華やかだった。
市観光局協会が主催し15回目。香木の香りをかぎ当てる「お香遊び」、扇を的に当てて競う「投扇興」などの昔の遊びの体験会が行われたほか、商家の店先では、端切れで作った小物やおはぎ、」せんべいなどが販売された。
下松市から着物で訪れた女性は「初めて訪れたが、和服によく合う町並みですね」と楽しんでいた。

  京都に文化庁移転PR 創成本部職員
京都市・文化庁の京都移転を広くPRしようと、先行組織として昨年4月に設置された「地域文化創成本部」(東山区)が、高台寺公演(同区)で観光客らにパンフレットを配布した。
東山区で18日まで開催された「京都・東山花灯路」に合わせ、和服姿でパンフレット700部を配布。移転の経緯や目的を書いたパネルも並べ「文化庁が京都に来ます」とアピールした。
滋賀県大津市から訪れた会社員の福本明子さん(34)は「せっかく京都に来るので、日本人、外国人を問わす、日本文化を効果的に発信できる組織になってほしい」と話していた。
文化庁は、2021年度までに京都府警本部本館(上京区)への全面的な移転が決定。国会対応など1部業務は東京に残るが、京都を拠点に大学と連携した調査拳銃や、文化による地方創成などに取り組む。
地域文化創成本部の松坂浩史事務局長は「京都市外ではまだまだ移転が知られていないと思う。もっと機会を作ってアピールしていきたい」と話した。

  大島紬「西郷星」のネクタイ 城山観光ホテル
鹿児島市・明治維新150周年を機に、大島紬の職人らが新しいデザインとして制作した「平成西郷星」のネクタイの販売が、16日から始まった。鹿児島市の城山観光ホテル内で展示、注文を受け付けている。売り上げの一部は大島紬職人の後継者育成に充てられるという。
1.5㌢四方の中に星がきらめく「平成西郷星」の図柄は、西南戦争があった1877(明治10)年に地球に大接近した火星が「西郷星」と呼ばれたことにちなんだデザイン。本場大島紬鹿児島地区伝統工芸士会長の重田茂和さん(58)=鹿児島市=が、大島紬伝統工芸士の有志や西郷隆盛のひ孫の西郷隆文さん、西郷隆夫さんらと制作した。
一般に着物を着る機会が減り、産業として苦戦が続いている大島紬。今冬に織り上がった生地を使い、「身近に着けられるアイテム」としてネクタイに仕立てたという。関連記事

  真岡の魅力マップ 桜の名所など加え拡充
栃木県・真岡市観光協会は、市内の名所旧跡や地元グルメを紹介する「桜みちくさマップ」をリニューアルした。県やJRグループなどが展開する大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」(4月1日~6月30日)に合わせ、内容を充実させた。
新しいマップは、「真岡の1万本桜まつり」(3月24日~4月22日)期間中の桜の名所を紹介している。満開の桜の「トンネル」と、菜の花畑の「じゅうたん」の中をSLが走る真岡鉄道北真岡駅周辺や、約200本のソメイヨシノが両岸を彩る行屋川などを載せている。
DCに向けては、伝統の真岡木綿を着て、古い街並みの門前町を散策する「真岡もめん着物DEまちあるき」などの企画を取り上げている。
マップは1万部作製し、市内の公共施設やホテル・旅館などに配布した。真岡木綿

  加賀百万石の伝統美展 倉吉
鳥取県・倉吉市新陽町の呉服専門店エスプリ・ドゥ・フルールで「加賀百万石・伝統のものづくり展」が開かれている。来店者は、芸術性の高い美しい着物や精密な細工に見入っていた。19日まで。
着物文化を身近に感じてほしいという同店のモットーに基づき企画した。染め物の加賀友禅をはじめ、精緻な刺しゅうが施された加賀繍かがぬいや金箔をあしらった金沢箔の着物、水引を美しく加工した水引細工など石川を代表する伝統工芸品を展示即売している。
同店の土路生健治会長は「加賀の伝統工芸を担う職人が激減している。伝統文化を守っていくため、その美しさを知ってほしい」と話した。
加賀友禅
  幻の西勝ちりめんを再現 滋賀の岡田さん
滋賀県・長浜市で生産される着物地の最高級品「浜ちりめん」の一種で、大正初期まで作られた「西勝ちりめん」を県東北部工業技術センター(市)が再現した。一般的な浜ちりめんに比べ、薄地なのが特徴。開発した工学博士でセンター主査の岡田さん(36)は「薄地は使い勝手がよく、新たな商品づくりの可能性が広がる」と話す。
浜ちりめんは「しぼ」と呼ばれる生地表面の凹凸で知られ、使う糸の太さや、よりをかける回数、糸の配列などで種類が細分化。「京都の西陣に勝つ」との命名説もある西勝ちりめんは、文献で存在自体は確認されていたものの、製造方法の詳細が不明な“幻の浜ちりめん”だった。2017年度、同センターが繊維産品のブランド化事業を始めたのを機に、岡田さんが復活に向けて本格調査に着手。長浜や京都で現物が見つからなかったことから、明治期や大正期の文献を中心に調べていった。
その結果、一反当たりの生地の重さや幅、使う縦糸の量などが判明。「しぼ」の風合いの決め手の1つとなる横糸の太さの把握は難航を極めたが、西勝ちりめんが肩掛けや袱紗(ふくさ)など薄手の商品に使われていたことを突き止め、細い糸を使った。
昨秋、地元の機屋の協力で生地を試作し、浴衣用の帯を開発。京都府内で開いた浜ちりめんの見本市で発表したところ好評だった。
もっとも、商品化はまだ先になりそう。岡田さんは「緯糸に撚りをかけ過ぎて、想定よりも生地が固くなった。現時点では生産性も悪い」と説明。開発後に、緯糸にかける撚りの回数に関する新たな情報が分かり、改良の余地が残るという。
浜ちりめんは昭和3、40年代に最盛期を迎えた後、着衣の洋装化で苦戦。現在は、地元の浜縮緬工業協同組合やセンターが消費拡大を図っている。
岡田さんは「まずは帯の製品化を目指す。西勝ちりめんの製造技術を確立すれば、高級和装以外の商品開発にもつながる」と話している。浜ちりめん

  工芸職人やアマチュアの作品展 足利
栃木県・「館長が見つけた足利の作家」と銘打った企画展が、市立美術館で開かれている。工芸職人やアマチュア作家ら、独特の技術で創作を続けてきた4人の個性際立つ作品が並ぶ。大森哲也館長は「発表することよりも創ること自体を生きがいとする、身近にいる隠れた作家の作品の魅力に触れてもらえれば」と話す。25日まで。
展示されているのは、型紙彫刻職人の桜井雄二さん(87)が、足利銘仙などの反物の図案を和紙に打ち抜いた型紙彫りや着物など約80点、元新聞販売店主の宮沢英治さん(75)が手掛けたサラブレッドの塑像10点。また雑貨カフェを営む浜田陽一さん(59)が、木製パネルに石こうや紙を貼りつけて表面を削り、色づけするという独自の手法などで描いた絵画25点、造形作家の小沢智恵子さん(58)が、羊毛フェルトで作ったオブジェを組み合わせた立体作品を出展している。
桜井さんの型紙彫りは柿渋を塗り重ねた丈夫な和紙に小刀などで絵柄が彫ってある。「特殊な作品で、じっくり見てもらえればうれしい」と話す。
問い合わせは同美術館☎0284(43)3131へ。

  「これが詐欺師の手口にござる」 狂言で消費者啓発
京都市・「都に住まいいたす詐欺師でござる。不要になった着物を高価に買い取りをしてまする」 。
伝統芸能の狂言に触れながら訪問買い取りなどの悪質商法から身を守る方法を学ぶ啓発イベントが17日、上京区の金剛能楽堂で行われた。会場に集まった約400人は、詐欺師をテーマにした狂言に大きな笑い声を上げていた。
イベントは京都府と市の共催で2部構成。1部では、詐欺師が言いがかりを付けて太刀を奪おうとする演目「長光」などを鑑賞、2部では狂言師の茂山千三郎氏らが高価なアクセサリーなどを安値で買い取る訪問買い取りを寸劇で紹介した。
現代特有のトラブルを狂言独特の口調で表現するおかしさに、会場からは大きな笑いと拍手が湧き起こっていた。茂山さんは「(狂言のように)大きな声を出すと相手がひるむ。相手に弱みを見せないように」とアドバイス。参加した下京区の平鍋節子さん(83)は「楽しくとても勉強になった。訪問買い取りに1人で対応してはいけないということがよくわかった」と話していた。

  岡谷蚕糸博物館 農工大とコラボ第1弾
長野県・岡谷市の岡谷蚕糸博物館と同館併設の宮坂製糸所は、昨年12月に連携協定を結んだ東京農工大学科学博物館(東京都)とネクタイを共同開発し、先行して蚕糸博物館のミュージアムショップと宮坂製糸所ファクトリーショップで販売を始めた。協定後の連携第1弾。蚕糸博物館の高林千幸館長らは、「非常にクオリティーの高い製品ができた」と話し、「季節柄、卒業や入学、就職のプレゼントにぴったり」とPRしている。
ネクタイは、農工大の津久井農場(神奈川県相模原市)で飼育した昨年の晩秋蚕約15㌔を使用。宮坂製糸所で繰糸した3㌔の生糸を、同社が以前から取引のある西陣織の太平織物(京都市)で染織、製織した。農工大側の要望で、青を基調とした水玉模様のネクタイに仕上げた。高林館長によると、農工大では大学を訪れる海外からの研究者への記念品などへの利用も考えているという。
昨年末締結した協定では、養蚕・製糸に関する資料の情報交換・共同研究のほか、物品の相互販売も協力内容として盛り込まれた。今回のネクタイが共同開発の第1弾となるが、物品の相互販売ではすでに1月から宮坂製糸所のシルクソープを農工大博物館のミュージアムショップでも販売している。
ネクタイは当面、蚕糸博物館と宮坂製糸所のショップで1本9720円(税込み)で販売。高林館長は、「宮坂製糸所があるからこそできた共同開発」と話し、同製糸所の高橋耕一専務は「軌道に乗れば、本数やデザインを増やしていきたい」と期待を込めていた。

  友禅柄スケボー 金沢の作家と加賀の会社
石川県・加賀友禅の伝統工芸士、太田正伸さん(54)=金沢市=が描いた鳳凰や風にたなびく山吹などをプリントしたスケートボードの試作品が完成した。今夏販売の予定。スケボーというストリート文化と工芸を融合させた太田さんは「若者や海外からの反応が楽しみ」と話す。
インクジェット印刷で、裏面は色鮮やかに、表面は灰色がかった藍色と白色で仕上げた。縦53㌢、幅17㌢の「街乗り用」。「街で人気が出て、正式種目となった2020年東京五輪で、選手が使ってくれたら」。太田さんは平昌五輪のスノーボードのように、友禅柄のスケボーが宙を舞う様子を想像する。
漆器など伝統工芸の企画・製造「清雅堂」(加賀市)が約1年前、商品化の話を持ちかけた。コンセプトを詰め、友禅らしいボタン、鳳凰、山吹を題材に3種類を描くことが決まった。販売価格は1万円前後になりそうだという。
2月中旬に横浜市であったボードやファッションの展示会では「友禅柄がぱっと目を引く」「インテリアやファッションの1部としても使えそうだ」と反応があった。だが、まだ色合いが淡い。友禅の色合いをどこまでコピーできるか、夏まで試行錯誤が続く。
太田さんはこれまで、手描き友禅のスニーカーや友禅柄を印刷した小物も手掛けてきた。業界内で「それは友禅じゃない」と言われたが、「挑戦が必要な時代だ。自分も新しいことをやる。ボードを見て『かっこいい』と思う人が、着物にも興味を持ってほしい」と願う。

  久留米絣でランウェー 現代風のアレンジも
福岡県・伝統の織物、久留米絣を使った新作の服を集めたファッションショーが17日、久留米市東合川の久留米地域地場産業振興センターであった。広く知られた藍染めの着物のほか、現代的なアレンジの洋服を着たモデルに拍手が送られた。18日も午前11時半と午後3時の2回開かれる。
ショーは久留米絣協同組合などでつくる実行委員会が毎年開く「藍・愛・で逢いフェスティバル」の催しの1つ。着物のほか、ワンピースやシャツ、ジャケットといった洋服を身にまとったモデルが次々と登場した。従来の藍に加え、赤や茶、グレーなどの色彩を採り入れ、現代的な感覚の作品が目立った。
今回のフェスティバルは、久留米絣の創始者、井上伝(1788~1869)の「没後150年祭」と銘打ち、その足跡をショートムービーなどで紹介。絣130点を集めた新作発表会や、26業者による製品の販売もある。久留米絣事

  アイヌアート展はじまる 新宿のヒルトン東京
東京都・現代のアイヌ工芸作家9人の作品展「オルタナティブアート」が新宿区のヒルトン東京地下1階のヒルトピア・アートスクエアで開かれている。20日まで。
札幌市を中心に活動する「アイヌアートプロジェクト」が毎年開いている。例年は京橋の画廊で行っていたが、今回は会場を変えて拡大した。約200点の版画やアイヌ文様の着物、切り絵が並ぶ。
代表を務める札幌市の版画家結城幸司さん(53)は、シマフクロウのカムイ(神)が谷間を飛んでいる姿を描いた木版画「タニワタルカゼ」や、彫刻刀の代わりに黒曜石を使った版画「シロカニペランラン」(銀の滴降る降る)などを出品。「今を生きるアイヌの工芸と世界観をみてほしい」と話している。
同じく札幌市の早坂ユカさん(48)は伝統の渦巻きの魔よけの文様モレウを使った刺繡の伝統工芸家。金の糸を使った雪の結晶の壁掛けや着物を出品し、「アイヌ文様のきれいさを感じてほしい」と話していた。入場無料。

  新作浴衣の展示販売 浜松
静岡県・浜松市で生産が盛んな注染ちゅうせん染めの浴衣などを展示販売する催事「いとへんのまち」が18日まで、中区千歳町のコミュニティースペース「Any」で開かれている。入場無料。
浴衣企画・卸販売の白井商事(南区)が扱う桜や菊などの模様を描いた新作の浴衣を紹介。注染そめの手ぬぐいやデニム生地の着物、多彩なしま模様が特徴の遠州綿紬の反物などもそろえる。浴衣の魅力をPRしようと、浜松学芸中学・高校の生徒がモデルとなったフォトブックも販売している。
注染そめは、棒状に細く伸びた注ぎ口のある専用のやかんを使い、染料を布地に流し込んで模様や柔らかな色合いを表現する伝統技法。会場で職人が実演し、来場者も体験できる。和裁による着物の仕立てや、漆塗りの技法を用いた駿河下駄の実演コーナーもある。
浴衣の問屋や職人、着物愛好家らでつくる「いとまちプロジェクト」が主催し、今回で3回目。代表を務める白井商事専務の白井成治さん(51)は「浜松の人に地元のことを知ってもらおうと企画した。気軽に訪れてほしい」と話した。

  人間国宝作やギネス認定収集家の蔵品展示 西脇
兵庫県・人間国宝の手掛けた作品など3千点を超える着物のコレクションで、ギネス世界記録に認定された着物収集家樋口冨喜子さん(71=岐阜県)が17~19日、蔵品24点を西脇市の呉服店みます屋で展示しとぃる。
大手通信会社を早期退職後、着物を再利用した小物づくりをしていた樋口さんだが、「着物を壊すのがもったいない」と、15年前から収集を始めた。「着物は“イキモノ”。蔵で眠らせるのではなく、光や人の目に触れる方がいい」と、各地で展示会を開く。
本展「きものお宝展」では、大正から昭和初期にかけての着物も紹介。型や染め、刺しゅうなど約20人の職人の仕事を経た花嫁衣装は現代では作れないといい、「各工程で誰も失敗できない、真剣な仕事ぶりが迫り来る」と話す。
型絵染の芹沢銈介(1895~1984年)や、草木染で著名人の愛好家も多い志村ふくみ(90)ら、人間国宝の着物も並ぶ。
入場無料。樋口さんのトークショーは17、18日の午前11時と午後2時から。詳しくはみます屋☎0795(23)3248。

  「富士の型染」展 富士市文化会館
静岡県・「富士の型染」グループ(富士市宮島・鈴木光子代表)が、着物、帯、染額、年賀状などの型染作品を、富士市蓼原町の市文化会館ロゼシアターで展示。19日まで。17、18日午前10時~正午、午後1時~3時には型染の実演も行われる。
同型染は、富士に生まれた染色工芸で、帰(故人)小山もと子の和染めとの出会いがきっかけで誕生。家庭の中で台所を工房に写生から染めまで、いくつもの工程を1人で創り上げる独自のスタイルを確立し、主婦たちの日常生活の中から生まれた作品を本格的な染色工芸にまで高めてきた。現在では富士市の文化の顔になっている。
詳しくはロゼシアター☎0545(60)2510。

  「反物巻き競争「巻王」 京都で開催
京都市・丸池藤井ビル(下京区)で14日、「第3回反物巻選手権 巻王」が開催された。主催はきものステーションと京都織物卸商業組合。
和装振興の一環として2016年に始まった同イベント。競技のルールは3丈(約13㍍)の丹後ちりめんの白生地を巻き終えるまでの時間と巻きの美しさを審査する。美しさは巻かれた生地の幅を電子ノギスで計測し、40センチ㍍を超えると失格となる。
イベントには島根県や、2月21日に行われた東京大会の入賞者らも参加した。個人戦では予選で東京王者「人間風車」の異名を取る奥田晃史さんが失格になったり、失格で決勝進出者がいない組があったりと波乱の展開となった。
決勝戦では敗者復活枠から勝ち上がった「うずしおクルーズ」の異名の三好健史さんと、前回王者の「ザ・ハリケーン」こと平山正記さんの一騎打ちとなり、三好さんがハイレベルな戦いを制し第3回「巻王」となった。
今回から始まった3人1組の団体戦「阿修羅」では、あえて未経験者をアンカーに据えたチームに会場が沸く一幕もあった。団体戦は2分4秒のタイムを出した「イトコーローリングサンダース」が優勝した。
京都織物卸商業組合の副理事長の高田啓史さんは「東京や島根など遠方から参加もあり、少しずつ波及していることを感じた。企画も運営もすべて呉服の関係者でここまでできるのは素晴らしいこと。この業界の未来は明るく感じる」と話す。関連記事

  「KIMONO times」を出版 AKIRA TIMES
山形県・30歳から着物をテーマにした写真を撮り続け、2017年に7年分の作品が詰まった写真集「KIMONO times」を出版したAKIRA TIMESさん。着物をモチーフにしたスタイリングはどれも伝統を重んじつつ、前衛的ではかなさをにじませる作品だ。1枚1枚に異なる表情が宿り、見る者の視線を捉えて離さない。
山形に住むAKIRAさんの本業は農家だ。普段は実家の果樹園でリンゴとサクランボを栽培しながら、手入れや収穫のない閑散期に写真を撮りためておき、農作業の合間に編集を行い、SNSで作品を投稿している。
着物をテーマにした写真を撮る原動力となったのは、胸の中でうずいていた憂いだった。「昔の日本には素晴らしい美しさがあったけど、いまは損なわれてしまっている。思い返せば、若い頃の勝手な思い込みなんですけどね」。そう笑いながら振り返る。
「美術系の学校に進学したわけでもなく、ただ自由に作っているだけ。自分のことをプロだとは思っていないんです」。
衣装や小物集めからヘアメイク、撮影までのほとんどを1人でこなしてきた。写真集に収録されている作品の大半は、自宅にある6畳の部屋で、家庭用のライトを使って撮影している。
イギリス出身の着物研究家シーラ・クリフさんに勧められ、出版に至った写真集は、世界各国の人々の手に渡り、中にはニューヨーク近代美術館(MoMA)にまで持ち込んでくれた人もいるそうだ。
“着物写真”が評判を呼び、映像作品のディレクションも務めた。創作活動の背中を押すのは、多方面で才能を発揮するフランスのアーティスト、セルジュ・ルタンスの作品を見たときの感動だ。80年代、90年代にルタンスが手掛けた広告ビジュアルを目にした際の衝撃は忘れられないという。
「彼を超えることは到底難しいけれど、目指し続けることはできると思います。少しでも迫りたいという、私ならではの遊びなんです」。

  「山寺と紅花」 県が日本遺産申請
山形県・地域の文化財を観光資源として活用するため文化庁が認定する日本遺産に関し、県教育委員会は12日、「山寺と紅花」に関連したテーマで登録を申請したことを明らかにした。内陸地方の7市町と連携し、歴史的建造物、食文化などを絡めて本県の魅力を発信する内容とした。
山形市、天童市、寒河江市、尾花沢市、河北町、中山町、山辺町と申請した。地域の歴史的魅力や特色を物語で伝える日本遺産の趣旨を踏まえ、江戸時代を時代背景に設定した。山寺と紅花の関係を強調しながら、紅花交易で栄えたことを伝える各市町の文化財を活用。松尾芭蕉の句碑、紅花染の衣装、上方文化とのつながりを示す雛人形などにスポットを当てている。
花笠祭りや紅花祭りなど、各地域で行われているイベントも網羅した。芋煮といった食文化も取り上げて魅力をまとめている。
県議会文教公安常任委員会で説明した。4月下旬以降に結果が出る見通しで、県文化財・生涯学習課は「認定倍率が高く厳しい状況が予想されるが、決定すれば、関係自治体・団体の協力を得ながら進めたい」としている。
現在、本県関係では出羽三山、「北前船寄港地」(酒田市など)、「サムライゆかりのシルク」(鶴岡市)の3件が日本遺産に認定されている。紅花

  マレーシアをデザイン 久留米高生
福岡県・県立久留米高の生徒がマレーシアをイメージしてデザインした振り袖が21日、久留米市役所2階のホールで公開される。振り袖はハイビスカスやチョウ、鳥などが染め上げられカラフル。クアラルンプールの観光名所・ツインタワーも描かれている。京友禅の工房「タケハナ染匠」(京都市)が手がけた。
世界196カ国の着物制作を目指すKIMONOプロジェクトの一環。事業を実施している一般社団法人イマジン・ワンワールド(久留米市)が協力し同校英語科2年生40人が取り組んだ。大道遥奈さん(17)は「自分たちのデザインが形になってうれしい。多くの人にプロジェクトを知ってもらえれば」と話した。
公開は午前11時~午後4時半。他に9カ国の振り袖も展示され、生徒たちの1年間の活動報告もある。午後1時からはタケハナ染匠の竹鼻進代表のトークショーを開催。友禅体験コーナーも設ける(先着60人で要予約。実費3000円)。問い合わせは呉服店「蝶屋」☎0942(34)4711。留米絣

  丹波布伝習生が作品展 丹波布伝承館
兵庫県・国の無形文化財「丹波布」の技術を学ぶ伝習生による作品展が、丹波市青垣町の丹波布伝承館で開かれている。今月卒業する10期生7人が、2年にわたる修業の集大成として着物や反物、小物など計約150点を出展している。21日まで。
丹波布は、糸つむぎから染織、織りまで全ての工程が手作業。伝習生は週4日伝承館に通い、基礎技術を学んだ。卒業後は専修生としてさらに2年学んだり、作家として独立したりするという。会場には、卒業生の作品も並んでいる。
着物地のほか、ストールやワンピースなどはやわらかい肌触りが生かされ、ブローチやペンダントなどのアクセサリーも独特の格子やしまの模様がかわいらしく映える。伝習生の女性は「優しい色合いや、手触りの柔らかさは手作業ならでは。素朴で癒やされる布です」とPRする。
無料。展示作品は一部販売している。詳しくは同館☎0795(80)5100。

  自ら着付けて参拝 佐賀女子高生
佐賀市・佐賀女子高校(本庄町)の生徒たちが13日、色とりどりの着物に袖を通し佐嘉神社を訪れた。同校の暮らしデザイン科ファッション文化コース2年生7人が自ら着付け、立ち居振る舞いやマナーなど学んだ作法を実践した。
日本文化を受け継ごうと生徒たちは週1回、授業で着付けを学んでいる。この日は1年間の授業の集大成として、朱色やうぐいす色などあでやかな着物姿で佐賀市の町に繰り出した。非常勤講師の相浦充子さん(71)=佐賀県小城市=から着物での所作や参拝の仕方を教わりながら、生徒たちは手を合わせた。
祖母が30代の頃に着ていたという渋いピンク色の着物を着た小野萌桂さん(17)は、「着物を着ると気持ちが引き締まる。着付けは慣れるまで大変だったけれど今は楽しい。来年のお正月は家族で着物で参拝したい」と笑顔で話した。

  岡野の八寸なごや帯が最高賞 博多織求評会
福岡市・博多織の新作を披露する「第114回博多織求評会」の審査会が10日、発祥の地とされる博多区博多駅前1丁目の承天寺であり、最高賞の内閣総理大臣賞に岡野(福岡県筑紫郡)の手織八寸なごや帯(千織小林総浮ちおりこばやしそううけ)が輝いた。
博多織工業組合(寺嶋貞夫理事長)の主催。会場には、職人技の粋を尽くした新作の帯約220点がずらり。寺嶋理事長は「例年より明るい色彩が多く、老壮青が競い合った結果、古典柄から斬新な柄まで、消費者ニーズに合った作品がそろった」と話した。
また、いずれも福絖織物(西区)の作品で、袋帯(切子)が文部科学大臣賞、紋八寸なごや帯(繭間道)が経済産業大臣賞にそれぞれ選ばれた。
11日から3日間は一般公開され、博多券番の芸妓げいぎ衆による踊りが披露された。下秋月の博多織

  「18歳成人」 法案国会提出 
東京都・政府は13日、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を閣議で決め、国会に提出した。今国会で成立させ、2022年4月1日に施行する方針だ。成人年齢が引き下げられると、18、19歳でも親の同意なくローンを組んで高額商品を購入できるようになる。消費者被害の拡大を懸念する声があり、国会では消費者保護の強化策などが論点になりそうだ。
一方、成人式の開催にも影響がある。成人式は各自治体の判断で実施しているが、多くは実施年度に20歳になる人を対象に1月に実施している。これを18歳に変えると大学受験の時期と重なる。自治体や
着物業界などの混乱も予想される。政府は省庁横断の検討会で成人式の時期やあり方についても議論を進める考えだ。
  ポカポカ陽気に誘われて 兼六園で梅見物
石川県・県内各地で晴れ間が広がり、ポカポカ陽気となった13日、金沢市の兼六園で訪れた人たちが梅の花を楽しんだ。金沢城・兼六園管理事務所によると、園内には八重寒紅梅やえかんこうばいや白梅の冬至梅とうじばい など20種類、約200本の梅が植えられている。今冬は気温が低かったため、例年より開花は1週間ほど遅いという。
さいたま市から訪れた看護師の鶴見美穂さん(23)はあでやかな着物姿で梅の花を見物。「友達と観光で初めて来ましたが、とてもきれい。また来たい」と話した。
金沢地方気象台によると、この日の最高気温は金沢は19.6度で4月下旬並みだった。小松では20.9度まで上がり、加賀菅谷18.6度、白山河内17.5度、三井16.3度の3地点は今年最高を記録した。

  相楽木綿 精華で作品展
京都府・木津川市の相楽地区を中心に、明治から昭和10年代にかけて生産されていた相楽さがなか木綿を復活させた作品展が12日、けいはんな記念公園(精華町精華台)の水景園観月楼ギャラリー月の庭で始まった。途絶えた技術を復活させ、技術を継承する「相楽木綿の会」の会員らの作品約50点を展示。代表の福岡佐江子さん(61)は「多くの人に見に来てもらい、伝統の相楽木綿を知ってほしい」とアピールしている。18日まで。
相楽木綿は、藍染めの紺地に赤や緑、白などの色糸と絣を織り込んだ木綿織物で、肌触りがよく、華やかな美しさが特長。色糸と絣の組み合わせを変えることで、さまざまな模様の織物を作ることができる。この際、絣柄をきれいに合わせるのに技術と経験が必要だという。
同会によると、かつて南山城地域では綿栽培が盛んで、明治以降は木綿織物を生産して京都や奈良、大阪、滋賀に供給していた。しかし、昭和10年代の戦時体制で糸などが不足し、生産が途絶えたという。
復活のきっかけは平成16年に府立山城郷土資料館(木津川市)で開かれた相楽木綿の展示会だった。地元の女性らが集まり、17年に相楽木綿の会を結成。生産者の家族や高齢者からの聞き取りのほか、現存資料を基に試行錯誤して復活させた。現在は観月楼内の相楽木綿伝承館で日、月、木、金曜の週4回、「大和機やまとばた」など2種類の織機を使った機織はたおりり教室を開くなど、伝統技術の継承に力を入れている。
会場には会員や機織り教室の受講生ら25人の作品約50点が並ぶ。着物やはんてん、バッグなどが展示され、来場者が興味深そうに見入っていた。
水景園の入園料が必要。問い合わせは同伝承館☎080(6186)9233。

  「絞り染」の世界へ 吹田で春季特別展
大阪府・吹田市千里万博公園の大阪日本民芸館で、春季特別展「絞り染-布に咲く花」が開かれており、明治から昭和にかけて生活に息づく絞りの着物から、技法を生かした現代作品まで絞り染めの世界を楽しむことができる。
絞り染めは、布の一部を糸で絞ったり、括るなどして液の浸透を防いで染める技法。古くは正倉院や法隆寺の宝庫に残され、江戸期に木綿の普及で庶民にも浸透し、京都の「京鹿の子絞り」、名古屋の「有松・鳴海絞り」が産地として知られる。
会場には、手綱、豆入り、唐松など日本ならではの豊富な100種の絞り技法を紹介するコーナーや、明治・大正期の木綿地嵐絞りの着物、蝶模様が鮮やかな浴衣、トンボや花の模様など、さまざまな技法を駆使した作品が並ぶ。
現代の作家たちが技法を生かして制作した着物や、長さ3㍍近くのタペストリーが会場を彩っている。
同館の小野絢子学芸員は「幅広い技法の模様が楽しめ、昔からの技法を現代作家が近代的な作品に仕上げており、多彩さも見てもらいたい」と話した。
7月16日まで。期間中は、ギャラリートークや公園の植物での絞り染め体験などのイベントもある。有松・鳴海絞

  大島紬で県産ディナー満喫 サンロイヤルホテル
鹿児島市・「本場大島紬と鹿児島の食を楽しむ夕べ」が12日夜、鹿児島サンロイヤルホテルであった。大島紬の着物や小物を身に着けた190人余りが、和装・洋装のファッションショーや県産食材のディナーを楽しんだ。
本場大島紬織物協同組合(鹿児島市)、県特産品協会、同ホテルが開いた。和装のショーには本場大島紬クイーンの5人が登場した。洋装では、鹿児島純心女子短大の学生が自分で作ったドレス、ワンピース、コートなどを披露し、拍手を浴びた。料理は前菜からメイン、デザートまで魚介類や黒毛和牛、果物など鹿児島の素材満載のコースが出された。

  初心者でも楽々 京できものコンテスト
京都市・簡単に着られる着物(カンキレ)の出来栄えを競う「カンキレきものコンテスト」が11日、京都府立京都学・暦彩館(左京区)で行われた。多くの人が着物を楽しむことを目指す取り組みの一環で「振り袖」と「カジュアル着物」の2部門に府内の8業者が参加した。
着物は洋服のように上下に分かれた「2部式」などで、接着テープで着脱できる」帯もあり、初心者でも楽に着付けができる。モデルが数分で着付けを終え、出来栄えを競った。
振り袖部門ではNPO法人「京小町踊り子隊プロジェクト」(中京区)、カジュアル着物部門では「室町京正」(同)の作品が、それぞれ最優秀賞に選ばれた。
特別審査員を務めた山田京都府知事は「東京五輪を控え、着物の出番は増える。着物に親しむ人の裾野が広がればいい」と話した。関連記事

  諏訪式繰糸機で糸取り 岡谷蚕糸博物館
長野県・岡谷市の岡谷蚕糸博物館は11日、隣接する宮坂製糸所の「諏訪式繰糸機」を使った糸取り体験のワークショップを開いた。一般を対象にした初めての試みで、ボイラー室も初公開した。県内から参加した人たちが鍋で繭を煮るにおいを感じながら、シルク岡谷の歴史に触れた。
諏訪式繰糸機は、1875年に諏訪郡平野村(現岡谷市)の武居代次郎が開発し、製糸業の隆盛を支え、日本機械学会機械遺産に指定されている。所蔵品展「鍋、語る」の関連イベントで、製糸業の歴史や、糸取りに欠かせない道具であった鍋について知ってもらおうと企画した。
同館学芸員から諏訪式繰糸機に取り付けられた陶器製の鍋について紹介があり、蒸気によって湯を沸かし、繭を煮る仕組みについて学習。参加者は繰糸機を順番に使って、繭の糸を取り出したり、熱い鍋から使用済みの繭を取り除いたりしながら作業を進めた。糸を通す道具の扱い方や、繭糸を補給をする際に糸が切れてしまう難しさも体験した。
友達と参加した宮坂智子さん(54)=安曇野市=は「糸を均一の太さにするのが大変で、熟練の技がいると感じた。当時を知る良い体験になった」と話していた。松岡姫

  再生に挑む 東北の被災企業
宮城県・悉皆しっかいや呉服販売の「御誂おあつらえ京染たかはし」(気仙沼市)は1967年創業。独自開発した着物用肌着の販路がようやく広がり始めた時、東日本大震災に遭った。
高さ2㍍近い津波が押し寄せ、店舗は残ったが商品の在庫など全てが泥にまみれた。1年前に改装したばかり。現金は少なく、在庫が主な資産だった。高橋和江社長(58)は「食べ物にも困る毎日。誰が着物のことなど考えるだろうか」と落ち込んだ。
約2週間後、仕立て直しの客が訪れるようになった。店舗入り口を修繕し4月29日に再開すると、依頼がひっきりなしに入った。
会社再建の柱に据えたのは肌着。2005年発売の「満点スリップ」は、汗などによる汚れを防水の肌着で防ぐ新発想だった。着物を気軽に着てもらおうと2年がかりで開発。問屋を通さず、呉服店などに直接売り込んだ。伝統を重視する業界では当初、見向きもされなかったが、ネット販売を機に少しずつ販路が広がった。「肌着の販売が再び回り始めれば、会社を立て直せる」。高橋社長の決意を多くの取引先が後押しした。
価格交渉がシビアだった和装用品チェーンの担当者は「前金を送るから製品を作って納めて」と言ってくれた。カタログ会社は「被災したので納品はいつになるか分からない」と注釈を付けて掲載してくれた。ネット販売が再開されると、被災地発の商品を着物愛好者が進んで購入した。「本当に多くの人に助けられた。遠慮なく甘えさせてもらった」と高橋社長は振り返る。
13年5月には、震災の影響で廃業した市内の縫製工場から機械を買い取り、自社工場を構えた。自社製造に切り替えたことで、生産量や商品の種類を大幅に増やすことができた。
取引先は大手チェーン数社と全国の呉服店など約300軒に拡大。売り上げは震災前の7~8倍となり、5人だった従業員は25人に増えた。それでも人手不足で受注を制限している状態で、広さ約1.5倍の新工場に移る計画だ。
高橋社長は「1円でも多く税金を払い、1人でも多く雇用することが企業人としての恩返しになる。そのためにも良いものづくりを生涯続ける」と誓う。

  外国人が日本文化で着物体験 大泉
群馬県・大泉町と住民活動団体、花帯の会(井野悦子代表)は10日、町文化むらで日本文化きもの体験教室を開いた。外国人30人がボランティアの手を借りて華やかな着物姿になり、スマートフォンで自撮りしたり、互いに撮影し合っていた。
一昨年10月には2日間で29人が参加。今回は11日まで総勢60人が参加を予定した。インドネシア人のヤンシーさん(39)は赤いあでやかな着物に満足そうで「2度目の体験。とても楽しみにしていた」と話した。

  「さむらい」誕生 着付け講師プロデュース
岡山市・男性にも和装の世界に飛び込んでもらおうと、市内などで着付け教室を開いている講師の岸本浩加さん(44)が展開している「さむらいプロデュース」の5代目「さむらい」が、誕生した。
同企画は岸本さんが数年前から和装未経験の男性を対象に実施。着物や小物選びから着付けまでを総合的にアドバイスしている。
今回は裏千家茶道を稽古中の岡山市中区の宮崎勇一さん(19)が対象。宮崎さんの母、早苗さん(45)も着付けを学んでおり、勇一さんが来月茶会デビューをするのに合わせ母子で名乗りをあげた。
岸本さんの提案をもとに岡山県津山市の呉服商であつらえた正絹の着物や帯は緑青や藍色系で爽やかにコーディネート。この日、岸本さんから帯の貝の口結びなどの指導を受けた勇一さんは「気持ちがひきしまりますね」と笑顔だった。
岸本さんは「和装に興味がある男性は意外に多いが、何から手をつけていいかわからない中で断念している。費用も含め、気軽に相談してほしい」と話している。問い合わせは岸本浩加きもの教室。
また、勇一さんの和装姿は4月1日正午~午後3時、同県倉敷市下庄のふれあいサロンで開催される茶会で披露される。参加には茶券(500円)が必要。
問い合わせは宮崎早苗090・3638・8412。 岸本☎086(944)2383。

  花嫁と藤娘を募集 倉敷ハートランド実行委員会
岡山県・倉敷市美観地区一帯で4月29日~5月5日に開かれる「くらしき藤物語 第38回ハートランド倉敷」の実行委員会は、倉敷川を往来し町並みに風情を添えるメインイベント「川舟流し」で主役を務める「瀬戸の花嫁」と「くらしき藤娘」を募集している。
「瀬戸の花嫁」は1人。4月29、30日、5月3~5日に白無垢姿で輿入こしいれする花嫁を演じる。市花にちなんだ「くらしき藤娘」は2人を選ぶ。4月29日~5月4日、色柄の異なる3種類の着物で会場を華やかに演出する。
県在住か出身者で、2役いずれの出演日も参加できる18歳以上の女性が対象。書類選考の1次審査と面接の2次審査があり、配役は面接時に決まる。選出者には出演時のパネル写真と各日1万円の謝礼を贈られる。
応募は全身と顔の写真(裏面に氏名記入)を履歴書に添え、封書で3月26日(必着)までに、〒700-8634、山陽新聞社事業本部「花嫁・藤娘」係に送る。応募要項の詳細は「くらしき藤物語 第38回ハートランド倉敷」ホームページで確認できる。

  沖縄2題 大学生と研修生がそれそれ・・・
沖縄県・自分で制作した着物を自身がまとって舞台で紹介する県立芸術大学織分野専攻の学生、大学院生による織・着物のファッションショー「縞・着物の粋」がこのほど、那覇市の同大奏楽堂ホールで開かれた。自身が手掛けた反物で織り上げた色鮮やかな着物を実作者自身が身に着け、来場者に紹介するというユニークな試み。
一方、島尻郡南風原はえばる町では、琉球かすりの担い手育成事業受講生による「デザイン・くくり成果展」が、南風原文化センターで開かれた。明るい水色や深い藍、紫色の生地にインヌヒサ(イヌの脚。図柄は肉球)、バンジョー(かね尺)などの図柄を入れた反物や着物17点を展示してた。琉球の染織

  大分県立美術館コレクション展 和の心
大分市・大分県立美術館(大分市)コレクションの中から和風の魅力を伝える作品を展示する。
2013年に和食が世界無形文化遺産に登録されるなど、近年では衣食住の生活全般に関わる和の美が再評価されている。
今回のコレクション展では、染織作家の古澤万千子や志村ふくみのあでやかな着物をはじめ、茶席で用いる竹花入や茶碗、さらには身近な食材を描いた絵画などをコレクションの中から厳選して展示し、作品を通して“和の美”の魅力に迫る。11日、25日、4月8日の各日曜日午後2時と3月30日(金)午後5時にはギャラリートークもある。会期は4月10日(火)まで。有料。

  和服姿でインスタ映え 町家の日
京都市・「町家の日」の8日、京町家を舞台にしたイベントが市内各地で開かれた。南区の椿邸では、宿泊施設として使われている町家を特別に開放して、和服姿で写真撮影をするイベントが開かれた。
町家の日は、京町家の再生を手がける市内の不動産業者などでつくる京町家情報センターが、3月8日が「MARCH(マーチ)ヤ」と読めることから2016年に定めた。
80~100年前に建てられた椿邸では、小紋を着た女性客らが、中庭や床の間を背景に、携帯電話で写真を撮影した。タイルの敷き詰められた浴室や、床の間に飾られた御所人形などについて説明を受け「映画の中みたい」などと話していた。
友人と訪れた伏見区の石橋樹奈さん(18)は「ゆっくり過ごせそうな雰囲気が気に入りました。写真はインスタグラムに投稿します」と話していた。
11日まで町家の魅力を発信する「町家ウィーク」として、町家の飲食店約20店舗の割引や、町家体験プログラムなどが行われる。詳細は「町家の日」のホームページで見られる。

  京都きもの友禅 3月期は最終減益
東京都・振袖を中心とした高級呉服・宝飾等の販売を行う振袖販売シェア国内トップクラスの京都きもの友禅株式会社(東京都・代表取締役服部雅親=東京証券取引所第一部上場)の18年3月期は着物など一般呉服の店舗スタッフが減り販売力が低下する。成人式向けの振り袖の販売やレンタル事業も競争激化で振るわない。人件費や宣伝広告費など固定費比率が高く、減収が響き最終減益。年配当は18円減。19年3月期は宣伝広告の強化で受注が増え、増収増益。
  伊勢崎銘仙の併用絣の着物完成 英博物館で永久保存
群馬県・伊勢崎市民有志が復活させ、ロンドンのビクトリア&アルバート博物館(V&A)に永久保存されることが決まっている伊勢崎銘仙の併用絣の着物が完成した。「現代の名工」で、着物を仕立てた川岸美枝子さん(56)=前橋市堀越町=が8日、伊勢崎市の関係者のもとを訪れ、完成品を披露した。川岸さんは「世界中の人に見てもらい、銘仙の素晴らしさを知ってほしい」と話している。
併用絣は伊勢崎銘仙の技法の1つ。復活プロジェクトでは3種類の反物が織られ、このうち「赤いレンガ造り」と名付けられたデザインの着物が完成した。
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  京友禅で運動会の旗作り 京都の小学校
京都市・下京区の洛央小の4年生106人が7日、京友禅の旗作りに挑戦した。校区内に住む伝統工芸士(手描部門)の黒島敏さん(76)の指導を受け、あらかじめ下絵を描きのりを置いた正絹の布に色を挿した。
地域に息づく伝統を身近に感じてもらおうと10年以上前から続く授業で、完成した旗は運動会の時に会場を彩っている。
子どもたちは、提灯やちまきなど祇園祭をテーマに思い思いの下絵を描いた布(50㌢×センチ)に、はけで丁寧に色をのせていった。のりで防染はしているものの細かなところは色がにじんでしまうこともあり、函谷鉾を描いた野口志帆さん(10)は「絵の具が外にはみ出さないようにするのが大変だった」と完成した作品をうれしそうに眺めた。
黒島さんが持ち帰り、自身の工房で地色を染めて色を定着させた後、再び学校に届けるという。

  安八のアーティスト 着物壁画で季節表現
岐阜県・ニューヨークのギャラリーなどで作品を発表している安八町東結のアーティスト、ロームカウチこと小川亮さん(41)が、同町氷取のOKB体操アリーナに、横6㍍、縦3㍍の壁画を完成させた。壁画は着物姿の女性4人が描かれた作品「四季」で、小川さんは「世界に挑戦しようと頑張る子どもたちの力になれば」と話す。 小川さんは広告などのデザイナーとして仕事をしていたが、30代でアーティストとして活動を開始。自作の型紙の上からカラースプレーを吹き掛けて色を重ね描いていく「ステンシルアート」の技法で、海外でも作品を発表している。創作活動の傍ら、町民や子どもたちにアートに触れてもらいたいと、これまで同町などで計10点の壁画を制作してきた。
今回の作品は、体操の練習場となっている同アリーナのロビーに制作。縦120㌢、横90㌢の型紙約160枚を使い3日間かけて仕上げた。女性の着物に四季の花などがあしらわれ、日本の四季の美しさが表現されている。小川さんは「壁画は日常の景色の中に描きたいと思っている。構えず素直に見てもらえたら」と話している。

  2月度生産実績 丹後織物工業組合
京都府・「中国産生糸の価格が高騰し、和装の製造業者を悩ませている」というニュースを目にした。1年前に比べて1.3倍の価格だという。同国をはじめとした国際的な需要拡大に加え、桑畑の大規模な転作や蚕の病気などが重なったためらしい。和装消費が低迷する中で商品への価格転嫁は容易でなく、事業者は我慢の経営を強いられている。白生地の価格も徐々に上がってわいるが、生糸の価格上昇とは時間差がある。悩ましいことだ。
丹後産地の2月の生産実績はいかなるものであったろうか。残念ながら昨年を僅かに下回った。紋意匠・朱子二重が健闘したようだ。
生産量は25.063反で、昨年同月の25.321反を258反下回った。操業日数は22日で前年同月より1日多かった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。△一越・古代=155(76)▼変り無地=3.539(4.341)■小計=3.694(4.417) ▼紋綸子(軽)=2.586(3.011)△紋綸子(重)=3.646(2.971)▼銀意匠・朱子一重=0(53)△紋意匠・朱子二重=12.561(12.325)△絽織・紗織=1.212(1.073)△その他の紋=123(90)▼金・銀通し=918(1.061△縫取・絵羽=323(320) □小計=21.369(20.904) ■合計=25.063(25.321) △パレス=1.027(849)▼紬=239(361)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。丹後ちりめん

  着物姿で旧城下ぶらり 唐津
佐賀県・旧大島邸など唐津市内の5会場で開かれている「唐津のひいな遊び」も11日まで。着物姿で旧城下の情趣を楽しむイベントが同時開催され、“インスタ映え”効果もあって、女性を中心に人気だ。
「KIMONOプロジェクト」の着物展示会に合わせて4日開催した「キモノジャックin佐賀」。市内外から約20人が参加し、和文化漂う旧大島邸と埋門ノ館で集合写真に納まった。
福岡市の福本美奈子さん(57)は5年前から着物を着るようになった。仕事で韓国人と接する機会が多く、「日本に来ても着物姿の人を見ない」と言われたのがきっかけだった。「(着物は)背筋がぴんと伸びる感じがいい」と話す。
「着物で町歩き」イベントは15着の枠が土日は予約で満杯。平日は空きがあり、事務局を担当する小高雄三さん(72)は「着慣れない人は恥ずかしさもあるようだが、この機会に着物体験を」と呼び掛ける。料金は振り袖が2500円。

  蚕桑研究会、植樹プロジェクトが苗植え 富岡
群馬県・新しく養蚕を始める市民や団体に桑を供給しようと、甘楽富岡蚕桑研究会(高橋純一会長)は5日、富岡市南蛇井などの市民桑園で桑の苗植えを行った。会員や地域おこし協力隊員ら16人が根の先を整えた苗を一本ずつ丁寧に土に埋めた。
南蛇井のほか、丹生や妙義など、市内7カ所の桑園が対象。6日も作業を行い、合わせて2000本を植える。
一方前橋市では4日、桐生高の生徒や県内外の呉服業関係者ら36人が参加して、養蚕農家を支援する企画「桑の苗木植樹プロジェクト」が行われた。
植樹は同市の養蚕農家、糸井文雄さんの桑畑で行われ、苗木195本が植えられた。県蚕糸技術センターの鹿沼敦子さんが「苗木を垂直に植える」「しっかり地面を踏み固める」などと作業について説明。参加者はスコップで穴を掘り、高さ1㍍ほどに育った苗木が直線に並ぶように気を付けながら植えていった。松岡姫 和木沢絹 今は無き石西社

  ひな飾り50店舗に展示 常陸太田
茨城県・常陸太田市の鯨ケ丘商店街で、「スロータウン鯨ケ丘ひなまつり」が開かれ、約50店舗に飾られた計200セット以上のひな飾りが来店客を迎えている。31日まで。
「和暦の時間(とき)が流れる街」をテーマに、歴史的な建物が残る街並みをゆっくりと散策してもらおうと企画され、今年で10回目。
各店舗で江戸時代から最近のものまで、さまざまなひな飾りが並べられ、来店客が人形を眺めながら店主との語らいを楽しんでいる。
市郷土資料館「梅津会館」では市無形 文化財の「かな料紙」で彩りを添えた県郷土工芸品の「桂雛」や、市内の手芸サークル「 布遊」による手作りのつるしびが展示されている。
期間中は各店舗を巡るスタンプラリー を行い、先着2千人にオリジナルのポストカードと缶バッジのセットをプレゼントする。湯茶 の接待やダンスイベント、
着物で散策を楽しむ催しなども開く。鯨ケ丘商店会の渡辺彰会長は「お店の人とおしゃべりしながら、のんびりと街歩きしてください」と話している。
  明治期の西陣織振り返る 西陣織会館
京都市・明治維新から150年を記念し、明治時代初期の西陣織の織機や織物などを展示する「西陣 近代化の偉業」が、上京区の西陣織会館で開かれている。31日まで。入場無料。
幕末から明治維新にかけて西陣織は低迷していたが、府は1872年(明治5年)、西陣の技術者3人をフランス・リヨンに派遣し、紋織機械の1つであるジャガード機などの織機や技術を持ち帰らせた。翌年には、日本政府として初めて参加したウィーン万博に西陣の職人を同行させ、伝統技法で織られた製品を披露したほか、欧州の技術も取り入れ、西陣織に大きな変化をもたらした。
今回の展示では、国産第1号の木製ジャガード機(京都市指定登録文化財)や、正倉院(奈良市)所蔵物を手本にした唐草文様の織物、現在の川島織物セルコン(左京区)の二代川島甚兵衛が、パリ万博(1900年)で受賞した「名誉大賞」の賞状などが並べられている。訪れた観光客らは、色鮮やかに織られた帯や窓掛けなど西陣の技術の高さを示す製品に見入っていた。

  恒例の「紬議会」 奄美大島の龍郷町
鹿児島県・大島郡の龍郷町議会3月定例会の初日は恒例の「紬議会」。議員や職員は本場奄美大島紬を着用。泥染め、藍染めといった伝統柄もあれば、白紬を着こなす人もあり、議場はシックな雰囲気に包まれた。
 議会休憩中には互いの紬姿を評価し合う光景も。談笑中に竹田泰典町長が、「イベントではなるべく紬着用を」と議員らに呼び掛けると、議員からは「議会は毎回紬着用でも」などの意見も飛び出した。
圓山和昭議員(39)は一昨年の初当選後、紬を新調した。「龍郷町は紬の発祥地。できるだけ着用して紬のよさをPRしたい。紬を着ると、身も心も引き締まる」と笑顔を見せた。
奄美大島
  韓国ホッケー監督が大島紬で・・・ 奄美大島
鹿児島県・先月25日に閉幕した平昌オリンピックで韓国と北朝鮮のアイスホッケー女子合同チームの監督を務めたカナダ人のサラ・マリーさん(29)が、先月28日から6日間の日程で奄美大島に滞在し、オリンピックの疲れを癒した。ダイビングをしウミガメと一緒に泳ぐのを体験。龍郷町に宿泊していたというマリー氏は5日、同町の竹田泰典町長を表敬訪問し、「リフレッシュできた」と笑顔で語った。
同町役場臨時職員、梅澤邦子さん(56)=神奈川県逗子市出身=の甥でマリー氏の友人のアイスホッケー指導者、有波典さん(29)のすすめで奄美大島を訪問。マリー氏は海でウミガメと一緒に泳ぐのを一番の楽しみに奄美を訪れたという。
大島紬を着用し、有波さんとともに町長を表敬訪問したマリー氏は「海など自然が素晴らしく、ごはんもおいしかった。休息するには最高のロケーションだった」と満足げに話した。
合同チームが結成されることになったのを知ったのは、韓国代表メンバーを発表した3日後だったという。マリー氏は「不安や戸惑いがあった。出場できるはずだった韓国の3人の選手がベンチにも入れなくなったのはつらかった」と振り返った。奄美大島

  半田で十三詣り  28人が着物で蔵のまち歩き
愛知県・厄をはらい健やかな成長を祈る「十三詣り」が3日、半田市中村町の蔵のまちエリアで行われた。数え13歳の女の子が着物姿で黒板塀のまちを歩き、家族やアマチュアカメラマンらが盛んにシャッターを切っていた。
市民グループ「きやしゃんせ半田」(榊原和子代表)が市観光協会の協力で始め、今年で13回目。午前と午後の2回で計28人が参加した。子どもたちはミツカン・ミュージアム前で記念写真を撮った後、地元の下半田北組のおはやしの先導で半田運河沿いを歩き、豪商の館だった半六庭園を経て業葉神社へ。神妙な表情でおはらいを受けた。

  古作こぎん研究会 浅草のミュージアム
東京都・首都圏などのこぎん刺し作家や愛好者が集まり、こぎんの歴史や伝統的な図柄を学ぶ「古作こさく こぎん研究会」が4日、浅草のアミューズミュージアムで開かれた。明治20年代後半までに津軽地方で作られた貴重な「古作こぎん」の着物も展示され、参加者は実際に触ったり写真に撮ったりしながら、先人が生み出したこぎんの奥深い魅力に触れていた。
同日の研究会は、デザイナーで青森県おいらせ町出身の山端家昌さん(34)=東京都在住=が主宰し、こぎんの研究や情報発信を行っている「Kogin.net」net」が企画した。山端さんは、江戸時代から平成までのこぎんに関する文献を一覧にまとめた自作の「こぎん文献絵巻」を披露。麻布の保温性や強度を高めるために農村で生まれたこぎん刺しは、社会の変化とともにいったんは廃れたものの、後に手芸としてブームになり、民芸の視点からも脚光を浴びるようになった歩みを紹介した。
会場では、弘前市のこぎん収集家・石田昭子さん(89)が集めた古作こぎんも参加者の関心を呼んでいた。

  中古の着物5千円以下で 宇都宮
栃木県・着物を手頃な価格で購入してもらおうと、宇都宮市の男性が古着専門店を構え、女性物を全て格安の5千円以下で販売している。取り扱いは開店から2年で倍以上に増え、2月にリニューアルした。「着物に興味を持つ入り口になればうれしい」と話す。
店は「きものHAUS」。落ち着いた黒色から明るい花柄まで、1000点以上の着物や帯が店内に所狭しと並ぶ。着崩れしにくい絹などの天然素材でできているが、全て5千円以下。古着として出回る量が少ない男性物も1万5千円以下だ。
店主の荻原貴則さん(31)は実家が高級呉服店を営み、25歳の頃から3年間、東京・銀座の着物リサイクル会社で修業を積んだ。この際全国を回り、年間約300軒で買い取りをした経験から「喜んで買ってもらえるギリギリの価格が5千円。汚れていない品をここまで安くしている店はほぼないはず」と自信を見せる。
安さの理由は、着物の多くが家のたんすで眠ったままになっていることだという。バブル時代に飛ぶように売れたが、ほぼ着られていないものが多く、買い取り依頼の電話がひっきりなしに鳴る。有名な着物作家や産地の品を避け、販売価格を抑えた。
「普段から着物姿で街を歩く人が増えたらすてきじゃないですか」と笑い、2020年までに2万人に着物を着せる目標を掲げる。約2千人を達成したが、「買ったが、着る機会が少ない」という人が多いのが課題だ。街中で季節ごとに合わせた着物を紹介するイベントを続け、裾野を広げたいという。

  はれのひ後遺症 こんな話もありました
福岡市・「横浜で成人式の着付けをする業者が会場に現れず大混乱だって。あれっ。この名前、うちがお願いしたところじゃない?」。今年の成人式当日、自宅でスマートフォンを眺めていた次女が叫んだ。着物を手に天神の店舗に向かった長女に慌てて連絡すると、店内はごった返しているが異変はないという。
安堵もつかの間、その日のうちに振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」が突然営業を取りやめたというニュースが駆け巡った。幸い福岡店ではスタッフが独自に営業を続けたことで長女が被害に遭うことはなかった。ただ、その英断がなければ「大騒動だった」ことは見当がつく。
謝罪というより、確認のためだろうが後日、管財人から届いた文書には丁寧にも「債権者への配当の可能性は低い」とあった。多くの被害者へ救済不能の通知。しばらく行方が分からなかった社長の顔を思い出すと、いまだに怒りが湧いてくる。

  着物姿で丸亀城散策 丸亀市
香川県・ひな祭りの3日、子どもたちがステージイベントや屋台を楽しめる「丸亀城ひめフェスタ」が、丸亀城大手門広場であった。女性たちは着物姿で丸亀城周辺を散策し、県のご当地アイドルグループ「きみともキャンディ」のステージライブなどを楽しんだ。フェスタは同市の観光シンボルである丸亀城を盛り上げようと丸亀市観光協会が主催し、今回が初めて。
親子連れでにぎわう会場では、女性に着物を着付けするコーナーが人気を集めた。「丸亀城鉄砲隊」が砲術を実演披露し、吉本興業所属の「丸亀城お笑い人力車芸人」が観光案内をした。
塩屋町の向井望恋ちゃん(5)はピンクで花柄の着物を着付けしてもらい、「かわいくてうれしい。お祭りは楽しい」と笑顔だった。

  7カ国の風景展示 東京五輪KP
佐賀県・「唐津ひいなの遊び」会場の1つ、旧大島邸(唐津市)で、カナダ、パプアニューギニアなど世界7カ国の風景や歴史をモチーフにした着物の展示が開かれている。5日まで。
2020年東京五輪に向け参加各国の着物を製作する「KIMONOプロジェクト」の一環。アメリカの着物は50の州からなる合衆国を「州花」でイメージし、アメリカンイーグルや宇宙船アポロ号をあしらう斬新なデザインが目を引く。
江戸時代の「御殿びな」を目当てに訪れた福岡市の50代夫婦は「復元されたお屋敷や古いおひなさまの情趣と、モダンな着物の取り合わせが新鮮」と話した。
唐津ではボスニア・ヘルツェゴビナの着物の製作準備が進んでいる。プロジェクトに参加する市内の呉服店主田中勝幸さん(67)は「どの国の作品も作者渾身こんしんの作品で、唐津も立派な着物を作りたい」と刺激を受ける。4日午後からは着物姿で集合する「キモノジャック」も行われる。

  着物が似合う町並み 杵築市の動画完成
大分県・九州の知られざる「しあわせ体験」を、九州のみんなで探し、九州のみんなで選ぶコンテスト「Kyushu Local Happy Award 2017。一般投票の団体の部で最も人々の共感を集め、グランプリに輝いた「大分・杵築市“きものが似合う町並み”」のPR動画が完成し、KLHA2017公式ホームページ( https://kyushuhappy.jp/ )で公開している。 200件を超える公募の中から選ばれた、とっておきの幸せ体験。「まずは動画でその魅力に触れてみませんか?穏やかな時間と丁寧な暮らしが紡ぐ小さな幸せが見つかるでしょう。大切な人と一緒に足を運んでみたくなるかもしれません。どうぞたくさんの人と、この幸せを分かち合ってください」とアピールしている。
国東半島に位置する杵築市。1394年に杵築城が築城されてから、南北の高台には武家屋敷、中央の低地には商人の町が広がる日本唯一の「サンドイッチ型城下町」。市中心部には土塀と石垣に囲まれた江戸時代の邸宅や白壁の商家が残り、それらを石畳の坂道がつないでいる。さらに全国初「きもの和服応援宣言」を行っており、和服で街を散策すると、公共観光施設の入館料が無料になるなど多くの特典も設けている。このような取り組みが評価され、平成21年には、「きものが似合う歴史的町並み」にも認定されている。「タイムスリップしたような“非日常”を手軽に味わうことができます」と呼びかけている。

  東京五輪を機に着物の魅力発信 麻木さん講演
石川県・講演会「石川が誇るきもの文化を世界へ」(石川県和装文化協会、一般財団法人県芸術文化協会主催)は3日、金沢市の北國新聞交流ホールで開かれた。登壇したタレントの麻木久仁子さんは、2020年の東京五輪・パラリンピックを機に、日本文化が外国人から脚光を浴びるとして、着物の魅力を伝える必要性を説いた。
白山麓に伝わる県指定無形文化財の絹織物「牛首紬」に加賀友禅の技を施した着物姿の麻木さんは「古さと新しさが上手に融合している街だから、訪れる外国人観光客も多い」と金沢の印象を語った。麻木さんの成人式の着物を3年前に成人した娘に着させたエピソードも紹介した。
パネル討論では、県和装振興会副会長の花岡央至さん、友禅作家の志々目哲也さん、能楽師の藪俊彦さん、ミス加賀友禅の松田莉奈さんが着物文化の発信へ意見を交わした。

  博多織誕生777年記念展示会 はかた伝統工芸館
福岡市・博多織の「誕生777年」を記念した展示会が1日、福岡市博多区のはかた伝統工芸館で始まった。13日まで。
博多織は、1241年に中国・宋に渡った商人が織物の技術を持ち帰ったのが起源とされる。最近は、着物だけでなく財布や名刺入れにも加工され、土産品としても人気を集めている。
展示会は、博多織工業組合(福岡市)などでつくる市伝統的工芸品振興委員会が企画。組合などが運営する後継者養成のための専門学校の卒業生が、在学中に手がけた帯を77本展示している。「献上柄」と呼ばれる模様で、色とりどりの作品が並ぶ。このほか、訪日外国人客向けに開発された博多織の生地でアクセサリーを手作りするキットも販売している。下秋月の博多織

  東京手描友禅・染芸展 産業貿易センタ
東京都・第56回東京手描友禅・染芸展が、東京都立産業貿易センター 台東館6階(台東区花川戸)で4日まで開催されている。入場無料。
同会は、伝統的工芸品「東京手描友禅」の職人組合である都工芸染色協同組合主催のコンクール展示会。所属の友禅作家たちのオリジナル作品を展示。「川蝉」(遠峰聖明さん)や「吊るし飾り」(阿部信行さん)など着物44点、帯58点の計102点を紹介。会場では、手描友禅の体験教室も開く。
「染芸展は組合に所属する職人にとって、お客様から依頼される日常の仕事から離れ、自由な発想で新作を創り発表する。1年に1度の晴れ舞台です。ご来場のお客様には作品をご覧いただき、ご自分のお気に入りの作品との思わぬ出会いや、作り手との交流を楽しんで預ければ幸いと存じます」と主催者。詳細は同組合☎03(3953)8843。

  着物と早咲き桜 掛川城周辺でイベント
静岡県・「着物が似合う街・掛川」と銘打った和装を楽しむイベントが3、掛川市の掛川城周辺であった。市内外から参加した35人が、ほころび始めた掛川桜や河津桜を眺めながらそぞろ歩きを楽しんだ。
JR掛川駅から北へ約800㍍の文化財ゾーンにある掛川城や二の丸御殿(重要文化財)、大日本報徳社大講堂(同)などを巡るコース。市指定文化財の屋敷「竹の丸」では茶会に参加したり、大手門から城を背景に写真を撮ったりした。
市民有志でつくる「掛川城下町 景観活性化プロジェクト」が桜の開花に合わせて続けている。城周辺は1月に歴史的風致地区の1つに選ばれたこともあって、中田繁之代表(65)は「桜や着物が似合う、ゆとりある街をアピールし、にぎわいづくりにつなげたい」と話した。

  議員全員が結城紬で出席 結城市議会
茨城県・結城市議会の3月定例会初日となる2日、18人の議員全員が本場結城紬の着物姿で本会議に臨んだ。伝統の地場産業振興のための「紬議会」で、昨年の3月定例会初日に続き2度目。前場文夫市長や副市長らも同じく着物姿で、部長級などの市幹部職員は結城紬のネクタイを締めて本会議に出席した。
技術伝承者によって支えられている本場結城紬。2010年にはユネスコ無形文化遺産に登録されたが、生産量は減り続けている。市によると、1980年度は3万1千反超だったが、2016年度は1200反に落ち込んだという。
結城市議会の秋元昇議長は「長い歴史をつないでいかなければならない。勃興を期待し、議会もあらゆる機会でアピールしていく」と話した。結城紬

  「タイガース着物」販売の川瀬さん 優勝祈願祭に
プロ野球セ、パ両リーグの30日の開幕を前に、阪神タイガースの金本知憲監督や選手らが2日、西宮神社(西宮市)で恒例の必勝祈願祭を行い、500人のファンが詰め掛けた。参道では、応援用ユニホームを着たりメガホンを持ったりと気合十分のファンが選手を激励。「頼むで、優勝してや」の声が飛んだ。
タイガース模様の着物に身を包み、カメラを構えた京都市の川瀬優子さん(43)も参席。着物店を営む川瀬さんは「タイガース着物」を昨年7月から一般販売している。
着物には、タイガースのさまざまなマークをはじめ、「常に阪神が相手チームに勝っている」というスコアボードのイラストが施される。この着物で昨年は阪神戦約80試合を観戦。川瀬さんは「開幕に向け、選手と同じ気持ちになれた」と優勝を期待した。

  自然に感動 染織家山下さんが個展
富山県・古里の自然を着物で表現する南砺市城端の染織家、山下郁子さん(63)=日本工芸会正会員=の個展が3日、同市福光美術館で始まった。日本伝統工芸展での最高賞受賞作をはじめ、初期から近年までの代表作45点をそろえる。創作の歩みを振り返る展覧会は初となる。4月8日まで。
富山の豊かな自然が山下さんの作品の一貫したモチーフ。「早瀬」(2014年)は庄川の急流を藍のグラデーションで表し、「ヒスイ海岸」(2011年)は浜辺と青い海だけでなく、波の音までも表現しようとしている。
今展では、高度な染織技術を間近に触れられ、日本の伝統工芸の粋を堪能できる。

  「染め型紙」題材に切り絵 三木で作品展
兵庫県・着物を染める際に使われた三木の特産品「染め型紙」などを題材に、切り絵が趣味の三好彰さん(83)=神戸市長田区=が制作した切り絵の作品展が、三木市大塚のギャラリー湯の山みちで開かれている。色彩豊かな約50点が並ぶ。28日まで。
デザインカッターを使って切り抜いた作品の裏に、色が付いた折り紙などを貼り付け、チョウや鳥、花などをあしらった繊細な模様を際立たせている。六甲ガーデンテラス(神戸市灘区)の展望台「六甲枝垂れ」を表現した作品もある。
三好さんは「昔の職人の細かい仕事に感心する。型紙の色づけにも注目してもらいたい」と話している。
入場無料。問い合わせはギャラリー湯の山みち☎0794(82)7873。伊勢型紙

  十三まいり100人招待 京都織商
京都市・京都織物卸商業組合は、4月7日に西京区の法輪寺で営まれる「十三まいり」に、数え年で13歳を迎える男女100人を招待する。
十三まいりは、大人の仲間入りをする子どもの健やかな成長を祈る伝統行事。知恵や徳を授ける虚空蔵菩薩に参り、祈とうを受ける。招待事業は和装振興を目的に毎年行っている。
2006年生まれの男女が対象。和装での参加が条件で、事前申し込み制で有料による着物の貸し出しや着付けがある。午前と午後の2部制。
往復はがきに住所や氏名、生年月日、性別、電話番号、保護者氏名、午前・午後の希望、着物貸し出し・着付け利用の有無などを記入し、〒604―8156 中京区室町通蛸薬師下ル山伏山町540 丸池藤井ビル1階 京都織物卸商業組合「十三まいり」係へ。3月3日当日消印有効。問い合わせは同組合075(211)7344。

  石牟礼さん遺志継ぐ色 衣装の糸芸術学校生ら染める
京都市・2月10日に90歳で逝去した熊本県の作家、石牟礼道子さんが物語を書き、文化勲章受章者の染織家、志村ふくみさん(93)が衣装を担当して今秋、上演される新作能「沖宮」の準備が進んでいる。関係者は「石牟礼さんの思いが詰まった公演を成功させたい」と意気込んでいる。
2月23日には、衣装用の糸を染める会が芸術学校・アルスシムラ嵯峨校(右京区)で行われた。染織を学ぶ同学校の生徒ら約10人が、透明感のある青の染料となるクサギの実約1㌔を煮て、四郎の衣装を織る糸を染めた。山野に自生する実は、生徒らが各地で採集。鹿児島県天草市出身の生徒、平賀徳美さん(57)は「天草に戻って実を集めた。四郎の衣装が故郷の実で彩られたらうれしい」と話した。
作業を見守った志村さんの長女で染織家の洋子さん(68)によると、志村さんは「石牟礼さんの遺志を継ぎ、公演を成功させたい」と決意を新たにしているという。
能楽金剛流若宗家の金剛
龍謹さん(30)が四郎をシテで演じる。10月6日に熊本市の水前寺成趣園、同20日に上京区の金剛能楽堂、11月18日に東京都の国立能楽堂で上演される。
7月のチケット一般発売に先立ち、公演資金の寄付金を含む3万円の応援チケット(
小裂のコラージュ作品など付き)を販売している。問い合わせは、平日に「石牟礼道子と志村ふくみの願いを叶える会」☎075(746)3303。関連記事 志村・石牟礼 90代二人が能の新作衣裳
  繭や絹の体験充実 駒ケ根シルクミュージアム完工
長野県・養蚕やシルクをテーマにした展示・工作体験の施設「駒ケ根シルクミュージアム」(駒ケ根市)の改修工事が終了し、3、4の両日にリニューアルイベントを開く。改修では一部が別室となっていた繭クラフトや染色、機織りの体験コーナーを集約した「体験工房」や、生糸から作った紬の着物試着体験ができる着付け室を設けた。繭や絹に関する体験を充実させることで来館者の増加につながることを期待している。
富岡製糸場(群馬県)の世界遺産登録後にシルクへの関心が集まる中、観光施設としての機能強化とインバウンドへの対応を図る狙いで、2002年の開館以来初となる本格的な改修を計画した。 関宏夫館長は「それぞれの体験が見渡せるようになったことで来館者にいろんな体験をしてみたいと思ってもらえるようになれば」と期待。展示室のパネルや案内板の多言語化も終了していて「外国からの利用者にも満足してもらえるようになった」と喜ぶ。
問い合わせはシルクミュージアム☎0265(82)8381へ。

  刀剣女子が銘仙で「イエーイ 足利
栃木県・三重県から夜行バスで刀剣展示にやってきた中島純さん(44)、澪さん(21)親子は「斬新で華やかな足利銘仙が低価格で手軽に着られるなんて、本当にうれしい」と満面に笑み。愛知県の女性介護士(20)も「すてきな銘仙でレトロな街中を楽しめるなんて」と頬を緩めた。
NPO法人の足利きものガールズ(代表・木村志津江=足利市)では現在、足利銘仙を含め約60着を用意。通常、簡単にクリーニングできる化繊製品が主流だが、銘仙は正絹で貴重なアンティーク品をそろえている。利用料金は90分で3千円。追加料金で足袋やげたなど一式借りることも可能。
木村代表(49)は「刀剣を通じて訪れた若い女性らに足利の良さを知ってもらい、楽しんでもらえれば」と話している。銘仙が面白い

  銀座の着物専門店で「西郷塾」 奄美の西郷
東京都・着物専門店「銀座もとじ」(中央区銀座に)はこのほど、同店で西郷隆盛が3年の歳月を過ごした奄美での生活や、当時の歴史や文化を基に大島紬の魅力を伝える「西郷塾」を開催した。会場には65人が集い、話に聞き入っていた。
講師の安田壮一郎さんは、敬天愛人の思想を広める目的で、NPO法人「グレース・ェ・サモサ」を設立。2015年には国民文化祭in龍郷でも西郷について発表したほか、西郷について学ぶ奄美「西郷塾」を立ち上げ活動している。
着物姿の参加者を前に、安田さんも大島紬で登場。「西郷にとって奄美大島はいわば(人生の)大学だった」。また、当時の島の人たちは遠島となって来る人物を上、中、下にランク付けしていて、色が黒くて目が大きく笑みもない西郷は、島の人にとって怖い存在だったらしく「西郷は下の下に位置づけられた」と説明。ただ、「西郷が先生について学んだことと、搾取されるばかりだった村人に西郷が自らに与えられた米を差し上げたことからやがて打ち解け、信頼し合うようになった」など西郷について説明。
会場には、玄孫やしゃごの坪井隆子(旧姓・西郷)さんも駆け付けて、参加者に紹介されていた。西郷の略系図を解説したり、ユーモアも交えた講演に参加者は熱心に耳を傾けていた。
安田さんは「現在にと続く大島紬は、西郷が書簡でつづった苛政(血も涙もないむごい政治)の時代、島の婦人たちによる愛で紡いだ花織への思いが源泉となっているといっても過言ではないでしょう」と締めくくった。奄美大島
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  現代風の上田紬に取り組む 小岩井カリナさん
長野県・江戸時代、現在の長野県上田市周辺で発展した上田紬。真田幸村の父昌幸が奨励した真田紬にゆかりのある絹織物で、日本三大紬の一つとして愛されてきた。伝統工芸士の小岩井カリナさん(45)は、上田紬の伝統的な色柄に新しい風を吹き込み、若い女性のおしゃれ着として世に送り出す。春の日差しを思わせる淡く柔らかな色合いの作品は、地味な紬の印象を大きく変えている。
どうしても東京に出たいと実家を離れて1人暮らし。大東文化大卒業後前進座で活動。6年後限界を感じて退団。全てを忘れて次にやりたいことを考えよう、とアイルランドに留学中、地元のお祭りに遭遇して気が付いた。「民族衣装を着て踊る地元の人を見て、なぜ私は浴衣を持ってこなかったんだろうと後悔したんです。着物は素晴らしいコミュニケーションツールで、私は着るだけでなく作ることもできる。早く日本に帰って織らなければ、って」。当時、ドイツ在住だった弟の良馬さん(42)も同じことを感じており、2人で実家の工房を継ぐことになった。32歳になっていた。
久しぶりに戻った実家に、以前のにぎわいはなかった。父武さん(77)や残っていた織り子の女性らに、糸染めから織機の扱い方までさまざまな技術を教わった。1年ほどたったある日の夕暮れ、注文の反物を織り上げた後、余った経糸たていとに好きな色の緯糸よこいとを通して織っていると、「ちょうど訪ねてきた京都の問屋さんが見て、気に入ってくれたんです。『好きな色柄で、あなたの名前で作ってほしい。全て買い取る』と」。この道で歩いていけるかもしれない、と自信が生まれた瞬間であり、自身のブランド「手織り上田紬 小岩井カリナ」の誕生のキッカケでもあった。
作品に一貫しているのはピンクや黄、緑など、今までの上田紬になかった色づかいの格子柄だ。「気持ちが明るくなり、着ていて楽しくなる柄を作りたい。頭で考えたデザインが、きちんと手足を動かして形になるのは何よりの喜び」と話すが、「思い通りに進まないこともあり、やはり奥が深い。どうしたら1人前になれるのか、今も試行錯誤中」。
劇団で得た着物の知識や所作は、今の仕事に生きている。「自分の役割に気付いてここへ戻ってくるまで、寄り道や遠回りをしたが、すべて必要なことだった」と今は思える。周囲の織元が機械へと移行する中、手織りを続けた祖母、そして父。これからも自分らしさを大切にしながら織り続け、次世代へ残してこそ「伝統」になる、と思いを新たにしている。 上田紬と女性工芸士
 信州紬
  縁起良い図柄の絵画など展示 八代
熊本県・鶴や亀、七福神といった縁起の良い図柄をあしらった絵画や陶磁器、着物などを集めた展示会「福よ来い-吉祥文様の世界」が、八代市西松江城町の市立博物館「未来の森ミュージアム」で開かれている。18日まで。
展示されているのは、同博物館や旧八代城主・松井家に伝わる美術品などを保存している「松井文庫」の所蔵品など約60点で、ほとんどが江戸時代の作。カラフルな色遣いの「鳳凰図」(福田太華筆、江戸時代後期)、紅色の絹地に松竹梅を白く染め抜いた子供用の振り袖などが目を引く。

  着付け10分着物身近に 11日にコンテスト
京都市・簡単できれいに着る「カンキレきもの」コンテストが11日、左京区下鴨の府立京都学・歴彩館で開かれる。観客が見守るなか、ステージ上でモデルがすばやい着付けを実演する。
若い人や観光客らに着物を身近に感じてもらおうと、府が企画した。8つの着物業者が参加し、着やすい工夫を凝らした11点を披露する。
レンタル着物店を営む中京区のNPO法人「京小町踊り子隊プロジェクト」は2点を出品する。2013年にも踊り子用の着物を開発。上、下、腰部分の3部にわかれた作りで、貸し出しや販売をしている。
コンテストでは、着やすいようゴムを通したスカート式に改め、立体感のある帯の結びを作っておいてすぐに付けられるようにした。代表の岩崎裕美さん(66)は「私たちには経験がある。たくさんの人が楽しめる着物をつくり、世界に発信していきたい」と話す。
刺繡や絞り染めを駆使したデザインで知られる1897年創業の京友禅老舗「吉川染匠」(上京区)も参加する。大きな舞台で活躍する着付け師やスタイリストとチームを組み、シルエットの美しさにこだわった作りにする。柄は伝統的なものにし、ロングスカートをはくように着られる着物をめざす。
4代目代表の吉川博也さん(50)は、若者の着物離れを心配する。「着物業界はこのまま待ちの状態ではいけない。若い人に着てもらえるよう、消費者のニーズに近づいて間口を広げたい」 .
経済産業省によると、70年代半ばに1兆8千億円規模だった着物の出荷額は、2013年には3千億円規模にまで急減した。
コンテストは定員400人で無料。希望者は3月8日までに専用サイトで申し込む。問い合わせは府染織・工芸課075(414)4856。申し込み専用サイト

  京都産の藍 ショーで発信
京都府・京藍の復活に取り組む亀岡市保津町の「ほづあい研究所」が、藍染めした衣類のファッションショーを18日にガレリアかめおか(同市余部町)で初開催する。大正時代まで栽培されていた京都産の藍の魅力を伝え、生産拡大につなげたいという。
同研究所は、京藍に由来する種を3年前に徳島県の藍師から譲り受け、「京保藍」と名付けて保津町の遊休地などで栽培を始めた。地元のNPO法人「ふるさと保津」と連携して栽培面積を年々広げ、昨年は約2千平方㍍の畑からTシャツ300着分の染料となる量の藍を収穫した。
京保藍は藍染め液にすると、高級感のある淡い色合いが出るのが特徴。色素の純度が低く、何度も重ね染めをするので色落ちせずに長持ちする半面、生産量が少ないので藍染めには沖縄産の天然藍も使用している。
ショーでは、研究所の藍染め教室に通う生徒約30人が、鮮やかな藍色に染めたシャツやズボン、ドレスなど約60点を着て舞台を歩く。本番に向け、花火や市松模様など好みの柄を衣類に描いて糸で縛り、藍染め液に何度も浸して仕上げている。
ほづあい研究所の吉川慶一所長(65)は「多くの人に藍染めの楽しさを知ってほしい。生産量を増やし、10年後には保津町を『藍のまち』として盛り上げたい」と意気込む。
ショーは午前11時~午後3時。定員200人。事前申し込みが必要で無料。問い合わせは担当者090・3820・7510。徳島の藍

  室積「きものでぶらり」 光市で参加者募集
江戸時代から明治にかけて栄華を誇った光市の港町、室積地区を着物で散策して楽しむ「きものでぶらりinむろづみ」が4月14日に開かれる。光商工会議所などがつくる実行委員会が参加者を募集している。
舞台は海商通りと呼ばれ、当時の繁栄をしのばせる建物の残る室積5丁目一帯。研修施設「アイランドアカデミー」で伝統の木遣きやり歌の出迎え、着物の歴史や日本の歌を楽しむコンサート、参加者が自慢の装いを披露できるファッションショーがある。また、周辺の撮影ポイントにはボランティアが待機し、記念撮影に協力。マルシェやグルメスタンプラリーも開催される。
先着で130人を募集。参加費1000円。詳しくは光商工会議所☎0833(71)0650。

  大島紬に「特別感」 知覧で武家屋敷散策
鹿児島県・南九州市の知覧武家屋敷庭園群でこのほど、大島紬を着て武家屋敷の街並みを楽しむ催しがあった。
同庭園一帯の活性化事業の一環。両日で県内各地から女性22人が参加した。本場大島紬織物協同組合(鹿児島市)の協力で、多彩な大島紬が用意された。参加者は好みの紬に身を包み、武家屋敷庭園内を散策したり、人力車に乗って街中を走ったりした。
「知覧麓の武家屋敷群は、薩摩の麓の典型的な作例の一つで、折れ曲がった本馬場通りに沿って連なる石垣と生垣からなる景観にも優れ、我が国にとってその価値は高い。」として、昭和56年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されいます。
  孫の成人「花織」で祝う 読谷の宇座さん
沖縄県・読谷山ゆんたんざ花織事業協同組合(読谷村)の宇座澄さん(83)は15年前から成人を迎えた孫娘に読谷山花織の振り袖を作り、4人の孫娘にプレゼントしている。孫たちは、宇座さんの85歳のトゥシビー(生年祝い)にその振り袖を着てこのほど一緒に写真撮影をし、感謝の気持ちを表した。宇座さんは脳出血や娘との死別などの困難を乗り越えて4人の振り袖を制作した。孫たちは「愛されていると感じる。同じように私たちもおばあちゃんを大切にしたい」と話している。
振り袖は13㍍以上の生地の長さが必要。宇座さんの振り袖は、読谷山花織に特徴的な「手花織」などの繊細で華やかな技法を駆使している。1着分の一反を織るのに4~6カ月ほどかかる。組合内でも「手間が掛かるので、4人に作ったという人は今まで聞いたことがない」との声が上がる。
初孫だった仲吉梨江さん(35)=北中城村=が成人する時に「織れるのだから、かわいい女の子に着てほしい」とピンクの振り袖を贈った。「そうしたら次の子にもあげたいと思って」と、続けて川満絵梨菜さん(27)=沖縄市=と福地瑠梨加さん(25)=読谷村=の振り袖も制作。だが4人目の宇座詩音さん(22)=米ロサンゼルス在住=が成人を迎える前の2014年、脳出血で倒れて3カ月入院した。
「左半身が動かせず、申し訳ないけど渡せない」。一度は詩音さんに織れないと伝えていた。詩音さんは寂しい気持ちが残りつつ、仕方がないと諦めていた。だが、宇座さんは「1人だけ渡さないわけにはいかない。リハビリを兼ねて頑張ろう」と一念発起。約半年かけて昨年1月に完成させた。
詩音さんは「世界に一着しかない最高のプレゼントだ。喜びと感謝の気持ちしかない」と話し、宇座さんの生年祝いにみんなで記念写真を撮ろうと企画した。
宇座さんは写真を見て「本当にうれしかった。本当に自分が全部やったのかねと驚いた」と笑う。7年前、長女・敬子さん(享年52)を亡くし、ずっと落ち込んだこともあった。「つらい時も織物があったから生きてこられた。織物に支えられている」と語り、今日も機織り機に向き合っている。
※ 生年祝いとは、その年の干支が自分の干支と同じ年になる生まれ年にする祝い。沖縄の染織

  着物で会津観光楽しもう 4月からレンタル
歴史情緒あふれる城下町・会津若松市を着物姿で散策してもらおうと、同市のNPO法人素材広場(横田純子理事長)は4月から、着物レンタル事業「着物でまち歩き」を新たに始める。インバウンドの拡大などで日本文化の注目度が高まる中、手軽に着物をレンタルできるシステムを構築し、会津観光の魅力を高める。
素材広場は福島の「観光」と「食」をつなげるため地産地消の推進や旅行などの各種事業に取り組んでおり、今回は旅行事業の強化の一環として着物のレンタルを始める。「会津のまち歩きを特別にしたい方へ」として、和装に関心の高い外国人などの観光客を中心に利用を呼び掛ける。
着用できる着物は小紋(こもん)や会津木綿などで、順次さまざまな色をそろえていく。女性用のMサイズとLサイズが中心だが、開始までに男性用などもそろえる方針。帯も半幅や細帯から選べる。
電話やホームページなどで事前予約後、同市八角町の素材広場事務所で着物と帯を選び、徒歩1分の美容室で着付けをするシステム。
6~9月の夏季限定で、浴衣一式レンタルの「まち歩き『涼』セット」や、へアセット付きの「まち歩き『葵』セット」も用意した。
横田理事長は「『着物が似合う町』として、全国、全世界からたくさんの人に来てほしい」と呼び掛け、担当する斎藤友貴観光プロジェクトマネージャーは「着物姿でまち歩きする人が増えれば、まちなかも華やかになると思う。手軽に『非日常』の世界を楽しんでほしい」と話している。
 
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