ほどなく訪れる卒業式シーズン。きりっとした袴姿に身を包み、普段と違った装いを楽しむのも、女子学生の楽しみの一つだ。ただ、日常着慣れない和装は不安でもあろう。
さて、「袴ファッション」であるが、大手貸衣装業者によると、卒業式を迎える女子学生の式典ファッションの8割は袴スタイルという。そのうち、自前のきものを着る人は1割未満。きものや袴など一式レンタルする人は7割に及ぶ。残り2割は、成人式の時に着た自前の振り袖や母のきものを使い、袴など一部を借りる人がほとんどだ。
そんな彼女たちに向け、いろいろと探ってみた。

  ブーツは少数派 着付けは割高・保険加入が安心
先輩たちや業者にに聞いてみた。
まずは「予約」だが、「4年生の7月、大学で開催していた展示予約会で。早めに予約しないと式当日の朝が早くなるから」(日本大卒)や「当日の2週間前に地元の呉服屋さんで」(昭和女子大卒)とさまざまだ。
借りる場所は学内の生協などが大半だが、中には大学近くのマルイなどファッション専門店や百貨店なども。卒業式より半年も早く予約をする理由は、レンタル業者側が、卒業生の人数の多さや借りる物の多さに対応するため。気に入ったデザインは早めに予約したいという学生側の心理もあるようだ。
一方、早割や友達2人以上の予約での割引など、直前ではなく、秋から新春までは特典が多いので狙い目かも(もう遅いか・・)。また業者によっては「豪華一点もの」を扱う場合もあるので、よりたくさんの衣装から選びたいなら早めの予約がおすすめ、と先輩のアドバイス。
費用に関しては、きもの単体は6000〜4万円強。袴は6000〜1万5000円といったところだが、自分で着付けすることは難しい。全てレンタルする人は、きもの・袴着付け・ヘアセットなどがセットになったプランを選ぶことが多く、費用は約5万〜7万円になる。袴など一部を借りる派は、袴代金プラス支度セットで約3万〜5万円かかるのが主流(少し痛いかも)。
100を超えるきものや袴の組み合わせから1着を選ぶのは大変だ。
大手貸衣装業者に聞いたところ、「好きな色のチョイスでいい」とのこと。先輩たちも「成人式で赤か黒かで迷い、その時選ばなかった赤を選んだ」(女子栄養大卒)、「女子大ゆえに、他人とかぶらない珍しい柄を組み合わせた」(大妻女子大卒)など、おのおの選ぶ基準があるようだ。しかし、好きな色の組み合わせが必ずしも合うわけではないので、試着することも大切と、先輩たちは指摘する。
平均試着数は3〜4着で、中には「試着が楽しくて、友達の付き添いということで、自分も何度も着た」という人も。また履物にブーツを選ぶ割合は、1対2と草履が多め。和洋折衷で「ハイカライメージ」の「袴にブーツ」は憧れていても、セットプラン対象外であきらめたという意見が大半だった。
だが中には「店員さんからうちの大学はブーツが多い」と知り、草履は履かなかったというケースも。大学によって履物の傾向に違いがあるので、学内での展示会の業者に聞いてみるのも一つの方法だ。
準備は万端、いざ本番。卒業式の会場が学内の講堂や武道館などのため、着付け等は会場近くのホテルや校内で行う。ヘアセットや着付けなど全体で1時間強。時間との勝負で、「髪形」にまつわるトラブルも。「髪形のイメージを言葉で説明したが仕上がりが気に入らず、式の直前手持ちのピンで直した」(早稲田大卒)、「髪形を全く考えておらず、思ってもいなかった形にさせられた」(立教大卒)など、時間がなく、直してほしいと言えなかった体験をした人もいるようだ。
また不安なのが当日の天候。「あいにくの雨できものがぬれてしまった」と予期せぬ経験をすることも。こんな時のために、保険に加入しておくと安心だ。費用は600〜700円。業者によると、保険を掛ける割合は半々だが、化粧汚れや多少の泥はねまでは許容範囲でも、万が一のために加入しておいた方が、余計な心配をせずに済むかもしれない。
何年たっても色あせることがない卒業式での正装の記憶。「式を抜け出した際、外国人観光客にひたすら写真を撮られた」(日本大卒)思い出など、平成の女子学生にも袴姿は、学生時代最後の思い出を飾る大切な一着であることに変わりはない。