この夏、若い男性の浴衣姿を多く見かけた。全身の統一感があることで品よく見えるばかりか、足元や首元が涼し気で、体形を隠しながらシルエットを見せるドレープはセクシーでもある。パーティーでも着物姿の男性を見かける頻度が増えた。タキシードやダークスーツの集団にあって、着物は格においても引けをとらないどころか、ひときわ目をひく。少数派である着物の男性は話しかけられやすく、デメリットを探す方が難しい。


  
正しくない着方って あるの?
Y.&SONSが提案する着物 

それなのに着物を着ない理由があるとしたら、着付けや片づけが面倒でルールが厳しく、価格も含め敷居が高そうというイメージからか。そのようなハードルを払拭し、自由で刺激的なファッションとしてモダンな着物を世界に展開していこうとする試みが始まっている。
たとえば、創業100年という老舗の「やまと」が2015年にオープンした「Y.&SONS」。創業者と息子たち、という西洋風の社名のもと、正統派の着物だけでなく、着物に合わせやすい帽子、革靴、バッグなども取り扱う。2017年の10月には、ノルウェーのデザイナー、T−マイケルの作るウールフラノの生地を用いて、洋服と組み合わせてもスタイリッシュに仕上がる着物、T−KIMONOを発売する。ネイビーやグレー地にカラーのストライプが入るウール地は、スーツ用としても使える服地。これで仕立てた着物は、スーツに替わる仕事着や社交着としても通用する品格を備え、帽子や革靴、トラウザーズと合わせても、違和感がない。
「正しくない着方」として批判する教条主義な見方もあるだろう。しかし、正解とはなんだろう。伝統をうんぬんするなら、本来、着物はフォーマルだけでなく、日常でも着られた多様性のある服だった。現代の着物の元祖は江戸時代の小袖で、これは前時代には下着である。
飲食業界では「和」の文化が新しい視点のもとに続々と生まれ変わり、人気を博しているが、着物においてもその可能性は大いにありうる。和洋折衷着物が「正解」になるかどうかは、着物の歴史における幾多の変革の時にそうだったように、時代が決めていくだろう。
きものフリーダム いいじゃな〜い


  振り袖Yシャツ 
爆誕 (^^♪
いいんじゃな〜い?
着物とYシャツ。“身にまとうもの” 以外、特に共通点がないように思えるアイテムが、なぜだかドッキング。「振袖Yシャツ」として、ヴィレッジヴァンガードのオンラインショッピングサイト「ヴィレヴァン通販」にて予約注文を受け付けている。
人気イラストレーター紅木春のイラストを、忠実に再現。Yシャツの袖部分に、振袖さながら長〜い “たもと” が施されている。摩訶不思議な1品ではある。
紅木春いわく「こちらの振袖Yシャツは、和洋折衷な衣装をデザインしたい、という思いで描きました」とのこと。いつの日か日常的に、気軽に和服を楽しめるようになったなら」といった思いを込めて描きましたとも。皆さんのご意見は如何に…。