悠久のロマン・琉球王国に誘われて
きもの風土記きもの風土記
エメラルドグリーンの海を眼下に那覇空港に降り立つ
あいにくの曇り空
東シナ海からの強い風がトックリヤシの木々を大きくゆらす
沖縄気分は観光客にまかせて
この地の歴史の一時期をかい間見
 伝統と技に触れてみよう

沖縄の歴
何度か足を運んだ沖縄には、本州にない独自の文化が根強く残っている。その礎となった壮大な大航海時代を海と陸にわけて、駆け足で紹介しておこう。


  琉球国は南海の勝地にして
  三韓さんがん(朝鮮)のしゅうあつ
  大明だいみん(中国)を以って輔車ほしゃとなし
  日域にちいき(日本)を以って唇歯しんしとなす
  此の二中間に在りて
  湧出するところの蓬莱島となり
  舟揖しゅうしゅうを以って万国の津梁しんりょうとなし
  異産至宝は十方刹じゅっぽうせつに充満せり


万国津梁の銅(沖縄県立博物館所蔵)に刻まれた銘文を読むと、14世紀から16世紀にかけて海上を雄飛した琉球国の壮大なロマンが目に浮かんでくる。この1193uの小さな島が、貿易によって地力をつけたのは中国に負うところが大きい。14世紀末、ビン人(福建省出身の人)36姓を賜ったと史書にあるが、おそらく琉球人の生活や風俗、文教を中国風に変えるため送り込まれたと推察できる。そして彼らがもたらした航海技術を学び、下賜されあた舟を駆使し、大海に櫓をおろす。
約2世紀にわたる大貿易時代の幕開けである。が、16世紀に入ると、ポルトガルやスペインなどの東洋進出があり、やがて大交易時代の終焉を迎える。

きもの風土記 きもの風土記

一方、陸上では今もグスクと呼ばれる城跡があちこちで見られるが、これは当時按司あじと呼ばれた小勢力の住居跡だ。各地に割拠していた按司は次第に力を持った大きな勢力によって統合されていくのだが、14世紀にその勢力分布は中山ちゅうざん・南山・北山の三つに統合される。沖縄史上「三山時代」と称し、王が誕生する。しかし、後に琉球を統一したのは三山の王ではなかった。舜天しゅんてん英祖えいそ察度さっとの王統説あるが、神話的ベールに包まれており、名実ともに統一したのは尚巴志しょうはしであった。南山の配下であった佐敷さしきの按司尚思紹しょうしょうの子として生まれた巴志は、大里の案司を滅ぼしその勢いで中山の武寧ぶねいをも征伐、1406年中山を浦添から首理に遷都する。その後難攻不落の今帰仁城なきじんぐすく(北山)を拠点とするハン安知あんち 王を、ついで南山王の他魯毎たろまいを下し1429年琉球国として統一をなした。


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