5月のニュース




話  題
男衆さんの着付けを体験
京都でクリエーター向け「花街」講座
舞妓を着付ける「男衆」ゲスト

ロフトワークが運営する「MTRL KYOTO(マテリアル京都)」(下京区五条下ル本塩竃町)で、連続講座「ココハナ塾」が開かれている。
イラストレーターやデザイナーといったクリエーターの「和物」制作のクオリティーを上げることを目的に、実際にその仕事に携わる人から話を聞く同講座。8月まで全4回行う。
第1期テーマは、花街や花街文化を設定(5月)。講座ではクリエーティブユニットの「だるま商店」の島直也さんが、舞妓の着付けを担当する男衆おとこしの次玄さんをゲストに招き、普通の着物の着付けとの違いや男衆の仕事を紹介した。舞妓の着物と、腰ひもの上から巻きつける「しごき(または「一丈」)」が用意され、着物の重みや、しごきの締まり方などを体験。参加者は外出時の裾の処理や着物の柄の配置など熱心にスケッチやメモを取っていた。
最後に参加者が受講前に制作した舞妓のイラストやパンフレットデザイン、フラワーアレンジメントなどの制作物の講評が行われた。着物の色の使い方や舞妓の手の写真を見て体験舞妓用の衣装だと見抜いた島さんは「分かる人には分かるもの。仕事では本物の写真を使って」などアドバイスをした。
6月以降のゲストは、6月は髪結い師、7月はお茶屋のおかみ、最終回の8月は舞妓・芸妓をそれぞれ招く。6月からの参加も可。参加費は2回目以降3回=1万8500円ほか(1ドリンク付き)。

きものニュース
欧州に着物広げたい
日・瑞のアーティストがコラボ 西桂町で2人展
山梨・日本とスウェーデンのテキスタイル・アーティストによる2人展、「織りまぜるスウェーデン+日本」が22~24日、南都留郡西桂町の手織り工房「おるdeつむde」で開かれた。
同町地域おこし協力隊員で、同工房を拠点に手織りの作品制作やテキスタイルデザイン、染織を手がける堀田ふみさん(38)と、スウェーデンの芸術家、ミラ・エークさん(47)が作品を展示。堀田さんが武蔵野美術大卒業後、スウェーデンで10年余り織物の創作活動をする中でミラさんと知り合い、今回の2人展につながった。
ミラさんはダンス、バレエなどの舞台衣装制作で国際的に活動する芸術家。「着物」のイメージを元に、インドネシア、イタリアなどの素材を使った、動きやすく、機能的なコートやドレスを展示した。堀田さんはスウェーデンの柄を生かした小物などを製作展示した。
日本が大好きというミラさんは「歌舞伎、能などの着物をヨーロッパに広げていきたい」と意欲を見せていた。2人展は14~19日、東京・原宿でも開催された。

打ち掛けを羽織って見学
藩制時代の七夕飾り再現 角田市郷土資料館
宮城・藩制時代の角田館主石川家の七夕飾りを再現した七夕展が、角田市郷土資料館で開かれている。7月9日まで。
琴や三味線、着物を飾り、季節の野菜を供えて姫の成長を願う「星御祭棚」を座敷に再現した。打ち掛けの試着も初めて用意された。
新古今和歌集の「七夕のと渡る舟の梶の葉に幾秋かきつ露の玉章ずさ」の和歌を唱和して子どもたちが市内を練り歩く伝統行事「金津七夕」にちなみ、貴族が歌をしたためたという梶の葉に字を書く体験コーナーもある。
午前9時~午後4時半。月休。入館無料。連絡先は資料館☎0224(62)2527。

月影屋も出品する
浴衣集合催事開催 ラフォーレ原宿
東京・ラフォーレ原宿では7月1日~26日の期間、2Fコンテナにて大規模な「浴衣」の集合催事「浴衣IN LAFORET」を開催する。
3回目の開催となる今年は、WEB通販での浴衣売上トップシェアを誇る「KIMONO YUKATA SOUBIEN」、フランス人デザイナーが手掛ける「CLEMENTINE SANDNERR」の2店舗が初登場、計8店舗が出店。
期間中は、ファッションデザイナー鷺森アグリが手掛ける館外1Fウィンドウディスプレイや館内2F中央階段ディスプレイをお楽しめるほか、7月15日にはコンテナ各店舗で、浴衣ファンなら誰でも参加OKのウェルカムパーティーが開催される。
各店ではこのパーティーだけの限定ノベルティや撮影会、ゲストモデル来店など、スペシャルな企画を用意。「ぜひお誘い合わせのうえご来場ください」と呼びかけている。ゆかた心得

久留米高英語科
イマジンワールド  久留米高が参加
福岡・2020年東京五輪・パラリンピックに向け、196カ国をイメージした着物を作って交流を目指す「KIMONOプロジェクト」で、県立久留米高の英語科2年40人がマレーシアのデザイン作りに取り組んでいる。久留米市で始まった同プロジェクトに地元の学校が参加するのは初めて。総合的な学習の時間を使って同国の歴史や自然、文化などを学びながら夏休み前に案を仕上げ、年内に作家が完成させる。
授業は生徒たちが自国の文化を理解し発信できるようにするのが目的。22日は浴衣の着付けに挑戦した。和服入門として自分で着られるようになるとともに、着ると柄が違って見えることを知ってもらう意図もある。プロジェクトの運営団体イマジン・ワンワールド(高倉慶応代表理事)のスタッフらからタオルを使った体形補正や丈の合わせ方、帯の結び方などを学んだ。
同校の参加は、昨年度の2年生が「着物文化」をテーマに調べ学習をして同プロジェクトと出会ったのがきっかけ。今年度、マレーシアから留学生が入学したため同国の着物をデザインすることになった。1着約200万円掛かる制作費は同国と交流のある福岡市の企業が負担する。
学習は分野ごとに6班に分かれて進めている。歴史班班長の熊川樹里さん(16)は「(植民地として)支配されてきたマレーシアの人たちの平和の願いを表すデザインにしたい」と話した。

意見が好感された勉強会
「きものプロジェクト」勉強会 十日町
新潟・第4回「人を呼ぶきものプロジェクト」勉強会がこのほど、十日町市のクロステンで開催された。
勉強会は、きもの産地全体の活性化を目的として、きものに関する資源を活かし人を呼び込むために、十日町地域振興局が主催して昨年から開催しているもので、来年開催を検討している様々な人が自由に織物工場を見学できるイベント「十日町きもの工房巡り(仮称)」の開催について意見を交換した。
勉強会には十日町市内の織物業者、着物販売業者、十日町織物工業協同組合、十日町市商工会議所、十日町地場産業振興センター、大学関係者、市、県などから11人が出席。アドバイザーとして参加している東洋大学大学院国際観光学部客員教授の丁野朗氏は「個々の企業の収益を越えて地域の収益を生み出す取り組みが必要」と提言した。
参加者からは「工場見学で経営者か職人が説明役となると、その間仕事が止まることもあり、頻繁な受け入れはむずかしくなる。きもののことを総合的に説明できるランドオペレーターが必要」といった意見や「協力してくれる大学生に工場見学時のガイドやイベントのネーミングのアイディアを出してもらえないか」、「工場見学のあと、いきなりきものを買うには高価すぎるので、数千円で買えるような商品開発が必要」などの意見が出ていた。
また十日町地域振興局は「まずイベントを行うという気持ちが大切。振興局としても120%の力で取り組みたい」と、きものを中心とした観光産業の取り組みに意欲を見せた。今回の勉強会では「十日町きもの工房巡り(仮称)」を、来年5月中旬の3日間で開催を目指すことが確認された。来年のイベントに先立ち今秋には首都圏のシニア層をターゲットにプレミアムな価格帯でのモニターツアーも企画されている。

講座風景
シルクで縄文織り体験講座 八ケ岳文化園
長野・シルク文化協会(岡谷市)などは24日、シルクで作る縄文織りと板織りの体験講座を原村の八ケ岳自然文化園で始めた。8月まで全10回開き、オリジナルの手作り作品を完成させる。
八ケ岳jomon楽会メンバーが講師を務めた。8人ほどが参加し、思い思いの作品作りに取り組んだ。初めて縄文織りを体験した片岡きくさん(67=茅野市)は「簡単な織り方で、誰でもすぐにできますね。スカーフを作りたい」と笑顔を見せた。
縄文織りは、縄文時代の遺跡の中から発掘された織物を再現したもの。機織り機などを使わずに、簡単に織ることができるのが特徴。板織りは、戦後まで行われていた織り方で、板上に渡したひもにシルクの糸を織り込んでいく。
同会の会田進会長(70=原村)は「自然や体に優しいシルクの良さを普及させたい。機織り機がなくても簡単にできる縄文織りや板織りでオリジナルの作品を作ってほしい」と参加を呼び掛けている。随時、受講生を受け付けている。
問い合わせは会田さん090・4153・1904へ。

カタヤマさんと押元さん
着物ドレス縁に親交 デザイナーとミセス・アジ
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点に着物デザイナーとして活躍する沖縄出身の押元末子さん(55)は仕事を通して知り合った韓国生まれの米国人で、2015年に「ミセス・アジアUSA」で1位に輝いたサン・リー・カタヤマさん(44)との親交を深めている。
押元さんとカタヤマさんとの出会いは14年。その年の「ミス・アジアUSA」にカタヤマさんの娘、エリコさん(26)が韓国代表で出場した時までさかのぼる。コンテスト当日は押元さんが大会審査員をしていることから出場者のドレスをデザインすることはできなかった。しかし、コンテスト後にカタヤマさんとエリコさんからそれぞれ2着の着物ドレスのオーダーがあった。2人の出会いは「着物ドレス」がとりもった。
優勝した15年のコンテストでカタヤマさんが着ていたのが押元さんがデザインした着物ドレスだった。それ以降、カタヤマさんは大きいイベントやレッドカーペットへの出場の際は、着物ドレスを着るようになったという。
このほどロサンゼルスのミュージックセンターで、在ロサンゼルス日本総領事館が開いた「日本へ捧げる」と題したガラ・ディナー(特別晩餐会)に、2人仲良く出席していた。

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着物の魅力紹介 樟蔭女子大ファッションセミナー
大阪府・大阪樟蔭女子大化粧ファッション学科は7月16日、第30回樟蔭ファッションセミナーを開く。
市民向けの公開講座で、「伝統と創造」をテーマに活動するNPO団体「美・JAPON」理事長の小林栄子さんが「ドラマティックコラボレート~Beyond kimonoとは~」と題して講演。着物の魅力や、百年以上前の匠の技、新技術を紹介する。
会場は、大阪樟蔭女子大(東大阪市菱屋西)の清志館5階G501教室。午後4時~5時半。無料。問い合わせは樟蔭ファッションセミナー事務局☎06(6723)8227。

モデルの坂木さん
浴衣姿で楽しもう 鎌倉花火大会
神奈川・鎌倉のギャラリー+スペースKAYA(大町)で7月19日、浴衣の着付けやモデルによるポージングの指導、プロカメラマンによる撮影などがセットになった「夏色和美人ゆかたレッスン」が開かれる。
レンタル着物店が増え、和服姿で観光を楽しむ姿を見掛けるようになった鎌倉。「自分で着物をコーディネートしたり、自分で着付けができたりとステップアップする機会を提案したかった」と話すのは「和美人Wabito」の宇野紀子さん。着物モデルとしてもパリコレをはじめアメリカ、カナダ、中国などで出演歴があり、結婚を機に着付け講師としての活動を続けながら友人らと同団体を立ち上げ企画した。
当日は、鎌倉駅近くにありながら深い緑に囲まれた妙本寺の参道にある1軒家をリノベーションした同ギャラリーに集合し、参加者は浴衣の着付けレッスン、ワンポイントヘアメーク、コーディネートなどを体験する。
その後、屋外へ出て写真撮影に備えポージングを学ぶ。指導はグラビアアイドルとしてデビューし、2児の母となった現在もモデルとして活躍している坂木優子さん。古都鎌倉の風景の中を移動しながらプロのアドバイスを受け、浴衣姿が映えるポーズを取る。その様子を、「世界でたった一つの物語をつづる」をコンセプトに活動する女性写真作家Ito Photographyさんが撮影する。
「ワンランク上の着物体験になるはず」と宇野さん。同日夜には由比ガ浜で第69回鎌倉花火大会が開かれるため、そのまま会場へ出掛けることもできる。
宇野さんは「花火はもともと迎え火や送り火、先人供養などが由来とも言われている。日本人が古来大切にしてきた夏の風物詩を浴衣姿で楽しんでほしい。これからも着物を着ることを通して凛(りん)とした和の心を伝えていきたい」と話す。
有料。女性限定で先着12人。申し込みはメール(rinto.kimono@gmail.com)で受け付けている。問い合わせは☎0467(25)2669。
   19日ー25日
女の子用の和傘と着物
伝統の金沢和傘と着物を紹介 くらしの博物館
石川・伝統工芸「金沢和傘」と、和傘を日常的にさしていた時代の着物などを紹介する企画展「金沢和傘と着物」が金沢市飛梅町の金沢くらしの博物館で開かれている。7月30日まで。
雨や雪が多い気候に合うようにつくられた金沢和傘は傘骨が太く、水はけがよく雪が落ちやすいように急な勾配がつけられている。傘を開いたときには内側に色とりどりの糸で編み上げた「千鳥掛け」が施されているのも特徴だ。昭和20年代は日常の光景だったが、30年代になると洋傘の普及と共に次第に使われなくなっていったという。
現在は松田和傘店(同市千日町)だけが金沢和傘を作り続けており、表具や木工などの職人らが技術を受け継ごうと活動している。
企画展の会場では女性がさした蛇の目傘や男性用の番傘をはじめ、男児用には馬、女児用にはボタンが描かれた子ども用の和傘も展示。当時の普段着だった着物や下駄なども紹介されており、学芸員の東條さやかさんは「こんな姿で出かけていた様子を見てほしい。和傘を手に取り撮影できるコーナーもあり、この機会にもっと知ってもらえれば」と話す。加賀友禅

写真は昨年
コンテスト出場者募集 川越浴衣まつり
7月30日に本川越駅前で行われる「川越浴衣まつり」で、現在、浴衣コンテストの出場者を募集している。後援は川越商工会議所、川越きものの日実行委員会。
川越百万灯夏まつりのイベントとして行われる同イベント。今年で4回目を迎え、今回は現在放送中のテレビアニメ「月がきれい」とコラボレーションする。監督の岸誠二さんと水野茜役の声優・小原好美さんが特別審査員として参加するほか、2人を交えたトークショーも予定。
浴衣コンテストの参加条件は、川越のことが好きで、当日浴衣を着て来場できること。午前中に会場へ来場でき、コンテスト本選に出場できる人が対象となる。参加カテゴリーは、「一般(個人)部門」「一般(グループ)部門」「キッズ・ファミリー部門」と新設の「コスプレ部門」。書類選考により25組程度が本選に出場する。
担当者は「川越浴衣まつりは毎年盛り上がりを見せており、今回はコスプレ部門を新設して、一層の盛り上がりを期待している。多くの方に参加いただければ」と意気込む。応募は30日まで。ホームページにあるフォームで応募を受け付けている。

小ぶりでにぎやか
紅花の収穫が最盛期 飯沢
山形・県オリジナル品種の紅花「マイクロベニバナ」の収穫が、主産地の山形市で最盛期を迎えている。JA山形市花き園芸専門委員会紅花部(坂本栄之部長)では栽培から採種まで一貫して取り組んでおり、生産者が作業に追われている。
マイクロベニバナは染色用の「もがみべにばな」から選抜・育成され、2012年に本格的な栽培が始まった。小さな花を多く付けるタイプで、切り花やフラワーアレンジメントの花材として親しまれている。
坂本部長が管理する同市飯沢の栽培ハウスでは、だいだい色の花が咲き誇っている。出荷用は1輪咲いた段階で市場に回すが、採種用は秋まで置いておくため今が満開状態。坂本部長は「良い状態の花を提供するのが仕事なので、順調に育った姿を見ると管理したかいがあったと感じる」と話していた。出荷は7月上旬まで続く。最上紅花

復刻浴衣を着る女子大生
昭和の図案浴衣で復刻 京女と高島屋が協力
京都・京都女子大(東山区)と高島屋京都店(下京区)が協力し、昭和初期から残る着物の図案を基にした柄の浴衣が作られた。同店で販売し、7月2日には同大学の学生による浴衣のファッションショーも開かれる。
京都で修業した図案家の寺田哲朗さん(1908~2000年)が手掛けた意匠を中心に、京都工芸繊維大美術工芸資料館(左京区)が約3000点の図案を保管。高島屋のバイヤーが、青木美保子京都女子大准教授(服飾史)を通じて図案を見る機会があり、浴衣での復刻を思いついた。
今年3月、同大学家政学部の学生約20人にアンケートし、15種類から4種類に絞った。学生の提案を基に、芙蓉の花のデザインを活かしながら花の白を黄に、背景も茶系から流行の深い青にするなどアレンジした。
芙蓉のあらを選んだ4年の井谷美保さん(21)は「かわいらしくて、ぜひ着てみたい」と話す。ショーは午後3時と同5時から各30分間、同店5階呉服売り場で復刻柄を含む13点が紹介される。

浴衣で鑑賞する根垣さんと中田さん
着物や浴衣で割り引き 北野恒富展
大阪・あべのハルカス美術館(阿倍野区)で開催中の「没後70年北野恒富展」で21日、着物や浴衣で来館すると入場料が安くなる「和装割引」が行われた。「日本一ゆかたの似合う街」を掲げる城崎温泉(兵庫県)の観光大使の根垣あもさん、中田好美さんも浴衣姿で駆けつけ、会場に花を添えた。
同展は美人画で知られる日本画家、北野恒富の大回顧展。恒富は着物姿の艶やかな大阪の女性を作品に取り上げ、あでやかな世界観で人気を博した。この日は男女問わず和装で来館すると当日券(一般1300円)が100円割引となり、会場では着物姿で作品を鑑賞する姿が見られた。
和装割引は今後、愛染祭が開かれる30日や七夕の7月7日にも実施される。同展は7月17日まで。問い合わせはあべのハルカス美術館☎06(4399)9050。

渋谷マルイ店
店で浴衣を楽しむ 高島屋
東京・「日本橋高島屋」の呉服サロンでは、鮮やかなターコイズブルーの浴衣に目をとめる。ボタンの花のピンクを始め、黄や緑と、華やかで写真映えも抜群。中国陶器を思わせるような古典的な柄と、現代的なカラーリングが暑さ本番の盛夏に映えそう。浴衣だからこそ着こなせる柄でもある。白地の帯ですっきりと仕上がっている。
神宮前「水金地火木土天冥海」では、洋服のブランド「スラドキー」の浴衣を選ぶ。青と黒で染め上げた生地は、モダンながら着物らしさも残している。近江ちぢみ特有のシャリ感に加えて、麻85%、綿15%という組成なので涼しく肌触りも良い。白地にスパンコールを使った帯は「月影屋」のもの。気負わず、オシャレに楽しめる。
「ふりふ渋谷マルイ店」では、ネコの水兵をモチーフにした浴衣を見つけた。ギターを手にした様子がユーモラス。吸水性のある特別なポリエステルを使っているので、着心地もさらっとしている。シワになりにくく、家庭で洗濯できるなど取り扱いも楽。小物次第で夏着物として色々な着こなしもできる。洋服感覚で楽しめる一着。

作品に見入る来場者
若冲の世界観西陣織で表現 大津で展示
滋賀・江戸中期に京都で活躍した絵師伊藤若冲の作品を西陣織で表現した「西陣美術織 若冲動植綵絵全30図展」が、大津市柳が崎のびわ湖大津館で開かれている。細部まで描き込まれた絵画が織物で忠実に再現され、来場者の目を引いている。
西陣織の技術の伝承に取り組んでいる「西陣美術織工房」(京都市)が開いた。さまざまな動植物を描いた30幅と、釈迦三尊像3幅を再現した掛け軸を展示した。縦糸約2700本と横糸約1万5千本を300年前の織機を使って織り上げており、若冲の作品特有の立体感まで表現している。
訪れた人たちは、会場で貸し出されているルーペで細部まで観察し、精巧な技術を堪能していた。大津市の古田敬子さん(73)は「繊細な若冲の作品を織物で再現する西陣の技術は誇らしい」と興奮気味に話していた。25日まで。無料。

ほぼ日運営の「TOBICHI京都」
「ほぼ日」ショップ 京都にオープン
京都市・コピーライター糸井重里さん(68)が主宰するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)」の店舗「TOBICHI京都」がこのほど、下京区河原町通四条下ルの壽ビルディング3階にオープンした。
「TOBICHI」は、1998年から始まったネットメディア・ほぼ日で展開する事柄を具現化した店舗。ギャラリーやイベント会場としても活用でき、2014、15年に東京・青山で1、2号店をオープンした。京都には糸井さんの別宅もあり、友人のデザイナー皆川明さんから自身のブランド「ミナ ペルホネン」の入る建物の一室を紹介された縁で3号店として出店した。建物は昭和初期の建築。約30平方㍍に満たない小さな空間で、天井が高いことから糸井さんが愛称を「circus」と名付けた。
オープンを記念して30日まで企画展「こんにちは、ほぼ日です。」を開催。紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)志村ふくみさんと長女で染織家志村洋子さんの芸術精神を反映させたブランド「アトリエシムラ」の着物や、ミナ ペルホネンとの企画で生まれた帯を展示している。糸井さんの書籍やその表紙を飾った原画などが並び、手帳やタオル、ジャムなど「ほぼ日グッズ」も販売する。糸井さんは「京都に来た人たちにも、ふらりと立ち寄ってもらいたい」と語る。
長期休み等はホームページで掲載。同店080(8457)1101。

お迎えは「最上紅花」
触れる紅花文化 紅の蔵でパネル展
山形市・間もなく見頃を迎える紅花をテーマにした「紅花とおもひでぽろぽろパネル展」が、十日町2丁目の山形まるごと館紅の蔵で開かれている。
紅花シーズンの幕開けをアピールし、紅花の魅力を広く伝えようと開催。会場には紅花の里・高瀬地区(同市)を舞台にしたアニメ映画「おもひでぽろぽろ」のパネルを展示。昭和の面影を残す旧山形駅舎や咲き誇る紅花、花摘み・染め作業、主人公と地元の人たちが触れ合う思い出深いシーンなど17点が並ぶ。
「もがみべにばな」の切り花や紅花染めの着物、高瀬地区に伝わる「高瀬焼」のランプシェード・湯飲みなども併せて展示。紅花の栽培や加工、流通の様子を描いた県指定文化財「紅花屏風」(複製)も飾られ、山形が誇る紅花文化を発信している。
展示は7月17日まで。入館料は無料。
期間中、紅の蔵では多彩なイベントを繰り広げる。瓶に花びらと点灯したろうそくを浮かべ、光の回廊をつくる「紅花キャンドルナイト」は今月24日午後6時半から。高瀬紅花ふれあいセンターで7月8、9日に開かれる「山形紅花まつり」PRのため、同2日午前11時から切り花をプレゼントする。まつり当日は会場への無料シャトルバスを運行し、紅の蔵発が午前11時と午後1時半となる。問い合わせは紅の蔵☎023(679)5101。最上紅花

反物を囲む関係者
笑野さんに贈るシルク反物 岡谷市観光協会
長野県・岡谷市観光協会(中村文明会長)が、同市出身で市観光大使を務める歌舞伎役者の市川笑野さんに贈る衣装用反物が織り上がり、担当した岡谷絹工房(小山町子代表)から18日、中村会長に引き渡された。
協会では今週中に笑野さんに贈り、衣装を制作する松竹衣装で女性役が身に付ける「長絹ちょうけん」に仕立てられる。完成した衣装は、9月3日にカノラホールで開く「市川笑野舞踊会」で着用するほか、岡谷蚕糸博物館で7月下旬から開く企画展「歌舞伎衣装展」にも展示し、広く一般に公開する。
観光協会では一昨年、「岡谷の絹や製糸業をPRするきっかけになれば」と、笑野さんに楽屋入り口に下げる「夏のれん」を寄贈。独特の風合いの生地が好評で、「次はこの生地で衣装を」と話が進み、笑野さんと関係者で打ち合わせながら制作してきた。
生地に使用した絹糸は、岡谷蚕糸博物館に併設する宮坂製糸所オリジナルの「銀河シルク」。300~400個の繭から繰糸した極太の糸で、通常の生糸の10倍の太さがある。この糸を京都の専門業者に依頼して染めた黄色と紫色の2色に、染めてない白糸の3色を使い、岡谷絹工房で幅80㌢、長さ6.5㍍の反物に織り上げた。
反物を引き渡した絹工房の小山代表は、「張りのある生地が衣装になった時、どんな風になるのか楽しみ」と、絹工房の織物が歌舞伎衣装になる日を楽しみにしている。反物を見た中村会長は、「風合いがいい」と感心し、「岡谷シルクが歌舞伎を通じて改めて注目される。笑野さんが着てくれること自体がPRになる」と期待を込めていた。

華やかさ演出
婚礼美容家協のコンテスト 東北大会
山形市・婚礼衣装の着付け、ヘアメーク技術を競うコンテスト「ZenKon Contest東北大会」が19日、山形テルサで開かれた。東北各地の美容師や美容専門学生が出場し、結婚式や披露宴の華やかさを演出する腕前を披露した。
全日本婚礼美容家協会(田中雅子会長)が主催し、留め袖着付け、打ち掛け花嫁着付け、和装トータル、ニューブライドの4部門に計20人が出場。制限時間内にマネキンやモデルに着物を着せ、いかに美しく着付け、ヘアメークできるか争い、美容師としてのマナーも審査対象になった。
参加者は時間を気にしつつ、着物のバランスや帯の結び方、裾の長さ、髪型、アクセサリーの位置に気を配り、表情、視線は真剣そのもの。会場は緊張感と華やかさが同居した。みつわ美容室(米沢市)の遠藤佳緒梨さん(22)は留め袖有資格者の部最優秀賞に輝き、「緊張したけど、半年前から練習した成果が出せた。帯の形や着方によって多彩な表情が出せるのが着物の魅力」と話した。

お姫様に変身
着付けイベントで被災地支援 横須賀基地
神奈川県・東日本大震災や熊本地震の義援金を募ろうと、米軍横須賀基地の米運家族向け着付けイベントがのほど、横須賀市立総合福祉会館(同市)で開かれた。米運家族でつくるボランティアグループ「ヘルピングハンズ」の活動の一環で、約80人の子どもたちが日本文化の親しんだ。
同グループを支援している日本人美容師らボランティア」が和服を持ち寄り、着付けやヘアーメイクに協力。初めて着物を着たという子ども(3)は「お姫様みたいでうれしい」と笑顔を見せた。
集まった約16万円は、福島県と宮城県の仮設住宅、熊本県益城町のNPO法人などに送られる。
2011年のグループ発足当初から携わるメンバー(49)は、米軍人の夫の転勤で今夏の帰国が決定。「6年支援を続けて、被災地の状況が良くなっているのを見るととてもうれしかった」と振り返り、「私たちが続けてきた活動を今後も受け継いでほしい」と話した。

繭を確認する生産者
品質「100%の出来」 小山で今年の初繭を出荷
栃木県・小山市出井のJAおやま桑青果物集出荷センターでこのほど、真っ白に仕上がった繭約572㌔が初出荷された。今年の桑の葉は柔らかく、蚕の生育も順調で収量、品質とも「100%に近い出来」(JAおやま)という。
同センターに持ち込まれたのは、養蚕農家小谷野洸一さん(76=同市三拝川岸)と福田芳男さん(65=同市間中)が生産した「改良小石丸」という品種。5月末ごろから育てた蚕が作った繭は長さ3㌢ほどに成長。極細の生糸になる品種で、着物の生地約80反に相当する。
同センターでJA職員らが染みの付いた繭などを取り除いた後、計量を経てトラックに積み込んだ。繭は群馬県安中市の製糸業者に運ばれ生糸になる。JAおやま米麦課須藤日出夫さん(69)は「改良小石丸の生糸は肌触りが良く着物や長じゅばんに重宝される。素晴らしい品質」と太鼓判を押した。

刑部さん(右)と高倉代表(中央)
湖西市に協力求める 五輪の着物企画団体
静岡県・2020年東京五輪・パラリンピックに向け、196カ国をイメージした着物を作って交流を目指す「KIMONOプロジェクト」(福岡県久留米市)のメンバーが19日、湖西市役所を訪ね、影山剛士市長に協力を求めた。
プロジェクト事務局の刑部優美帆さん(28)が湖西市出身で、同市が20年東京五輪でスペイン卓球選手団の事前合宿を受け入れる予定のため訪問した。プロジェクトの高倉慶応代表(49)とともに、サンプルとして北欧リトアニアをイメージした着物を持参した。
プロジェクトは久留米市で呉服店を営む高倉さんが一般社団法人イマジン・ワンワールドを設立し、着物制作資金の寄付を募って進めている。着物は一堂に集め、全国で展示することで「世界は一つになれる」とのメッセージを発信する考え。
現在は56カ国の着物が完成。刑部さんは「その国の歴史や文化を調べ、絵柄に表現している」と説明した。
高倉代表は「スペインの着物も来春までに完成を目指す。湖西市内にも展示できれば」と協力を求めた。影山市長は「展示場所など具体的な提案をもらえれば、できる限り協力したい」と話した。

西陣織工業組合が発行する証紙
上質な着物に目を向けて 苦境の西陣織
京都市・ポリエステル製の着物のレンタル店が急増している。鮮やかな柄で安く、洗濯できるので人気だ。街中に着物姿の人が増える一方、伝統産業の西陣織の職人は減少し、「20年後には技術がほとんど残らないのではないか」と関係者は懸念。上質な着物にも目を向けてほしいとしている。
東山区の八坂庚申堂。カラフルな着物姿の女性が撮影のため押し寄せる。お目当ては境内にある極彩色の小さな縫いぐるみが連なった「くくり猿」。写真共有アプリ「インスタグラム」に公開された写真が話題となり人気が出た。
女性らの着物はほとんどがレンタルで、軽くてクリーニングに出せるポリエステル製。出版社「きものと宝飾社」(中京区)によると、市内にレンタル着物店は約250軒あり、10年前に比べて2倍近くになった。外国人観光客が増えたことも背景にあるという。
一方、伝統産業は厳しい局面だ。今年3月、ツイッターに投稿された「給与なし、仕事保証なし」という西陣織職人の求人が話題になった。ブラック企業という批判も寄せられたが、現場には切実な事情がある。
西陣織の製造元「紫紘」(上京区)では、嫁入り道具として着物を仕立てる風習が廃れたこともあり、売り上げは30年前に比べ約10分の1に。それに伴い、織機の台数も減らした。職人は60~70代が中心。余裕がない中、技術伝承のためハローワークを介して松山市出身の30代女性を雇った。ベテラン職人の小林陽さん(71)は「技術は話すだけでは分からない部分がある。自分たちが生きているうちに教えないと。20年後は難しいだろう」と危ぶんだ。
そうした中、ワンランク上の着物に目を向けてもらおうとレンタル業界にも新しい動きが出てきた。着物問屋のレンタル部門「京裳庵」では今年から、愛好家が着なくなった着物を着付けて、そのまま持ち帰ってもらうサービスを始めた。
本業は織物の売買だが和装離れが進み、「このままでは文化が消えてしまう」と8年前から貸出業を開始。修学旅行生を呼び込むなど地道な普及活動の結果、ポリエステルでは物足りないという利用客が出てきた。
店長の内藤雅美さん(32)は「レンタルではなく、最終的には自分の着物を持つことにつながれば」と期待している。

お見事
プルタブで振り袖 邑楽町の今野さんが作品化
群馬・邑楽町の今野晃男さん(79)がプルタブ(缶飲料の開け口)を独自の手法で作品化した「プルタブアート」の華やかな振り袖が、同町の長柄公民館入り口に展示されている。訪れた人たちはプルタブで作ってあると分かると「すごい」と驚いていた。
今回使ったプルタブは今野さんのほか、知人や友人が集めた金色や銀色など16種類、計1万2241個に上る。
作り方はプルタブをたたいて平らにし、糸でつなぎ編むようにしていく。完成までに半年かかった。プルタブアートに取り組んだのは10年ほど前。「何かできるんじゃないか」と思い付き、手法は自分で試行錯誤してたどりついた。
これまでに手がけた作品はエッフェル塔や東京スカイツリー、五重の塔など建築物を模したものやウエディングドレスといった衣類など。衣類は着用はできないため飾って楽しむ。
これまでのお気に入りの作品は自宅に飾ってある。その完成度の高さから「作り方を教えてほしい」と教えを請う人も多いという。公民館を訪れた近所の小沢博美さん(66)は「着物の質感が出ていてびっくりしました」と話していた。7月末まで展示されている。

教室華やか
浴衣姿で特別授業 総社高生
岡山・総社高校(総社市)の家政科3年生39人が19日、浴衣姿で授業を受け、日本の伝統文化を体感した。被服の授業の一環。
生徒は午前中、浴衣の着付けや作法を習い、持参した浴衣を自分で着た。午後の授業では、浴衣姿の三谷昌士校長から、古今和歌集をテーマに日本語の美しさなどを学ぶ特別授業を受けた。
浴衣にはアサガオやアジサイ、ユリなどの柄があしらわれ、生徒は休み時間に教諭から写真を撮ってもらうなど、特別な1日を楽しんだ。
生徒女子は「浴衣は通気性が良く涼しい。背筋が伸びる気がする」、別の生徒女子は「教室の中が華やかな雰囲気。新鮮に感じる」と話していた。
同高は2015年度から、浴衣を縫う授業もある家政科の3年生が年1回浴衣姿で過ごしている。

独自性を追求
和装ベリーダンス 出雲大社奉納へ
岡山・倉敷市のベリーダンサー豊塚かおりさん(42)が、中東生まれの踊りの官能美と優雅な和装を融合させた「和装ベリーダンス」を創出し、普及に取り組んでいる。主宰する教室「Nico Bellydance Company」の生徒と公演を重ねており、今月には、出雲大社(島根県)へ舞を奉納することも決定。芸術性の追求と発信にますます意気込んでいる。
「和装を取り入れたきっかけも神社だった」と豊塚さんは振り返る。2012年に友人らと倉敷市でベリーダンス教室を立ち上げ。地域のイベントなどに出演する中で、岡山市内の神社から「肌の露出は控えてほしい」という出演依頼があり、ベールを腰から肩に巻いて踊った。その経験から「衣装を工夫すれば、もっと独自性が出せるのでは」と和装にたどり着いた。
同教室は倉敷、岡山市の貸しスタジオで週1~3回レッスン。子ども向けにはヒップホップや体操の教室もある。

桑の葉を食べる蚕
養蚕作用作業を再現 富士河口湖
山梨・大正から昭和にかけて盛んだった養蚕の作業を見学できる催しが富士河口湖町の観光施設「西湖いやしの里根場ねんば」で開かれている。
山梨は旧豊富村(中央市)をはじめ、日本でも有数の養蚕が盛んな地域だった。蚕に桑の葉を与え、蚕が作った繭から絹糸を取り、洋服や着物の材料とした。中国産の安価な生糸が世界市場へ出回って、化学繊維も普及。後継者不足も重なり、養蚕農家は激減している。
同施設のある根場地区も昔は養蚕が主産業だった。施設で再現されている養蚕室には5月29日に富士川町の業者から購入した約2000匹の幼虫が入れられ、桑の葉を食べて成長している。18日には蚕が糸を吐いて繭作りをする「まぶし」とよばれる繭棚に移される。
有料。11月まで無休。問い合わせは同施設☎0555(20)4677。松岡姫

和傘を差してポーズをとる親子
和傘と着物姿でパチリ 金沢で親子連れ
石川・レトロな着物姿で伝統工芸の金沢和傘を持って記念撮影できるイベントが17日、金沢市飛梅町の金沢くらしの博物館であり、親子連れが撮影を楽しんだ。
企画展「金沢和傘と着物」に合わせたイベント。これまで、子供向けに着物を着てもらうイベントを企画していたが、参加する親も着付けをしてもらいたいという希望があり、今回は初めて、親子で着物を着てもらうことになった。
鮮やかな色合いの着物に着替えた親子連れは、和傘を持って館内の撮影スポットやくらしの博物館を背景に記念撮影。華やかな模様と色彩が目を引く和傘を開閉し、さまざまなポーズで写真を撮ってもらっていた。加賀友禅

13万8240円
「博多織」×「エヴァンゲリオン」コラボ 博多献上帯
福岡・博多織のブランド運営・販売を手掛ける「HATAOTO」(朝倉郡)が、人気アニメ「エヴァンゲリオン」とコラボレーションした博多献上帯を販売している。
同社は「福岡の伝統文化と現代文化の融合」をコンセプトに博多織の商品を作りたいという思いから、エヴァンゲリオンとのコラボが実現し「博多献上帯初号機モデル」が誕生。同商品は博多織の伝統柄である献上柄にエヴァンゲリオンの「初号機」、「ネルフ」マーク、「EMERGENCY」マークを織り込んでおり、黒をベースに初号機をイメージした色彩のコントラストとなっている。帯に使う糸は絹100%。付属品にもこだわり、同商品の絹糸で作った初号機カラーの紐(ひも)で留め、同モチーフの柄を焼き付けた桐箱に収める。
販売開始後、ホームページやフェイスブックからもコメントが寄せられている。同社の谷口亮介社長は「自分が博多織に携わっているので、少しでも多くの方に博多織の文化や本物の良さを知ってもらい、触れていただきたい」と話す。
完全受注生産。注文は専用ホームページにて受け付けている。

正倉院裂・唐花文錦
布に宿る織りの技術 京でコレクション展
京都市・「ぎをん齋藤コレクション-布の道標-古裂こぎれに宿る技と美」展が、左京区の細見美術館で開かれている。紫地に黄色の糸で唐草を織り出した8世紀の正倉院裂や、花の文様を白く染め残した16世紀の辻が花染めなど、飛鳥から江戸時代の古裂約80点が展示されている。
同コレクションは、江戸時代から続く呉服店社長で、作り手でもある東山区の齋藤貞一郎さん(68)が約40年かけて収集した。3年前に偶然手に入れた「唐花文錦からはなもんにしき」は、民間に流出した正倉院裂としては最大級という。
中世の織物の断片、刺しゅうや絞り染めが施された近世の慶長裂が並び、中国・唐代の遺品やインドの更紗などもある。展覧会を監修した関西学院大の河上繁樹教授は「素朴な文様や織りの技術に、裂が持つ力が見て取れる」と話す。8月20日まで。有料。

丹波木綿を手にする渡部さん
開館15年染織技術の継承課題 丹波衣館
京都府・江戸末期から昭和期の丹波地方の日常着を紹介する「福知山市丹波生活衣館」(同市)が今春、開館15周年を迎えた。海外で量産された洋服が流通し、手紡ぎや手織りの技術や記憶が失われつつある中、当時の庶民の暮らしや手仕事を伝える全国でも貴重な存在だ。ただ、技術を伝える担い手の高齢化が進み、対策が急がれている。
「庶民が身近な材料を使い、限られた時間の中で工夫して作ったのが『生活衣』。かつての暮らし振りを伝える貴重な資料です」。職員の渡部佳代子さん(50)が語るように、館内には、戦後まで庶民が家庭で自ら糸を紡ぎ、染めて織った日常着が並ぶ。栗や藍など身近な草木で染めた綿糸で縞や格子の模様を出した「丹波木綿」や、養蚕農家が商品にならないくず繭で作った「地絹」の着物。人々が1枚の布を大切に扱った生活を伝える。
同館は、市民ら13人の「丹波生活衣同好会」や職員を中心に、地域の染織品の調査・保存を続ける。それらを企画展で紹介するほか、同好会のメンバーが講師を務める年数回の手作り講習会では、実体験や手仕事の技を伝え、地域の生活文化を継承している。
ただ、貴重な技術や記憶を持つ同好会員の平均年齢は80歳を超え、継承は急務だ。講習会には10代~20代の女性の姿もあり、同好会の四方美代子さん(94)は「針を持つ機会が少ない若い世代にも、針仕事の楽しさや、1枚の布を大事にする心を伝えたい」とより多くの人の参加を願う。同館も「大量生産された衣服が中心の今、地域手作りの衣服や昔の価値観が見直されているのでは。講習会以外でも、残し伝えていく道を考えたい」とする。
同館は、2002年開館。同市出身の染織家、故河口三千子さんが1960年代から集めた染織品を所蔵する。福知山市と綾部市、兵庫県丹波市など丹波地方の晴れ着や野良着、風呂敷、出荷される丹波・但馬牛の背中にかけられた家紋入りの牛油単(うしゆたん)など約9千点。民衆の日常着を専門とする公共施設は全国でも珍しい。入館無料で機織り体験も可。
   12日ー18日
澤井律子著・編集あ
きもので酒さんぽ 宅配サービス本
広島・全国でも有数の酒どころで知られる広島県。
着物の魅力を発信する一般社団法人「ひろしまきもの遊び」の澤井律子さんが監修し、賀茂泉酒造、賀茂鶴酒造、竹鶴酒造、藤井酒造、八幡川酒造、榎酒造、盛川酒造など10の蔵元とその街並み、東広島、竹原、五日市、呉、音戸、鞆の浦の着物が似合う店などを紹介し、和文化の美しさや魅力を提唱する一冊となっている。
発行元・ザメディアジョンプレス。サイズ・単行本(ソフトカバー)。ページ数・91頁。定価・1620円。
ちゅーぴーくらぶ事務局(中国新聞)☎082(235)0777で購入でき、最寄りの中国新聞販売所から届けられる。圏外ならネットでも購入できる。

夏の城下町には和の履物
雪駄・草履・げた店頭に 小田原の靴店
神奈川・マツシタ靴店(小田原市)で、梅雨から初夏、盛夏に向けて雪駄、草履、げたなどの商品をそろえている。
漁師用のサンダル「ギョサン」で知られる同店。季節に合わせて、祭りシーズンには、みこしの担ぎ手のために、厚く丈夫で疲れにくいエアー入りの「みこし足袋」や、田植えの時期には、フィット感が強く柔軟な作りで、田んぼの泥切れが良い「田植え用足袋」などを販売してきた。
同店の松下善彦さんは「梅雨から夏にかけては、草履やげたを買い求める人が増えている。外国人観光客の増加や、『和』をテーマにしたイベントなどの開催が背景にある。履いてみると涼しくて、情緒もあるため喜ばれている」と話す。
松下さんは、草履とげたに雪駄も取り入れて「素足ニーズ」に対応するという。「『粋に履きこなす雪駄』は、城下町小田原になじむ」とファンも多く、同店が発売したホワイト色の雪駄は品切れが続いているという。
今回取り扱いを開始しているのは、「本革雪駄」、「イ草畳草履」、木製下駄の3種。
松下さんは「城下町には、日本に伝わる履物がよく似合う。夏の季節をすがすがしく過ごしてもらえれば」と呼び掛ける。

技と感性が並んだ会場
手織り博多織100点 木村さんが親子展
福岡・博多織の伝統工芸士木村佐次男さん(80)と娘のゆき子さん(40)の手織り作品を集めた「木村博多織手織り専門工房展」が、このほど博多区のはかた伝統工芸館で開かれた。
立体感あふれる献上柄の着物の帯をはじめ、えんじや緑など多彩な糸を織り込んだ名刺入れやポーチなどの小物類まで約100点を展示・販売。60年を超す経験に裏付けられた佐次男さんの技と、ゆき子さんのみずみずしい感性が独特の魅力を醸し出した。
佐賀県伊万里市から訪れた女性(45)は「小物類の柄や色がとてもきれい。手織り作品には、作家さんの作品に込めた思いや、ぬくもりを感じる」と話していた。もう一つの博多織

閉店セール後の記念写真
島民に愛された呉服店 120年の歴史に幕
長崎・壱岐市郷ノ浦町の商店街にある1897(明治30)年創業の長田呉服店が閉店した。3代目店主の長田玄一郎さん(74)と妻澄子さん(69)は半世紀にわたって、夫婦二人三脚で切り盛りしてきた。高齢となり、後継者もいないことから閉店を決断した。長く島民に親しまれた老舗呉服店が120年の歴史に幕を閉じた。
屋号は「およりまっせ」。玄一郎さんの祖父に当たる初代店主が、店の前を通る人に「寄っていってください」という意味の壱岐の方言で声を掛けていたところ、客が店をそう呼び出したことに由来する。
玄一郎さんは東京の大学を卒業後、大阪府で百貨店勤務を経て1967年に店を継ぐため島に戻った。店では着物や婦人服、バッグ、和装小物などを販売。同じ百貨店で呉服や貴金属売り場担当だった澄子さんが仕入れと販売を、玄一郎さんが着物や洋服などの展示販売会の企画や経理を担った。
5月18~31日の閉店セール期間中には「記念に買っていく」と3回以上来店し、名残を惜しんだ常連客もいたという。
澄子さんは今年古希を迎える。夫婦2人が70歳を超えたら一線を退くと、以前から決めていたという。玄一郎さんは「お得意さんには『自分たちの買う店がなくなる。どうしたらいいの』って言われて心苦しいが、体力的にも今が潮時。ここまで支えてくれたお客さんには感謝の気持ちでいっぱい」と感慨深げに話した。

着物市に臨んだ今林さん
和装で夏の涼を はこゆず着物市
福岡・障子を透かし柔らかな日差しが照らす東区の古民家の和室で、約300点の色鮮やかな着物や帯が展示販売されていた。アンティーク・リサイクル着物屋「ゆずの木」が月1、2回、出張して開いている「はこゆず着物市」だ。中古で1000円から販売し、午前中から女性客でにぎわっていた。
夏着物の代表的な素材といえば、薄くて透け感のある「しゃ」と、紗と平織りを組み合わせた「」。夏に着物は暑いかもしれないと誤解されがちだが「ゆずの木」代表の今林よし枝さん(43)は「夏着物は生地も軽やかで脇や襟があいているので洋服よりも涼しい。肌に心地よい風を感じる夏ならではの日本の涼を味わってほしい」と話す。中でも「紗」を2枚合わせた着物を「紗合わせ」という。裏生地の模様がほんのりと透けて見える奥ゆかしい美しさが特徴だ。
より着物を身近に感じてもらおうと同店はいっぷう変わったイベントも実施している。アニメやゲームのキャラクターに似せた着物コーディネートに身を包んで撮影する会で、コスプレファンのひそかな人気を集めている。
次回の着物市は24、25日、東区の古民家「ハコイチ町家」で開催。コーディネート相談や着付け教室も。コスプレ撮影会の開催は電話で問い合わせを。今林さん090・9486・2888。

カキ氷と7人の女の子
夏のドレスコードはゆかた PARCO
東京・南青山のBY PARCOで16日から25日まで、ポップアップストア「KIMONO by NADESHIKO POP UP STORE」がオープンする。
「きものは女の子の日常を変える力がある。きものの魅力を沢山の人に知ってもらいたい」そんな想いから、20代女子の着物の入り口を担うブランドとして2004年にスタートしたなでしこ。16年には更なる進化を遂げるため、KIMONO by NADESHIKOとしてリブランドした。
夏の女の子の必需品となったゆかたの楽しみ方は無限大だ。そんなゆかたをドレスコードに、スタイリストの遠藤リカ、イラストレーターのたなかみさきが、“カキ氷”に見立てた7人の女の子たちの世界観を作り出す。ガーリーでキッチュな世界に生きるイチゴミルク、 音楽大好きで90年代カルチャーを追い求めるレモンソーダ―。
期間中は「注染」や「絞り」といった伝統技法を使った新作ゆかたから、気軽に洗えるゆかた、帯、下駄、バッグといったアイテムが展開される他、来場者には数量限定でオリジナルポストカードがプレゼントされる。なお、ポップアップ初日の18時からは誰でも参加できるオープニングパーティーが開催される予定。

ランチを購入する着物姿の来場者
着物姿でイベント満喫 ちりめん街道
京都・与謝郡与謝野町加悦のちりめん街道一帯でこのほど、着物の魅力を感じてもらう「きものマルシェ」が開かれ、着物姿の女性や親子連れなどでにぎわった。地域のにぎわいづくりに取り組む住民グループ「この丹後のかたすみで」が主催。
会場の1つの浄福寺ではアンティーク着物や雑貨を扱う古着市があり、大勢の来場者がお目当ての一品を探していた。近くの旧川嶋酒造酒蔵では、地元野菜を使ったカレーやタコライス、手作りの焼き菓子などが提供された。着物に身を包んだ踊り子のライブもあり、イベントを盛り上げた。
友人と訪れた同町の香山早希さん(25)は「なかなか着る機会がない着物の良さが実感できる」と話していた。丹後ちりめん

洋服感覚で
ゆかた”洋服感覚”で自分らしく 大丸梅田店
大阪・大丸梅田店では14日(水)~21日(火)、11Fゆかたぎゃらりぃで、26ブランドのゆかたを展開。大人の粋な上級コーディネートを提案している。
日本の美を感じることができるとして、年々新しいゆかたへの関心が高まっている。ここ数年は、紫陽花や菖蒲など、日本らしさにこだわってあえて伝統的なデザインを取り入れる人が増えているように思える。
「今年のゆかたのキーワードは、”はんなり”。花火やお祭りの夏のイベントだけでなく、「ちょっとした街へのおでかけ」「ゆかたを着て食事へ」など、ゆかたを着るシーンも多様化してきました。最近は、あらためて、”日本らしさ”が注目され、大人の粋なおしゃれ着のひとつとして定着しつつある流れもあり、えりや帯締め、足袋など”着物風”に着こなしたり、”洋服感覚”でコーディネートを楽しむ方が増えています」(大丸梅田店)。

衆議院議長賞を受賞した作品
色柄大胆 染織作家展始まる
京都・全国の染織作家の和装作品を発表する「日本染織作家展」が13日、左京区の市美術館別館で始まった。大胆な絵柄や色使いの着物が並んでいる。
日本染織作家協会が主催し、今年で40回目。全国から74点の応募があり、入賞、入選作に54点が選ばれた。
最優秀の衆議院議長賞に選ばれた石田万介さん(中京区)の訪問着「野ブドウ」は、つるに垂れ下がる野ブドウや形が1枚1枚違う葉を手描きで細かく表現した。40回の節目を記念し、大正時代の人間国宝・三代田畑喜八が手掛けた三枚がさねも展示している。18日まで。入場無料。
その他の主な入賞者は次の皆さん。(敬称略)
文部科学大臣賞=ことりみゆき(上京区)▽京都府知事賞=半田たか子(長野県)▽京都市長賞=川辺満(東山区)▽田畑喜八賞=三浦恭示(中京区)▽京都新聞賞=大塚恵梨香(左京区)。

薄紅色の衣と冨田さん
イチゴ染めの着物 京の和装デザイナー
京都・上京区の和装デザイナーの男性が、栃木県産の高級イチゴで染めた生地で着物や帯を作り上げた。京都が誇る伝統産業の技術や文化をアピールする話題作りが狙いで、男性は「着物人気を盛り上げて職人の仕事を増やしたい」と話している。
冨田伸明さん(54)。これまでもチョコレート色をしたカカオの香りを放つ着物など、ユニークな製品を送り出してきた。栃木県と仕事でつながりがあったことから、一粒1700円する同県名産の高級イチゴ「スカイベリー」を和装に活用することを発案し、試行錯誤しながら開発を進めた。
染料には5㌔のスカイベリーを使用した。繊維が混入すると染まりにくくなるため、力の入れ具合に気をつけながら果汁を抽出した。別の染料を混ぜることで、イチゴの風合いを損なわずに色を生地に定着させることに成功。伝統技法のすり疋田ひった染と板場友禅で模様を染め上げ、モミジ柄をちりばめた小紋とサクラ柄の帯の2種類を完成させた。
中国国内で発行20万部を誇る日本旅行の紹介雑誌に掲載されたという。冨田さんは「世界で着物の人気を高め、日本人にも魅力を再認識してほしい」とする。着物、帯ともに非売品。

派手な足袋と小松社長
お洒落な「サムライ足袋」 海外売り込み
埼玉・行田市の伝統産業である足袋の販路を拡大しようと、同市の衣料品販売会社「武蔵野ユニフォーム」が海外進出を図っている。洋服にも合うようなカラフルなデザインの足袋を開発し、4月から仏パリでの常設展示を開始。産業が衰退していくなか、復活への起爆剤としたい考えだ。
武蔵野ユニフォームは1960年創業で、元々は作業服や事務服の販売が主軸だ。足袋の販売を始めたのは、2012年に就任した小松和弘社長(45)。着物が好きという知り合いの若者らから「おしゃれにはける足袋があればいいのに」と言われたのをきっかけに、水玉や花柄などモダンなデザインの商品を開発した。
「スーツやジーンズにも合うのではないか」。できた商品を実際に手にすると小松社長はそう感じたという。知人の外国人らに商品を紹介したところ評判がよく、海外でも需要があると判断。日本をイメージしやすいと考えて「SAMURAI TABI」と命名した。1つ1つが地元職人の手作りで、価格は4千円台から。インターネット販売をしたところ、欧米から購入した人もいた。
海外への進出は今年から本格化させた。パリで日本商品のテストマーケティングや常設展示を行う関東経済産業局などの事業に4月から参加。5月にマレーシアや台湾などで営業活動を始め、7~9月にはイタリア、ドイツ、米国に渡るつもりだ。
行田市は江戸時代から続く足袋の産地で、4月に文化庁の「日本遺産」に認定された。現在も「日本一の生産地」とされるが、出荷額や事業所は減り続けている。
小松社長は「外国の人たちにも『足袋のまち行田』を知ってもらいたい。産業復活のきっかけになってくれれば」と話した。

楽曲などを披露する団員たち
浴衣姿で「ほたるこい」  日野町でコンサート
滋賀・合唱やホタルの観賞を楽しむ「蛍ほのぼのコンサート」がこのほど、日野町鎌掛の旧鎌掛小で開かれた。
地域の水環境保全に取り組むNPO法人「蒲生野考現倶楽部」の主催で、15回目。
コンサートには日野少年少女合唱団の約50人が浴衣姿で登場。童謡「ほたるこい」ではうちわを使ってホタルの光を表現するなど、世界の民謡や「琵琶湖周航の歌」、ミュージカル曲など13曲を披露し、築約90年の木造校舎に歌声を響かせた。
団員の日野高1年山川隆一さん(16)は「よく響く会場で、楽しく歌えた。アンコールを求められてうれしい」と話していた。
公演後には近くの北砂川でホタル鑑賞会もあり、淡い光を放ちながら河川敷を舞うホタルの姿に親子らが歓声を上げていた。

再興、祈りに込めて
養蚕を次代に 白鷹で50年ぶり祈とう
山形・かつて養蚕業が盛んに行われていた白鷹町で10日、約50年ぶりとなる養蚕の祈とうが行われた。産業や文化的な価値を見つめ直そうという活動の一環で、関係者は「次代に伝えていく」と決意を新たにした。
最盛期の昭和初期には県内で5万戸以上あった養蚕農家は化学繊維の普及などで減少し、現在は6戸だけになっているという。今回の活動は、山形市の呉服販売「とみひろ」(冨田浩志社長)が企画。養蚕から仕立てまで一貫して手掛ける着物作りを目指し、2年前から同町十王で桑を栽培している。農協や県の元養蚕指導員らの助言を受け蚕の試験飼育に取り組み、昨年は145㌔の繭を収穫。地域内に養蚕の再興への機運が芽生えている。
この日、同町十王の龍沢寺(梅津晶一住職)と同じ敷地内にある通称・養蚕神社で、出席者が蚕の健全な成育などを祈願。梅津住職は、養蚕の祈とうは50年以上前に先代が行って以来と話し、「地域の活性化にもつながってほしい」と期待を寄せた。

もっと気軽に着てほしい
着物で歩こう会代表 小川光さん
山口・黒地に黄色の縦じまが入った綿の着物に、青緑色の帯締めが映える。山口市天花の文化スペース「菜香亭」を拠点に「山口の街並を着物で歩こう会」代表として、着付け体験や街歩きイベントを通じて気軽な着物の楽しみ方を提案する小川こがわ光さん(49)。
広島県熊野町出身。高校卒業後、和裁の専門学校で着付けを習い、和裁講師を経て、着付け教室を開いた。「楽しくやっていたら、自然とこの道にきた」と笑顔で語る。
約14年前、結婚を機に移り住んだ山口市で、一の坂川周辺の民家などを美術館に見立てたイベント「アートふる山口」に出かけた。古い料理店などが建ち並ぶ風景を見て「ここは着物が似合う」とひらめき、歩こう会の活動が始まった。
菜香亭での着物体験会は、着物好きのボランティアに支えられて今年で10年目になる。「着物を着たいけど着ていく所がない」という人のため、食事会なども企画する。最近は韓国や台湾の観光客の参加も多く、2月には観光や街の活性化への貢献が認められ中国運輸局の「中国地方観光振興アワード」を受賞した。
「『ワンピースで行こうか、パンツで行こうか、着物で行こうか』と服装の選択肢の1つになるのが理想」と語る小川さん。「タンスに眠っている着物をもっと身近に着てほしい」と今日も呼び掛ける。

近隣諸国からも多くが訪れる
浴衣姿で賑わう ライン河畔で「日本デー」
ドイツ・デュッセルドルフ市の旧市街ライン河畔でこのほど、日本文化を幅広く紹介するイベント「日本デー/JAPAN TAG(ヤーパンターク)」が開かれた。毎年約70万人が来場するドイツ最大規模の日本関連イベントで、日本のアニメや漫画、ゲームの登場人物に仮装した人たちや浴衣姿の人たちで会場一帯が埋め尽くされた。
特設ステージではドイツ各地からのコスプレーヤーたちによるファッションショーやカラオケ大会が行われた。折り紙やお面を作る体験ブースや日本食の屋台、着物の着付けコーナー、空手など武道の演武もあった。日本の伝統文化からポップカルチャー、食など幅広いテーマでイベントが繰り広げられ、どこもにぎわっていた。
日系企業が多く進出する同市には6500人を超える日本人が住み、ドイツ最大の日本人コミュニティーを有する。「日本デー」は2002年からの大型イベントで、今回16回目の開催を数える。

収穫されたリュウキュウアイ
リュウキュウアイが激減 染織工芸打撃
沖縄・芭蕉布や宮古上布、琉球絣など、沖縄県内のさまざまな伝統染織に欠かせない染料の琉球藍が不足し、沖縄の工芸振興に影を落としている。原因は台風による塩害などの気象要因や農家の高齢化で、原料となる多年草「リュウキュウアイ」の収量が激減したことだ。琉球藍の県内生産量の9割以上を占める琉球藍製造所(国頭郡本部町)では過去2年、県内需要の目安とされる4㌧の3分の1ほどに生産量が落ち込み、昨年は出荷調整を余儀なくされた。
リュウキュウアイの収穫期は5~6月と10~11月の年2回。日陰を好み、日光や高温に弱いため、栽培場所は山あいの斜面が多く、育成には豊富な水が必要とされる。葉は水に漬けて発酵させるなどして「泥藍」と呼ばれる状態に精製し、織物産地に出荷される。
激減の発端となったのは近年、本島北部地域を襲った雨が少ない台風だ。海から吹き上げられた塩が雨で流されず、山あいのリュウキュウアイ畑を直撃し、生育を阻害した。2年前の梅雨が短期間だったことも収量を押し下げる要因にもなった。
琉球藍製造所では、琉球藍の不足分は前年までの在庫を切り崩して出荷していたが、昨年1月に底を突いた。契約農家も高齢化で現場を退く人が相次ぎ、昨年の生産量は約1.4㌧にまで落ち込んだ。同製造所では需要が高かった1970~80年代には年間約7㌧を出荷していた。
同製造所を運営する仲西利夫さん(64)は「昨年は取引年数の長い所から優先的に出荷せざるを得なかった」と振り返る。今年は農家の後継者を探したり、農地を増やしたりして、3㌧超の確保を目指している。
宮古島市や多良間村で製造される宮古上布は深い藍色が特徴で、多くの琉球藍が使われる。宮古織物事業協同組合の神里佐千子専務は「生産者は藍不足に苦心している。注文に対し、織物の出荷も待ってもらっている」と厳しい現状を訴える。沖縄の染織
 喜如嘉の芭蕉布 久米島紬

打ち掛けや振り袖が並ぶ会場
色とりどり花嫁衣装 酒田で展示
山形・絢爛豪華な打ち掛けや振り袖などが並ぶ「花嫁衣裳展」が、酒田市の山王くらぶで開かれている。8月2日に外国船籍の大型船「コスタ・ネオロマンチカ」が初入港することを記念して、観光客に日本の伝統文化に触れてもらおうと企画した。
戦後から高度経済成長期に貸衣装として使われていた着物で、2006年まで同市日吉町で営業していた「みどり美容室」が所有。閉店後、経営者と旧知の仲だった市内の女性が譲り受けて専用の倉庫で保管していた。おめでたい柄とされる鶴や亀などが刺しゅうされた色とりどりの打ち掛け19着、振り袖8着が並び、往時の晴れの日の雰囲気を楽しめる。
この日、香港から来た女性客は豪華な着物をバックに写真撮影。岩手県平泉市から母娘で訪れた佐藤さち子さん(63)と香織さん(32)は「この柄は何?」と興味深そうに見学していた。同くらぶの木村幾子さんは「花嫁衣装は多くの人の思いが詰まったもの。一堂に並んだこの機会にぜひ見てほしい」と話す。8月31日まで。有料。

案内ポスター
京の清涼展 みやこめっせ
京都・夏を迎え、見た目が涼しげな緑や水色、青色を基調にした伝統工芸品を並べた「いろどり彩で涼む「京の清涼展」が左京区の京都市勧業館みやこめっせで開かれている。8月21日まで。入場無料。
暑さが厳しい京都の夏に、少しでも涼を感じてもらおうと、市所蔵品の中から約30点を選んで、初めて企画。さわやかな青モミジを配した京友禅の訪問意をはじめ、内側にトンボ約20匹を描いた清水焼の大皿や緑色が鮮やかなササの葉が描かれた鉢などが展示されている。濃い緑色が印象的なワインクーラーや、真田紐を織ったハンドバグなど、伝統工芸品としては珍しい作品もある。
京都伝統産業ふれあい館の玉邑周平学芸員は「涼を感じるとともに、伝統工芸の高い技術にも触れてほしい」とPRしていた。

告知ポスター
江戸末期からの衣類90点 松阪歴史民俗資料館
三重・松阪市の商家に残っていた江戸末期から昭和初期にかけての衣類や袋物などを展示した企画展「布をみる」が、同市殿町の市立歴史民俗資料館で開かれている。塩、木材、米販売の商家だった同市松崎浦町の三渡家に残されていた衣類や履物など約90点を展示している。8月16日まで。
貴重なものとして、七五三の祝いに作られたとみられる子供用の黒紋付きの着物がある。正絹で袖の下部や腰のあたりに熨斗目のしめと呼ばれる別染めの絵模様があるほか、両襟には魔除けのひも飾りがつけられている。
女子用のあわせの羽織には、茶摘みなどの農作業図がちりばめてあり、晴れ着の中にも労働意欲と経済発展を願った当時の心情が込められているという。
明治期の旅行かばんで底に厚紙を敷いた巾着スタイルの信玄袋や兵士が使ったと見られる「祈武運長久」の文字が入った慰問袋もある。
三渡家は初代当主が松島屋久助だったことから「松久まつきゅう」の屋号で知られた。子孫で郷土史研究家でもあった故三渡俊一郎さんが1990年「松久民具館」を開設し、8年間にわたり展示公開した後、市立歴史民俗資料館に寄贈された。
同館の杉山亜沙佳学芸員(29)は「三重の商家で使われたかつての布に焦点を当てた。長い時代の流れを感じてほしい」と話している。
   1日ー11日
参考写真
着物の良さ知った修学旅行 深堀恵理さん
東京・町田市の中学生深堀理恵さん(14)の話。「先日、京都へ修学旅行に行きました」。
2泊3日という短い時間でしたが、さまざまな経験をすることができました。中でも、最も心に残っているのが、着物体験です。
慣れない着物を着て、1日中行動するのは、とても大変でした。普段よりも倍、疲れました。毎日着物を着て生活していた時代のことを考えると、今の私たちが、着物を着られていることがとても誇らしく思えます。時代とともに変わっていくものは多いですが、日本の伝統文化が、今にまで受け継がれていることに改めてすごいな、と感じました。また、着物を着ると、歩く姿や立ち姿を意識するようになります。普段の自分たちの行動と違いがあり過ぎて驚きました。
あっという間の修学旅行でしたが、日本の優れた伝統文化の良さを改めて知ることができました。また、着物の良さや美しさも知ることができ、貴重な経験になったと思います。着物の良さを、より多くの人に知ってもらいたいです。

和装文化楽しむ峰中生
和装文化に関心を 峰中生が着付け学習
京都・京丹後市立峰山中学校(峰山町)で浴衣の着付け体験学習が行われた。「きもののまち京丹後」を合言葉に、和装文化に関心を持ってもらう試み。体験学習は昨年度から市内全6中学校で行っており、この日が今年度の初日となった。7月13日までの日程で行われる。
同中で行われた最初の体験授業には、3年1組の33人が参加。使用した浴衣は、同市や舞鶴市の有志から提供された140着から生徒が選んだ。
男女に分かれ、和装教育国民推進会議京都支部の丹後地域の講師7人が手取り足取り、浴衣の着方を教えた。女子生徒は同支部丹後地域代表の谷康子さんらに教えてもらい、腰ひもや伊達締めなどを使って、浴衣を着付けた。
谷さんは「東京五輪が開かれる2020年は、丹後にちりめんの織り方が伝えられて、300年の記念の年。『ちりめん回廊』が日本遺産に認定された丹後の地を誇りとし、着物のよさを海外にもアピールしてほしい」と話していた。丹後ちりめん

フィナーレを飾るモデルたち
祝祭彩る和洋の華 カンタータ
京都・和装と洋装の交流を図る「ファッションカンタータ」が10日、京都市下京区の京都劇場で開かれた。25回目となる今年は「セレブレーション(祝賀)」をテーマに、人生の節目を祝う晴れの着物やドレスがステージを彩った。
着物やデザインの関係団体でつくるファッションカンタータ開催委員会と京都商工会議所が主催した。4回の舞台に公募の招待客約3200人が詰めかけた。
子どもの成長を喜ぶ七五三や十三参りの晴れ着、成人や婚礼を祝う振り袖など、伝統美に現代感覚を織り交ぜた華麗な着物が披露され、京都府出身の女優中村玉緒さんや本田望結さん、ゲストモデルの山田優さんらが着こなした。デザイナー山本寛斎さんによる洋装は、カラフルな動物プリントや波間に花を刺しゅうした祝祭感あふれるドレスなどが、招待客を楽しませた。

世界遺産伝道師が解説
養蚕の技術革新紹介 富岡製糸場
群馬・養蚕に焦点を当てた企画展「富岡製糸場と絹産業遺産群―明治の養蚕風景―」が、富岡市の富岡製糸場東置繭所で始まった。明治期の養蚕の写真や現代までの養蚕道具、繭、生糸、世界遺産4資産の解説パネルなど計80点を通して、絹生産の原点ともいえる養蚕業の技術革新を紹介している。22日まで。
県などの主催。桑取りから蚕卵のふ化、給桑、繭作り用のまぶし作りなど作業別に展示。拡大印刷した明治期の高山社蚕業学校(藤岡)の作業写真8点や背負いかご、産卵台紙、桑切り台、繭作り用のわら蔟など蚕具が並ぶ。
繭に入った気分で記念撮影できるコーナーもある。世界遺産伝道師が展示資料を使って解説している。入場無料だが、製糸場の見学料(1000円)が必要。問い合わせは県世界遺産課☎027(226)2326へ。松岡姫 和木沢絹 今は無き石西社

宮古上布の着物(参考写真)
宮古上布展 銀座かねまつホール
東京・銀座かねまつホールで、国の重要無形文化財に指定されている宮古上布の着物や帯など約30点。イラクサ科の多年草の苧麻ちょまの繊維を糸にする技法「手み」を用いた糸で制作した麻織物の作品。
宮古上布は5世紀頃から織られていたと考えらる。これが藍染めの紺上布として完成したのは1583年琉球の尚永王に献上された「綾錆布あやさびふ」が記録に残る最初のものとなっている。
宮古上布は先染めされた絣糸を経糸と緯糸を図案に従って白い十字になるように織り、模様を出していくが、織っているうちに縦の絣と横の絣がずれてくるので、77~8センチ織ったあとで縦の絣糸を針で1本1本上下させて調節していく。この工程を「絣あわせ」といい、細かい作業の上に糸が切れないように細心の注意を払うので、大変時間がかかる。熟練でも1日20~30㌢くらいしか織れないという。詳しくはきもの創り玉屋銀座店☎03(6226)0802。琉球の染織

白無垢を着付ける三田村さん
車椅子のまま着物に 76歳女性が考案
福井・和服の着付けボランティアに取り組んでいる越前市の三田村まつゑさん(76)が、車椅子に座ったまま脱ぎ着できる着物を考案した。「晴れの日の思い出を和装で残すお手伝いをしたい」との思いから、障害者や高齢者に無償で提供、笑顔を広げている。
和装好きが高じて美容師資格を取得した三田村さんは、20代のときに和裁研究グループ「日本民族衣裳源流会」を設立。市内外の約40人の会員と1000着を超える着物や小物を作ってきた。時代行列や演劇など地域のイベントに、万葉衣装から現代の和装まで幅広く提供している。
長年和装に接する中で強く記憶に残っていたのが、車椅子の障害者を着付けした際、本人に加えて家族もとても喜んでくれたこと。成人式や結婚式の晴れ着を諦めてしまう人もいると聞き、座ったまま着られるよう工夫。上・下半身、左右の身頃とパーツごとに分け、体に負担をかけないアイデアで2015年に特許庁の実用新案に登録された。
5月28日には展示・説明会を同市文化センターで開催。市内外の障害者やその家族、施設関係者ら14人にこれらの着物を披露した。母と祖父母と訪れた就労支援事業所利用者の高松のぞみさん(23=越前町)は白無垢を着せてもらい「車椅子に座ったまま花嫁衣装を着られるなんて感激」と満面の笑み。成人式は祖母に既製の振り袖を仕立て直してもらったそうで「特別支援学校の後輩にも和装したいという人は多い。友達に教えてあげたい」と声を弾ませた。
今後もボランティアで衣装を貸し出すという三田村さんは、「障害の有無に関係なく、日本人としての喜びを感じてほしい。気軽に着てもらうサポートができれば」と話している。

待宵草
四季映す着物コーデ 池田重子コレ
大阪・着物収集家の池田重子さん(1925~2015年)のコレクションを紹介する「日本のおしゃれ展ー最終章」が、北区の阪急百貨店梅田本店、阪急梅田ヤラリーで開かれている。
池田さんは「きもの文化の黄金時代」とされる大正末期から昭和初期にかけての着物や帯、帯留めなど約8000点を収集した。
今回の展示では、季節ごとにコーディネートされたもの約60点や、小物などを展示。「黄金時代」の着物は、花鳥や自然が精緻な刺しゅうや友禅などで表現される一方で、大胆なデザインが施されている点も特徴という。
展示されている夏のコーディネート「月光に照り映える待宵草」は、黒地に黄やピンクの待宵草が全体に配された華やかな着物に、白地のすっきりしたデザインの帯を合わせ、涼やかさを感じさせる。春の「花園に舞う鳥の夢」は、淡いピンク地に大ぶりの花鳥があしらわれた着物を同系色でまとめ、優しい印象だ。19日まで。

世界のキモノの展示会場
世界の着物の展示 前橋の小川屋
群馬・2020年東京五輪に参加する国や地域をモチーフにした着物を作る「イマジン・ワンワールド キモノプロジェクト」の展示会が前橋市千代田町の呉服店、小川屋で開かれている。 18日まで。
8日に飾り付けが行われ、全国の着物作家が手掛けた14点が並んだ。イマジンキモノの畔見薫代表は「織りや染めの伝統的な技術で世界を表現した作品を見てほしい」と話している。
同プロジェクトは、世界中の国々を等しく「想い」それぞれの国の文化や伝統を「想い」慎みながら最高の技術とデザインで創作する「KIMONO」の数々を一堂に展示・発表・着装することで「世界はひとつ」であることを示していく。

紫根染めの着物と中川さん
紫根染めめぐる小説出版 晴れ着のゆくえ
岩手の伝統工芸として知られる紫根染め。愛情を込めて作られた紫根染めの着物が、時と国境を越えて人々に愛されていく物語を描いた小説がこのほど出版された。
小説は「晴れ着のゆくえ」。戦後まもない日本。富士山を望む山梨県の村で暮らす家族の話から物語は始まる。おじいさんが孫娘のために手作りした紫根染めの着物が、内戦中のスリランカ、1980年代のフランスと、着物に魅せられた人の手を渡っていく。最後には仕事でパリを訪れた若い日本人女性の目に留まり……。
著者は山梨県出身で大阪府在住の作家中川なをみさん(71)。2003年には日本児童文学者協会賞を受賞。自らの故郷を舞台にするなど、本作を「作家人生の集大成」と位置づける。
20年ほど前、大阪の百貨店で展示していた一反の着物に中川さんはひきつけられた。草紫堂(盛岡市紺屋町)が作った紫根染めだった。「澄んでいるのに深い、引き込まれるような紫の色合い。うっとりした」。数10万円する着物を迷わず買った。
児童書を中心に執筆活動を続けながら、大好きな紫根染めをめぐる小説を書きたいと思い続けていた。草紫堂に何度も足を運んだ。目にしたのは、湯気の立つなか、土間で黙々と染料を作る堂主藤田繁樹さん(52)ら職人たちの姿だった。「信じられないくらいの手間と労力がかけられている。思いがなければとてもできない」と中川さん。取材を重ね、7章からなる本作を書き上げた。「一目ぼれした紫根染めの魅力を伝えたかった」と話す。
藤田さんは「模様を作るために職人が針と糸で布を絞る作業だけでも1日8時間で3カ月以上かかる。紫根染めが世界の人々に愛されるというストーリーは作り手としてうれしい」と声を弾ませる。
紫根染めは国内外で高い評価を得る一方、今は作り手が少なくなり、顧客の高齢化も進んでいるという。中川さんは「紫根染めが持つ普遍的な価値と、職人たちが着物作りにかける情熱を知ってもらえれば。岩手の人にこそ読んでほしい」と話す。
本作は1600円(税別)。草紫堂やもりおか歴史文化館、県内の書店などで購入できる。問い合わせは学校法人文化学園文化出版局☎03(3299)2540へ。

修復なったライオン看板
ライオン看板 呉服店が9年ぶり修復
東京・「ライオン看板」と呼ばれるトタンの大看板を、70年近く掲げてきた足立区の「ひらさわ呉服店」が9年ぶりに修復した。「敗戦後のどん底から立ち上がろうとした人々の証し」だという店主の平沢建二さん(82)は「生きている限り看板を守る」と話す。
太平洋戦争中、同地区周辺も米軍機の空襲で焼かれたが、戦後間もなくバラック小屋のような店が建ち始めた。店主たちは店構えだけでも立派に見せようと、手に入りやすかったトタンで大きな看板を作った。それが「ライオン看板」と呼ばれるようになったのは、正面から見ると、ライオンのたてがみのようだったからだという。
道路の角に面した「ひらさわ呉服店」のライオン看板の長さは約15㍍。高さは最上部で2㍍ある。平沢さんの父が、焼け残った自宅で創業してから2年後の1948年に取り付けた。
父が他界し、6人兄弟の長男だった平沢さんが店を継いだ。19歳だった。やがて戦後復興とともに2階建ての建物が増え、ライオン看板の多くは姿を消していった。
平沢さんの店は72年、火災で全焼した。残ったのは建物の骨組みと看板だけだった。「おやじさんの形見が残って良かった」。当時、途方に暮れる平沢さんに、近所の人はこう声を掛けたという。
「看板は戦後の貧しい時代を生き抜いた人々にとって復興の象徴なんだ」。そう思い至り、平沢さんはライオン看板を守ってきた。看板の文字は、かつて下書きをしない「一筆書き」の技法でしたためていた。既製の文字を看板に印刷する手法が主流になり、その技術を持つ職人はほとんどいなくなった。4月下旬に行った修復工事では、力強い文字を再現するため、職人が文字を型に取り、塗り直した下地のうえに、そのまま書き写した。
交通事故に遭ったため、平沢さんは今、車椅子が欠かせない。それでも着物の素材を普段着や小物にアレンジするなどして、のれんを守ってきた。
「後継ぎがいないので、修復はこれが最後かもしれない。しかし形見の看板は、見物に訪れた戦争を知らない人々に当時を伝えるきっかけになる。次世代へのメッセージとして語り継いでいきたい」。平沢さんはこう話している。

つわぶき格子
ポップな柄から着物のようなゆかたまで やまと
2017年に創業100周年を迎えた「きものやまと」が、ゆかたの本格的な展開をスタートさせる。
絞りや注染など日本の伝統技法を用いたゆかたや、涼感素材のポリエステルを使用した着心地抜群のゆかたなどが、幅広い年代層を楽しませそうだ。色柄も、クラシックなものから、個性的でモダンなものまで幅広く展開している。
新作ゆかたは、ポップな柄から、着物のようなゆかたまでが取り揃えられており、素材も、綿はもちろん、綿麻素材、ポリエステルなど、着心地にもこだわったラインナップを展開している。帯のバリエーションも半巾帯、名古屋帯、兵児帯と多彩に用意されている。そのほか5分で着られるクイックゆかたも面白そうだ。上記のゆかたをはじめ、店舗で取り扱っているゆかた反物は全てクイックゆかた仕立てが可能になっている。着方も簡単かつ着丈も袖の長さも全てマイサイズなので、着姿がとてもきれいなのが特徴だという。

制作に携わる学生
共立女子大学が協力 神田浴衣まつり
東京・共立女子大学(千代田区)家政学部被服学科の学生がデザイン・制作した浴衣を、27日(火)に神田明神で開催される「アスリート神前コレクション2017浴衣まつり」に提供。ステージでアスリートが着用し、ファッションショー、フォトセッション等を繰り広げる。ファッションショーには、共立女子大学の学生も参加する。
本学家政学部被服学科では、日本の伝統文化である着物に関する教育・研究について、長年来、和裁教育、服装史研究の側面から取り組んでいる。本取り組みを基に、伝統的な着物とファッションとして捉える着物の両面からデザイン・制作・表現の各プロセスを学ぶことを目的に、地域連携事業として江戸の文化と伝統を受け継ぐ神田明神との連携協力協定に基づき交流をすすめ、社殿見学・博物館見学・講話受講・作法習得などを行ってきた。
「このたび、学生の学修成果の発表および地域連携・産学連携の観点に立ち、同祭へ、学生によるデザイン・制作の浴衣を提供する。学生たちは、地域連携先としての神田明神から浴衣のデザインの着想を得て、各アスリートのイメージに基づき小物や髪飾り等をトータルコーディネート。産学連携事業として繊維商社である帝人フロンティア株式会社に浴衣の反物を提供いただき、学生が浴衣を制作している。(小物類の協力は有限会社村田商店、株式会社オカダヤ新宿本店、染色協力は株式会社田中直染料店。制作・その他にあたっては、一般社団法人共立女子大学・共立女子短期大学櫻友会より多大なる支援をいただいた」としている。

植樹風景
森林保全みんなの手で 着物業者が植樹
京都・森林の保全や地域活性化につなげようと、南丹市美山町の山林でこのほど、高齢者らでつくるまちづくりグループ「京都桑田村」と着物販売業者が加盟する日本きものシステム協同組合(京都市)が植樹した。
地域と企業などをつないで森林と農地の一体保全を図る府の「京都MFプラットフォーム」の一環。植樹は2015年に始め、毎年クヌギやクワを植えている。クワの葉は、京都桑田村と交流があるたかつかさ保育園(京都市)に届け、園児らが飼っている蚕の餌に活用している。
今年はクヌギやクワを各50本植える計画。植樹会では、住民と全国から集まった同組合の関係者ら計40人が山の斜面にクヌギ10本を植えた。住民らが植え方を教え、組合員がスコップで丁寧に土をかけた。
京都桑田村の柿迫義昭代表(69)は「活動は高齢者の生きがいや元気づくりにもなる」と喜んでいた。

装いの道
装いの道に何があったのか? 変われなかった着物教室
着物の着付け教室「装道礼法きもの学院」運営の装いの道(文京区)が4月14日、東京地裁に民事再生法の適用を申請(既報)。業歴は53年と長く、生徒・卒業生は3万人にのぼる。全国で教室を展開していた着物教室に何があったのか。
1964年8月設立の装いの道には、2つの事業の柱があった。
1つは知名度の高い装道礼法きもの学院の運営。東京のほか、札幌、仙台、横浜、大阪、広島、福岡に教室を置いた。コースは「きもの&マナー入門通信講座」といった入門講座から上級者向けの「きものプロ養成コース」まであり、年間の受講料はコースに応じて約3万~50万円(教材費込み)と幅があった。毎年春と秋に生徒を募集。プログラムを修了して一定の資格を取得すると、同学院の名称やカリキュラムなどの下で「認可きもの教室」を展開できる仕組みを構築。最近の認可きもの教室数は約22500カ所となっていた。
もう1つが和装用品の販売だ。装道礼法きもの学院の生徒、講師、卒業生らを対象に呉服用補整下着、半襟、帯留め、バッグ、草履などを販売。全国の百貨店も取引先だった。
呉服業界は長期的な着物離れに歯止めがかからないため、経営が厳しい会社が少なくない。装いの道も例外ではなかった。92年度に売上高約68億円でピークとなってからは長期低迷が続いた。バブル経済の崩壊による個人消費の減退も重なったが、この点も呉服業界全体の動向と重なる。
むしろ今回の経営破綻で企業信用調査マンとして注目するのが、売上高構成の偏りと顧客基盤の脆弱さだ。
2本柱のうち全国に認可教室を持つ同学院の運営事業に比べると、和装用品の事業は一見すると目立たない。しかし、実は装いの道の売上高の大半は和装用品が占めていた。教室事業は知名度こそ高いものの、売上高という点においては貢献が思いのほか小さかった。
装いの道にとって致命的だったのは、肝心の和装用品販売を支える顧客基盤が弱かったことだ。生徒や卒業生を中心とした和装用品販売の会員は高齢化が進み、最近では高齢者が過半数を占めていた。若い会員が増えないなか、これまでの会員は高齢を理由とする退会や死去などが相次いだ結果、会員数は減少が続き、歯止めがかからなかった。見方を変えれば、顧客の新陳代謝が進まないままいつまでも同じ顧客に依存したともいえるが、そのつけは重かった。和装用品の販売は次第に低迷。リーマン・ショックや東日本大震災といった要因も重なり、装いの道の経営は厳しくなった。
苦しい状況のなか、6年ほど前から別の問題が次々に浮上する。11年ごろ、前代表者がデリバティブ投資に失敗。装いの道は約1億円の損失を計上した。また、13年には本社不動産を売却したところ、約5億円の評価損が発生。その結果、金融機関から新たな資金調達が困難な状況に追い込まれた。
会員向け雑誌の制作コスト引き下げを進めたほか、14年3月には札幌の教室を閉鎖するなどの合理化も進めたが、うまくいかなかった。高額コース受講者数の減少なども加わり、16年12月期は売上高が約19億5870万円まで下落。窮地を脱しようと斎場や写真館などに着付け講師を派遣するサービスも始めたが、業況を回復できなかった。17年1月には会長で全国紙にコラムを連載したこともある山中典士氏が死去。その後、私的整理等による再建を目指したが、スポンサーと見込んでいた企業に社風の違いなどを理由に支援を断られ、民事再生法の適用を申請するに至った。負債総額は約11億円。教室の運営は継続しており、スポンサー支援による事業再生を目指している。

着付けの様子
車いすでも着物を 多賀で講座
滋賀・車いすに座ったままの人に着付けをする「着付師」の育成が進んでいる。NPO法人日本理美容福祉協会(東京都)が昨年に資格を創設。今年から全国で講師の養成講座を開催することにし、第1回目の講座が多賀町で開かれた。県内で講師として活動する仲谷由美子さん(49)は「母親からもらった着物など、思い出の晴れ着を車いすで楽しんでもらう人を増やしたい」と意気込む。
講習会では、同協会の滋賀米原センター長でもある仲谷さんら3人が講師を務めた。県内外の美容師7人が参加した。
着付けは、車いすから降りずに着ることはもちろん、体を極力動かさないようにすることを主眼に置く。車いすに長襦袢と着物を置き、その上に座ってもらい、順番に着せていく。
車いすに座った状態で着付けるため、帯を巻いて結ぶことはできない。そのため、帯結びはあらかじめ結んで形を作った状態にしておき、車いすの背もたれからのぞく位置に取り付ける。帯結びの形は特殊なクリップを使って整える。クリップは背中に当たっても痛くないよう、和紙で作っているなど工夫を凝らしている。
愛知県美浜町から訪れた美容師、江本みどりさん(58)は「車いすで着物を着られることを知らない人がたくさんいると思う。技術を身につけて積極的にやりたい」と話していた。
同協会によると、着付師の資格を取ったのは全国で約70人。県内では約10人といい、講座などを通して、資格者を増やしていく方針だ。仲谷さんは「車いすだから、と着物をあきらめてほしくない。着付けの方法は、慣れればそれほど難しくない。多くの人に着物を楽しんでもらいたい」と力を込める。問い合わせは滋賀米原センター☎0749(58)1566。

桐生織塾
桐生織塾休塾へ 相続放棄で土地・建物公売
群馬・里山に抱かれた古民家で機音を響かせ、貴重なコレクションを公開して織物やアートにかかわる人たちが交流し、子どもたちの体験学習の場ともなっていた桐生織塾(桐生市=新井求美塾長)が、6月の企画展(2~4日)を区切りとして休塾する。理由は、現在の土地・建物は桐生市が借り上げて創作工房として提供してきたが、所有者の死去に伴い国税局の公売手続きに入る見込みだからだ。「桐生の近代織物工業発祥の成愛社ゆかりの、かけがえのない地」と新井塾長。活動とコレクションの保管場所を探さなければならず、改めて開塾からの時間を振り返っている。
同塾は県繊維工業試験場に勤めながら染織コレクターとして広く深い人脈を培ってきた武藤和夫さんが、ものづくりの心と技を伝えようと1990年3月に設立。桐生市工房推進協議会の創作工房第1号となり、96年に発足した銘仙研究会の拠点でもあった。2009年に新井さんが塾長に。工房活動に加え年2回の企画展を開催、海外からのスローファイバーツアーなど随時見学者を受け入れ、未来創生塾や梅田南小学校の子どもたちの体験学習の場となり、ロケも多数。「ぐんま絹遺産」でもある。
「観光繻子しゅすの技術を市内に広め、ロシア正教を勤労規範とする進取の思想と、田畑に水を引いて水車を回し茶畑や梅林があって炭を焼く、循環型の暮らし。景観と建物を守ってきたつもりです」と新井塾長。家賃や光熱費など補助を受けているが、活動はすべて塾生らの手弁当で、修繕も行ってきた。
しかし昨年2月に所有者が死去。土地約1468平方㍍と建物の契約更改ができず、遺族が相続を放棄したため桐生市産業経済部産業政策課では供託金を法務局に預けて見守ってきた。しかし1年が経過しても国税局で相続財産管理人の手続き中で、公売になるとしても区割りや価格、時期など未定だという。
同課では産業界や行政、各種団体代表の8委員で構成する工房推進協議会(石原雄二会長)を22日に臨時開催し、今後の工房の支援の在り方を論議することにしている。
一方で、織塾としては「織機は10台あり織りたい人がいる限り、活動を続ける。銘仙や世界各国の民族衣装、機道具類など数千点のコレクションを守る責任もある」と新井塾長。現在地の由緒とたたずまいへの愛着を持ちつつ、活路を探すことになりそうだ。桐生織

織りに挑戦する高校生
高校生が織を学ぶ 上田紬
長野・上田市の丸子修学館高校の生徒たちが、伝統的絹織物「上田紬」の織元で伝統工芸士の小岩井良馬さん(42)を同校に招き、タペストリー作りを教わった。
2018年に県内で開く全国高校総合文化祭「信州総文祭」のプレ大会として9月に諏訪郡下諏訪町で開くファッションショーに向け、上田紬を使ったドレスを制作中。上田紬の良さを全国に発信するため、織りも体験して理解を深めた。
ドレス制作を担うのは、授業で被服分野を選択している2、3年生。上田紬の生地をフリル状にしたり花の形にしたりしてドレスのデザインに取り入れている。ほかに、小県郡長和町の伝統工芸品「立岩和紙」を使ったドレスを作っている生徒もいる。
この日生徒たちは、木製の織り機を使い、長く張った縦糸に慎重に横糸を通していったが、慣れてくると、徐々にリズミカルに。2、3年生それぞれに完成させた長さ40㌢、幅10㌢ほどのタペストリー2つは校内に展示後、ドレスにも使う予定という。
生徒たちに上田紬の歴史や特長を解説した小岩井さんは「上田紬は、着物の裏地を3回替えてもなお着続けられると例えられるくらい丈夫」と紹介。3年の馬場美紗希さん(17)は「前にも織ったことがあったが、今日は両端をそろえて織ることができたと思う」と話していた。信州紬

「丸い地球」に見入る入場者
知事賞に木場さん 石川の伝統工芸展
石川・第58回石川の伝統工芸展(日本工芸会、同石川支部ばど主催)の作品審査がこのほど行われ、最高賞の知事賞に、染織「紬織着物『丸い地球』」を出品した木場紀子さん(77=金沢市)が2年連続で輝いた。
北國新聞社社長賞に中田博士さん(37=小松市)の陶芸「真珠光彩壷」、金沢市長賞には村上浩堂さん(56=金沢市)の金工「象嵌花器『井(せい)』」がそれぞれ選ばれた。
工芸展は、同市のめいてつ・エムザ8階催事場で 5月31日から5日まで開かれた。

用意された伊奈紬の着物
伊那紬に触れて! 駒ケ根シルクミュージアム
長野・地域が誇る工芸品に触れてほしいと、駒ケ根市東伊那の駒ケ根シルクミュージアムは、地元に伝わる絹織物「伊那紬」で仕立てた着物を身に着けることができる着付け体験を始めた。気軽に「本物」に触れ、かつて伊那谷で盛んだった養蚕や絹製品など地域文化への関心を高めてもらいたい考えだ。
富岡製糸場(群馬県)の世界遺産登録や、県内の製糸業関連施設への観光振興を図る「信州シルクロード」の取り組みなどで絹文化に注目が集まる中、新たな誘客策として企画。地元や国内をはじめ、外国人観光客への日本文化の発信も狙う。国の地方創生交付金を活用し、着付け部屋や着物などを整備した。
女性用の着物は糸染めから手織りまで一貫製造している同市東町の久保田染織工業の伊那紬を仕立てた着物14着を用意した。イチイやリンゴ、ヤマザクラなどで草木染めした糸を、手作業で丁寧に格子やしまの柄に仕上げた高級品ばかり。男性用は飯田市の那美屋織物から飯田紬の着物2着を取り寄せた。
着物は格子やしまなど好みの柄を選ぶことができる。着付けの所要時間は30分ほど。その後2時間着用でき、外出も可能。同施設は「将来的には着物を着てのツアーも検討したい」としている。
着付け体験は有料。詳しくは同施設☎0265(82)8381へ。信州紬

織機で織物体験ができる
結城紬学ぶ 伝統工芸館がリニューアル
茨城・結城市で織られる結城紬をPRする伝統工芸館が、体験型の施設としてリニューアルされた。伝統産業の魅力に身近に触れてもらおうというもの。
工芸館は1984年に結城紬を発信する拠点施設としてオープンした。これまでは、着物や反物の展示を中心とした見学施設だった。体験できるのは、40ほどある工程の中で代表的な「糸紡ぎ」と「地機じばた織り」。
糸紡ぎは「つくし」という道具に真綿を巻き付け、手でよりをかけずに、一定の太さで糸を引き出し、「おぼけ」と呼ばれるおけにためる。この工程が、軽くて温かい結城紬を生み出すという。
地機織りは、昔ながらの織機で織り上げる作業。千数百年もの間、現在まで変わることなく織り継がれている。
このほか、墨付けした部分を、綿糸で1つ1つ縛って柄を付ける「絣くくり」の工程も見学できる。これらの3工程は、国の重要無形文化財に指定されている。
県本場結城紬織物協同組合の外山正美理事長は「産地の活性化に向け、手づくりの良さを再発見してもらいたい」と話している。
体験は土曜、日曜のみで予約が必要。問い合わせは同組合☎0296(32)1108へ。結城紬

あさおにつるされた浴衣地
初夏を彩る浴衣地 江戸川区
東京・本格的な夏を前に、江戸川区の染め物会社「伊勢保染工所」では浴衣地の染色作業が追い込みを迎え、カラフルに色付けされた約13㍍の反物が風に揺れていた。
大正創業の同社では20~70歳代の職人が、伝統的な技法で色付けし、3~5時間天日で干す。染料が繊維を通過しており、生地の編み目がふさがれていないため、通気性が良いのが特徴だ。
伊藤匠専務(37)は「見た目や着心地を楽しみ、暑い夏を上手に過ごして欲しい」と話す。今シーズンは約3万反を呉服問屋などに納品予定という。

丹波布伝承館に展示されている古布(手前)と縞帳(奥)
丹波布調査 保存会が情報提供募る
兵庫・丹波布が国指定選択無形文化財に指定された60周年の節目に合わせ、丹波布技術保存会(畑田久祐会長)が、丹波市内に残る丹波布の調査を始める。これまで本格的な調査が行われたことはなく、初めての試み。文化財のように所有者を記録し、後世に伝える台帳を作る。「古い布があれば見せてほしい、鑑定に伺う」と同会は協力を呼び掛けている。復興以前の布と、復興後の両方を調査する。
民藝運動主唱者の柳宗悦が昭和3年(1928)に京都の朝市で見つけた佐治木綿。研究者によって昭和6年(1931)に、青垣町佐治で織られていた布と特定された。昭和29年(1954)に地元の名士らが、途絶えた同布を復興しようと「丹波布復興協会」を結成、同年に「復興1号」が織られた。丹波布第1人者になる足立康子さんもこの後加わり、昭和32年(1957)に丹波布を製造する一連の工程が、国の文化財の指定を受けた。
秋に60周年記念事業を予定しており、所有者の承諾が得られるものは展示を考える。
丹波布の特徴は格子柄の縞模様。情報提供、問い合わせは丹波布伝承館☎0795(80)5100へ。

写真は昨年のイベント
日本古来の嫁入り風景を再現 川越
埼玉・川越大正浪漫夢通り商店街で10日、「川越花嫁道中」が開かれる。主催は川越着物レンタル柚屋。
「着物を着て一緒に行列に参加しよう」をテーマに、昔ながらの嫁入り風景を再現する同イベント。みこ2人、花嫁、花婿、留め袖2人の参加者6人を一般募集し、着物で花嫁道中の行列に参加する。振り袖2人は主催側で行う。
着物は、女性は小紋、男性は着流しから、散策に向けて好みの物を選べる。人気柄は明るい花柄。着物に合わせてヘアセットも行う。写真撮影があるため、参加条件は顔出しが可能な人。
担当者は「和装ならではの美しさを体感、見学できるイベント。多くの方に日本のお嫁入り文化を知ってほしい。川越散策とともに華やかな『和の伝統』に触れてほしい」と呼び掛ける。
着付けを行い、着付け後は自由に散策できる。花嫁道中の時間は13~。参加費は3.000円(ヘアセット代込み)。見学は無料。

浴衣の若者で賑わう
浴衣で参拝 「とうかさん」始まる
広島・初夏の訪れを告げる祭り「とうかさん」(実行委主催)が2日、圓隆寺(中区)一帯で始まり、彩り豊かな浴衣姿の若者や家族連れらでにぎわった。
寺の総鎮守で、お釈迦様の守護神「稲荷とうか大明神」の祭りで、参拝すれば願いがかなうとされる。
「ゆかたの着始め祭り」とも呼ばれ、浴衣姿の女性参拝客が多い。
参道や境内は500個以上の提灯で飾られ、祭りで販売される「破魔うちわ」や「厄除うちわ」などを参拝客が購入していた。祭りは4日まで。

悪徳商法追放
「過量販売」撤回OK 改正消費者契約法3日施行
高齢者らを狙った悪質商法への対策を強化する改正消費者契約法が3日、施行される。高齢や認知症で判断力が低下した人が商品を大量に購入させられるケースが相次いでいることから、契約取り消しに関する新たな規定を盛り込んだ。
消費者契約法は消費者保護を目的に2001年、施行された。消費者団体が消費者に代わって事業者を提訴できる「消費者団体訴訟制度」が07年に導入されて以降、大きな改正はない。その間、増加したのが高齢者の契約トラブルだ。
国民生活センターによると、15年度の高齢者の消費生活相談は約24万件。認知症の高齢者らによる相談は約8800件だが、表面化していない被害がある可能性もある。
今回の改正では高齢者や認知症の人が悪徳商法で不当に多い商品を買わされることを防ごうと、消費者が「過量販売」の契約を取り消せる規定が新設された。
▽あまり外出せず日常的に着物を着ない高齢の女性にそれを知りながら着物を何10着も販売する▽食べきれないと知りながら大量の健康食品購入の契約を独り暮らしの男性に結ばせる――。こうした場合が対象になる。
契約上の「重要事項」で嘘の説明をする「不実告知」を受けたときも契約を取り消せる。改正では重要事項の範囲を拡大。契約の対象物だけでなく生命や身体、財産などを損害する事項で不実告示があったときにも取り消しできるようになる。
また、今回の改正では「販売した商品は契約後のキャンセル、返品は一切できない」などと定める不当な契約条項も無効とした。
NPO法人「消費者機構日本」の磯辺浩一専務理事は「消費者が合理的な判断ができないような状況につけこむ恋人商法や霊感商法などの勧誘形態でも規制を強化し、容易に契約の取り消しができるようにした方がいい」と話している。

久留米絣の説明する野口さん
久留米絣でキリバスの着物 キモノプロジェクト
福岡・2020年の東京五輪に向け、世界の国々をイメージした着物を制作する企画「キモノプロジェクト」の一環として、久留米絣でキリバス共和国の着物作りを目指す企画が立ち上がった。プロジェクトは久留米市でスタートし、京友禅や加賀友禅など国内各地にある伝統工芸の産地で制作が進んでいるが、地元久留米の工芸品では初めて。
「久留米絣イマジンプロジェクト」実行委員長で、絣製品企画製造販売オカモト商店(同市)社長の野口和彦さん(52)が活動などについて次のように語った。
「制作を担当する国指定重要無形文化財久留米絣技術保持者の松枝哲哉さん、小夜子さん夫妻にはこれ以前に話があった。ただ、絣の生地は木綿で、一般的にはカジュアルなイメージがある。これまでキモノプロジェクトで制作した着物は礼装の振り袖で、全て絹織物だった。夫妻への打診は絹を藍染めして着物が作れないかというものだったが、受け入れられなかった」。
「久留米絣の特徴といえる藍色は、木綿で最もきれいに発色する。木綿で作ってきた歴史は重い。高級な木綿は絹に負けないという思いもあって今回、キモノプロジェクト側にも理解してもらい、木綿で制作することが決まった」。久留米絣

タグ発行を決めた審査会
QRコードで詳しく閲覧 京手描友禅
京都・京都手描友禅協同組合(中京区)は、組合員が手がけた着物や帯の詳しい製品情報をインターネットで確認できる「京手描友禅トレーサビリティシステム」を1日から運用を始めた。QRコードが印刷された商品タグをスマートフォンなどで読み取ると、職人の名前や製品の特徴をウェブサイトで閲覧できる。作り手の顔が見える仕掛けを通し、販売拡大を図る
京手描友禅は、白生地に手描きで模様を描く。工程を分業することで各職人が技術を高め、繊細な色柄を表現しているのが特徴だが、和装離れで生産量は低迷している。
近年増加しているインクジェットや型を使った染めとの違いを打ち出し、職人の思いや技術を消費者に深く知ってもらおうと、京都高度技術研究所(ASTEM・下京区)と協力し、2年前から開発を進めてきた。
QRコード付きのタグを付けられるのは、同組合と市産業技術研究所(下京区)でつくる委員会の審査を通った製品のみ。5月22日は初めての審査会が市産技研で開かれ、訪問着や帯など計80点が合格した。
自らも手描き友禅のデザインや彩色を手掛ける同組合の鈴木勉副理事長は「消費者に技術や思いを分かってもらえることは、職人にとって大きな励みになる」と話した。
組合は今後、各地の和装催事への出展やテレビCMを通し、システムをPRする。

着付けしてもらう女性観光客
名所旧跡巡りに人気 島根の着物レンタル
島根・県内で、観光客向けの着物レンタルサービスが人気を集めている。非日常感に浸りながら名所を巡ることができる点などが受け、レンタル業者の利用件数は急増。各店がホテルと連携した着付けプランを設定したり、インバウンドブームを受けたホームページの多言語化を計画したりと、島根観光の新たな魅力になるようサービスを充実させている。
今月中旬、着物レンタル専門店「堀川小町」(松江市)で、神戸市の看護師八田美奈子さん(24)と、兵庫県の飲食店員藤本香菜さん(24)が着物選びを楽しんでいた。着物での町歩きが好きだという2人は、着物レンタル店の有無が旅行先選びの条件の1つ。今回は旅行雑誌で同店を探しだし、予約。玉造温泉などを訪れる予定だ。100着を超える品ぞろえに、八田さんは「かわいい物がいっぱいある」と笑顔。
県内では近年、東部エリアを中心に観光客向けのレンタル業者が相次ぎ進出。松江、出雲、安来の3市でつくる「神話の国縁結び観光協会」によると、ここ2年ほどで松江、出雲両市に専門店計3店がオープンしたという。
出雲大社近くに15年5月に開業した専門店「ご縁スタイル」(出雲市)も利用が増加。16年5月~17年4月の利用者は前年同期と比べて4割増となっている。

井上さん、寄玉さん、尾崎さん
高砂染復活へタッグ Emoz Tlab
江戸時代に姫路藩の特産品だった高砂染を復活させようと、染め物製造・販売会社「Emoz Tlab(エモズティラボ)」が1日、高砂市に設立された。高砂染の「本家」を巡っては2説あるため、姫路市と高砂市の2つの創業家の子孫らが手を結び、再興に取り組む。デザインなどを現代風にアレンジし、若者にも親しめるブランドを目指す。
新会社の社長には、介護用衣料品販売会社を営む寄玉昌宏さん(32)が就任。高砂市の創業家17代目当主尾崎高弘さん(51)ら5人が役員などに加わる。姫路市の創業家17代目当主で県立高校教諭の井上国雄さん(57)も協力を約束している。
高砂染は、江戸中期以降、型染めの技法を使い、羽二重や
縮緬などの着物に仕立てられた高級品。幕府への献上品にも用いられたというが、昭和初期に廃れた。

丹後ちりめんカレンダー
5月度生産実績 丹後織物工業組合
本場奄美大島紬初が5千反割れ(16年産実績)、結城紬1200反、ピーク時の(昭和50年)25分の1、という記事を目にした。一方で、今年も夏が来た。広島の「とうかさん」で「ゆかたできん祭」が始まった。メーカーでも小売りでも浴衣戦線が活発化する。一方、夏祭りや花火等浴衣をとらえたイベントが数多く催される。華やかであり楽しい。着物ではないが、何か期待が持てる。越後上布でも上布を使った工芸品を誕生させている。
さて、丹後織物の5月度の生産量は22.784反で、昨年同月の24.051反を1.267反下回り、前年比マイナス5.3%に推移した。今月もわずかながら、昨年の生産高を上回ることはできなっかった。操業日数は18日で、前年と同であった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。▼一越・古代=81(144)△変り無地=3.974(3.681)□小計=4.055(3.825) △紋綸子(軽)=2.488(2.372)▼紋綸子(重)=3.397(3.598)▼銀意匠・朱子一重=0(11)▼紋意匠・朱子二重=10.958(11.559)▼絽織・紗織=906(1.084)▼その他の紋=61(91)▼金・銀通し=651(1.166)▼縫取・絵羽=268(345)■小計=18.729(20.226) ■合計=22.784(24.051) ▼パレス=552(1.115)△紬203(171)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。
丹後ちりめん

殿と姫でパチリ
「岡御殿」で着物衣装貸し出し 写真撮影も
高知・安芸郡田野町の高知県指定文化財「岡御殿」で入館者を対象にした着物衣装の貸し出しが行われている。写真撮影のほか、お殿様やお姫様気分で館内を見学できる。
岡御殿は江戸期に製材や回船業を営んだ豪商、岡家の住居跡。1844(天保15)年建築の格式高い書院造りで、土佐藩主が東部巡視の際に宿泊した。
岡御殿は「志国高知 幕末維新博」の地域会場になっており、家族連れらに当時の雰囲気を体感してもらおうと貸し出しを始めた。
着物は大人、小学生、幼児向けの3サイズで、それぞれ男女用がある。貸し出し料金は大人千円、小学生以下は500円。
また、岡御殿は6月の1カ月間を「ウキ雨季うきキャンペーン」と銘打ち、入館料を割り引く。大人200円(通常500円)、中高生100円(通常300円)、小学生以下は常時無料。

百貨店の浴衣売り場
浴衣商戦 とうかさん前に品揃え
広島・ 2~4日にある広島市の夏祭り「とうかさん」が近づき、市内の百貨店で浴衣商戦が本格化している。花や花火などの「古典柄」に加え、華やかな色合いの商品が人気だ。夏用の着物の提案を強める店もる。
そごう広島店(中区)は、昨年より1割多い約600点をそろえる。中心価格は3万3千円前後。
昨年も売れ筋だった古典柄加え、パステル調のピンクや水色の水玉模様などのポップな商品も充実させている。
とうかさんは圓隆寺(広島市)で毎年6月に行われる祭礼。ご神体が稲荷大明神であることから稲荷とうかと読んでいる。同祭は、別名「浴衣の着始めまつり」としても定着している。また、大祭に合わせて「ゆかたできん祭」(既報)という大イベントも併催される。

カープの浴衣で出展説明する松井社長
和文化の魅力紹介 LAのアニメエキスポ
広島・和装文化を海外にアピールしようと、福山市の和服縫製会社「アシスター」(松井稔社長)は、米ロサンゼルスで7月に開かれるイベントに参加して着物の魅力を発信すると発表した。松井社長は「海外での和装のニーズを増やし、販路拡大につなげたい」と話している。
イベントは7月1~4日に開かれる米国最大の日本ポップカルチャー展示会「アニメエキスポ」。アニメ、ゲームなどのサブカルチャーも含めた日本文化を紹介する。
同社は1940年、着物の仕立て屋として開業。現在は福山市の自社工場で縫製や加工を手がけ、プロ野球広島東洋カープのユニホーム風の浴衣なども作る。以前から海外や外国人向けの販路開拓を模索しており、広島市内を中心に着物体験イベントなどを企画する一般社団法人「ひろしまきもの遊び」(中区)を通じてエキスポ参加を打診され、出展を決めた。
エキスポでは1日(日本時間2日)、ステージで留め袖や男性用はかまなどの正しい着付けを紹介。コスプレイヤーやアニメ好きの来場者向けに、アニメキャラクターが描かれた同社縫製の着物も披露する予定。
移動交通費などの出展経費は日本商工会議所の補助金を活用。6日間の滞在中、スタッフ6人全員がすべての日程を着物で過ごし、滞在先での様子や観光地で出会った反応をフェイスブックなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で公開してPRするという。
松井社長は「伝統文化やアニメなど、いろいろな視点から着物を見てほしい」と話した。

綿の苗を植える児童
商店街で松阪木綿栽培 教材に活用
三重・松阪市商店街連合会(宮村元之会長)はこのほど、松阪木綿にちなみ商店街で木綿を育てるため、同市殿町の第一小学校で3年生26人と綿の苗を鉢十個に移植した。
松阪木綿の着物は江戸時代、紺地に縦じまのデザインが人気を集め、売りさばいた三井家など松阪商人が豪商に成長した。
市商連は「松阪木綿コットンロード(木綿街道)プラン」として取り組み、4年目となる。10月には実がはじけて白いコットンボールとなり、綿摘みをする。
宮村会長は「綿作りを通学の道すがら体験しながら、収穫したコットンボールを教材として活用してほしい」と呼び掛けた。

昨年、中央通りの歩行者天国
「ゆかたできん祭」 とうかさん
広島・夏の訪れを告げる祭り「とうかさん」と支援イベント「ゆかたできん祭」が6月2日~4日までの3日間、中央通り、袋町公園など市中心部をメイン会場に始まる。
今年で15回目を迎える「ゆかたできん祭」は市民のための浴衣祭りとして始まった。昨年の人出は32万5000人。地下街シャレオ中央広場では2日・3日に浴衣を販売し、購入後はその場で着付けサービスを行う。持ち込み浴衣の着付けや着崩れのお直しはひろしま国際ホテルや袋町公園でも対応する。
2日には祭りのシンボル「大とうろう」と浴衣を着用した市民らが一緒に広島本通り商店街を練り歩く。袋町公園にはハイボールガーデンが出店するほか、新企画として本通りや金座街商店街周辺のフォトスポットを撮影して回る「街ぶらフォトラリー」を実施。3日には授乳室やおむつ替えコーナーも設ける。
中央通りでは2日・3日にメインイベント「ゆかたで踊りんさい」を行い、通りを4つのゾーンに分け、パフォーマンスを披露する。最寄りの東新天地公共広場では3日間、毎年恒例の盆踊り大会を開き、飛び入り参加も受け付ける。
 開催時間はイベントによって異なる。雨天中止。
 
きものボックス
スマホで着物の管理を サマリーポケット
株式会社サマリーは、着物専門店株式会社やまとと提携し、トランクルームアプリ「サマリーポケット」で利用可能な「着物ボックス」の提供を、きものやまとの顧客対象に開始した。
やまとの店舗で着物ボックスを申し込めば、自宅にボックス1箱・たとう紙5枚・畳み方の説明書が届く仕組みで、預けたい着物を入れて送ればいつでもアプリから一覧でき、必要なとき取り出せるようになっている。
「着物をしまう保管スペースがない、捨てられない着物があって困っている、自宅に保管しとくと湿気が心配など、着物の保管にお困りの方は、24時間365日 湿度(45~65%)、温度(10~28℃)を保持する安心・安全な環境の『着物ボックス』をぜひご利用ください」とサマリー。
 
コラボで誕生したブローチ
小杉漆器店とコラボで新製品 越後上布
新潟・異なる2つの伝統の技が1つになり、新たな工芸品が誕生した。南魚沼市の「越後上布」と、村上市の「村上木彫堆朱ついしゅ」。職人が地域を越えて協力して作ったブローチが6月から、コラボ製品の第1弾として売り出される。「伝統産業の振興につなげたい」と、新作には関係者の期待も込められている。
コラボを提案したのは、塩沢つむぎ記念館(南魚沼市)の南雲正則館長(64)。塩沢地区の職人らがつくる越後上布などの織物技術の伝承に努めているが、「着物も近寄りがたいと感じる人が多い。伝統産業を取り巻く環境は厳しくなっている」と危機感を抱いていた。
織物以外との異業種交流で、親しみやすい工芸品を作れないか。思案の末、目を付けたのがアクセサリーのブローチだった。「織物と木は相性が良い」と商工会などを通じて働きかけ、村上木彫堆朱の伝統を守る小杉漆器店(村上市)とのコラボが実現した。
南雲館長は「ブローチは帽子やストールなどにもつけられる。多様な楽しみ方があり、第1弾にふさわしいと思った。第2弾、第3弾も考えたい」。
小杉漆器店の小杉和也さん(55)は「漆の朱とカラフルな越後上布がマッチして、おもしろいものができた。いろんな年代の方につけていただけるのでは」と期待を込める。
ブローチは円形や角形があり、大きさは5~6㌢ほど。朱塗りの木枠に越後上布の生地をはめ込んだ。木枠は、無地のものと、唐草模様などを彫り込んだものがある。価格は8千~9500円で、1日から塩沢つむぎ記念館と小杉漆器店で販売する。ブローチの愛称も募集する。問い合わせは同記念館☎025(782)4888。塩沢
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