4月のニュース




話  題
琉球切手「花風」
<歌い踊る切手>花風(1961年)
浮かぶ遊女の悲しみ
「琉球切手」の普通切手の図柄の1つとして舞踊「花風はなふう」が使われている。「花風」は、明治政府による「琉球処分」で琉球王国が崩壊して以降、那覇の芝居小屋で生まれた「雑踊ぞうおどり」の名曲だ。
「雑踊」は、琉球王国の時代、首里城を中心に演じられていた古典舞踊が、士族の風俗を写しているのに対し、農民や漁民を主人公として庶民の生活を描いている。
しかし「花風」は、「美妓三千人」と呼ばれた沖縄随一の遊郭・辻の遊女を主人公としている。辻の遊女は「尾類ジュリ」と呼ばれ、特定の相手に囲われていた。遊女というよりは、「愛人」といった方が正確かもしれない。
那覇の港から旅立つ愛しい人を人知れず見送る尾類の姿を舞踊にしたのが「花風」だ。見送る場所は、海に突き出た「三重城みえぐすく」という堤防。その名の通り、かつては倭寇わこうを迎え撃つための砲台を備えた要塞だった。
「花風」の「尾類」は、庶民の着物であった紺地の絣に日傘をさし、肩には「ティサージ(手巾)」を掛けて登場する。
琉球の女は、さまざまな思いを込めて「ティサージ」を織る。旅に出る人の無事を祈るのが「ウミナイティサージ(祈りの手巾)」、愛する人へ思いを込めるのが「ウムイヌティサージ(想いの手巾)」だ。
「花風」では、沖へ出て行く船に向かい「ティサージ」を振る。
早弾きの賑やかな曲が多い「雑踊」の中で、珍しくゆったりとしたテンポだ。しっとりとした踊りに、尾類の悲しみが浮かび上がる。

きものニュース
ユーモアに富んだ解説が好評
泥染め実演体験が好評 遊楽館誕生祭
東京・千代田区の「かごしま遊楽館」(鹿児島県のアンテナショップ)で27、28の両日、開館22周年を記念した「誕生祭」があった。大島郡の瀬戸内町と喜界町、徳之島町が出展。龍郷町(同)の染色業者は本場奄美大島紬の泥染め工程を実演した。奄美の「人」「自然」が育んだ特産品と、伝統工芸をアピールした。
泥染めとは、奄美大島でおこなわれている天然の染色方法。 テーチ木染20回に対し、泥田に浸けての泥染め1回。これを1行程とし、3、4回繰り返すことによってタンニンと鉄分が結合し独特の渋い黒の色調になる。その後、手機にかかるまで整経・糸繰・部分脱色・摺り込み染色・むしろほどき・綾ひきなど、気の遠くなるような行程がある。
さて、泥染めの起源だが、当時の厳しい人頭税を逃れるために、高価な絹糸を泥田に隠したところ、泥田の鉄分がうまく絹糸にからんだことが一因だとする説があるが、さだかではない。奄美大島

キテンゲの浴衣あ
タンザニア綿で浴衣 山形で展示会
呉服の日(5月29日)に合わせ、タンザニア産の綿100%生地「キテンゲ」で仕立てた浴衣を紹介する展示会が25日、山形市の山交ビル2階「やしち屋」で始まった。日本の浴衣と着心地は変わらないが、派手な柄や色遣いが目を引き、「世界初」の貴重品という。
着物の魅力発信に取り組む山形きもの記念日(布施将英代表)が企画。本県とタンザニアは親交が深く、山形タンザニア友好協会が1999年に発足し、2003年には大統領が来県。それを知る大阪府の知人に勧められ、布施代表がキテンゲを使って浴衣を作った。オーダー製作で価格は3万8千円。
タンザニアでは一枚の反物のまま、体に巻いて使う。日本の浴衣生地と同様、軽くて薄いが、織り目が少し粗い。落ち着いた風合いの日本の生地とは対照的に、キテンゲは黒地に赤、青地に黄など大胆な配色で、幾何学模様や太陽の模様が多い。輸入業者は日本に1社のみで、浴衣用には卸していないため、キテンゲの浴衣は「おそらく世界初」と布施代表。
展示では浴衣1着、反物13点のほか、キテンゲで作ったかばん、がま口、扇子も紹介。ペンキを使ったタンザニアの絵画「ティンガティンガ・アート」の作品16点も並ぶ。
布施代表は「キテンゲは糸、柄、色が特徴。日本にはない雰囲気を見てほしい」と話す。29日まで。

撮影会の様子
着物姿にピント 朝日フォトフェス
愛媛・四国各県の写真愛好家が集まる「四国2017朝日フォトフェスティバル」(全日写連関西本部、朝日新聞社、愛媛朝日テレビなど主催)が28日、松山市内であり、約50人が撮影会で技量を磨き、親交を深めた。
フェスティバルは、今年で35回目。午前中に国史跡の道後公園で撮影会があり、午後からは事前に出品した作品の公開審査があった。
晴天に恵まれた撮影会には着物姿の女性モデル3人が登場。参加者はモデルと一緒に公園内を歩きながら、木陰や池のわき、土塀のそばなどを選びながら、約2時間かけて熱心に撮影した。講師を務めた富田健治全日写連総本部理事が、構図などの撮影のポイントを指導する場面もあった。
また、公開審査は公園の一角にある市立子規記念博物館であり、富田理事ら審査員が、62人から寄せられた計269点の作品から入賞作31点を選んだ。

ストールを見る来場者
「染の仕事展」 熊本県伝統工芸館
熊本市中央区の県伝統工芸館で、同市東区出身の岡村美和さん(69)が染め上げた帯地や風呂敷などを展示・販売する「染の仕事展」が開かれている。岡村さんは熊本地震を経験して「今できることをやっておかなければいけない」などと思い、同館で約5年ぶりに作品展を開催した。
約3週間かけたスカーフ「阿蘇の草花」(縦2㍍、横㌢)は、明るい緑青色の地色に色彩豊かなヒゴタイやナデシコなどが際立つ。岡村さんは「作品展を開いたり、自分が着物を着ることで和の文化を発信し、若い人にも染め物の良さを知ってほしい」と期待していた。
さいたま市から訪れた池田米子さん(73)は「どの作品も地色の優しい色合いがすてき」と話した。28日まで。

着物を着て稽古をする子どもたち
子どもたちが日舞学ぶ 着物着付けも
群馬・沼田市邦楽協会(岡嶋稜子会長)による文化庁委嘱事業「伝統文化日本舞踊こども教室」が、同市中央公民館で始まった。
市内の幼稚園児から小学六年生までの21人が、来年1月初旬まで25回にわたり、日本舞踊の基本を中心に、着物の着付けやたたみ方、帯の結び方、礼儀作法なども習う。
初日の稽古始めに真新しい踊り用の扇が配られた。子どもたちは扇を自分の前に置き、踊りの先生に「よろしくお願いします」とお辞儀した。
指導にあたるのは坂東流師範の4人。子どもたちは4班に分かれてそれぞれ違う演目を習う。10月の邦楽舞踊発表会に大人に交じって出演するほか、伝統芸能を学ぶ子どもたちが集う11月の発表会でも、稽古の成果を披露する。
この教室は14年目。岡嶋会長は「子どもたちが伝統文化に親しんでもらいたい」と期待していた。

児島帯と那須さん
“児島ブランド帯”誕生 和文化と地域産業の融合
岡山・デニム生地、真田紐、畳縁。倉敷市の児島地区が誇る特産品で構成した着物帯が岡山市北区の着付け教室師範、那須七都子さん(48)によって編み出された。倉敷市の繊維産業関連の文化・伝統を語るストーリーが今年度「日本遺産」に認定されたこともあり、各方面の脚光を浴びそうだ。
那須さんは神戸市出身。考古学関係の仕事で岡山と縁ができ、結婚を機に岡山市民に。「温故知新」をモットーとする着物愛好家で、着付け指導を20年間続けている。
児島ブランドの帯は、昨秋、京都市内で開催された着物ショーの出演が契機。「伝統産業として確かな歴史がある地域の特性を前面に出したかった」と、児島地区のデニム業者とのコラボレーションで仕上げた。
現在「児島帯」で商標を出願中。数種の柄があるが、国産ジーンズ発祥地で知られる児島のデニム生地をベースに、戦国武将・真田氏ゆかりで今は国内でも児島地区が希少な生産地となっている真田紐の色彩をアクセントに加えた。
さらにもう片面は全国シェアトップの畳縁で「きらびやかさを出した」という。帯を結んだ際、内側から端を折り曲げて裏面を見せることで、それぞれの特徴を主張できる。価格は1万5120円から。那須さん主宰の「KIMONO Terrasse」などで販売。「もっと着物を普段着にしてほしい」と願う那須さんは「日本遺産登録という追い風を得て、和装文化と地域産業の融合に一層弾みがつきそう」と期待している。

舞妓姿の女王
舞妓に変身 フィギュア世界女王
フィギュアスケートの世界女王、ロシアのエフゲニア・メドベージェワ(17)。今年3~4月の世界選手権で233.41点と世界歴代最高得点を更新し、並み居る強豪を抑えて連覇を成し遂げた。
そんな実力者も1歩リンクを離れると17歳の少女。「アニメオタク」として有名。特に「セーラームーン」好きで知られ、原作者の武内直子さんとの記念写真を自らのSNSにアップするほど入れ込んでいる。16年のドリーム・オン・アイスに続き、17年4月の国別対抗戦のエキシビションでも主人公、月野うさぎのコスプレで登場し、魅力的な演技とともに会場を熱狂に包んだ。最近ではフィギュアスケートを題材にしたアニメがお気に入りとか。
インターネットサイトには、メドベージェワが現在、日本語を学び、日本語でセーラームーンのテーマソングを歌うことができると紹介されていた。
フィギュアの進化に負けず劣らず、親日家の度合いも深化している。約20万人のフォロワーがいるインスタグラムで、5月中旬に舞妓姿の写真をアップすると、インターネット上で話題をさらっていた。
本格的な舞妓姿に本人は「私が今日、京都で出会った人を見て」とノリノリのコメントを書いている。フォロワーも「きれい」とか「かわいい」などと応じる書き込みをして反響を呼んだ。
女子フィギュア界では日本勢のライバルだが、日本文化をこよなく愛する魅力的な美女アスリートの今後の動向が気になる。

指導する永田さん(中央)
「作れない」危機 本場結城紬
栃木・小山市などが主な生産地の高級絹織物「本場結城紬」の原材料である「袋真綿」の生産者不足が深刻化する中、小山市は今年度から新たな担い手を育成するため講習会を開催する。主に福島県から購入していた袋真綿を自前で賄う一貫生産体制を目指す試みで、既に伝統技術に触れる体験会も開催。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録された伝統を紡ぎ、「小山ブランド」の再生も図る。
本場結城紬を取り巻く環境は時代の変化に伴い、厳しさを増している。和服離れが進んだほか、景気低迷により高価な着物は需要が少なくなった。2010年11月にユネスコの無形文化遺産に登録されたものの、作り手の高齢化や後継者不足により、近年は「売れない」以前に「作れない」危機に直面。16年度の県内の生産者数は30軒で、1977年のピーク時の約30分の1まで激減している。
こうした中、小山市は繭から袋真綿をつくる伝統的な生産技術「真綿かけ」の体験会を23日に開催した。真綿かけは糸を紡ぐ前段階の重要な作業だが、現在市内では、ほとんど実施されていない。袋真綿の購入先である福島県伊達市保原町も真綿かけの後継者不足に悩んでおり、自前の生産者育成は避けられない課題だった。体験会には県内外の女性13人が参加した。講師は小山市内で真綿かけの伝承などに取り組む永田順子さん(60)。滑らかな手つきで煮た5個の繭をぬるま湯の中で袋状に広げながら重ねていった。技術の習得に8年かかるとされる職人技を間近で見た後、参加者も挑戦。思うように広がらない繭に苦戦しつつ、額に汗をにじませた。永田さんは「真綿かけをできる人が増え、本場結城紬の全工程が産地の小山市内でできたら良いなと思います」と話していた。
以前から結城紬に関心があったという相模原市の杉本富喜子さん(45)は「お手本通りにはいかなかったですが、最後は感覚をつかめたと思います。今後もやってみたいと思いました」と好感触を得たようだ。
真綿かけの担い手を育成する講習会の受講者は、体験会参加者から募り、適性などを見極めて7人程度に絞り込む。7月中旬から計9回開催する予定だ。
小山市は13年度から「復興振興5カ年計画」を実施中で、後継者育成や一貫生産体制作りに取り組んでいる。市工業振興課によると、16年の本場結城紬の年間生産反数は1200反で、ピーク時(1980年)の約25分の1に減少。それでも15年からは微減で、急激な減少傾向には歯止めがかかったという。
同課は今年度中に第2期5カ年計画(18~22年度)を策定する予定で、「20年東京五輪に向けた『和装振興』の流れにも乗って、本場結城紬の知名度も上げていきたい」と意気込んでいる。結城紬

JR西、エプロンに採用
加賀友禅のおもてなし 「グランクラス
石川・JR西日本は北陸新幹線の最上級車両「グランクラス」のアテンダントが期間限定で着用するエプロンを公開した。6月2日から4日にかけて開かれる「金沢百万石まつり」に合わせた取り組み。加賀友禅のデザインをプリントしているのが特徴で、接客とともに北陸の伝統工芸の魅力を伝える。
着物らしさを残しつつ、見てかわいいと思えるものをコンセプトに「水面のきらめき」や「サザンカと紅葉」など5種類のデザインを用意した。
下りは東京駅を午前6時~8時台に出発する列車の5本、上りは金沢駅を午後5時~9時台に出発する列車の4~5本で着用する。
友禅の模様を描いた作家の毎田仁嗣さんは「友禅に興味を持ったり、また北陸に来たいなと思ってもらえたりするきっかけになれば」と話した。加賀友禅

大丸Mでの染織展の模様あ
珠玉の工芸 「染織展」「近畿展」開幕
京都・現代性が息づく伝統工芸の美を紹介する「日本伝統工芸染織展」と「日本伝統工芸近畿展」とが24日、それぞれ下京区の大丸ミュージアム京都、京都高島屋グランドホールで開幕し、多くの工芸愛好家が訪れた。
染織展は、友禅や紬織の伝統工芸作家による着物や帯など計83点が並んだ。最優秀の文部科学大臣賞に選ばれた小林佐智子さん(愛知県)の風通絣織木綿着物「北の国は」は、緑やピンクなどの明るい色彩で構成されたモダンな格子柄で、作者が旅した北欧フィンランドの思い出を託した。奨励賞・京都新聞賞は生駒暉夫さん(東京都)が受賞した。
近畿展は陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門で、8人の重要無形文化財保持者(人間国宝)の作品を含む計213点を展示。松を見上げた印象を形の組み合わせと色の妙で染めた東敏男さん(京都市)の友禅訪問着「木漏れ日」が、近畿賞に輝いた。京都新聞賞の佐々木省庵さん(同)は、朱と黒の漆を使ったふた物で、異なる花弁の形の重なりを生かした造形が光った。いずれも29日まで。有料。

オランダで泥染めのワークショ
ップを開いた金井さん(右端)
大島紬 若者の手で次世代へ
大島紬は、明治時代後期から生産性が向上し、1927年のピーク時に奄美で年35万6千反を生産したが、近年は和装需要の減少と景気低迷で落ち込み、昨年は4700反にとどまった。
奄美大島出身の松元由紀乃さん(27)は、若い女性をターゲットにしたブランド「fabrica amami」を立ち上げ、2015年から大島紬を使ったアクセサリーのネット販売を始めた。
父親は古い大島紬の着物を直し、母親は大島紬の反物を着物に仕立てる仕事をしていた。仕事を継ごうと思っていたが、「安定した仕事に就きなさい」と両親に薦められ、大学卒業後は中小企業の支援をする独立行政法人に就職。伝統的工芸品を海外で販売するため、職人とバイヤーをつなぐ調整役として全国各地を回った。
2年半ほどで退職し、メーカーの海外展開を手助けする仕事を始める一方、奄美に定期的に帰郷して大島紬の生産者と新しいアクセサリーの開発に取り組んだ。現在も東京と奄美を往復しながら、大島紬の反物や、染めや織りの技術そのものを海外のブランドやデザイナーに売り込もうと準備を進めている。奄美大島

道具や屑繭の着物展示
養蚕の歴史や技術展示で紹介 福知山
京都府・養蚕業の今昔を紹介する展示企画「カイコと絹と着物」が、福知山市内記の市丹波生活衣館で開かれている。府内で貴重な出荷農家が残る福知山を中心に、京都の養蚕業の歴史や現状を紹介している。
現在、同市には2件の農家があるが、高齢化で歴史や技術の継承が課題となっている。衰退する地域の伝統産業を伝えようと、同館が企画した。会場では、養蚕の道具や、農家が屑繭を使って作った着物などを展示。農家の間で蚕が「おかいこさん」と呼ばれ親しまれていたことや、洪水が多い由良川の護岸対策として、地中深くに根をはる桑の木が植えられ、河川敷が「桑の海」とも言われていた歴史など、人々の生活に養蚕が深く根付いていたことをパネルで説明している。
今も養蚕を続ける農家の声や、医薬品や化粧品など蚕の新たな用途も紹介。同館は「若い人にも蚕を身近に感じてもらい、養蚕を未来につなげたい」としている。28日まで。火曜休館。無料。同館☎0773(23)6070。松岡姫 和木沢絹 今は無き石西社

蒲島知事と生徒たち
和装コンテストV3 尚絅高生が快挙報告
熊本・4月に東京で開かれた「全日本きもの装いコンテスト」世界大会の学生部門で、3年連続優勝を飾った尚絅高(熊本市)の和装礼法部員たちがこのほど、県庁を訪問し、蒲島郁夫知事に快挙を報告した。
コンテストは、鏡を見ずに着物をどれだけ美しく着られるかを競う。所作やスピーチなども併せて審査されるという。同校3年で部長の国岡陽美さんが個人の部で準優勝、学校対抗の部で3年の太田黒栞さんら3人が優勝した。
国岡さんは「周囲への感謝を忘れず、これからも内面を磨いていきたい」。蒲島知事は「これからも日本文化の素晴らしさを世界に伝えて」とエールを送った。

細密な色柄を表現
炭素やガラス繊維で西陣織の椅子 細密な色柄表現
京都・西陣の帯メーカー、フクオカ機業(上京区)が、炭素繊維やガラス繊維を用い、高機能の織物を開発した。軽くて丈夫でありながら、西陣織ならではの細密な色柄も表現しているのが特徴で、自動車の内装や壁材などへの活用を見込んでいる。
炭素繊維は軽くて弾性が高く、熱や腐食にも強い。半面、折り曲げや摩擦には弱く、複雑な柄を織る加工は困難とされていた。
同社は約10年前、帯地の織機を独自に改良し、炭素繊維で柄を織り上げることに成功。今回はさらに、染色できるガラス繊維を組み合わせ、複雑な絵柄を織り上げた。製品をPRするため、サクラの柄をあしらった織物で椅子(高さ約130㌢)を製作した。
イタリアの家具見本市に出展し、高評価を受けたという。福岡裕典社長は「伝統技術を生かした製品で西陣織の販路を拡大したい」と話している。
椅子はワコールスタディホール京都(南区)のギャラリーで展示している。31日まで。入場無料。

作品「巡る季節」と上田さん
「足柄刺繍」を唯一継承 上田さんが個展
神奈川・県西地域に伝わる世界でも比類ないという手工芸「足柄刺しゅう」を唯一継承する小田原市の刺しゅう作家上田菊明さん(84)の個展が、小田原邸園交流館清閑亭(同市)で開かれている。「後継者がなく、やがて消える技を多くの人に知ってほしい」と来場を呼び掛けている。
足柄刺しゅうは絹糸をぼかし染めし、濃淡が生む色彩は千色という。文様部分に木綿糸を幾重にも刺し、質感を出す。上田さんは「厚みが2㍉程度の刺しゅうはほかにもあるが、最大1㌢もの立体感は、世界的に例がない」と説明している。
着物やガウン、スカーフなどを装飾する県内の刺しゅう産業は明治末から昭和に栄え、最盛期は県西地域に3000人の職人がいたという。戦争中にぜいたく品の製造が禁止されたこと、朝鮮戦争終結に伴い横須賀市に来ていた米軍兵が帰国して土産が激減したこと、手仕事の機械化も進んで1955年ごろから衰退した。
家業を継いで14歳でこの道に入った上田さんは、生活に窮した時も転職せず腕を磨いた。縄文土器も参考に、抽象から写実まで文様の幅を広げ、ぼかし染めと厚みの伝統技法に芸術性を高めた作風を確立。1982年に足柄刺繍と名付けた。
1本の絹糸(長さ1.2㍍)は髪の毛より細い。1㍉の間に3本の糸を刺して花を描くような繊細な作業。模様に応じて両手で糸をより、太い糸にする。素人にはまったく分からないが、糸にも表と裏があり、表は光るという。糸の表が現れるように刺すには10年はかかるそうだ。
糸と会話しながら1日中針を刺す。完成まで1年かけた作品もあり、内外の評価は高い。1300万円の値がついた名作もあるが、頑として売らず清貧を貫く。作品の散逸を防ぎ、足柄刺繍を世に残したいからだ。
後継志願者もいたが「毎日やっても1人前になるのに何10年もかかる。それまで収入も見込めない」と、あえて拒んできた。80歳まで1.5を保った視力もついに老眼となり、仕事量はぐっと減ったという。
自分の死後も季節は巡るように、足柄刺しゅうが永遠に存在し続ける願いを込めた「巡る季節PartⅡ」(日・仏・中現代美術世界展推薦出品)や、銅鏡の裏を幾何学的に描いた「直弧紋様」(パリ国際サロン特別賞)など、海外の受賞作を含む27点を展示している。
28日まで、火曜休館、無料。問い合わせは清閑亭☎0465(22)2834へ。

狂言で使われたとみられる高砂染の裃
高砂染見つかる 芸能衣装の裃
江戸時代末期から明治時代にかけて作られたとみられる「高砂染」のかみしもが見つかった。高砂染の特徴である松枝模様が施され、布質や柄などから、狂言などの芸能に使われたとみられる。高砂染に詳しい姫路市書写の里・美術工芸館の山本和人学芸員は「高砂染の芸能衣装は見たことがなく、貴重な史料だ」としている。
4月に京都市内で開かれたオークションで、デザインの勉強をしていた男性が出品。東京の男性が落札したが、古布を集めている姫路市内の女性が買い受けた。さらに、それを高砂市の高砂染発祥の子孫で、17代目の尾崎高弘さん(51)が女性から譲り受けた。
裃は「肩衣」(丈62㌢、幅53㌢)と「
」(丈77㌢、裾の幅56㌢)からなり、いずれも上部3分の1ほどがベンガラ染めで茶色に、下側が藍染めされている。生地は麻で、麻布が高砂染で使用された記録はないという。ベンガラ染めの部分には、炭や羽ぼうき、かん、五徳などの茶道具の絵が墨で施されている。
山本学芸員らによると、通常は反物に型紙をあてて染めた後、衣服に仕立てるが、肩衣は麻布を縫い合わせた後に染められている。また、高砂染で使われた例が確認されていなかった、型紙を布に置いて直接染料を塗る「引き染め」の技法が用いられていた。狂言衣装などで見られる技法という。
また、今回見つかった裃は、型紙が1種類しか使われておらず、染め方が簡素化された江戸末期から明治初期の作品とみられる。江戸中期から後期は、2種類の型紙を使うのが主流だったという。
尾崎さんは「これまでにない色合いで仕上げられ、柄も大きくて珍しい。高砂染の歴史をたどる史料として大切に保管したい」と話す。
高砂染は型染めの技法を使い、江戸中期から昭和初期にかけて生産された。吉祥文様として高砂神社の「相生の松」にちなんだ松影などの図案が染め抜かれ、羽二重や縮緬などの着物に仕立てられた高級品で、幕府への献上品としても用いられたという。
当初は2種類の型紙で複雑な図柄を染めたが、明治時代には1種類で簡略化し、木綿の浴衣なども作られ、庶民に広がったという。

浴衣の季節がやってきました!
男女の浴衣揃えました VASARA
「着物レンタルVASARA」が国内全11店舗で、男性浴衣も含め(女性着物専門の四条店を除く)、浴衣のラインナップを充実させ展開を待っている。
「男性袴にブーツのスタイルは英雄か将又テロリストか評価の分かれる坂本龍馬などがすでに行っていましたが、現代では女性袴にブーツなど着物の新しい着こなしも定着してきました。こんどは浴衣でどんな新しい着こなしが生まれるのか楽しみです。VASARAは日本のポップカルチャーおよびサブカルチャーを牽引するグループ会社とともに日本文化の一翼を担ってきました。VASARAが得意とするのは、時空の中に『日本伝統文化やサブカルチャー』の空気感を体現し、他にはない体感型サービスを提供することです。訪日外客のみならず『日本人は自国の歴史や文化を知らない』と言われる戦後世代の日本人自体にも気軽に日本の伝統文化である着物を体験してもらえるようサービスを設計しています」とVASARA。

絵を寄贈した岸本さんと白方社長
かすり会館に絵を寄贈 画家の岸本さん
愛媛・松山出身の俳人正岡子規の妹の律(1870~1941年)が伊予かすりを織る姿を描いた日本画を、松山市の日本画家岸本章子さん(75)が制作し、21日、同市久万ノ台の民芸伊予かすり会館に寄贈した。子規生誕150年を記念し、病床の子規を支えた律を顕彰しようと、律の命日(5月24日)に合わせて贈った。
律は1892(明治25)年、子規の日本新聞社入社と同時に、母の八重とともに上京、転居した。律を顕彰する「偲ぶ会」(松山市)によると、松山時代、自宅の機織り機で家族の着物などを織っていたという。
絵は昨年秋の県展出品作で、偲ぶ会からの依頼で制作した。岸本さんは伊予かすり会館に何度も通い、藍染めや機織りなどの実演を見学してイメージを膨らませ、「小学5、6年生の律さんを想定して描いた。当時の写真を見ると、律さんの目はきりっとしている」と説明する。
岸本さんは、愛媛を代表する日本画家石井南放氏に水墨画を学び、母の吉野義子さん(故人)が主宰する俳誌「星」に、主に植物の挿絵を描いていた。会館を運営する白方興業の白方基進社長(53)の祖母のアキさん(故人)も南放氏に師事し「星」の同人でもあったことから、「家族以外の人物画はほとんど描いたことはないが、これもご縁かなと思って」と、制作依頼を引き受けた。
絵は、藍染め工房に常設展示。白方社長は「子規生誕150年の記念の年に寄贈してもらい、ありがたい。伊予かすりを知らない人も増えている。当時の雰囲気がよく伝わる作品なので、多くの人に見てほしい」と話している。

本を持つ桑山さん

「おしゃれな作り帯」出版 和らく会
大阪・着物を簡単に着るため、帯を糸で留めてさまざまな形にしておく「作り帯」。その講座を毎日文化センターなどで開く「和らく会」が『飾り結びもできるおしゃれな作り帯』(河出書房新社)を出版。代表の桑山奈津子さん(64)は「帯が結べれば着物は気軽になる。たんすに眠る着物で、おしゃれを楽しんで」と話す。
桑山さんは、父が呉服屋を営んだ時期があり、母も着物をよく着ていた。自分で着たいと思った時、一番難しいのが帯。そこで2005年に作り帯を勉強し始めた。09年、着物好きの仲間が集まって和らく会ができた。
作り帯は帯を切らないので失敗がなく、柄の出し方や柄合わせも自在。昔からある方法だが、より簡単できれいに見える方法を工夫した。本ではお太鼓や角出し、文庫といった伝統的なものやオリジナルの飾り結びを写真と文で紹介する。
講座はグループレッスンで、受講者3、4人に1人、和らく会の講師が付く。教える時は「誠実に」と、受講者の体形や帯の素材などに応じて丁寧に指導し、2、3時間で出来上がる。ひもなどを使った装着の仕方も教え、慣れれば3分程で結べるという。着物初心者の他、「五十肩で自分で帯を結ぶのが難しくなった」という年配の人も受講する。
本はB5判、64頁、1400円(税抜き)。毎日文化センターでは、大阪教室が6月7日(水)、神戸教室が同13日(火)。受講料3570円、教材費540円。申し込み・問い合わせは同センター☎06(6346)8700へ。


京都館
京友禅新作着物展と体験教室 京都館
東京・26~28日、京都館(中央区八重洲2丁目1番ヤンマー東京ビル)で、伝統的な京友禅にモダンな感覚を取り入れた自由な発想で制作した着物を展示販売するほか、富川愛莉紗ほか工房スタッフの指導で、自分だけのストールが染められる教室が開かれる。所要約90分、体験料1万800円。10時半~17時(26日は12時から、28日は16時まで)。また、30日~6月4日は「飾り用京うちわの新作展示販売会」を開催。6月3、4日の11時と14時から、うちわに和紙ちぎり絵を絵付する体験(2700円)もできる。☎03(5204)2260。

説明する桑嶋さん
障害者向けに着物を 周南の桑嶋さん
山口・周南市の和裁教室講師、桑嶋ゆり子さん(69)が、体の不自由な人でも着やすい着物の普及に取り組んでいる。自ら16年前、面ファスナーやゴムひもなどを活用して着脱できる浴衣を考案し、希望者にオーダーメイドしてきた。今後は福祉施設などに出向いて、無料で試着できる機会を設ける予定で、桑嶋さんは「着物を諦めていた人はぜひ一度、試しに着てほしい」と呼びかけている。
桑嶋さんは福岡市出身で、市内の和裁専門学校で学び、和裁の指導者の資格を取得。結婚を機に周南市へ移り、自宅や地元の公民館で和裁を教え始めた。
2001年、足の不自由な女子大学生が浴衣を着たがっていることを新聞記事で知り、「車いすの利用者が浴衣を着られないなんて想像もしなかった」と衝撃を受けた。
早速、記事に書かれていた女子大学生に連絡を取って面会。動かしにくい体の部分を聞き取り、構造やデザインを練った上で試着を繰り返し、約3週間かけて浴衣を作り上げた。
特製の浴衣は、上半身用と下半身用に分割。上半身用は、袖口や脇の下、脇腹の内側に面ファスナーを取り付けて、着脱しやすいよう工夫した。下半身用は、ゴムひもで腰に固定する仕組みにし、車いすに座ったままでも身に着けられるよう、頭からかぶって下ろせるようにした。女子大学生は帯を締めると、通常の浴衣と変わらないデザインにも喜び、夏祭りに着て出かけたという。
桑嶋さんはその後、呉服店を通じて、下半身が不自由な障害者から依頼を受け、特製の浴衣や着物を仕立てた。また、就労支援施設での講演や、商店街でのイベントで、構造や着付けについて教えてきた。
今後は希望者の自宅や、福祉施設などに出向いて試着を体験してもらう。桑嶋さんは「障害があっても気軽に着物でおしゃれを楽しめます。試着して、着やすさを実感してほしい」と話している。
問い合わせは桑嶋さん☎0833(91)6358へ。

感激のコリンさんとダイアナさん
和の装いに感激しきり 結婚式企画
北海道・室蘭市と姉妹都市の米テネシー州ノックスビル市出身で、室蘭市内の高校で英語を指導するコリン・スキーンさん(27)とダイアナ・スキーンさん(23)夫妻の結婚式が21日、常盤町の蕙山苑で行われた。式を挙げていないことを知ったノックスビルの会(附田博会長)が主体となり、和の心で2人の門出を祝福した。
コリンさんは昨年8月、室蘭清水丘高校に英語指導助手として赴任。ダイアナさんも今年1月から海星学院高校で英語指導アシスタントを務め、来日直前にコリンさんと結婚。同会メンバーは、日本的なお祝いをと企画した。
蕙山苑には同会会員や両校の関係者、友人ら40人余が参列。紋付き袴、地毛で優美に結い上げた髪と打ち掛け姿の2人を祝福した。三三九度の杯を交わし鳥居をくぐった2人は「アメージング!」と何度も口にして笑顔に包まれた。
プロポーズの言葉はコリンさんの「結婚しよう」。初めて会った時「どこかで会ったことがあるような懐かしさで運命を感じた」という。「このような式を挙げられるなんて信じられない」(ダイアナさん)と感謝し、2人は「杯を交わしてとても感動しました。室蘭は第2の古里です」と幸せいっぱいだった。
祝賀会は室蘭プリンスホテルで開かれた。附田会長は「蕙山苑での式、そして祝賀会場も姉妹都市を結んだ縁のある場所。多くの協力があってできた」と目を細め「両市の交流にますます弾みがついてほしい。続けてこそ交流は意味がある」と力を込めた。

見事優勝ナンシーさん
着物世界大会で外国人の部優勝 ナンシーさん
東京・着物の着装技術や美しさを競う2017全日本きもの装いコンテスト世界大会が都内でこのほど開かれ、外国人の部に出場したカナダ出身で栃木県宇都宮市在住のの翻訳通訳業ナンシー・マースデンさん(30)が優勝した。同部門で県内出場者が優勝するのは初めて。「自分で着物を着たい」との熱い思いから2年半前に着付けを習い始め、大会出場が決まってからは猛練習を重ねて本番に臨んだナンシーさん。「これからもいろいろな着物が着られるよう、お稽古を続けていく」と意欲的だ。
大会は公益社団法人全日本きものコンサルタント協会の主催。振り袖、留め袖、男性など7部門があり、全国6ブロックの予選を勝ち抜いた総勢200人が出場した。
外国人の部には計8人が出場。ステージ上で自ら着物を着付け、所作と着こなしの美しさなどを競った。鏡はなく、制限時間は12分以内。
カナダの小学校での授業をきっかけに日本文化や日本語への関心を高めたナンシーさんは中学、高校でも日本について熱心に勉強。学生時代は慶応大に1年間留学し、この間迎えた成人式は自分で購入した振り袖を着て参加したという。

涼し気な単衣の銘仙
単衣の「伊勢崎銘仙」 小学生が着付け体験
群馬・子どもたちに群馬県の伊勢崎銘仙の魅力を体験してもらう、「銘仙おしゃれ散歩」(伊勢崎市観光物産協会主催)が20日、同市のいせさき明治館で開かれ、小学生8人が裏地がなく、軽くて涼しい「単衣ひとえ銘仙」の着物姿で同館や周辺を散策した。
伊勢崎商工会議所が第3土曜に開く「いせさき軽トラ朝市」に合わせて6月、9月、10月、11月にも開く。対象は小学3年生から高校生。参加無料。問い合わせは同館☎027(040)6885へ。

キャンペーンレディの土居さん
宇佐神宮などの絵柄 市に無料貸し出し
大分・呉服店「三木」(宇佐市)が、市のPRに使ってもらおうと、柄に「宇佐神宮」などを描いた京友禅の訪問着4着を制作した。管理は同社で行い、市に無料で貸し出す。三木代表は「世界に一つ、日本に一つしかないオリジナルの和服。いつでも気軽に声をかけて下さい」と話している。
PR着物は、この他に旧宇佐海軍航空隊の戦闘機を守るために作られた施設である掩体壕や、同市院内町にある「石橋の貴婦人」と呼ばれる鳥居橋を描いたものなどがある。同市出身の相撲の神様・双葉山の絵柄の着物も制作中という。
是永修治市長は「市の名所などが描かれているので、市のキャンペーンレディに着てもらったら市のPRになる。来年、国民文化祭もあるので、観光客への試着も考えている」と喜んだ。
同店は「市内で半世紀以上、呉服の仕事をさせてもらっているので、恩返しのつもりで着物の提供を考えた」(三木幸雄代表)という。市キャンペーンレディの土居智子さん(24)が宇佐神宮柄の着物を試着し、「普段、着物はあまり着ませんが、和服は落ち着けますね」と笑顔を見せた。

笑顔でパチリ
初めての着物に笑顔 障害者の撮影会
着物を着たことがない障害者の女性たちのために、枚方市のカメラマンが20日、無料の写真撮影会を開いた。着付け講師らもボランティアでサポートし、色鮮やかな晴れ着姿の参加者たちに笑顔が広がった(1部既報)。
企画したのは、町おこしをテーマに活動するカメラマンの樺井良祐さん(49)。昨年夏、障害や経済的な理由から着物を着たことがない人が多いと聞き、驚いたことがきっかけだった。知人の府立大准教授、松下由美子さん(48=看護学)に相談し、共同でプロジェクトをスタートさせた。 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や口コミなどで呼びかけ、大阪や和歌山など4府県から着付け講師や作業療法士ら計31人がボランティアで参加。着物約30枚や足袋などの小物約200点も集まった。
この日は身体障害や知的障害のある20~50代の女性15人が会場を訪れ、サポートを受けながら薄緑やピンクなどの着物に袖を通した。初めてでない人もいたが、付き添いの家族は「かわいい!」「すごく似合ってるよ。笑って!」とうれしそうに声をかけていた。
枚方市の見舘洋子さん(73)は、知的障害の長女久子さん(45)の着物姿に「まさかこんな機会をいただけるとは」と目を潤ませた。四半世紀前、妹のスーツで成人式に出た久子さんは「みんな着物だった。私も着たかった」と泣いて訴えたという。今回、久子さんは「うれしかった。また着たい」と笑顔で語った。
樺井さんは「支援の輪が広がり、障害者への理解が進んだらうれしい。例えば、男性も着られる浴衣のファッションショーなど、今後も計画していきたい」と話す。

結婚披露宴並みの企画登場
名古屋なら七五三も盛大に 松坂屋
愛知・松坂屋名古屋店が20日から、子どもの健やかな成長を願う七五三を結婚披露宴並みに演出して盛り上げる企画商品を売り出した。少子化が進む折、七五三を「子どもの晴れ舞台」と位置づけて、親族を巻き込んだ商戦にするねらいだ。
この日はヒルトン名古屋(名古屋市)で「七五三模擬披露宴」を開催。ドレスを着た娘役のモデルが「勉強や習い事を頑張って、おうちではママのお手伝いもしたい」と両親役に手紙を読み、花束を手渡した。会食も楽しんだ。会場では七五三の着物を購入した家族12組が見学した。名古屋市の田畑京子さん(38)は「今しか見られない晴れ姿。祝い事で親戚が集まれるのは良い機会」と話した。
松坂屋は結婚衣装や引き出物を手がけてきたが、婚礼の簡素化などで需要が減りつつある。そこで、関東の1部で催されている七五三披露宴に注目し、派手好きとされる名古屋で売り込みを目指すことになった。衣装購入費や記念写真、食事代、会場費が入って10人参加で税込み75万3千円から。追加料金を払えば、子の成長を振り返るビデオ放映や「お色直し」もできる。

着物で散策を楽しむ参加者
着物で新緑楽しむ 郡山で「歩こう会」
福島・着付け教室の泉田泰子きもの学院(郡山市、泉田泰子代表)はこのほど、同市の街中を着物で歩く「きもので歩こう会」を開いた。参加した生徒たちが新緑の風景を楽しんだ。
着物文化の普及などを目的に今回で4回目。約20人が参加し、こおりやま文学の森資料館や久米正雄記念館、同市歴史資料館などを巡った。
当日は肌寒さが残る天候だったが、参加者が地元の歴史に触れながら散策。泉田代表は「参加者の中に晴れ女がいたのでしょう」と笑った。

きあるコモ市
十日町市PRコーナ コモ市内に設置
イタリア・コモ市(絹の産地)に十日町(着物産地)を紹介するPRコーナが設置された。
コーナは、コモ市が同市内のコモ観光インフォメーショセンターに設置したもので、運営は主にコモ市の日伊文化交流協会『道しるべ』が担当する。
設置期間は6日(土)から9月30日(土)で、十日町とコモの姉妹都市交流の歴史紹介パネルや十日町の“きもの”のはぎれを使用した和装小物などが展示される。期間中「道しるべ」会員により、和装小物作や折紙書などのワークショップも開催されている。
十日町市と姉妹都市を結ぶコモ市は、コモ湖南端のほとり、スイスとの国境に位置する都市で、絹の産地として有名。古代ローマ時代にはコムムと呼ばれた古い都市であり、博物学者プリニウスの出身地でもある。

酒蔵ではんなりパチリ
江戸期の街並み 南丹で着物撮影会
京都府・町の魅力を発信しようと、南丹市八木町のギャラリー「わざどころPON」が20日、江戸時代の街並みの面影を残す町内の旧山陰街道で、写真撮影会「着物で歩こう八木鹿草かのくさを開催した。
ギャラリーを運営するデザイナー、藤村香菜子さん(27)が企画。撮影は江戸時代から続く酒蔵や、参勤交代の大名が泊まったとされる屋敷など5か所で行われ、着物姿の参加者は、ガイドから撮影ポイントの歴史などの説明を受けながら、和傘を差したりポーズを取ったりしていた。
亀岡市余部町の会社員川勝和美さん(48)は「興味深い歴史が勉強できたし、しまい込んでいた着物を着る機会にも恵まれ、楽しかった」と笑顔を見せた。

さわやかな夏着物に衣替え
「梅大使」夏の装い 水戸で着物お披露目
茨城・水戸市をPRする「水戸の梅大使」が衣替え、完成した夏着物姿が、このほどお披露目された。
今年の梅大使は、紅梅をイメージした振り袖を着て活動中だが、6~9月の間は夏着物に着替える。夏着物は、薄いピンクの生地に桜の花びらをちりばめたひとえ。白いチョウが舞う濃紺の帯を締める。着付け担当者によると、アジサイやショウブなど夏の草花を背景にすると、映える色合いに仕上がっているという。
会社員の山本薫子さん(23)は「ピンクと濃紺の帯の組み合わせがさわやかですてきです」と笑顔で話していた。
梅大使は30日、JR水戸駅前で、市の「ごみゼロの日」のイベントに夏着物で参加、ごみの減量を訴える。
   15日ー21日
足袋蔵まちづくりミュージアム
足袋蔵のまち歩こう 行田で20、21日
埼玉・「和装文化の足元を支え続ける足袋蔵のまち行田」が今年の日本遺産に認定された行田市で20、21の両日、「足袋屋横丁in第13回ぎょうだ蔵めぐりまちあるき」がある。
市中心部に点在する蔵や建造物をスタンプラリーで巡りながらまちの魅力に気づいてもらおうと、NPO法人ぎょうだ足袋蔵ネットワークが主催。参加者は「足袋蔵まちづくりミュージアム」でスタンプラリーのマップを受け取り、蔵めぐりを楽しむほか、今回はまちあるきと同時開催で、同市行田の北谷通り沿いの空き地や店先を使って「足袋屋横丁」を企画。市内の足袋メーカー6社1団体が自社製品の販売やPRをする。
参加費は大人200円、小人100円で、ボンネットバスの乗車券や藍染め体験料割引、足袋とくらしの博物館入館料などがついている。着物で参加すると無料。
問い合わせは同ミュージアム☎048(552)1010。

新聞と三井さん
高島平きものしんぶんが150号 板橋
東京・地下鉄都営三田線西台駅近くの呉服店「呉服や光永」(板橋区高島平)が発行する「高島平きものしんぶん」が1日の発行で150号を達成した。
同紙は、呉服店の開業と同時期の1985(昭和60)年2月に創刊して以来、高島平を中心とした地域の行事や着物について紹介している。開店当時はすでに高島平に複数の発行媒体があったことから、「店の広告を出すなら新聞形式ではどうかと考えたのがきっかけ」と店主で編集長の三井真さんは話す。
創刊号ではカメラマン5~6人で高島平周辺の地域別の成人式を取材し、さらに撮った写真を店頭で掲示することで近隣の人が来店するきっかけをつくった。その後数年間は希望者に写真を無料で焼き増しして配り、楽しみにする客も増えたという。今は写真は配っていないが、店のPRと地域交流を兼ねた内容は変わらない。
1月から3カ月置きに年4回発行しており、新聞折り込みや協賛店に設置する。
現在は三井さんが1人で取材、執筆している。「あてにしてくれている人、期待してくれている人がいるから続いてきた」といい、「『卒園式に着物を着る人がいる』など、自然と情報も集まるようになってきた」とも。創刊150号達成について、「取材先に郵送する準備をしていた時に気付いたので、150号達成の見出しも編集後記も無く、いつも通りの紙面となってしまった」と笑う。
近くにある西台天祖神社と共に開催する、着物と人形を供養する「ご福まつり」も28日に29回目を迎える。三井さんは「これからも着物の文化、和の文化を媒介に地域交流ができれば」と話す。150号は現在、店頭で配布中。

浴衣姿で演奏する出演者
歴史と音楽 順明寺で「着物でジャズ」
奈良・歴史的町並みで知られる橿原市今井町にある順明寺で、このほど着物でジャズを楽しむ「Kimono Jjazzgl(キモノ・ジャズグル) in 2017」(同町じゃず実行委員会主催、同町町並み保存会・県立医科大学共催)が開かれた。
「医療を基礎とするまちづくり」を掲げる同大が地域連携で企画し、今回で6回目。新たに免疫力を高めるとされる笑いの要素も加え、出演した落語家の桂雀太さん、橿原市観光大使の漫才コンビ「十手リンジン」がイベントを盛り上げた。

展示された染織作品
伝統染織展開幕 天満屋岡山店
岡山・新進気鋭から人間国宝(重要無形文化財保持者)まで、染織家たちの意欲作が一堂に会する「第51回日本伝統工芸染織展」が17日、岡山市北区の天満屋岡山店6階葦川会館で始まった。四季折々の自然を写し取った83点が、訪れた人たちを楽しませている。
人間国宝7人をはじめ、染織界で活躍する作家の入賞・入選作を展観。武士の衣装が発祥とされる粋な江戸小紋や小倉織、四季の変化を華やかに染め抜いた友禅、星や波をリズミカルに表現した絣織、浮織、紬織など、それぞれの土地に伝わる技と素材を生かした着物や帯が並ぶ。
中でも、北欧の爽やかな空気を淡い色調で伝え、最高賞の文部科学大臣賞に選ばれた小林佐智子さん(愛知県)の「風通絣織木綿着物『北の国は』」、繊細な型染で植物の生命力をうたい奨励賞・山陽新聞社賞を得た帆足まおりさん(千葉県)の「藍型染着物『風船かずら』」など入賞作は洗練の美しさ。
しま模様が穏やかな「紬織着物『宵待』」の佐藤常子さん(岡山市)ら地元作家の力作もあり、工芸ファンの熱いまなざしを集めていた。

戻りを試す展開
一蔵増収増益 学院との連結あ寄与
和装事業(呉服の販売、振袖等の販売・レンタル、成人式の前撮り写真撮影、成人式当日の着付け・メイクサービス、着物の着方教室運営)、およびウエディング事業(結婚式場運営)を展開している一蔵(東2)は、主力の着物販売・レンタルでは、催事などで店舗の客数増加を狙う。買収した京都きもの学院との新規連結も収益上乗せ予想。ウエディング事業は料理や造花といったサービスの内製化で利益率高める。取得した山梨県の結婚式場を刷新し、8月から稼働を見込む。システム改修の費用増を吸収し増収増益。

楽しんでと中林さん
子どもの着物手作り 富士吉田市の主婦
山梨・ポップな着物で日常を楽しんで。富士吉田市上吉田の主婦中林あゆみさん(32)は、「富士山着物工房」で、子ども着物作家として、カラフルでかわいい柄の子ども用着物を作っている。手頃な値段の素材を使って気楽に着られるように仕上げるのがモットーだという。わが子に着せたいと作り始め、子どもと着物での外出も楽しむようになり「外ではいろいろな人が声を掛けてくれて、孤独感がまいれた」。県外出身の中林さんにとって、育児中心の生活の中で着物は、人とのつながりを作ってくれる存在になったという。
店を始めたきっかけは、「自分の子どもがとてもかわいかったから」だと言う。宮崎から山梨に嫁いで息子を授かった時に、「可愛い息子と自分が大好きな着物で一緒に楽しめたらと思って趣味の着物屋巡りをしたけど、男の着物って売ってないんです」と中林さん。そんなことから男の子の着物を中心に制作している。
「私が住んでいる山梨県富士吉田地域は富士山という素敵な世界遺産があります。富士山と一緒に着物男子の魅力を広めていきたいと思っています」。

新柄浜松注染ゆかた
はままつ染め織りマーケット ゆかたと着物アレコレ
遠州織物産地の魅力を発信!すべてが産地ならではのマーケット!
静岡・遠州織物産地の魅力を発信するマーケットが20~21日、浜松市中区のAny -エニィ- で開催される。
同展では、遠州産の生地で作った雑貨や着物、洋服などを展示販売するほか、普段では見ることや体験することができない、職人による注染染めの実演や型染めの実演、体験会も行われる。
そのほか飲食店の出店もあり、1日中楽しめるマーケットとなっている。「ぜひ家族や友達と一緒に作り手からその思いを聞いて、直に触れてみてください」と主催者。
着物関係では、ゆかた、遠州紬着物などが展示されるほか、着る時に必要なものや、気軽に着られるアイテムなども紹介される。

問い合わせははままつ染め織りマーケット事務局(浜松市産業振興課)☎053(457)2285。

ダブルシフォン着物
S/S Collection "COOL" 発表会 キモノノール
東京・株式会社キモノール(東京)が手掛けるメンズきものブランド「ROBE JAPAN」が、20~22日の3日間、東京・原宿の旗艦店「ROBE JAPONICA SALON」で、2017年 春夏コレクション発表会を行う。
同ブランドは、「『きもの』より、『おしゃれ』が好きだ」をキャッチコピーに、和装に洋装のエッセンスや現代感覚を加えた「今の時代のきもの」をメンズ中心に展開している。
同発表会のテーマは 「COOL」。2016年春夏の「POP&EROS」とは対照的で、浴衣は涼し気な色をベースにしたものが主流になっている。また、今季は夏着物も多く揃えており、麻素材やシフォンを2枚重ねたダブルシフォン着物を揃えるなどシックな雰囲気になっている。
さらに、特別企画として東京と新潟のアーティスト2人とのコラボレーションアイテムも登場するなど、彼らの多彩な世界観も楽しめそうだ。
入場無料。一般も可。問い合わせは☎同サロン03(680)42780。

性豊かな作品作品阿並んだ
丹波布250点 伝習教室修了者ら作品展
兵庫・丹波市立丹波布伝承館(丹波市青垣町)の長期伝習教室の修了者や指導者らの丹波布作品展が13~15日、同市柏原町柏原の旧西垣和子邸で開かれた。
同布は、手織りの織機を使って縦糸に木綿糸、横糸に絹を交ぜ織りにし、茶色、紺色、緑などのしま模様を表現した織物。紡ぎ、染色、織りの全工程が手作業で化学染料は使わない。製造技術は国の無形文化財に指定されている。
作品展には18人が反物や着物、帯を始め、キーホルダーやブックカバーなどの小物も含む計約250点を出品。伝統的なしま模様や色遣いの作品だけでなく、斬新なデザインのものも多く、目を引いていた。

動植綵絵を鑑賞する来場者
若冲の綵絵西陣織で再現 全30図展
兵庫・江戸時代中期の画家・伊藤若冲(1716~1800)の代表作「動植綵絵さいえ」を西陣織で再現した「西陣美術織 若冲 動植綵絵全30図展」が、芦屋市民センター(同市業平町)で開かれている。15日まで。
動植綵絵は植物や鳥、昆虫、魚などを描いた30幅の作品。相国寺(京都市)が1889年に明治天皇に献上し、現在は宮内庁に収蔵されている。
昨年は若冲の生誕300年で、今年は西陣織産地が応仁の乱(1467~77年)をきっかけに「西陣」と呼ばれ始めて550年の節目となることから、西陣織の美術品を手掛ける「西陣美術織工房」(京都市)が展示作品を制作した。作品の幅は着物の帯と同じ約30㌢。通常の帯は約30㌢幅に900~1200本の絹糸が使われるのに対し、今回は約2700本が使われ、きめ細かい筆致が織物で再現されている。
夫婦で会場を訪れていた芦屋市の濱中健三さん(72)とみゆきさん(67)は「素晴らしい作品が西陣織の技術で魅力的になっている。まさに伝統だと感じた」と話した。
入場無料。問い合わせは西陣美術織ミュージアム☎075(548)7505。

プロに教わる子どもたち
初めての藍染め 子どもらにっこり
京都・南丹市で育てた藍で染めた糸で織物をつくる南丹藍活プロジェクトの実行委員会は13日、同市園部町若松町の日本天鵞絨(ビロード)工業で、子どもたちを対象に藍染め体験会を開いた。同実行委は、耕作放棄地などの有効活用と新しい特産品の開発を目指して、園部町口人で地元の協力を得て藍を栽培している。
体験会は子どもの時から藍に親しんでもらおうと計画した。同市内から7人と親らも参加し、藍染め作家川崎富美子さんの指導で木綿のハンカチとアームカバーを染めた。
天然藍のほか、草木染め用のスギ、クロモジ、ヨモギの染液も用意され、子どもたちはデザインを考えて布をゴムで縛り、染料につけては洗う作業を繰り返しながら思い思いの色に仕上げていた。
鮮やかなブルーに染まると思わずにっこり。「初めてだけど楽しい」「面白い」の声が相次いだ。同委員会は今後も藍に親しんでもらう機会を増やしていく。
徳島の藍

紅花畑
紅花PRの拠点施設整備 白鷹で8月着工
山形・白鷹町は、紅花を軸に据え地域活性化を図る「日本のあかをつくる町」を推進するため、紅花の主産地十王地区に拠点施設を整備する。紅花の生産拡大に向けた加工場所や紅花関連資料の展示スペースなどを設ける。8月に着工し、来年夏のオープンを目指す。
町が生産量日本一を誇る紅花の活用を含めた地場産業の活性化、地域コミュニティー機能の強化を図るのが狙い。染色用の紅餅の乾燥場所や紅花染め体験スペースを設けるほか、県外から教育旅行で訪れた中学生と町民との交流場所などとして活用していく。
建設地は、十王小跡地にある山峡やまかい体育館の東側隣接地。木造平屋で、床面積は783平方㍍。事業費は2億9330万円で、国の地方創生拠点整備交付金と過疎債を活用する。紅花

賑わう会場
十日町産地 特別招待会開催新潟・恒例となっている「十日町織物 産地特別招待会」(主催・十日町織物産地特別招待会実行委員会)が、8日~11日、十日町市本町のクロステンで開催された。
招待会は、十日町織物の販売促進と地域経済活性(宿泊業・飲食業等)を目的として、十日町市の製造メーカーと流通事業者が連携し、首都圏を中心とした市外から消費者を招き、十日町織物の展示販売・商談会を行うもの。本展では、吉澤織物や滝泰、関芳など、十日町市内のメーカー各社の振袖や訪問着など様々な着物が展示された。
当日は、県内外から448名の消費者が十日町を訪れ、きものだけでなく美味しい
山菜やそば、美しい新緑の十日町の春の魅力を満喫していた。

写真は昨年のカップル
十二単で結婚式 参加カップル募集
三重・江戸時代の町並みが残る津市一身田地区で、十二単を着て仏式結婚式を挙げるイベント「一身田しあわせ和婚」が11月に開催される。主催する一身田商工振興会が5月末まで、参加カップル1組を募集しており、中川隆功会長(50)は「みんなが一つになってお祝いしてくれる。一身田で新たな思い出を作ってほしい」と応募を呼び掛けている。
一身田地区の魅力を発信しようと同振興会が2013年に始めた。中川さんは「一身田の町の魅力に、私たちも気付いていなかった」と振り返る。江戸~明治時代に整備された町並みを生かすだけでなく「一身田寺内町まつり」に合わせて企画することで約1万人の集客を実現した。
以来、毎年1回、未婚・既婚を問わず希望者1組を祝っている。式にかかる費用はクラウドファンディングなどでまかなうため、カップルが負担するのは親族に食事を出す場合などに必要な実費のみ。十二単は津市の着物教室が用意し、新郎新婦が乗る人力車は京都から引き手を呼ぶ。
カップルの希望にも、できる限り応じる。中川さんによると、これまで式を挙げた4組では、太鼓演奏や折り鶴シャワーを加えた例もある。折り鶴シャワーに使う折り鶴は、振興会の人らの協力を得て用意したという。中川さんは「今回もできる限り希望に沿いたい」と意気込んでいる。
式は11月12日午前10時~午後4時。高田会館で仏式結婚式を挙げた後、一身田地区の婦人会や子どもら約60人と共に、雅楽演奏の先導で一身田町を一周する。新郎新婦による餅まきや記念撮影も予定されている。募集締め切りは5月31日。希望者は地域コーディネーター「FAMIE(ファミエ)」の若林祐基さん090・7600・)4065へ。

蘆花浅水荘
国重文の蘆花浅水荘 活用呼びかけ
滋賀・琵琶湖近くに立つ国の重要文化財大津市の「蘆花浅水荘ろかせんすいそう」の活用を目指して、地元の住民らが活性化推進委員会を設立した。遊び心あふれる画家の旧別荘を、イベントなどで利用できるよう、広報活動に取り組む。
県文化財保護課によると、同荘は、膳所出身の日本画家、山元春挙(1871~1933)の別荘。約1230平方メートルの敷地に、築96年の本屋や離れなど計6棟ある。 維持管理してきたのは山元寛昭さん(74)。春挙の孫で子ども時代を同荘で過ごした。維持管理や見学案内のため、家族と暮らす愛知県から同荘を行き来しながら、掃除や庭の手入れなどをしてきた。
もっと活用できないかと思っていたものの、引き継ぐ人もいない状況だった。そんな思いを、近くに住む池内博司さん(40)らが知り、「1人で同荘の手入れをするのも大変。もっとこの場所の魅力を伝えないともったいない」と、活性化推進委員会の設立が決まった。
メンバーは池内さんら3人。ホームページをつくって情報を発信するとともに、着物の展示会、着付けイベント、お茶会や演奏会などでの利用を呼びかける。

実行委の久保田大介さん
揖斐川ワンピク 着物や浴衣の選び方も
岐阜・揖斐郡揖斐川町の三輪神社一帯で音楽ライブやマーケットが楽しめる複合型タウンフェス「揖斐川ワンダーピクニック」が、21日に開かれる。
町の自然や歴史、文化を同時に体験できるフェスとして、20~40代の実行委約20人が2015年に初めて開催。「ワンピク」の愛称で知られ、昨年は2万人が来場した。
神社近くの播隆山麓に設けたライブエリアでは、「ハンバート ハンバート」「天才バンド」など4組のアーティストが出演。新緑に囲まれたステージで、自然を感じながら音楽を満喫できる。
一方、養老鉄道で訪れた来場者向けの特別企画では、三輪の山本呉服店が着物や浴衣の選び方、色づかいのアドバイスを行い、地元の老舗酒店「所酒造」が、日本酒、パタゴニアビールを先着各100名に振る舞う。
   8日ー14日
「山つけ」をされる皇后さま
皇后さまが「山つけ」  皇居内の養蚕施設で
皇后さまは8日、歴代の皇后に受け継がれている「養蚕」作業の一つ「山つけ」を皇居内の野蚕室で行われ、クヌギの木の生育状況を確認しながら25個の卵がついた和紙を1枚1枚丁寧に枝に巻きつけ、ホチキスでとめられた。
「山つけ」とは、野生の蚕「天蚕」の卵を、孵化後の餌となるクヌギにあらかじめとめつけておく作業。卵は数日で孵化し始め、7月ごろには緑色の繭が収穫できるという。
皇后さまは、卵がついた和紙13枚をクヌギの枝にホチキスでとめ、餌となる葉の生育状況について「いかがですか」と職員に尋ねていた。
皇居での養蚕は明治時代に始まり、歴代の皇后に代々引き継がれています。天蚕糸

宣伝チラシを手にするスタッフ
七五三FS ひたちなかの写真スタジオ
茨城・ひたちなか市の写真スタジオ「ANGE(アンジェ)」14日、初となる「七五三ファッションショー」が開かれる。
937(昭和12)年創業の老舗呉服店「千成屋」の併設スタジオとして2011年にオープンした同店。ショーは今年で3回目となる「ANE感謝祭」の一環で行う。地域在住の2歳~7歳の子ども16人が着物や袴、ドレスを衣装にステージに立つ。
そのほか、親子丸太切り競争や和太鼓体験などのほか、近隣の企業も出店し家族で楽しめるようなブースや屋台を多数用意。シークレットゲストも予定しているという。
「いつか大人になった時に、自身の子どもを連れて『ここでこんな事したんだよ』と話したくなるような場をつくりたい」と同グループの矢内久子社長。マネジャーの真壁靖さんは「支えていただいている地域の皆さんが楽しめる場にしたい。気軽に足を運んでもらえれば」と参加を呼び掛ける。

座繰りの実演をする原田さん
職人技を体験 丹波で「絹織物作り」の催し
兵庫県・蚕の繭から絹織物を作るまでの職人技を見て学べ、体験できる催し「丹波のきぬ展」が、丹波市春日町の棚原本上田邸で開かれた。湯に浮かべた真っ白い繭から糸を取り出す「座繰り」の実演などがあり、訪れた人が興味津々の様子で眺めていた。
主催した「染織工房こおり舎」は、織物作家の原田雅代さん(48)が昨年2月に同邸に開設したもの。養蚕に始まる一連の工程を手作業で行っており、今では珍しくなった技術を広く知ってもらおうと、初めて作品展を企画した。
古民家を改装した会場に入ると、桑の葉を一心に食む蚕たちが出迎える。室内には糸や織物を作る木製の専用道具が何台も並び、原田さんと作家仲間が織り上げたシルクの反物や着物、絹糸を使った丹波布作品など約30点を展示。真綿からの糸紡ぎや、草木染めを紹介するコーナーも用意されていた。こおり舎☎090(3213)2288。

折れる着物ハンガー
折りたたみ式着物用ハンガー 特許取得
香川・和雑貨販売会社のサンフラッシュ(高松市)が考案した着物用ハンガーが、このほど「袖付けで折れる着物ハンガー」として特許を取得した。
従来の着物ハンガーの着物の袖付け部分を左右に折りたためるようにすることで、よりコンパクトに収納ができるようにした同商品。可動部に伸縮素材を使っているため各袖幅に合わせることができる。
同社の須崎和子さんは「これまでは幅を取るためつるしての保管が難しかったが、このハンガーを使うことでより手軽でコンパクトに収納することが可能となる。若い世代の人の着物を触るきっかけになれば」と話す。
3月3日に行われた「第50回なるほど展」でも婦人発明家協会会長賞を受賞。須崎社長は「商品化に向けて一緒に取り組んでくれる企業があれば」と呼び掛ける。

作品と長屋さん
伊勢型紙で名所描く 長屋さんが作品展
愛知・着物の生地に柄を描く際に使う「伊勢型紙」の作品展が、一宮市東五城の尾西図書館で13日まで開かれている。作者は10年以上独学で取り組む製造業、長屋正利さん(68=同市)。作品にはインクで着色したフィルムが張ってあり、後ろから光を当てると、色鮮やかに図柄が浮かぶ。
伊勢型紙は、和紙を柿渋で数枚張り合わせた専用の紙を、彫刻刀で彫り、図柄を描く。三重県鈴鹿市で生産されている。長屋さんは13年前に友人の勧めで始めた。2008年ごろからは、伊勢型紙の風合いを生かしつつ作品に色を付けようと、フィルムを重ね、光で照らす表現に取り組む。
会場には、池に映る京都府宇治市の平等院鳳凰堂など、全国各地の名所を描いた19点を展示。フィルムと和紙を何枚も重ねて遠近感を出した栃木県の日光東照宮の風景が、特に目を引く。
長屋さんは「光を当てる前と後では、作品の印象は随分変わる。そんな違いを楽しんでもらえたら」と話していた。伊勢型紙

宮神輿の前でテープカットする関係者
絹が結んだ強い絆 三越が宮神輿展示
東京・江戸時代に大規模な絹市がが開かれた藤岡市に、三井越後屋(現三越)が店を構えたことが縁で1780(安永9)年に江戸・日本橋で造られた宮神輿が諏訪神(群馬県藤岡市)に2基奉納された。神輿は、高さ2㍍、奥行き1.3㍍。漆塗りで屋根にはクジャクの彫刻が飾つけられている。
中央区の日本橋三越本店に里帰りした神輿は、同店の新館に展示されている。日本三大祭りの一つで、隔年で開催される神田祭に合わせた展示で、1昨年に続き3度目。展示は14日まで。

南アフリカ共和国の着物
ネット使い資金調達 イマジン・ワンワールド
福岡・世界の国々をイメージした振り袖196着の制作を目指すKIMONOプロジェクトで、インターネットを通じて不特定多数の人から資金調達するクラウドファンディングが始まった。目標額は国内最高という1億2000万円。10日には東京・渋谷で開始記念のショーを開く。
プロジェクトは久留米市に本部を置く一般社団法人イマジン・ワンワールドが運営し、伝統技術を残すとともに2020年東京五輪で友好・平和を訴えるのが目的。既に55カ国分が完成し、今後3年で141着を作る。振り袖と帯の制作で1カ国分約200万円かかり、総額4億円以上が必要で、今回は来春に100着の大台に乗せるための資金調達だ。日本中の人に参加してほしいとの願いを込めて国内人口に近い数字にしたという。
資金調達は4月27日に始まり、期間は7月16日までの80日。寄付額は1口3000円から1000万円で、1万~3万円が中心。返礼品は着物の柄を生かしたスマートフォンケース、ネイルシールをはじめ、ネクタイ、スカーフなど。織物を使った高級感あるキーケースなども人気だ。
久留米市で呉服店を営む同法人の(49)は五輪の開会式で選手団の先導者に自国の着物を着てもらう夢を抱く。「着物業界の高齢化も進み、5年もすれば失われる技術も多いと言われる。この機を逃してはならない」と意気込む。
口座振り込みでの支援も可能で、問い合わせは呉服店「蝶屋」☎0942(34)4711。クラウドファンディングのアドレスはhttp://piow.jpn.org/
五輪の着物・KIMONOプロジェクト

天蚕の会が展開する商品群
「天蚕」で地域振興へ 伊達・霊山の団体
福島・伊達市霊山町の任意団体、りょうぜん天蚕の会は日本古来の野生の蚕「天蚕」を通じた地域振興に取り組む。将来的な法人化も視野に、産業化を目指している。
同市霊山町はかつて、日本初の養蚕伝習所が設立されるなど養蚕業で栄えたが、海外の安価な製品に押されて衰退、桑畑の多くが遊休桑園となっている。同会は遊休桑園の活用と伝統継承を目的に2005(年に設立。会員約40人が蚕の飼育から絹糸の加工、商品化まで一貫して行っており、任意団体での一貫した取り組みは全国でも珍しいという。
昨年収穫した繭は約8千粒。独自に開発した繰糸方法で天蚕糸に家蚕糸を混ぜた「ハイブリッド生糸」を使って商品化を進めており、商品の種類はアクセサリーやショール、着物など幅広い。ショールは天蚕の割合に応じて価格が変わり、1枚1万9800円~15万円。普通の絹製品の約20倍と高価。
事業の考案者でもある八島利幸事務局長(80)は「貴重なものだからこそ需要は少なくない」と説明する。09年の事業全体の売り上げは年間約70万円だったが、現在は倍以上になった。買い求める人は多く、「繭を売ってほしい」との業者からの問い合わせもある。3月からショールやハンドバッグなど7品が伊達市のふるさと納税の返礼品となり、申し込みがあったという。
事業の売り上げは次年度の運営資金を除き、会員に全て還元している。「多くはないが、お金になること、また自分たちで一貫して商品化まですることで会員に誇りが生まれる」と八島氏。認知度をさらに高め、かつて日本有数の生糸産地だった霊山町の名を再び全国に広めようと意気込む。天蚕糸

蔵を会場に鮮やかなきものショー
蔵の中で着物ショー 喜多方
福島・喜多方市の蔵を舞台に和文化の魅力を体験するイベント「春の蔵であそぶ」が、このほど喜多方市の大和川酒蔵北方風土館で開かれ、大勢の市民や観光客でにぎわった。
和をたしなむ会(唐橋郁代表)の主催。民族衣裳文化普及協会のファッションショーでは高校生ら女性9人があでやかな着物姿を披露し「また成人式に着たい」「母の着物が着れた」などと笑顔で話した。
下郷町(南会津郡)の書家白石光史さんは箏や尺八などの生演奏に合わせて筆を走らせる書道パフォーマンスを披露し盛り上げた。

武者人形と飾り物
豪華西陣の武者人形 呉服問屋で展示
京都・男児の健やかな成長を願う端午の節句に合わせた展示「西陣町家の大将さん」が、上京区の「西陣くらしの美術館 冨田屋」で開かれている。「大将さん」と呼ばれる貴重な武者人形や武将を描いた掛け軸、かぶとなど約30点が並んでいる。
冨田屋は西陣で約130年続く呉服問屋。昔ながらの京町家の暮らしを知ってもらおうと、国の登録有形文化財である店舗兼住居で年間を通して展示や体験を企画している。
応神天皇と武内宿禰を模したとされる人形は、鎧や衣装の細かな部分まで表現された豪華な作りが目を引く。長寿や魔よけを祈るヨモギとショウブを模した造花の飾り物や代々伝わって来たかぶと飾りもあり、端午の節句のしつらえが分かる。
31日まで。見学は町家のしきたりなどについての解説付きで、有料。

一般向けに運行した人力車
桐生の伝統的街並み、人力車で駆け抜ける
群馬・重要伝統的建造物群保存地区に指定されている桐生市本町地区を6日、人力車が駆け抜けた。地元商店街の店主らが引く人力車に乗ったのは、企画に応募した一般の8人。瓦屋根の伝統的な建物が並ぶ桐生の街の風景を楽しんだ。
着物の着付けなど日本文化体験のイベントを主催する市民グループ代表の栗原優子さん(39=みどり市)らが企画した。人力車は桐生商店連盟協同組合の所有。市内の施設で展示されているのを見た栗原さんが「桐生の街並みに似合う。一般向けに走らせたい」と提案し、実現した。
人力車は同市本町1丁目から6丁目にかけての約2㌔を30分間かけて走った。この日は、グループが主催する月1回の「着物で歩こう」と題した商店街スタンプラリーがあり、まち歩きする人にも楽しんでもらおうと同じ日を選んだ。
着物を身につけ、母親と2人で人力車に乗った栃木県足利市の大矢珠璃さん(6)は「人力車はふわふわしていて気持ち良かった。街もきれいで、すごく楽しかった」と笑顔。栗原さんは「人力車はこの季節にいいイベント。来年もぜひ企画したい」と話していた。
   1日ー7日
虫干し展示された銘仙
着物春の虫干し会 須坂の美術館
長野・カビや虫食いを防ぐために着物を広げて展示する「アンティークきもの 春の虫干し会」が4日、須坂市須坂の須坂クラシック美術館で行われた。虫干しは1日限りで、赤い水玉や音符柄など色鮮やかな着物約50点が飾られた。
大正から昭和初期に女性の普段着として愛用された絹織物「銘仙」をつり下げて展示した。来場者は一枚一枚丁寧に見て回っていた。
県立屋代南高校(千曲市)の生徒4人も授業の一環で来館し、スタッフから着物の説明を受けた。同高ライフデザイン科3年の湯本彩美香さん(17)は「昔の人は春には梅、秋には紅葉の柄のように、季節に合わせた着物を選んでいたなんて知らなかった」と語った。同3年の清水結さん(17)も「着物と言えば地味なイメージだったけれど、ここの着物はカラフルな色ばかり」と笑顔で話した。

会場で説明する福井さん
倉吉絣の文化 資料が県文化財に
鳥取・木綿糸を藍で染め、精巧な文様を織り上げる倉吉絣。その県無形文化財保持者、福井貞子さん(84)が長年にわたり収集した鳥取県の絣関係資料3318点が今春、一括して県文化財に指定されました。
県の担当者によると、どこで誰が織った布か、いつごろどのように使っていた道具かを、福井さんが元の持ち主から譲り受ける時に聞き取っているため学術的な価値が高く、全国的にみても貴重なもの。
砂地の綿畑に水や肥料をまき、綿を取って糸をつむぎ、染色し、織り、縫い上げて、着物や布団に仕立てる仕事は主に女性が担ってきた。全体で「絣の一生が分かる」内容で、今後の保存・展示について県と倉吉市で協議している。
21日まで鳥取市歴史博物館で開催中の「県指定文化財新規指定・保持者認定記念展」に、着物や布団地など収集資料の1部が展示されています。福井さんは3日、会場で約40人を前に展示品を解説し「『ボロ集め』と笑われたのが、死ぬ前に認められた。今日は人生で一番うれしい日」「提供していただいた今は亡き方々が随分喜んでおられるだろうと思います」と語った。日本の絣

和の華やぎ街角に咲く
きものまつり盛況 十日町
新潟・着物のまちをアピールする「十日町きものまつり」が3日、十日町市の本町通りなどで開かれた。歩行者天国となった通りには、着物姿の老若男女が繰り出し、和の情緒を盛り上げた。
市や市観光協会などでつくる実行委員会が主催し41回目。同日に成人式を終えた新成人もきらびやかな振袖姿を披露。アマチュアカメラマンのリクエストに応えてポーズを決めたり、友人同士で写真を撮り合ったりして、華やいだ雰囲気を醸し出していた。
稚児行列や着物愛好グループによるきものショー、きもの女王撮影会などもまつりに色を添えた。十日町の着物の歴史をたどる展示会や手描き友禅体験、手織りと絞り染めの実演なども行われた。
東京都から訪れた中学1年生(12)はピンクを基調とした花柄の振袖姿。「周りの人に注目され気分が良くなる。もっと着る機会が増えればいい」と笑顔を見せた。

絵絣紬 佐々木苑子
シルク織物の美を展示 横浜で人間国宝の作品
神奈川・横浜市中区のシルク博物館で6月4日まで、人間国宝の作品など織物を集めた企画展「ふくらむ はずむ まじわる シルクの輝きを知る~織りの美~」が開かれている。
本展では、人間国宝作家・佐々木苑子などの作品を中心に綴織、錦織、紬織、絣織などの帯とキモノの織物作品等59点を展示し、ひとつひとつの作品にこめられた、ふくらむ、はずむ、まじわるといったシルクの輝きと手織りのあたたかさ、そして織の美しさを感じることができる。あわせて佐賀錦の人間国宝、故古賀フミの帯や雅袋などを、実際に使われていた織台と共に展示している。
あらためて絹織物の美を堪能でき、その技の妙に感動できる展示会となっている。
有料。問い合わせは同館☎045(641)0841へ。

夷川邸でゴージャスにランチ
夷川邸で着物でランチ 京都
ザ・リッツ・カールトン京都では、所有する明治時代の邸宅夷川邸で、着物で珠玉のイタリア料理が楽しめる、ユニークな体験を提供している。上流階級の人々が着物で洋食を楽しんだ往時にタイムスリップ、追体験ができるかもしれない。
このプランには、豪華なイタリアンランチコース、デザート、「京都祇園や」のプロの着付けやヘアスタイリングが含まれている。
「夷川邸から見える美しい日本庭園の眺めとともに、素晴らしいイタリアンを堪能し、その後は着物でザ・リッツ・カールトン京都の周辺をお散歩することもできます。近くの鴨川沿いを歩けば、寺社、昔ながらのお店、喫茶店など数多くの観光スポットをご覧いただけます」と、主催者。
詳しくは同ホテル☎075(746)555。

泥染め体験をする住用中の生徒
生徒ら泥染め体験 住用中
鹿児島・ 奄美市住用町の住用中学校(瀬戸口良二校長、生徒11人)は2日、名瀬伊津部勝の本場奄美大島紬泥染公園で泥染め体験をした。郷土の自然や文化を知るための「ふれあい体験学習」の一環。泥とテーチ木(シャリンバイ)で交互に染め、オリジナルTシャツを仕上げた。
泥染めとは、 奄美大島でおこなわれている天然の染色方法。テーチ木染めをした筵を泥田の中につけ込み全体に泥がなじむように染めていく。 泥の中には鉄分が含まれており、テーチ木のタンニン酸と化合して堅牢(色落ちしない)で深く光沢のある渋い黒色に染まっていく。奄美大島

桑原、伊谷、河野、境さん
普及発展へPRを ミス着物が知事を訪問
京都・今年度の「京都・ミスきもの」に選ばれた4人が、山田啓二知事を表敬訪問した。あでやかな振り袖姿に身を包んだ4人に、山田知事は「ミスきものは京都の顔。着物の普及発展のために頑張ってください」と激励した。
桑原彩さん(28=大阪市中央区)、伊谷英里子さん(27=同区)▽ベビーシッター、同志社大大学院2年、河野沙季さん(23=伏見区)▽医療事務、境沙織さん(28=中京区)▽会社員、の4人が、このほど府庁を訪れた。
先月17日にクラシックカーのイベントで初仕事を経験したばかりという境さんは「日本女性を一番魅力的に見せるのが着物姿。1人でも多くの人が『着てみたい』と感じ、四季折々の京都を楽しんでもらえるようアピールしたい」と話した。
「ミスきもの」は、1953年に全国で初めて開催された「きものコンテスト」に端を発し、京都織物卸商業組合が長年にわたってコンテストを実施。2008年に休止した後、10年から「京都きものオーディション」として開催されている。府内に在住、通勤・通学し、着物に興味のある18~30歳の未婚女性から選ばれ、1年間の任期中、全国のさまざまな行事に着物姿で出席し、和装と京都をPRする。
3月20日のオーディションには138人が応募した。

峰山庁舎
和服姿で日本遺産認定祝う 京丹後市役所
京都・府北部2市2町の「300年を紡ぐ絹が織り成す丹後ちりめん回廊」の日本遺産認定を受け、京丹後市の峰山市民局総合窓口係の職員7人が1日、着物姿で勤務した。同市役所庁舎には「祝 日本遺産認定 丹後ちりめん回廊」の懸垂幕も掲げられ、祝福ムードが漂っている。
同市では2日は網野市民局と大宮市民局で、職員の一部が和装で職務に当たる。市役所庁舎のほか、市内金融機関や市商工会などでは法被を着たり、卓上にミニのぼり旗を置いたりして、日本遺産の認定を祝っている。

市街地を歩く参加者
イベント始まる 和服姿で会津を散歩
福島・歴史情緒あふれる会津若松市に和服姿の来訪者を呼び込む「あいづ着物さんぽ」が始まっている。大型連休最終日の7日までで、和服姿で「まちめぐりパスポート」を提示すると観光スポットの周遊バスや桜の名所循環バスに無料で乗車できるなどの特典がある。
同市の鶴ケ城で開催中の「鶴ケ城さくらまつり」の一環。鶴ケ城本丸で23日まで開かれている大茶会に彩りを添えようと過去2回催されたが、今回は「和服が似合う城下町」として鶴ケ城だけでなく市街地全体への誘導を目指し、会津若松駅などに着物のレンタルや着付けに対応する場所を設けた。
着崩れ直しや草履調整のサポート店を設けたほか、和服姿の来店者に飲み物やお菓子、グッズなどのサービスを提供する和服応援協力店も各所に配置した。同市の桜は満開の時期を迎えており、初日は好天に誘われた和服姿の参加者がゆっくりとまちなかを散策した。

日本遺産認定・ちりめんロードの案内碑
4月度生産実績 丹後織物工業組合
前にも述べたが、観光地でレンタル着物を着た人は多い。が、全部とは言わないまでも質、柄ともに?マークがつく。そんな中、「京都を訪れる観光客が増えてレンタル着物の人気が高まる中、地元の呉服商や製造卸が高級路線を強化している。安価な合繊を用いた着物と差異化を図るため、100%絹を使った京友禅などの上質な衣装をそろえ、着付けやコーディネートなどの接客サービスにも力を入れる」とあった。京都の老舗「京朋」が取り組むという。大いに期待したい。
さて、丹後産地の4月の生産実績はいかなるものであったろうか。残念ながらじり貧傾向を払拭できずにいる同産地。上記の取り組みも少しは・・・。
4月の生産量は28.368反で、昨年同月の29.177反を809反下回った。操業日数は23日で前年同月と同じであった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。▼一越・古代=172(194)△変り無地=4.860(4.746)□小計=5.148(5.054) △紋綸子(軽)=2.894(2.712)▼紋綸子(重)=3.483(3.841)△銀意匠・朱子一重=18(9)▼紋意匠・朱子二重=13.856(14.548)△絽織・紗織=1.335(1.329)△その他の紋=212(36)▼金・銀通し=1.013(1.324△縫取・絵羽=409(324) ■小計=23.220(24.123) ■合計=23.220(24.123) ▼パレス=1.034(1.064)▼紬=337(354)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。丹後ちりめん

撮影に臨む留学生
昭和の町並みでいかが 門司で着物で撮影
福岡・北九州市門司区の高石餅店で4月29、30の両日、「昭和の日着付け撮影会」があった。着物は近所の人が持ち寄り、着付けも手伝った。着物は初めてという留学生や久しぶりという年配の人が、昭和の面影が残る通りで撮影を楽しんだ。
町に人を呼び込もうと、昭和の日に合わせて企画したもの。餅店前の通りは以前は商店街で、今もしょうゆ屋や角打ちがあり、かつての店舗の看板もある。訪れる人に「『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいな昭和の町並みだね」と言われることもあり、店内のほか通りでも撮影することにしたという。
29日は九州大学にフランスから留学しているプリスカ・カイラソーさん(25)らが参加していた。カイラソーさんは「初めて着物を着られてすごくうれしい。町並みも古い日本の感じがする」と楽しんでいた。
次回はこどもの日に合わせて4、5日に開く。予約が必要。費用は着付けと撮影にお土産の餅がついて大人3980円、小学生以下3480円。問い合わせは高石餅店☎09(321)6079へ。

案内ポスター
袋帯や装飾手鏡 若手作家・職人展
京都・友禅や陶磁器、漆器など、京都の伝統工芸の若手作家や職人の作品を紹介する展示販売会「京の新風」が京都駅ビル2階「ギャラリーカフェ京都茶寮」で開かれている。11日まで。
京都市産業技術研究所の伝統産業技術後継者育成研修で学んだ、20~40歳代全般の作家・職人14人が出品。色漆を塗った装飾手鏡や桜の花びらを彩ったマグカップ、ホタルをモチーフにした手描き友禅の袋帯など、細やかな手仕事ぶりがうかがえる作品がならぶ。
普段は会社勤めをしながら制作活動をしている長尾紗織さん(37)は、手描き友禅の小銭入れやピアスケースなどを出品しており「まず身の回りの小物を使ってもらうことで、友禅の良さを知ってほしい」と話していた。

展示された3種の帕(冠)
琉球王国の技復元法を探る 作家9人
沖縄・琉球王国時代の美術・工芸品について、当時の製作技法の再現、またその技術を用いて当時と同じものを復元する「琉球王国文化遺産集積・再興事業」の2016年度報告会「王国の美~手わざを探る」が4月30日、那覇市の県立博物館・美術館で開かれた。県が15年度から進める事業で、今回初となった報告会では染織、三線、陶芸などの作家9人が復元(模造)の工程を写真で示し、先人の技をよみがえらせようと悪戦苦闘する様子を語った。
延べ150人が訪れ、満席となった会場には、完成した3種のはちまち、銀の酒器、紅型の型紙などが展示され、来場者は精緻な技に見入った。同事業では19年度までに65件を仕上げ、同年度から公開する予定。
当時の技術は沖縄戦や近代化で多くの資料が失われている上、難易度が高く手間がかかる技法も多い。
紅型の城間栄市さん(城間びんがた工房)は、父(県指定無形文化財『びん型』保持者)は普段戦後の大変な時期のことを語りたがらないが、今回復元に当たり長い時間をかけて話してくれた」と語った。沖縄の染織

世界196カ国のイメージを着物と帯で表現する「KIMONOプロジェクト」
「東京キモノショー」 日本橋
東京・日本橋三井ホール(日本橋室町)で、「東京キモノショー 2017 ひらめきと きらめきの 和のセッション」が始まった。華道、茶道、能、書道、和紙、着物など和の伝統文化と芸能のコラボ企画を展開する同イベント。
会場にはカジュアルからフォーマル、婚礼衣装、古典からモダンまであらゆるジャンルの着物をコーディネートしたマネキン人形200体を並べた「キモノスタイル200」展示をメインイベントに、狂言師・野村萬斎さん主演の池坊555周年記念映画「花戦さ」公開に先駆け衣装展示を行うほか、池坊若手華道家と花を生ける「IKENOBOYS」パフォーマンス、喜多流シテ方の塩津圭介さんが手掛ける「若者能」などを行う。
敷居が高くなりがちな古典能をツイッターで同時解説するなどの活動で注目を集める「若者能」では、今回初の試みとして特殊なゴーグルとスマートフォンを使って、能舞台を体感できる「VR能体験」を行う。
ドームシアター型茶室「星霜軒せいそうけん」では、日替わりでテーマや趣向を変えた「ひかりの茶会」を販売する。
世界最速でミシュラン1つ星を獲得したというフレンチ「TIRPSE」(港区)がプロデュースする限定カフェでは、新感覚の和洋折衷スイーツ「富士山カヌレ」を販売する。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場料は、一般=1.000円、高校生以下無料。7日まで。五輪の着物・KIMONOプロジェクト

型紙を紹介
「型染と型紙」展 三木の染色文化紹介
兵庫県・着物を染める伝統技法や道具を紹介する特別展「型染と型紙-播州三木とその周辺」が、姫路市書写の書写の里・美術工芸館で始まった。江戸から明治期にかけて、三木市などで盛んだった染色文化を約160点の資料で伝えている。
型染めは、彫刻刀などで文様を彫った和紙の型紙を使って着物に図柄を描く染色技術。三重県・伊勢が一大産地だったが、近年の研究で三木でも型紙を売る「型屋」が数多く存在したことが明らかになっている。
特別展では、さまざまな型紙と、型染めの羽織や反物などを展示。小さな点を縦横に整然と彫り、武士の裃に多用された型紙「通し」のほか、二つの型紙を組み合わせて濃淡のある藍色の図柄が描かれた着物などが目を引く。
三木の型紙は約50点を紹介。確認されている中で最古の「稲束に蛇籠散し」は1805(文化2)年作製との記録が残る。姫路藩の名産だった高砂染の反物や京都の型紙などもある。
山本和人学芸員は「日本独特の文化を知ってもらえたら」と話している。
5月28日まで。詳しくは同館☎079(267)0301。伊勢型紙

数多く並ぶ夢二の作品
大正ロマン描いた夢二展 和装来館無料
兵庫県・大正ロマンを代表する画家竹久夢二(1884~1934)の作品を集めた「夢二ロマン 神戸憧憬しょうけいと欧米への旅」が、神戸市東灘区の神戸ファッション美術館で始まった。6月25日まで。着物や浴衣などの和装の来館者は無料で入館できる。
会場には、舞妓姿の美人画や屏風絵のほか、関東大震災直後の東京を描いたスケッチ画など200点余りを展示。同館によると、夢二は少年時代の一時期を神戸で過ごしたといい、担当者は「エキゾチックで異国情緒あふれる夢二の作風は、神戸での体験が影響しているのではないか」と話している。
29日午後1時半から、国際浮世絵学会の中右瑛常任理事が「大正ロマン講座」と題して講演す(要申し込み)。
有料。問い合わせは同館☎078(858)0050。

着物コレクションの展覧会入り口
松坂屋の宝パリ魅了 収集の着物120点
松坂屋が収集し、名古屋市博物館などが所蔵する着物の展覧会が、パリの仏国立ギメ東洋美術館で開かれている(既報)。
「着物・オ・ボヌール・デ・ダム(女性の幸せ)」展と銘打ち、同店のコレクションの中から120点を公開しており、5月22日まで3か月にわたり開催。松坂屋をグループ傘下に置くJ・フロントリテイリング(JFR)によると、入場制限が必要なほど人気を呼んでいるという。
名古屋の呉服店「伊藤屋」を前身とする松坂屋は1931年、最高級の呉服を作るため、京都に染織参考室を設置したのを機に、小袖や能の装束、振り袖などを収集。約5000点に及ぶコレクションは現在、創業の地である名古屋のJFR史料館と、名古屋市博物館に引き継がれている。
2008年まで門外不出だったが、松坂屋創業400周年の11年、このコレクションの展覧会を名古屋市中区の松坂屋美術館で開催。欧州屈指のアジア美術コレクションを誇るギメ美術館が興味を持ち、5年に及ぶ協議を重ね、今回の展示につながった。海外での大規模展示は初めてという。
展示会場では、「伊藤屋」の家紋入りののれんがかけられ、公家、武家、町人などの身分ごとに異なった江戸時代の着物の様式や柄を紹介。呉服を注文する際に参考にしたとされる図案集「小袖
形本」と、図案を基にして出来上がった小袖も並べている。また、デザイナーのコシノジュンコさんが手掛けた花魁おいらん衣装を始め、クリスチャン・ディオールやイブ・サンローランなど仏の有名デザイナーによる着物をモチーフにした作品を展示している。
JFRによると、ギメ美術館は、展覧会が人気を集めていることについて「フランスを始め、欧州の人たちは日本の伝統文化に造詣が深く、現代のファッションとどう結びついているか関心が高い」と分析。JFR史料館の村瀬淳史事務局次長は「着物文化がどう変化してきたのかを伝えることで、日本の伝統について知ってもらえるいい機会になった」と話している。
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