京都市産業技術研究所繊維技術センター(京都市上京区)が開発した「水に濡れても縮まないきもの」が「第47回全国繊維技術交流プラザ」で優秀賞を受賞した。開発商品は、独立行政法人科学技術振興機構の委託を受けて実施した「絹織物の高機能化を目的とした環境調和型防縮加工技術に関する研究」の成果物といえる。

 科学薬品使わず
 
防縮加工
きもの風土記
 加工布(下)と未加工布で同サイズのきものを作製。
 水に浸した後に乾燥させ2枚重ねで比較したもの。
京都市産業技術研究所繊維技術センターによると「水に濡れても縮まないきもの」とは、科学薬品を全く使わずに水に濡れても縮まない加工(防縮加工)を行なっており、地球環境、加工業者、消費者に優しいきものといえる。防縮加工は、通常染色加工で用いられている蒸熱装置(蒸し箱)を用いるため、大がかりな新規機器導入を必要とせず、処理工程も非常に簡単なものになっている。
具体的には、絹の生地を強く引っ張った状態で固定し、
蒸熱装置に入れて高圧状態で5分ほど蒸し、その後布を水に入れると、張力をかけた状態から元のサイズに戻り、それ以上は縮みにくくなるという。
防縮加工によって、絹変り無地ちりめん(洗剤液での縮み率:たて16%、よこ5%)や絹古代ちりめん(洗剤液での縮み率:たて20%、よこ27%)は、縮み率がたて、よこ共に3%以下になるとしている。保管中の吸湿による縮みの故障発生を防止することはもちろん、突然の雨による縮み防止、さらにはきものの水洗いも不可能ではなくなる画期的なものといえる。
京都市産業技術研究所繊維技術センターによると、これまでの防縮加工は、化学薬品を使ったものが主流だったが、今回開発された新技術は環境負荷やコストが大幅に削減でき、縮みのトラブル防止のニーズがきものの業界で高かっただけに、和装関連業界からの期待も大きくなっている。