10月のニュース





話  題

スカーフとジュエリーボックスのセット
博多織企業の岡野
法藍瓷とのコラボ商品
スカーフ「蝶舞風華」19日まで販売

着物や染織品を手掛ける岡野(OKANO、福岡県筑紫郡)は、台湾の高級陶磁器メーカーである法藍瓷(FRANZ)とのコラボレーション商品を5日から日本で発売する。日本と台湾の伝統工芸を融和させた商品をPRし、売上高300万円を目標とする。
コラボ商品のギフト用スカーフ「蝶舞風華」は、フランツが陶磁器をイメージしたデザインを担当。価格は5万8000円(税抜き)で、OKANOの六本木ヒルズ店で今月19日まで販売する。六本木ヒルズ店ではまた、フランツの陶磁器40点を展示する。
工商時報によると、フランツは現在、世界66カ国・地域に販売拠点6000カ所を有する。うち中国と台湾の直営店が売上高全体の6割を占めており、このほか米国(売上高全体の2割)、ドイツ(同5%)、日本(同3%以下)、中東(同3%以下)となっている。
フランツは約7年前に日本に子会社を設立し、ホテルや百貨店などに店舗を出店したが、運営コストの増加を背景に2年前に日本子会社の運営を終了、代理販売に切り替えていた。今回のOKANOとの提携で売上高が伸びるとみて、フランツは今年、4年ぶりの黒字転換を図りたい考えだ。

きものニュース

 
「身に余る光栄」と泉さん
現代の名工 群馬の染物職人 泉さん
桐生市の染物職人泉太郎さん(54)が現代の名工に選ばれた。「はたどころ」として有名な同市で絹の着物地製作に30年以上携わってきた泉さんは、「身に余る光栄。推薦していただいた方には感謝しかない」と柔和な笑顔で喜びを語った。
明治40(1907)年に創業した絹織物の老舗「泉織物」で生まれ、日本大学では機械工学を学んだ。昭和61年に自動車部品を作る鉄鋼会社に就職したが、「1からのものづくりをしたい」と、その年に実家の工場で修業を始めた。
培ってきた勘を頼りに着物地を作り上げる職人の世界は厳しく、初めは「誰も声をかけてくれなかった」。それでも職人の技を見て覚えながら腕を磨き、今では布地の設計から機織り、絞り、手染めなど全ての工程に精通した県内唯一の職人となった。
「冠婚葬祭に着るだけではなく、着物を女性の『勝負服』にしたい」 。伝統的な枠組みの中で、流行を取り入れた新しいものづくりへの挑戦が認められるようになったのは30代の頃。糸で柄を織り上げ、手染めで色を重ねた画期的な着物が高く評価され、50着が即日完売した。「数年かかって結果が出て、ようやく職人さんに認めてもらえた」と誇らしげに振り返る。桐生織

宮城、玉城、志堅萌、諸見里さん
かすりの女王コンテスト 南風原町
沖縄県・琉球絣の産地・沖縄県南風原町でこのほど、第32回琉球かすりの女王コンテストが町立中央公民館黄金ホールで開かれた。6人が出場し、ミスあいぞめに玉城舞歩さん(19)、ミスブーゲンビリアに宮城奈実さん(25)、ミセスあいぞめに諸見里紗織さん(32)、ミセスブーゲンビレアに具志堅萌子さん(34)が選ばれた。
コンテストでは、出場者自らが選んだ琉球絣の着物に身を包み自己PRした。ミスあいぞめの玉城さんは、前ミセスあいぞめの母・智子さんに背中を押されコンテストに挑戦した。「選んだ着物も、母が選んだ着物と同じで驚いた」と親子ならではのエピソードを紹介。「かすりの女王としていろんな人の話を聞いて人生の糧にしたい」と語った。
宮城さんは「人の温かさや豊かな農作物など、南風原に誇りを持っている」と、古里への思いを語った。ミスに選出されて「うれしい」と笑顔を見せた。
京都府出身の諸見里さんは、結婚を機に南風原に移り住んだ。父親が織物に携わり自身の名前も織物にちなんで付けられたことから「南風原に嫁ぐべくして嫁いだ」と話した。「県外出身だがほかの人に負けないよう頑張りたい」と語った。
具志堅さんは、南風原町のキャラクター「はえるん」の応援ソングの歌詞とメロディーを作った経験があり、自己PRでは歌を披露。「琉球絣について勉強し、多くの人に知ってもらえるよう頑張りたい」と話した。
4人は今後2年間、琉球絣の魅力を町内外に発信する活動に取り組む。琉球の染織

結城紬で市役所を訪れたファラーさん
結城紬を欧州に発信 元小山市ALT
茨城県・ALT(外国語指導助手)として約20年前に市に滞在した、英国人のファラー・カリームさん(45)が、市の伝統産業である本場結城紬をヨーロッパに発信するプロジェクトに取り組んでいる。9日までの日本滞在中には、糸つむぎなど結城紬の生産工程を見学し、母国イギリスで開かれる服飾イベントで結城紬を購入してもらうため仕入れ先の開拓などをも行なった。ファラーさんは「落ち着いた雰囲気や暖かい着心地など、結城紬の魅力発信に努めたい」と話した。
将来的に、英国で開催される展示イベントなどを通じて、欧州のデザイナーと産地をつなぎたい考え。滞在中に訪問したのは、群馬県高椅市の織元「坂入染店」(生産工程の見学)、結城市の製造卸問屋「奥順」で仕入れなどに関する商談も行った。「着物自体はヨーロッパでも浸透しているが、結城紬の知名度は低い。仲立ちの役割を果たしたい」と話した。結城紬

名工に選ばれた沢井さん
やるぜ現代の名工 Googleが熱視線
東京都・八王子市で織物工場を営む沢井伸さん(68)は、IT大手の米グーグルも注目する織物職人。伝統の技を先端技術にも応用できる腕前が評価され「現代の名工」に選ばれた。
創業約120年の歴史を誇る沢井織物工場は、先染めで色をつけた数種類の絹糸を使い、織り方も5種類と多様な「多摩織」を生産している。1980年に、国の伝統的工芸品に指定された。
「受け継がれた技術も、顧客の需要がなければ途絶える」と考え、主力商品を着物からマフラーなどのファッション小物に切り替えた。評判は海外にも響き、2004年にはニューヨーク近代美術館が商品カタログの表紙に、同社製のマフラーの写真を採用した。そして、グーグルとつながりのある企画会社が、その技術の応用力に注目。14年冬に「電気を通す糸」の開発を要請された。髪の毛より細い銅線がすでに開発されており、課題はその銅線にどうやって強度を持たせるかだった。
提案したのは、複数の糸を組み上げて強いひもにする「組みひも」の技術の応用だ。銅線の周りに何本もの化学繊維を組み合わせることで、銅線が切れにくくなった。この糸は、衣類の袖口にタッチパネルのような機能を持たせ、触るとスマートフォンを操作できる最先端の衣類に使われ、海外で市販されたという。
「流行を追いかけると二番煎じになる。オリジナルのもので勝負したい」。この道50年。仕事への意欲に衰えはない。

展示された見本
ドレスにも伊勢型紙文様 オートクチュール
三重県・鈴鹿市の「伊勢形紙協同組合」は、伊勢型紙の文様で仕立てるオートクチュールのオーダー受け付けを始めた。型紙職人らが昨年、「伊勢型紙ブランディングプロジェクトチーム」を結成し、準備を進めてきた。関係者は、和服の文様を生かした取り組みに「新しい分野に挑戦したい」と意気込んでいる。
注文服は絹を使い、ワンピース、ドレス、スカート、ジャケットなどを仕立てる。気に入った型紙の文様や染める色を選び、服のデザインを注文。型紙職人に加え、染色、仕立ての専門家によるオーダーメイドだ。文様は10種類ほどあり、今後、数を増やしていく。オリジナル文様の制作も相談に応じる。
鈴鹿市寺家の市伝統産業会館では10日、同組合主催のイベント「匠の里・伊勢型紙フェスタ」に合わせてオートクチュールの見本が展示され、来館者らが見入っていた。
同チームのメンバー
正明さん(54)は「伊勢型紙は着物を染める道具だが、洋装の中にも型紙を身近に感じてもらいたい」と話していた。注文、問い合わせは同組合☎059(386)0026。伊勢型紙

カットする千地さん(左)
鳴鳳堂国際青年映像祭 千地氏らテープカット
福岡県・にて株式会社鳴鳳堂(福岡市)と北京電影学院(中国・北京)との共同主催による、日中の若手映像制作振興と交流を目的とした「第1回鳴鳳堂国際青年映像祭」がこのほど、開催された。
本映画祭は「未来を変える 映像新世代」をテーマとし、新時代の若手映像制作者の成長支援、中日両国の映像文化の交流を目的として行われ、午前中には開会式及び「12+12九州写真展」が行われ、映画祭実行委員長である株式会社鳴鳳堂取締役蘇慶氏、副委員長の特定非営利活動法人映像情报士協会理事長榎田竜路氏、北京電影学院視听傳媒学院院宿志剛氏、何振良駐福岡中国総領事、福岡市経済観光文化局国際経済・コンテンツ部長 宮原修氏、国際的デザイナーで2020年に開催される東京オリンピックにて134カ国の国ごとのプラカードを持つ女性が着る着物のデザインを担当している友禅作家の千地泰弘氏らが登壇しテープカットを行った。

珠玉の作品が並ぶ
京の絞り職人展 丹波市
京都の絞りの職人衆で作る「京都絞栄会」が主催する「京の絞り職人展」が16日~20日、丹波市柏原町の町家ギャラリー「るり」で開かれる。
「絞り染めの歴史は古く、インドの染色技術が佛教などと共に日本に渡来したといわれています。江戸時代前期には全盛期を迎えましたが、現在は職人による技術の継承も危うくなっています。それ故、鹿の子絞りの魅力を知って貰いたいとの想いで、職人の技術を結集し、毎回選りすぐりの作品を発表しています」と主催者。
午前10時―午後5時(初日は午後1時から、最終日は午後3時まで)。問い合わせはるり☎0795(72)1608。

半幅帯
首里織の帯や小物展示 那覇市
沖縄県・首里織展(主催・那覇伝統織物事業協同組合理事長 赤嶺 真澄)が15〜18日、那覇市ぶんかテンブス館3階ギャラリーで開催される。時間は午前10時〜午後7時(最終日は午後6時まで)。入場無料。
浴衣に合わせる色とりどりの半幅帯を150~200本、普段使いの小物など合わせて約600点、新作のかりゆしウエアを展示販売する。
首里織は、首里王府の城下町として栄えた首里で、王府の貴族、士族用に、色、柄共に究極まで追求された格調高い織物。その名称は首里に伝わる種々の紋織や、絣織物を総称する名称として、昭和58年の通産省伝統産業法指定申請のさい命名された。沖縄の織物

トム・フォードによるグッチ(右)
続報・キモノの美 米国で巡回展始まる
日本の着物がファッションに与えた影響を考察する「キモノ・リファッションド」展が、米国で始まった。京都服飾文化研究財団(KCI)が企画し、米国3都市を巡回する。19世紀後半に着物が海外で受容された様子や、現代のデザイナーたちが着物の形やモチーフ、素材など、様々な面から創作のヒントを得ていることがわかる。
10月から展覧会が始まったニュージャージー州のニューアーク美術館は1909年の創立以来、多くの日本美術を収集し、特に着物は米国でも有数のコレクション約200点を誇る。アジア部門キュレーターのキャサリン・アン・ポールさんは「ニューアークは昔から港湾都市として栄え、日本へ旅行する人がさまざまな美術品や工芸品を持ち帰り、その中に多くの着物があった」と話す。本展では美術館が所蔵する江戸から昭和期の着物に加え、KCIが集めた1870年代以降から現代の人気デザイナーの作品など約60点を公開している。
1860~70年代のパリやロンドンでは、着物地でドレスを仕立てるのが流行した。展覧会の入り口には江戸時代に町民階級の間で親しまれた小袖の生地「綸子ず)」を使ったドレスを展示。着物をドレスの上からはおり、ベルトでウエストをマークするといった当時の着こなしも再現された。
また、ジョン・ガリアーノやトム・フォード、ラフ・シモンズ、クリスチャン・ルブタンといったデザイナーたちが着物や日本の浮世絵などからデザインを着想した服や靴も並ぶ。米国の印象派といわれる画家ウィリアム・メリット・チェイスによる、着物を着た白人女性の肖像画も展示されている。
中でも目を引いたのは、イリス・ヴァン・エルペンが2016年秋冬オートクチュールコレクションで発表したドレス。素材は石川県七尾市の天池合繊が開発した「天女の羽衣」で、髪の毛の5分の1ほどの極細の糸を使い、日本の伝統的な絞りの技法を応用して凹凸感を出している。
KCI名誉キュレーターの深井晃子さんは「着物は、江戸時代から着方の面では進化しなかったが、染色などテキスタイルの分野では開発が続けられ、世界最先端の技術をリードしてきた。もっと着物という日本独自の服飾文化の素晴らしさを知ってほしい」と語った。
展覧会はニューアーク美術館で来年1月6日まで。同2月8日から5月5日までサンフランシスコ・アジア美術館、同6月28日から9月15日までシンシナティ美術館に巡回する。

型紙と写真が並ぶ
伊勢型紙と古写真展示 伊勢型紙資料館
三重県・鈴鹿市は白子本町の伊勢型紙資料館で、企画展「ちょっと昔の白子と伊勢型紙」を開催、白子地区を撮影した古写真など31点、伊勢型紙の基本となる4技法を使った型紙14点を展示している。来年1月14日まで。
昔の職員が撮影したり、地域の人の寄贈などで、市が所有する昭和20年代から50年代の写真を展示。伊勢湾台風で配給者に並ぶ人々(昭和34年)、江島海岸での赤潮騒ぎ(同30年)、白子漁港(同26年)など、当時の町並みや生活の風景、港のなりわいなどを撮影した貴重な写真のほか、昭和30年に伊勢型紙の人間国宝に認定された突き彫りの南部芳松さん(1894ー1976年)ら5人の彫刻場面の写真が並ぶ。
型紙は突き彫り、道具彫りなど4技法が分かりやすく彫られた作品を選んで展示した。
担当の市文化財課では「今の風景と比較しながら当時を懐かしんでもらえれば」と話していた。伊勢型紙
   1日~11日
個性的な作品が並ぶ織求評会
最高賞に福絖織物「無双錦」 博多織求評会
福岡市・博多織の新作を披露する「第116回博多織求評会」の審査会が8日、発祥の地とされる博多区の承天寺であり、最高賞の内閣総理大臣賞に福絖織物(西区)の佐賀錦袋帯「無双錦」が選ばれた。承天寺の方丈(本堂)などで一般公開されている。 入場無料。12日まで。
博多織工業組合(岡野博一理事長)の主催。会場には、組合加盟の織元や手織り作家たちが技術の粋を尽くした帯や着物の新作206点がずらり。伝統的な献上柄から、渦巻きや幾何学模様などをアレンジした斬新な色柄まで、個性的な作品が勢ぞろいした。
文部科学大臣賞には紋八寸なごや帯「藍好み」(福絖織物)、経済産業大臣賞には紗八寸なごや帯「紗窓しゃそう」(同)が選ばれた。

冨久洋さんとメキシコの着物
久留米絣でメヒコの着物 キモノプロジェクト
福岡県・2020年東京五輪に向け、世界各国をイメージした着物を制作している「キモノプロジェクト」で、久留米絣を使ったメキシコの着物が完成した。久留米絣の1作目となったキリバスの着物は手織りだったが、現在主流の機械織りで仕立てられた。11日、久留米市東櫛原町の久留米ガスであるイベントで披露される(午前11時と午後2時)。
筑後地区の12織元などでつくる研究団体「井桁いげたの会」が監修し、久留米絣技術保持者会会員で「冨久織物」(広川町)の冨久洋さん(43)が制作を担当した。
冨久さんによると、メキシコ大使館側の「柄が際立つ着物を」との要望で地色は黒を採用。束ねた糸に別の糸を巻き付けて染色を防ぐ「括り」の工程は短期間で精密さを追求するためコンピューター制御の自動くくり機を使用した。上半分は古代アステカ文明の遺跡から発掘された「太陽の石」に彫られた顔を再現。下半分は、括りで白く残った部分を赤、青など5色の極彩色で染色した。少数民族が縫う刺しゅうの模様を参考にしたという。久留米絣に色づけする際に使う「つまみ染め」の手法で、布を巻いた棒で直接糸に色をすり込んだ。
プロジェクトで誕生した着物(製作費200万円)はメキシコで105カ国目。冨久さんは「日本伝統の着物にメキシコの歴史や文化を投影することができたのでは」と語った。問い合わせは久留米ガス☎0942(36)2600。久留米絣

インスタによる写真
コンテストの画面
SNSで広がる和装の魅力 京都市で写真コンテスト開催
「きものの日」の15日を前に、和装の魅力をSNSで発信するイベントが盛んになっている。京都織物卸商業組合(中京区)は、PR用の横断幕を作ってSNSによる着物姿の写真コンテストを開催中。京染卸商業組合(同)は、舞妓らと着物姿で写真撮影してSNSに投稿するイベントを開催予定で、若者に着物の魅力をアピールする。
業界が今年から新しく設けた「きものウィーク」(1~15日)を広めようと、縦60㌢、横180㌢の横断幕を作った。全国に約600枚を配布し、SNSの「インスタグラム」で、横断幕を持った着物姿の写真コンテストを18日まで実施する。
検索の目印になるハッシュタグ「#kimono_mark」をつけた投稿はすでに約300件以上になった。グランプリは旅行券10万円分で、写真は京都をはじめ、奄美大島などの着物産地や全国の観光地から相次いで寄せられている。
担当の田上智一理事は「予想以上に投稿の輪が広がっている。全国の着物愛好家と一つになって『きものの日』を発信したい」と手応えを感じている。
また、京染卸商業組合は、着物を楽しむ機会創出のためにイベント「きもの de SNS」を11日正午~午後2時に中京区の三条大宮公園西側の妙泉寺前で開く。祇園甲部の舞妓と「2018京都・ミスきもの」の2人が着物姿で来訪。京都織商の横断幕を持って参加者が一緒に写真撮影し、SNSに投稿すると京都三条会商店街で使える500円分の金券がもらえる。同組合の田村輝男理事長は「着物で遊びに来て着物を着る楽しさを知ってほしい」と期待する。

公開されている京屋染物店
オープンファクトリー 岩手で物づくり体感
岩手県・地域の物づくり産業の魅力を発信してファンを増やそうと一関、平泉、奥州の3市町で「オープンファクトリー五感市」が開かれている。26の事業所が、ものづくりの現場を公開している。東北では初めての試みという。11日まで。
昨年まで平泉町の伝統産業の事業所などが開催していた「平泉五感市」を拡大した。南部鉄器や岩谷堂タンス、漆塗りなどの伝統産業のほか、造り酒屋、ワイナリー、食肉生産・加工、菓子製造、着物制作の呉服店などが参加した。職人との交流や体験教室、ツアーやトークイベントもあり、物づくりの現場を「五感」で感じてもらう。
実行委員長の蜂谷淳平さん(36)は創業100年の「京屋染物店」(一関市大手町)の専務。祭りのハッピや手ぬぐいのほか、新たなデザインの商品開発にも取り組む。五感市をきっかけに「地域の物づくりの価値を世の中に広めていきたい」。染め担当の小澤大輔さん(33)も工場見学を経て今年1月に入社。「気温や湿度、生地の違いなど毎日が唯一無二の仕事。染め物の魅力を知ってもらう機会に」と話す。

西陣織のメーテル
西陣織で描いたメーテル登場 松本零士展
京都府・アニメ「銀河鉄道999」や漫画「宇宙海賊キャプテンハーロック」の原画を西陣織などで再現した「松本零士のワールド展」が、綾部市青野町のグンゼ博物苑集蔵で開かれている。京の職人3人の技で鮮やかに表現された45点が並ぶ。
松本さんが描いた原画を京都市内の織師、摺師、木版画師が、西陣織、デジタル版画、木版画でそれぞれ再現した。「999」に登場する女性メーテルが京都市内を散策する姿を描いた西陣織の大作「メーテル 古都の休日」が目を引く。
「キャプテンハーロック」の宇宙戦艦アルカディア号が浮世絵風の荒波の中を飛ぶ木版画など、SFと伝統が融合した作品群に来場者が見入っていた。11日まで。高校生以上300円。

良縁願う女性たち
パンフ等の和装モデルを募集 飛騨市観光協会
岐阜県・飛騨市観光協会は、同市古川町で女性が恋愛成就を祈りながらお参りをする「三寺まいり」をして、観光パンフレットなどに登場する和装モデルを募集している。「三寺まいり」は、毎年1月15日に開かれる飛騨古川の冬の風物詩で、200年以上前から続く伝統行事。縁結びのお参りとして人気がある。
募集要項は、平成31年1月15日(火)15時~21時の間従事できる18歳から30歳くらいまでの女性。レンタルも用意されているが着物の準備は必須。
その他募集人数は12名で応募多数の際は抽選。締切は12月21日。
問い合わせは同観光協会☎0577(74)1192。

工藤市長と懇談する一行
行田足袋コレ パリの優勝仏人来日
埼玉県・行田市がフランス・パリで7月に開催したファッションショー「行田足袋コレクション」の優勝者ら成績上位の仏人女性3人が8日来日し、同市を訪れた。入賞特典として同市が招いたもので、3人は市内の名所見学や歴史・文化体験などをして12日まで滞在する。11日には元祖「行田足袋コレ」にゲスト参加する。
日本文化を紹介する博覧会「Japan Expo2018」に参加した同市が、足袋の新たな履き方を提案する「足袋コレ」のパリ版を実施した。14人が応募し、書類審査を経て10人が舞台に上がった。来日したのは優勝した服飾デザイナー、メラニー・ヨンヴァンさん(29)、準優勝の美術館勤務、ソフィー・ボノさん(30)、審査員特別賞のwebライター、サンドラ・ベルナーさん(31)。
3人はまず工藤正司市長から「行田アンバサダー」の委嘱状を受け取った。今後1年間、SNSを通じて同市のPRをするのがアンバサダーの仕事だ。12日までのご褒美旅行中は、同市内の和風旅館に泊まりながら、さきたま古墳公園散策、足袋づくり体験、着物着付け、武者行列参加など日本の歴史と文化を堪能することになっている。3人とも来日は2回目だが、東京、京都、奈良などの観光地しか経験していない。ヨンヴァンさんは「まずお城を見たい。足袋にも興味があります」と行田体験への意気込みを語った。

玉虫色に輝く紅が塗られ
た紅ちょこのレプリカ
日本遺産の記念展示 山形市の県立博物館
文化庁認定の日本遺産「山寺が支えた紅花文化」にちなんだ記念展示が、県立博物館で開かれている。最上紅花の歴史をパネルで紹介し、純度の高い、玉虫色に輝く紅を用いた「紅ちょこ」も展示している。11日まで。
江戸期に栄えた最上紅花の生産から流通消費までの流れをパネルにまとめた。消費地での価値や用途にも注目。化粧に用いられる色が少なかった当時、口紅や頬紅、化粧下地にまで重宝されたことを資料とともに解説している。
最上紅花を用いた伝統製法を続けている伊勢半本店(東京都)の協力で、紅ちょこのレプリカも展示。内側に塗られた玉虫色が紅で、色素を丁寧に抽出する技と美を伝えている。
日本遺産は地域の歴史や文化を一つのテーマにまとめ、観光資源に役立てるもので、「山寺が―」は5月に認定された。山形市など7市町の文化財などで構成している。
問い合わせは県立博物館☎023(645)1111。最上紅花

古山さん・「想う・糸ブーケ」
河北工芸展各賞決まる TFUギャラリーで展示
第27回河北工芸展(河北文化事業団、宮城県文化振興財団主催)の作品審査が6日、仙台市青葉区の河北新報社で行われた。最高賞の河北賞には塩釜市の古山文子さん(68)の染織「想う・糸ブーケ」が選ばれた。福島県知事賞には仙台市の大金暁子さんの染織「和紙と綿着物(心延え)」が得たばれた。
陶磁、硝子、木竹など12部門に217点の応募があった。伊藤赤水(陶磁、重要無形文化財保持者、日本工芸会参与)、春山文典(金工、日展理事、現代工芸美術家協会常務理事)、内藤英治(染織、日展会員、日本新工芸家連盟理事)の3氏が審査員を務め、入賞17点、入選141点(優秀作7点を含む)を選んだ。
入賞・入選作品などの展示は7~12日、宮城野区の「TFUギャラリーMini Mori」で開催する。

会場となる和楽市大宮店店内あ
「きものフリーマーケット」開催 大宮
さいたま市・着物や帯、和装小紋や手作り和小物などのマーケット「きものフリーマーケット」が13日、リサイクル着物ショップ「キモノ和楽市大宮店」(大宮区大門町)で開催される。同店の常連客佐藤敦子さんらが企画したもの。
着物が好きな仲間たちのため、着物を複数枚持っており、「若い時に着ていたが着なくなったもの」「譲り受けたがサイズが合わず着られないもの」などたまっていくばかりで、「家にあるものを整理したい」とフリーマーケットを企画したという。
佐藤さんは「普通のフリーマーケットに出すことも考えたが、着物という特殊なものなので、できたら着物だけのフリーマーケットにして、着物に興味がある人に集まってほしいと思った。場所をどこかで借りることも考えたが、和楽市の島倉直子店長に相談したところ、定休日に使わせていただけることになった」と話す。
10人ほどが出店する予定で。着物のほか、浴衣、訪問着、つむぎ、付け下げ、羽織、コート類、バッグ、草履、着付け小物などの他、ハンドメードの帯飾り、袋物の出品を予定している。
入場無料。値引きなし(出店者が個別に応じる場合あり)。ノークレーム、ノーリターン。和楽市主催の材料市も同時開催。問い合わせは大宮店☎0487881855。

ハイコン優勝の子どもたち
ハイカラ市にぎわう ちづ宿一帯
鳥取県・八頭郡智頭町智頭の智頭宿一帯で4日、古い街並みを生かした「ちづ宿ハイカラ市」が開かれた。因幡街道を華やかな着物に身を包んだ参加者らが歩き、街はレトロな雰囲気に包まれた。
地域活性化や観光振興を目的に2012年から毎年開いている。参加者は着物をまとい、出店で買い物したり、県内外から集まったクラシックカーと写真を撮ったりして楽しんだ。
来場者らの投票により会場内で最も注目を集めた人を選ぶ「ハイカラさんコンテスト」では、地元の子どもらでつくる「なるちゃん、かんたくん、たま子ちゃん」チームが1116票を集めて優勝。ゲストで外務省「ポップカルチャー発信使」の青木美沙子さんから賞品が贈られた。
催しに参加した同町の飲食店従業員、波多なぎささん(25)は「去年よりも人出が多い気がする。地元ににぎわいができてうれしい」と話した。

着物と帯と屏風
フランク ミュラーの伝統作品 着物と帯と屏風公開
フランク ミュラーの世界に1点しかない“THE KIMONO”と“THE BYOUBU”の伝統作品を11日に開催される第2回目HAPPY KIMONO PROJECTにて展示される(表参道ヒルズにて公開=渋谷区神宮前)
フランク ミュラーの時計の世界観を日本の伝統技術で表現した着物と帯、屏風。天才時計師フランク ミュラーと日本アーティストたちの伝統文化である日本の匠の技がここでみることができる。
着物と帯は、着物作家中川正洋氏、織物作家高尾弘氏とフランク ミュラーが生み出す西陣織の着物と帯。太陽と月、そしてフランク ミュラーのアイコンでもあるビザン数字で描いた、伝統的で美しい見事な京友禅の着物。徳川家伝統の技術を使い、着物と連動した宇宙感を表現し、見事な輝きを生み出した高尾氏の帯と共に、優雅な日本の美が織りなされた作品2点だ。着物は金・銀箔・日本刺繍、帯は、引き箔、ねん金糸を用いて手機の機による製織。
屏風は、京表具井上光雅堂による本間六曲屏風で、作品名は季祝融伝きしゅくゆうでん。日本の四季にまつわる祝い事を時の経年に沿い表現された伝統的な金屏風。

買場紗綾市の様子
織物の足利全盛期伝える フィルム公開
栃木県・織物産業で繁栄していた大正時代末期の足利市の様子を記録した動画フィルム「織物と足利」が10日、足利織物会館(同市)で公開される。織物工場内や渡良瀬川河畔での織物の水洗いなどの作業風景、鎧年越や史跡足利学校、街並みなど当時の貴重な姿を収録している。
記録動画は白黒の16㍉フィルム(21分)。数年前、足利市役所内で職員が偶然発見した。また、織物会館内の足利繊維連合会の書庫内にもフィルムをダビングしたビデオがあった。それぞれ説明資料が付いており、足利繊維協同組合所蔵で大正時代末期に撮影され、市内にあった映画館末広劇場で上映されたらしいことが記載されている。フィルムの発注元、説明資料の制作者は不明だ。
フィルムには「買場」と呼ばれた織物市場で、着物姿の店員らが東京の問屋などから買い付けに来た背広姿の男性を相手に売買する様子や、織物や染色工場内で働く女性工員らの姿が収まっている。靴メーカー、アキレス(東京都新宿区)の前身、殿利織物会社を設立した殿岡利助も紹介されている。
また、まだ木橋だった渡良瀬橋を背景に芸者を舟に乗せ、投網を打つ男性たち、モダンな洋館のたたずまいを見せる足利織物同業組合事務所や県工業学校(現在の県立足利工業高校)、毎年冬の恒例行事・鎧年越での鎧兜姿の武者、織物関係工場の煙突が立ち並ぶ街並みも記録されている。
足利は江戸時代後期から織物の一大産地となり、明治時代の輸出織物、足利銘仙、トリコットなどで栄えた。大正時代から続く昭和の全盛期を知る金井染工会長の金井敏夫さん(85)は「貴重な記録フィルムで、織物で栄えた足利の全盛期、古き良き時代を伝えている」と話す。
フィルムは第41回足利繊維まつりの中で、10日午前10時から随時上映。問い合わせは足利織物伝承館☎0284(22)3004。

写真は昨年のイベントから
「きものday結城」 伝統の街並み散策
結城市の伝統的な街並みを着物で散策するイベント「きものday結城」(市観光協会主催)が今年で10年を迎える。北部市街地を会場に、観光ガイドによる街なか散策や「和」をテーマにしたワークショップなどが企画され、“着物の似合う街”を存分にアピールする。着物愛好者らを中心に定着し、リピーターも多い。イベントを契機に着付けを担うボランティアの育成や着付け体験ができる拠点の常設など、まちづくりに新たな広がりも見せている。
北部市街地は見世蔵や酒蔵、寺社などが点在する。開催中は、結城紬をはじめとした着物姿の参加者が街を行き交う。住民がお茶でもてなしたり、普段は開放していない店舗が開いたり、人力車も駆け抜けたりして街全体が盛り上がる。
「きものday結城」は10、11日の両日、同市北部市街地で開かれる。10周年を記念し、参加者が自慢の着物姿を披露するファッションショーも開かれる。結城紬

記念撮影を楽しむ各国代表
ミス代表着物でぶらり 加賀温泉街
石川県・世界三大ミスコンテストの一つ「ミス・インターナショナル」の各国代表が4、5日、加賀市を訪れ、着物姿などで温泉街を散策した。
SNSなどで、発信力の強い各国代表を通じて世界中に魅力を伝えてもらおうと、同市などが招待したもの。
一行は市内の3温泉郷(山代、山中、片山津)で、紅葉の絶景やお座敷体験など日本文化を楽しんだ。
着物姿になったルーマニア代表のビアンカ・ティルシンさんは「着心地が良くて、デザインもすてき。普段着としても着てみたい」と、笑顔をみせていた。

工芸展の様子
桐生の服飾工芸 群馬県庁に6社出展
桐生織物協同組合(桐生市永楽町=牛膓ごちょう章理事長の「第18回桐生服飾工芸展」が5日、前橋市の県庁県民ホールで開かれている。帯や着物など和装製品、婦人服地、ネクタイ、スカーフなど1000点以上が展示販売されている。7日(水)まで。
織物協同組合所属の6社が出展している。毒武ぶすたけ織物(同市広沢町)の毒島信八社長はストールなどを紹介し「1年中使える。肌が敏感な人でも使いやすい」と絹製品の特徴を説明していた。桐生織

大広間に展示された訪問着
「雨景染め」大広間彩る 北方文化博物館
伝統的な染色技法と現代の日本画技法を取り入れて確立した「雨景染め」で知られる染色作家・村山雨景さん(長岡市)の作品展が25日まで、新潟市江南区の北方文化博物館で開かれている。
同館の庭園を描いた訪問着のほか、新潟の雪景色やモンゴルの風景などを題材にした18点の絵画作品が展示されている。
訪問着は縦150㌢、横160㌢の大きさで、制作に4カ月を要したという。赤や紫など計30色以上を用いて染色し、同館の大藤棚や紅葉などが落ち着いた雰囲気で描かれている。
村山さんは「藤の花が一番の見どころ。訪問着にふさわしい上品な雰囲気で、大広間に花が咲いたような作品ができた」と話している。
有料。着物で来場すると100円引き。問い合わせは北方文化博物館☎025(385)2001。

和を楽しむ参加者
和装でタイムスリップ 前橋
群馬県・生糸や絹にゆかりのある前橋市で日本文化に触れてもらう「和のコトAsobi 前橋レトロトリップ」が4日、前橋プラザ元気21(本町2丁目)で開かれた。市民が着物の着付け体験などを通して、昔ながらの雰囲気を楽しんだ
前橋観光コンベンション協会(本町2丁目)が主催して4年目。今年は「昔遊び」と題して、ベーゴマやお手玉の体験、古着を使った指人形作りコーナーを設け、親子や家族で参加しやすい催しを充実させた。
前橋市は江戸時代から藩として養蚕に取り組み、新しい技術を取り入れた器械製糸工場を日本んで初めて作るなど製糸業が発展、繭の取引所としても栄えてきた。そんな歴史を持つ前橋の地域特有の魅力を多くの人々に知ってほしいと企画されたもの。

雨天中止
着物de蓬莱橋歩きませんか 島田
静岡県・着物の似合う街島田を歩く「着物de蓬莱橋」が24日、開かれる(雨天中止)。蓬莱橋は島田市の大井川にかかる木造橋。
従来なら同橋を往復するのだが、今回は台風24号で橋脚が破損したため、真ん中付近までの通行になるという。着物での参加が条件となっている。
「コンサートもありますよ!!男性も是非どうぞ!どなたでも参加できます。蓬莱橋をみんなで歩きましょう〜!」と、主催者のしまだきものさんぽの会。
参加者募集中で応募期間は5日⊶23日。問い合わせはラ・ミニョン小澤京子080・2665・7733。

越乃Shu*Kura
着物で列車で十日町観光 JRの観光列車
新潟県・食や観光など新潟の魅力を発信する新潟美人実行委員会(新潟市)は、JR東日本の観光列車で新潟県十日町市を訪れるツアー「きものShu*Kura」を15日に開く。十日町の地酒を味わうほか、地域の伝統産業の展示施設などを見学する。参加者に新潟の魅力を再発見してもらい、県外への発信につなげる。
ツアーはJR東の観光列車「越乃Shu*Kura」(酒をコンセプトとした列車)を利用し、新潟駅と十日町駅を往復する。車内では十日町の酒造会社、松乃井酒造場の清酒や県産野菜を使った新潟美人寿司弁当を提供。十日町では着物工場を見学できる「きもの絵巻館」や十日町市博物館などを訪れる3コースを用意する。
定員は61人で、参加費は1万円。十日町は日本有数の着物産地とされ、ツアーには着物を着用しての参加を呼びかける。

試着するなどして品定め
たんすに眠る着物どっさり 峰山でフリマ
京都府・家庭のたんすに眠る着物などを販売するイベント「きものふり~いマーケット」が3日、丹後ちりめんの本拠地、京丹後市峰山町の市峰山総合福祉センターで開かれた。府内外から訪れた多くの着物好きでにぎわった。
会場には市民らから寄せられた着物や帯、草履、反物など約5千点が並んだ。女性用の着物だけでなく、男性用や子ども用もあり、来場者たちは試着したり見比べたりしながら掘り出し物を探していた。
公務員の女性(44)は「食事会に着て行けるような着物と帯を探しに来た。良い物に出合えたらラッキーという感じで、迷うのが楽しい」と話した。
同市観光協会峰山支部「羽衣ステーション」が絹織物業界の活性化につなげようと開催しており、16回目。

松枝柄を赤色で染めた浴衣
兵庫県の「高砂染」 初の海外デビュー 
江戸時代に盛んに作られ、高砂市内の企業が復刻した染め物「高砂染」が、400年の歴史で初めてとなる海外デビューを果たす。中東のアラブ首長国連邦(UAE)で開かれる展示会に出展。復刻した着物や、約100年ぶりに新作したという浴衣を披露する。11月10日まで。
高砂染は、型染めを重ねる伝統技法と、謡曲高砂に登場する「高砂神社の相生の松」をモチーフとした文様が特徴で、祝いの心を表現する。江戸時代の姫路藩を代表する特産品として幕府への献上品にもなったが、昭和初期に姿を消した。昨年6月、再興を目指す会社「エモズティラボ」が発足。インターネットのクラウドファンディングで資金を募り、今年4月に復刻版の着物を完成させた。
出展するのは、世界有数規模の本の見本市「シャルジャ国際ブックフェア」。今年は日本が名誉招待国で、神戸にあるインバウンド推進団体から声が掛かった。

現地に向かう同社代表の寄玉昌宏さん(33)=同=は「高砂染が持つ『ことほぎ』の精神を伝えるとともに、お祝いのモチーフなど中東の文化も吸収したい」と話している。

作品が並会場
秋の丹波布展 24人が出品
兵庫県・秋の企画展「I LOVE丹波布展」が、丹波布伝承館(青垣町)で開かれている。帯地や小物など24人が約100点を出展。一部販売もしている。5日まで。入場無料。
専修生5人が企画。これまで11月下旬に開いていたが、もみじマラソンがあり、紅葉シーズンの初旬に時期を移した。
専修生は、岩﨑舞子さんが格子柄の藍の帯地を、谷口由美子さんが赤ちゃん用のおもちゃや上着、黒木加奈美さんが髪留めやにおい袋など、山本雅子さんはビワや藍で染めた着物を展示。矢野理代さんは専修生の端切れをパッチワークにした、作品展を告知するタペストリーや梅で染めたストールなどを出展し、「紅葉観光やイベント参加のついでに立ち寄ってもらえれば」と来場を呼び掛けている。
問い合わせは伝承館☎0795(80)5100。

晴れ着姿で鈴緒を握る
各地で七五三 晴れ着姿でにぎわう
七五三のシーズンを迎え岐阜市の伊奈波神社では4日、着物やはかまに身を包み、千歳あめを手にした子どもたちが保護者と参拝していた。岐阜市の小学1年の児童は「着物を着られてうれしい」と笑顔。母親は「健康で毎日楽しく過ごしてほしい」と話した。同神社には例年約4000人の子どもが訪れるという。
子育て祈願で知られる前橋市下大屋町の産泰神社にも、晴れ着姿の子どもたちが参拝に訪れた。大安と日曜日が重なり、赤やピンク色の着物姿の女の子や、紺や紫色の羽織を着た男の子でにぎわった。境内に設けられた大きな絵馬などの前で記念撮影する家族もいた。市内から訪れた内田
玲央成ちゃん(5)は「おみくじで大吉だった。自分で決めた羽織も気に入っている」と笑顔。父の直樹さん(42)は「いつまでも成長を見守っていきたい」と目を細めた。

緊張の中学生
和装文化に親しんで 前橋で十二単
群馬県・11月15日の「きものの日」を前に、和装文化に慣れ親しんでもらおうと、NPO法人群馬着好会(辻延子理事長)などは3日、県庁で平安装束の着装実演や着物の着付け教室を行った。約80人が参加し、華麗な着物に見入っていた。
高崎市立高松中学校(高崎町=渡根木好文校長)の3年生3人がモデルを務め、十二
や束帯を身にまとった。十二単は2人掛かりで着付けし、辻理事長が着付けに使う道具や流派による違いを説明した。

迫力の博多献上道中
あでやか博多献上道中 博多で20人練り歩く
福岡市・博多織や着物文化の良さをPRする恒例行事「博多献上道中」が3日、博多区であり、黒留め袖に博多織の帯を締めた女性ら20人が街を練り歩いた。
今年は例年とは異なり、「KOUGEI EXPO IN FUKUOKA(第35回伝統的工芸品月間国民会議全国大会)」が開かれているマリンメッセ福岡を出発。会場中央にそびえる博多祇園山笠の飾り山笠の前から歩き始めると、来場客はあでやかな姿にうっとり。同市西区の豊田彩子さん(44)は「すごく豪華で迫力があった。いつか自分も出たい」と話した。
この後、一行はJR博多駅前で博多券番の芸妓げいぎ衆と合流。芸妓衆の乗った人力車を先頭に、東長寺や承天寺などを巡った。

どなたでも入場可
第69回丹後織物求評会 斬新さのある優秀作品展示
京都市・丹後産地の一大イベント「第69回丹後織物求評会」は「織物語 300年を紡ぐ丹後の技巧」をテーマに13日(火)~15日(木)の3日間、丸池藤井ビル3階(中京区室町通蛸薬師下ル)で開催される。13日は経済産業大臣賞ほか13賞16点の入賞作品を決める審査会、14日、15日の両日は、業界関係者の展示商談会が行われる。会場には一般客も来場可で、丹後ちりめんカレンダーなどの進呈を用意して「丹後産地の力をこめた珠玉の技を是非見にきてください」と主催者。入場無料。
また、企画展として平成29年度に製作された産学公コラボレーション作品や丹後若手機業グループ絹友会PRブース、京都府織物・機械金属振興センター試作品・事業成果品の展示、2019年丹後ちりめんカレンダーきもの展、また特別企画として「男のきもの(着尺)コンテスト」(14日のみ)が行われる。問い合わせは丹後織物工業組合総務1課☎0772(68)5211 。丹後ちりめん

晴れ着姿で手をつないで歩く家族連れ
華やか七五三参り 諏訪大社上社本宮
秋晴れに恵まれた文化の日の3日、諏訪市神宮寺の諏訪大社上社本宮は子どもの成長を願う七五三参りの家族連れでにぎわった。晴れ着姿の子どもたちが両親や祖父母に連れられ、次々とお参りに訪れた。
華やかな振り袖や羽織はかまに身を包み、幣拝殿で祈とうを受けた。千歳あめや風船を手に持ち、うれしそうに記念撮影をする姿もあった。一般の参拝客も多く訪れ、「かわいいね」とほほ笑んでいた。
同市下金子の永由紗環さん(6)は両親、祖父母、姉の心愛さん(10)とお参り。「縄跳びを頑張りたい。将来はモデルかキャビンアテンダントになりたい」と夢を膨らませた。父の恒司さん(41)は「素直に元気に育ってほしい」と笑顔だった。

倉庫内で蚕を育てる村上さん
中心街で養蚕アート 前橋
群馬県・前橋市中心街で蚕を育て、とれた繭糸を使った作品を展示する「蚕起桑食生糸紡音(かいこおきてくわをはむうまれるいとをつむぐおと)」が3日、ぐんま絹遺産の旧安田銀行担保倉庫(同市住吉町)の糸蔵で始まった。
かつて乾繭を保管した同倉庫の活用を図る上州文化ラボ代表の村上雅紀さん(36)が生産した繭糸を、活動に共感した同市のアーティスト、後藤朋美さんが利用した。村上さんは「養蚕と倉庫を結び付け、文化の発信や観光につなげられないか、可能性を探りたい」と話している。4日まで。

伝統文化発信へ内外奔走
横浜と絹の魅力を次世代に 頑張る事務局長
神奈川・日本の近代化を支えた生糸貿易の中心港となった横浜。15~17日に、横浜市で絹の歴史文化を発信するイベント「横浜絹フェスティバル」が開かれる。発起人の一人で事務局長を務める池田喜政さん(66)は、高島屋で50年近く呉服の商いに携わり、業界内では「伝説のバイヤー」として知られた存在だ。自身が生まれ育った横浜と絹の魅力を次世代に伝えるため、国内外を奔走する。
2016年に始めた絹フェスティバルは、着物や横浜の地場産品「横浜スカーフ」のファッションショーや着付け体験など着物や絹にまつわる催し。高島屋が祖業とする呉服部門で長年バイヤーを務めた池田さんが、京都の京友禅や茨城の結城紬、沖縄の紅型など絹を使った衣料品を一堂に集める。
1970年に地元の高島屋横浜店に入社して数年後に高級呉服部門に配属となった。知識はまったくなかったが、自費で京都の染め屋や織物屋を回り、呉服の奥深さにのめり込んだ。生糸から製品までを一貫生産するなど製品開発にもかかわり、各地の養蚕家や製糸業者とのパイプを築き上げた。
絹フェスティバルを立ち上げるきっかけとなったのも高島屋横浜店でのイベントだ。栃木県那珂川町の絹を使い、地域の子ども向けにハンカチ染めのイベントを開催したところ「横浜は絹の輸出で日本の近代化を支えたという歴史を知る人が減っている」ことを痛感。横浜と絹のつながりを広めるため、地元の繊維商社の社長ら3人とともに発起人に名を連ねた。
現在も高島屋のMD本部顧問の肩書を持ち、着物や日本文化の普及を目指し、中国やベトナムなど海外を飛び回る生活を送る。ハマッ子として横浜への愛着は人一倍強く、「どこから来たのかと聞かれて東京の近くから来ましたとは言いたくない」。フェスティバルを起爆剤に横浜と絹の魅力を世界にも売り込んでいく意気込みだ。

工芸エキスポで博多織を777枚吊す
博多織誕生777年 若者に復権託す
福岡の伝統工芸品「博多織」が今年、誕生から777年を迎えた。消費者の着物離れで生産量の減少が続くなか、社員が副業で若い感性を取り込んだ作品を販売したり、業界団体の代表が大幅な若返りを図ったりし、縮小傾向になんとか歯止めを掛けようと奮闘している。7の字が3つ並ぶ縁起のいい年に新風を吹き込めるか。
着物離れで博多織の生産額は年20億円程度とこの10年で半減。帯中心の商品開発から脱却し、ラインアップを広げないと生き残れないという危機感が強まっている。
「自分たちが形にしたいと思う博多織の小物を作っています」。博多織の帯を製造する、はかた匠工芸(福岡県大野城市)の社員、蓑田晶さん(29)と片木奈津子さん(29)は笑顔をみせた。蓑田さんらが制作しているのは、水色や桜色など色鮮やかな博多織の布で作られたイヤリングやポーチ。若い女性が好みそうなポップなデザインで、福岡市博多区にあるセレクトショップ「九州マルシェ」の店頭に並んでいる。
変わり始めたのは若者だけではない。博多織工業組合は5月、新しい理事長に岡野博一氏(47)、副理事長に讃井勝彦氏(42)を選出した。30歳以上の若返りを決断した寺嶋貞夫・前理事長(80)は「博多織を800年、1000年存続させるためには若手の活躍が欠かせない」と話す。
岡野氏は博多織の製造販売、OKANO(福岡県那珂川市)の五代目社長。讃井氏は同、サヌイ織物(福岡市)の社長を務める。岡野氏は「博多織を従来の伝統工芸から『産業』に変革する」と意気込む。

森田さんと後藤さん
秋の褒章受章者 二人を紹介
黄綬褒章に京都の染織整理師 森田實さん(75)と名古屋の和裁士 後藤淑子さん(76)。
森田さんは1888(明治21)年創業の森田整理(京都市中京区)の3代目。染物屋や問屋、呉服店から着物や袈裟が届く。くたびれた着物から数100万円の品まで。対応できなかった同業者から託されることも珍しくない。布をのばし、幅を出して整える。汚れを落としたり、撥水加工を施したりもする。
「気を使うが、やりがいがある」のは形見の品だ。亡くなった母の着物を着たいと寸法の変更を頼まれることもある。「うまくいって褒められると、また難しいことをやろうと思う」と話す。また「プリント柄の着物を楽しむ観光客が増えた。伝統ある着物とは違うと否定的だったが、まずは若い人に着てもらって着物の良さを知ってほしい」といまは前向きにとらえる。
後藤さんは「ただひたすら、和裁の普及に取り組んできた。それでご褒美をいただけるなんて」。受章の知らせに顔をほころばせ「家族や一緒に頑張ってきた生徒たちに感謝したい」と喜んだ。
和裁学院を営んでいた両親の背中を見て育ち、子どもの頃から和装に親しんだ。そのため自然と和裁で身を立てることを志し、親元で修業を始めた。
1967年、夫と創業した和服仕立業「後藤和裁」に和裁学院を併設すると、全国から生徒が集まった。寮生活の生徒の親代わりになり「地元に帰れない事情がある子は、ここからお嫁に出した」と振り返る。耳の不自由な生徒には筆談などで指導し、教え子たちは全国障害者技能競技大会で好成績を収めてきた。着物を着る人は減ったが、「子ども用に仕立て直してほしい」と依頼が入ると、世代を超えて長く使える着物の良さを再認識する。「50年以上続けている仕事でも、より仕立てやすい縫い方など日々発見がある。元気でいる限り、山の高みを目指したい」と話した。

総合見本市の会場風景
桐生で総合見本市 32の企業 団体出品
群馬県・繊維の産地桐生の総合見本市「桐生テキスタイルプロモーションショー(TPS)桐生展」が2日、桐生市織姫町の桐生地域地場産業振興センターで始まった。32の企業・団体が質の高い生地や、仕立てた着物などを出品している。和装とテキスタイルの2部門。桐生絞の着物、ワンピースや織物のサンプルが並ぶ。4日まで。
TPS開催事業は、繊維産地「桐生」にある企業が一堂に会し、次代のコンセプトに沿った新製品を発表する展示会であり、 産地が一丸となり「桐生ブランド」を国内外にアピールする場となっている。桐生織

宝達志水町ゆかりの5人の友禅作家
五輪の振り袖6点 5人が友禅で彩る
石川県の宝達志水町出身や同町ゆかりの友禅作家5人による、東京オリンピックパラリンピックの出場国をイメージした振り袖作品の展示が、同町生涯学習センターさくらドーム21で始まり、華やかな空間をつくり出している。
同町文化祭の企画で、生け花作品と合同で「東京友禅と花の競演」と名付けて開いている。4日まで。
一般社団法人イマジン・ワンワールドのKIMONOプロジェクトの活動の一環。東京手描友禅伝統工芸士の同町上田出出身、坂井教人さんと上田出出身で東京都工芸染色協同組合理事長の江上昌幸さん、森川明洋さん、森川雄大さん、坂井三智子さんの5人がパラオ共和国やシリア・アラブ共和国、デンマーク、アラブ首長国連邦、ジャマイカ、フィジーの6点を展示。
各国大使館とやりとりを繰り返し、国旗の配色で彩ったり、国鳥や国の花を描いたりと各国を象徴する図柄が描かれている。森川明洋さんはデンマークの作品で、日本の浮世絵やアンデルセンの童話世界などを描いた。
85歳の坂井教人さんは15歳で東京へ修業に出る時に宝達山に誓いを立て、「故郷に錦を飾りたいという思いでやってきた」と仲間の思いを代弁した。森川雄大さんは「日本の文化である着物が世界に発信され、着物のすばらしさを感じてもらえたらうれしい」と話した。スポンサーの1人である横浜市のあべプロ代表安部毅一さんは会場を訪れ、「これだけの作品を1度に見られるのはすばらしいこと」と話した。
ほかに「兼六百景」や「芳香」「大願成就」などの作品を展示している。文化祭では4日まで各団体の作品展が開かれ、3日には町役場で芸能発表会がある。

織物と阿部さんと沓沢さん
幻の「亀綾織」復活 「伝承協会」沓沢さん尽力
山形県・新庄亀綾織は、新庄藩9代藩主・戸沢正胤が1830年に技術者を招き、藩の特産品として生産を奨励したのが始まり。だが、68年の戊辰戦争で城下町の大半が焼かれ、生産が途絶えた。70年に士族の婦女子を集めて生産が再開されたが、1903年に養蚕に使用していた施設が中学校の下宿として使われることになり、完全に生産が途絶えた。85年に任意団体「新庄亀綾織伝承協会」が発足し、財布やふくさなど小物の生産が再開されたものの、着物に使う反物の生産は途絶えたままだった。
反物復活の立役者の一人は、同協会で広報戦略を担当する沓沢沙優里さん(58)だ。沓沢さんは愛知県出身で、2008年に結婚を機に鮭川村に移り住んだ。15年秋、新庄市の同協会にたまたま立ち寄った際、展示された亀綾織の美しさに魅了された。元々着物好きで、「何とか着物として復活させたい」と、無給で協会を手伝うことを決めた。
反物を復活させるためには、卸先の確保などを含め老舗織屋の協力が不可欠。沓沢さんは16年10月、京都市の京都染織文化協会に相談し、亀綾織のサンプルを送ったところ、西陣織の老舗「細尾」の細尾真生社長の目に留まり、細尾社長から「どんな所で織っているのか一度見たい」と連絡があった。その後細尾社長から米沢織の老舗「新田」(米沢市)の新田源太郎社長を紹介された。織り方などのアドバイスをもらえるようになり、反物の生産の環境が整った。
反物を織る中心的な役割を果たしたのが、同協会の織り手・阿部友香さん(31)。新庄市出身で、県外の短大を卒業後、11年5月に同協会の求人募集を見つけ応募した。織物は未経験だったが、見よう見まねで機織り機の使い方を学び、織り方を覚えた。
10月6~7日には山形市でお披露目会を開き、参加者から「亀綾織の存在を初めて知った」「織りが
緻密で美しい」と称賛の声が上がった。早ければ来年にも、細尾を通じて着物生地として販売される予定だ。詳しくは

辞任した吉田重久氏
私的費用発覚 日本和装H創業者
着物の仲介販売や着付け教室を展開する日本和装ホールディングスは、創業者で会長兼社長の吉田重久氏(55)が個人保有するクルーザーや高級車の維持費を不適切に会社で負担していたと発表した。同社が設置し弁護士などでつくる特別調査委員会は吉田氏に計約6千万円の返還を求めた。
吉田氏は全額を返還し、10月31日に役職を辞任。後任の社長には道面どうめん義雄氏(32)が就いた。
調査委の報告書によると、2014~18年にかけて吉田氏が所有するクルーザーの係留利用料など2312万円や、16~18年にかけての高級車ロールスロイスの自動車税、保険料など181万円を会社が負担していた。社長になった道面氏に対しても、17~18年に会社が負担した社宅の賃貸料や駐車場代が過大だったとして、439万円の返金を求めた。同社は、無料の着付け教室を全国約300カ所で展開しており、17年12月期の売上高は52億円。

高橋さんの作品
第25回全国染織作品展 シルク博物館
シルク博物館(横浜)で、「全国染織作品展」が開催されている。25日まで。
同展では、絹を用いた染織作品を広く全国から募集し、厳正な審査のうえ、入選した作品を一堂に展示しており、次代をになう新進作家の育成及び染織技術の向上と服飾文化の発展を図るとともに、絹の需要増進に寄与することを主旨としている。
大賞にはは髙橋怜子さん制作の織訪問着「水辺のModernism―桂」、博物館賞には海瀬美紀江さん制作の染着物「つわ蕗(ぶき)」がそれぞれ選ばれた。入選作品は着物35点、布地3点、帯14点、壁掛けなど12点で、過去の大賞作品も並ぶ。
「絹は古くから独特の光沢や風合い、美しい染織の良さなどを有し、主として優れた高級衣料として用いられて
きました。そして、高度な染織技術は、現代まで日本の大切な伝統文化として受け継がれています。
本展では、絹を用いた染織作品を一堂に展観しています。次代をになう新進作家などによる優美な着物や斬新なデザインの壁掛けなどをお楽しみいただけます」と主催者。
17日午後1~3時に試着体験、24日午前10時と午後1時にシルク講座がある。当日自由参加。有料。問い合わせは同美術館☎045(641)0841。

着物を見る大使夫妻と太田さん
ウクライナと加賀友禅 大使が着物見学
石川県・ウクライナをイメージした加賀友禅の着物の制作が佳境を迎えている。10月末には駐日ウクライナ特命全権大使のイーホル・ハルチェンコ氏(56)が金沢市の制作現場を見に訪れ、「いくつもの伝統的なシンボルが一つの着物に描かれている。素晴らしい」と語った。
訪れたのは伝統工芸士の太田正伸さん(55=金沢市)の工房。着物にはウクライナ伝統のイースターエッグ「ピサンカ」の模様をヒマワリの中央に飾った他、首都キエフにあるウラジミール一世の像も描かれている。
太田さんは「加賀友禅は控えめな色調で花鳥風月を写実的に描くが、今回は鮮やかに大胆にデザインした。ウクライナを身近に感じるようになった」と伝えた。袖の内側には桜が描かれており、大使夫人のマリアさんは「日本とウクライナの完璧な融合」と喜んだ。
制作中の着物に大使夫妻も筆を入れ、彩色の工程を終えた。青色に地染めし、11月中に完成させる。
2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、206の参加国・地域の着物を作るプロジェクトの一環で、これまでに114カ国分が仕上がった。加賀友禅では計20カ国分を作る。
大使はこの後、市役所で細田大造副市長と懇談。金沢とウクライナの都市との間での姉妹都市締結に前向きな姿勢を示した。加賀友禅

カレンダー販売開始
10月度生産実績 丹後織物工業組合
京都府・「京都の織物新境地へ」の見出しが目に留まった。西陣織や京友禅の企業が、帯や着物など和装以外の事業を強化している、というのだ。その代表格に西陣の細尾やリニスタ、そして老舗の千總を挙げている。それぞれに成功を収めているようだ。
今年も残すところ2か月となった。神無月の丹後ちりめんの生産量はどのように推移したのだろうか。残念ながら、今年2番目の落ち込み(昨対)だった。
10月の丹後ちりめんの生産量は、22.919反で、昨年同月の25.167反に対し2.248反のマイナスとなり、昨年対比で2.000反を超える減少で終わった。目立ったのは紋無地で、特に紋綸子が足を引っ張ったようだ。操業日数は20日で前年同月より1日少なかった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。▼一越・古代=29(145)△変り無地=4.211(3.889)□小計=4.240(4.034) ▼紋綸子(軽)=1.792(2.458)▼紋綸子(重)=2.202(3.236)△銀意匠・朱子一重=30(7)▼紋意匠・朱子二重=11.951(12.472)▼絽織・紗織=1.151(1.312)▼その他の紋=120(148)▼金・銀通し=811(1.289)△縫取・絵羽=622(211)■小計=18.679(21.133) ■合計=22.919(25.167) ▼パレス=608(667)△紬=229(203)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。
丹後ちりめん

ニューアーク美術館
着物が与えた洋服への影響 KCIが米で巡回展
京都服飾文化研究財団(KCI)は、 米国で約1年間かけ、着物が西欧のファッションに与えた影響を紹介する巡回展「Kimono Refashioned」を開く。19世紀後半から20世紀前半、着物に触発されたシャネルなどのドレスとともに、現代の服飾を展示。時代と空間を超える着物の普遍性を読み解く。
着物の洋服への影響は19世紀に文様など表面的な部分から始まり、20世紀に入って直線的な裁断など構造面にも拡大した。現代においては、今回出展する三宅一生、川久保玲ら日本人デザイナーのインパクトが大きい。同財団キュレーターの新居理絵氏は「彼らは着物と洋服の違いを理解して日本人に合う服を作り、その快適さを世界が認めた」と指摘する。
同展は、新たな着物が現代ファッションを刺激し、創造を促している点に焦点を当てる展覧会になっている。19世紀半ば以降の着物に影響を受けた作品を先導役とし、現代デザイナーたちが染織技法、形、着こなし方など、様々な角度から着物にヒントを得ている作品を取り上げている。KCI の衣装コレクションを中心に、米国の美術館が所蔵するジャポニスム期の着物が登場する絵画作品の他 、着物や浮世絵なども登場する。
着物がファッションに与えた影響を考察する本展は (10月13日より)19年1月6日までニューアーク美術館現で在開催中。同2月8日から5月5日までサンフランシスコ・アジア美術館、6月28日から9月15日までシンシナティ美術館を巡る。

江戸褄文手描き色留袖と樋口さん
ギネス記録の着物コレクター 収集品を展示
岐阜県・集めた着物3045枚がギネス世界記録として認定された樋口冨喜子さん(72)=揖斐川町=のコレクションを展示する「ギネス認定きものコレクション~岐阜ゆかりのきものたち~」が県博物館で開かれている。25日まで。
樋口さんが着物収集を始めたのは2000年ごろ。NPO法人が実施していた不用品の再生活動で「材料の布」として着物を購入。その後、ちりめんや絞りなど着物の素材や技法などの奥深さを知るうちに、一枚一枚の着物をいとおしく感じるようになり、収集が始まった。
江戸時代中期から現代までのコレクションは、現在では羽織や帯も含め約6千点。ほとんどは樋口さんが着るためではなく、芸術品として楽しむためという。一方、母からもらった大切な着物を樋口さんに預ける人もいるといい、着物それぞれに込められた思い入れも大切にしている。
だからこそ「たくさんの方々に見てもらえれば、この子たちもきっと喜ぶと思います」と樋口さん。ずらりと並んだ着物や帯を我が子のように見つめ、目尻を下げた。
ゆかりの人間国宝の手による着物や、鵜飼いが描かれた帯など約100点が展示されている。
入館無料。問い合わせは県博物館☎0575(28)3111。

モニターでバッチリ
着物選び楽々 広島のやしまがVR導入
着物販売のやしま(広島市中区)は仮想現実(VR)の技術を使い、着物を着た姿をモニターに映し出すシステムを導入した。試着の手間を省き、似合う色柄を手軽に見つける手助けをして若い女性客を増やす。
顧客がカメラの前に立つと自動的に体形を分析し、モニター(高さ約120㌢、幅約70㌢)に着物を自動表示する仕組み。桜やツバキ柄などの振り袖や訪問着など女性用に25パターンを用意した。手を払う動きで別の着物に表示を変えられる。
やしまが中国地方で展開する全23店のうち8店に導入した。若者向けの販売店キモノグラース(中区)など広島県の4店と山口、岡山、島根、鳥取県の各1店。来年10月までに男性用を含め50パターンに増やす予定でいる。

年賀状用の伊勢型紙
と作業する彫刻師
干支デザインの伊勢型紙で年賀状を 鈴鹿で製作進む
三重県・伊勢型紙の町に早くも迎春商戦が到来。来年の干支えとのいのししをデザインした年賀状用の伊勢型紙作りが、鈴鹿市白子の大杉型紙工業で進んでいる。作業は12月下旬まで続く。
年賀状用の伊勢型紙は、はがきにかぶせた上から絵の具などを擦り込み、型紙の模様を謄写するのに使う商品。着物の生地に模様を染めるための伊勢型紙を応用し、同社が毎年作っている。素人でも味のあるデザインを大量に再現でき、使う色を変えれば個性も発揮できる。
伊勢型紙の型地紙は、柿渋を塗りながら和紙3枚を貼り合わせてあるため丈夫で、ぬれても伸縮しにくい。年賀状用は黒いウレタン系のスプレーのりを吹き付け、より強度を高めている。
今年は全15種類を用意した。同社のデザイナーが図案を作り、専属の彫刻師2人が中心となって9月から彫っている。完成した商品は今月上旬から順次、同社経営の店舗「おおすぎ」などで販売している。
彫刻師の長谷川克己さん(67)は「買った人が楽しく年賀状作りができるよう心を込めて彫っています」と話している。
説明書と着色例、試し染め用紙が付いて1枚648円(税込み)。問い合わせはおおすぎ☎059(387)1515。伊勢型紙

縮緬地洋花模様 大正時代
「和装モダン」を開催 東京家政大学博物館
東京都・東京家政大学博物館(板橋区)では22日(木)まで、特別企画展 「和装モダン」を開催している。これは、大正から昭和時代前期までの女性の着物を中心に展示し、和服が日常着であった時代の華やかでモダンな和の装いを紹介するもの。会期中は講演会やギャラリートークなどのイベントも多数行われる。入館料、イベント参加費無料。
大正時代以降、女性の社会進出が進み、社交の場も増加する。その結果、そこに出かけていくための衣服の需要が高まり、正装ではない実用的な洋服が紹介されるようになった。しかしそれでもなお、女性たちの多くは慣れ親しんだ着物を衣服として選んでいた。そうした女性たちのために、百貨店や婦人雑誌は生産地とタイアップして、新商品を次々と打ち出して流行をつくり出し、和服の中にもさまざまな選択肢を用意した。また、流行の中心が正装から訪問着に、そして普段着に移っていくことで、より多くの女性が流行を楽しめるようにもなっていった。
特別企画展 「和装モダン」では、こうした大正から昭和時代前期までの中で親しまれていた女性の着物を中心に展示し、和服が日常着であった時代の華やかでモダンな和の装いを紹介する。問い合わせは同博物館☎03(3961)2918。
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