10月のニュース




話  題
八十山さん(左)が描いた竹と昇り竜のふすま絵
ねね しのぶ
迫力ふすま絵
高台寺で特別展示

京都市・豊臣秀吉の妻「ねね」ゆかりの東山区の高台寺で、石川県小松市の洋画家八十山和代さん(58)が描いたふすま絵が特別展示されている。昨年12月から9カ月かけて、竹と昇り竜、スズメをふすまの両面に描いた。名刹の本堂に飾られた鮮やかなふすま絵に八十山さんは「同じ女性として、ねねへの尊敬の思いを込めました」と感慨深く話す。
ふすま絵は、高さ1.8㍍、幅3.6㍍。八十山さんは昨年7月に共通の知人を通して高台寺の後藤典生執事長(69)と知り合い、本堂内の「上間じょうかんの間」のふすま絵の制作依頼を受けた。昨年末にふすま絵の骨組みが八十山さんの元に届き、制作を始めた。
真っすぐに伸び、地下茎を張り巡らす竹の生命力に感銘を受けて竹を描き続ける八十山さん。今回も高台寺にある竹林をモチーフに、青々とたくましい竹や天に昇るねねをイメージした迫力のある竜を描き上げた。今年9月まで9カ月間と制作期間は短かったため、寝る間も惜しんで制作に励んだ。
八十山さんは「大変でしたが、私にとって名誉なこと。短期間でしたがきっちり、細密に描けてよかったです」と話した。
ふすま絵の作成を依頼した後藤執事長は、完成したふすま絵に「メリハリのある鮮やかな着物を好まれたねねさんらしい絵。立派なふすま絵を描いてもらいました」と喜んでいた。
特別展示は、紅葉の時期に境内がライトアップされる高台寺の秋の特別拝観に合わせて12月10日まで開催。拝観時間は午前9時~午後10時(受け付けは午後9時半)。拝観料は大学生以上600円、中高生250円、小学生以下は無料。

きものニュース

さすが京都
市職員が着物で仕事 きものの日
京都市・「きものの日」の15日、京都市職員の有志が着物姿で勤務し、和装のユネスコ無形文化遺産登録へ向けた機運を盛り上げた。市産業観光局の呼びかけに約150人が応じ、女性は小紋や付下げ、男性は着物に羽織姿で仕事をこなした。
淡いピンクの着物をレンタルしたという伝統産業課の西川美沙子さん(28)は、「なかなか普段着る機会がないが、着ると晴れやかになり気が引き締まります」と話した。
きものの日は、全日本きもの振興会が七五三の日に家族そろって着物で出かけてほしいという願いから昭和41年に制定された。

作品展の様子
全国の自然布一堂に 御前崎で初作品展
静岡県・県の伝統工芸の葛布くずふをはじめ、全国の自然布を一堂に集めた作品展が、御前崎市の静岡カントリー浜岡コース&ホテル・カルチャーフロアで開かれている。13工房が出展し、人間国宝や国の重要無形文化財に指定されている工房が手掛けた貴重な作品も並ぶ。各工房でつくる「全国古代織連絡会」が県内で初開催した。12月3日まで。
アットウシ織(北海道)、大麻布(栃木県)、芭蕉布(沖縄県)など全国各地から集まった。鳳凰が箔押しされたひたたれや琉球王朝で使われた芭蕉布装など歴史的な史料約60点と、「草薙の剣」をモチーフにした着物と帯など現代の作品約30点が並ぶ。
19日午後2時からは「葛布の製法と歴史」と題し、県内の葛布の工房で創作する作家が講話する。26日午後2時からは全国の自然布関係者が集まったシンポジウムも開く。いずれも無料。大井川葛布(島田市)の織元で、同連絡会事務局長の村井龍彦さんは「これだけの作品を見られる機会はめったにない。自然布の素晴らしさを知ってほしい」と来場を呼び掛けている。
問い合わせは同フロア☎0537(86)2025。古代布

300日を着物で過ごす高野さん
さいたまを着物で 第1回は氷川神社界隈
さいたま市・市内を着物で散歩する「第1回 さいたま着物さんぽ」が26日、大宮の武蔵一宮 氷川神社かいわいで開催される。
着物関連の仕事に長年携わり、男性の着物についての情報発信をしている大宮区の高野裕樹さんらが「日常で着る機会が1日でも増えれば、市内に着姿が増え、着ることにも慣れてくる。しかもみんなで着て街歩きをしたら楽しい」と企画した同イベント。
年間300日は着物で過ごすという高野さんは「着物と洋服では日常の動作も変わってくるので、脳に新しい刺激を与えると思う。いろいろな着方ができ、アイテムでいろいろ楽しめ、畳めば真っ平で場所も取らない。通気性もあり、襟元や袖口を閉ざせば温かい。良い意味で『目立つ』ファッション。人の視線は色気の肥やし」と着物の魅力を話す。
「着物はハレの日のものだけではなく、本来は普段の日常生活でも『着る物』であるはず。着物も価格が高いものばかりではないし、素材も絹、綿、ウール、化学繊維が入っているものなど、用途によっていろいろある。『こうでなければいけない』とこだわらず、寒ければ寒いなりに、足元も近所に買い物に行くなら靴下にサンダルだっていい」とも

「上品会」で披露された訪問着
京都高島屋が上品会 京染会館
京都市・高島屋が染織8社とともに完成させた帯や着物を発表する上品会じょうぼんかいが14日、京都市中京区の京染会館で行われた。昭和11年に始まり、戦争で一時中断したものの今年で66回目を迎えた。
毎年テーマを変えて制作。来年は「童謡」という言葉が発表されて100周年を迎えることから、今回のテーマは童謡となった。
千切屋(中京区)の「茶摘み」をイメージした訪問着は、着物全体に冬から夏にかけての茶畑を表現し、龍村(同区)の「花」をイメージした帯は、写り込む青空と満開の桜を細かなとじで織り込むなどして、歌詞に込められた日本人の心を表現した。
上品会の作品は高島屋と各社がテーマに沿った下図作りから客に伝わる表現であるかなどについて意見交換と審査を半年にわたって行い、試作・検討を重ねて完成にこぎつける。作品はすべて高島屋が買い取る。
千總の西村總左衛門会長は「これに向かって一生懸命やることが職人の生き甲斐になっている」と話し、龍村の龍村旻社長は「呉服の需要が縮小する中で、どうやったらいいものを作れるかを切磋琢磨できる場」と話していた。

2年かけて完成の風神
京鹿の子まるで屏風絵 柏原で職人展
兵庫県・丹波市柏原町柏原、町家ギャラリー「るり」で15日、「京の絞り職人展」が始まった。伝統工芸の「京鹿の子絞り」の染色技法を駆使して制作した風神のタペストリー(縦1.6㍍、横約1.8㍍)など約280点を展示。繊細、華麗な世界が訪れた人を魅了している。18日まで。
「京の絞り職人衆 京都絞栄会」主催。同会は、約1300年の歴史を持つ絞り染めの技法を保存、PRしようと1985年からテーマを決めて大作を制作。完成した作品を京都絞り工芸館(京都市中京区)で公開するほか、各地に出向いて展示会を開いている。丹波市では2008年から毎年、同ギャラリーで開いている。
タペストリーは、風神、雷神など4神を描いた大作の一部。40人の職人が2年がかりで完成させた。20種の染色技法を駆使して
屏風絵のような迫力ある作品に仕上げている。
職人の竹内雅雄さん(57)は「伝統の技法の奥深さや水準の高さを間近で見てほしい」と話した。
会場では着物やスカーフ、バッグなどの作品が展示即売されている。問い合わせは同ギャラリー☎0795(72)1608へ。

「着物を着ましょう」PR
着物で奈良の町歩き 和装男女80人
奈良市・「きものの日」である15日、奈良市で着物販売などを手がける「京ろまん」が「奈良着物ウォークラリー2017」を開いた。和装の男女約80人が同市のJR奈良駅前から猿沢池までの約1㌔を歩き、「着物を着ましょう」とアピールした。
一般社団法人・全日本きもの振興会が設立時の1966年に11月15日を「きものの日」と制定した。
一行を見かけた観光客らは盛んにシャッターを切っていた。参加した京都府宇治市の看護師・伊佐奈津美さん(24)は「着物を着ると身が引き締まる。日本の女性ならではの格好をして、奈良の町中を歩くのはとても楽しい」と声を弾ませた。

自作品を手にする今泉さん
1人で製作の結城紬」完成 小山市の紬織士
栃木県・ユネスコ無形文化遺産に登録された本場結城紬の技術を継承するため、小山市が採用した「紬織士」の今泉亜季子さん(27)が、全工程を1人の手作業で製作した反物を完成させた。
結城紬の代表的な柄である亀甲文様が帯状に入った「100亀甲帯状」で、濃い茶色。今泉さんは、昨年12月中旬から自ら図案を作成し、原料作りの工程である「糸つむぎ」を除く「染色」や「絣括り」、「地機じばた織り」の20工程を順次経て先月半ばに完成させた。通常、20の工程は5人の技術者が分担するという。
今泉さんは栃木市出身で、2014年に採用。伝統工芸士の工房で少しずつ技術を習得しながら6反を製作。7反目となる今回、初めて全工程の技術を習得した。「自分で織り上げて、やったという感じ。先輩の技術をしっかりと身につけていきたい」と語る。早速、亀甲柄が全面に入る8反目の「100亀甲総柄」に取り組んでいる。
また、市は来春に2人目の紬織士を採用する計画で、今泉さんが先輩として一緒に技術習得に励む。結城紬

カバの牙(奥)と受賞作の里の秋
石見根付が文科大臣賞、江津の田中さん
島根県・
江津市嘉久志町の彫刻家田中俊睎さん(75)がカバの牙を彫った石見根付ねつけの作品が「第40回記念日本の牙角げかく彫刻展」で文部科学大臣賞を受賞し、このほど山下修市長に報告した。田中さんは「象牙の作品が多く、カバの牙での作品は挑戦だったので、受賞はうれしかった」と喜んでいる。
根付は印籠などを着物の帯に提げる時、落ちないようにひもの先に付けて帯に挟んだ留め具。受賞作は長さ14㌢で、カバの牙の形を生かし、丸まった枯れ葉の中からトカゲが獲物を狙う一瞬を「里の秋」と名付けた。
「石見根付の特長を生かすため、硬いカバの牙にした」と田中さん。制作には構想を含めて約1年かかったという。

受賞した大沢知事
大沢知事に恩賜賞表彰 大日本蚕糸会
東京都・大日本蚕糸会(新宿区百人町3丁目25−1=小林芳雄会頭)は10日までに、本年度の蚕糸功労者表彰で、最高賞の恩賜賞を大沢正明群馬県知事に贈ることを決めた。群馬関係の恩賜賞受賞は12人目。表彰式は16日、東京都内で行われる。
「富岡製糸場と絹産業遺産群」の世界遺産登録を実現したほか、群馬県独自の蚕糸業継承対策を通じて養蚕の新規参入者を増やしたり、碓氷製糸の株式会社化を支援するなど、蚕糸絹業の振興に尽力したことが理由。

エスプリの振袖
愛情りんご総合展 呉服専門店エスプリ
鳥取県・呉服専門店「エスプリ・ドゥ・フルール」(倉吉市)は毎年恒例の「愛情りんご総合展」を16~20日に開く。
期間中、熟練した技術がなければ表現できない「ぬれ描き友禅」作家の山田あきら氏、バッグやショール、草履など小物を取り扱う夢衣がそれぞれ京都から来場し、作品を解説しながら展示即売するほか、着物、宝石、バッグなどを通常価格から大幅値下げして販売する。
稲毛女久美社長は「京都の風情ある着物と小物が同時にコーディネートできる絶好の機会。ぜひ足を運んでほしい」と話した。
午前10時~午後7時(最終日午後5時)。問い合わせは電話0858(23)1500。

呼び掛ける小杉さん
和のテーマでものづくりイベント 行田
埼玉県・行田市の藍染め体験工房「牧禎舎」で月17日から、着物や小物雑貨など和をテーマにしたイベント「和ンダーランド埼玉」が開かれる。
和の作家や職人との出会いやものづくり体験を提供する同イベント。熊谷市で呉服店を営む小杉治さんが、地域の人に着物や和に親しんでもらいたいと企画し、今回で5回目となる。
小杉さんは「縁があって牧禎舎を知り、すてきな空間で何かできないかと考えていたところ、和小物や和雑貨を作る作家たちとつながる機会があった。『作品を発表する場がない』という話を聞いて、これはと思った。初めは7、8組の参加だったが回を重ねるごとに応募も増えている」と話す。
当日は、ドラマ「陸王」にも出てくる「勝ち虫」をモチーフにした小物が話題の「仕立て屋りゅうのひげ」や、和小物、和雑貨の作品を並べるほか、子どもも体験できる13のワークショップを企画する。
絞り方で模様が異なる「絞り染め体験」や糸が布になる瞬間が分かる「はた織りコースター作り」、藍染め体験などワークショップは毎回好評で、1日に何度も体験を楽しむ参加者もいるという。
「当イベントが地域の交流の場になってほしい」とも。「町おこしというと外から人を呼び入れることを考えるが、身近な人を知り近所の人が交流することも大事だと思う。子どもからお年寄りまで、気軽に集まり情報を共有できる憩いの場にしたい」と話す。入場無料。19日まで。

講師の村尚也氏
「日本人のタブーのお話」開始 神田外大
千葉市・神田外語大学(美浜区)が30日に「Why Japanese People~日本人のタブーのお話」を同大学ミレニアムホールで開催する。
講座は、同大の学生や一般の人に海外で日本人が聞かれる様々な質問を題材とし、「日本とは、日本人とは何か?」を考え、日本の独特な文化や習慣を、自ら学ぶきっかけを提供することを目的としており、「しきたり」という暗黙のルールが多く存在する伝統芸能の世界で活躍しながら、その中で感じた日本・日本人に関する素朴な疑問を独自に探究し紐解いてきた、村尚也氏を講師に迎え開講される。要事前申し込み。
開催時間は16時半から18時で、講演内容は、なぜご飯に箸をさしてはいけないのか、なぜ着物は左前に着るのか、お葬式ではなぜ黒い服を着るのかなどなど。
問い合わせはミレニアムハウス☎043(273)2742。

優雅に返信
優雅で鮮やか十二単着付け 札幌
北海道・札幌市北区の札幌エルプラザで12日、十二単の着付けが披露された。会場には着物愛好家ら約40人が集まり、平安のみやびの美しさに魅了された。
美創きもの学院が主催する十二単の着付け展示は、毎年「きものの日」の15日前後に行われ、今年で8回目。小袖姿のモデルの前後に着付けをする「衣紋者えもんじゃ」2人が立ち、30分ほどで重さ約16㌔の色彩豊かな衣を重ねていった。
御方おかた」と呼ばれるモデルを務めた同市南区の大学生船橋桜月さ(19)は「まだ自分が知らない日本文化を学ぶことができて良かった」と笑顔で話した。

茨木さんと妻のゆりさん
復興願い福幸てぬぐい 熊本の着物店
熊本市・熊本地震からの復興を願い、中央区城東町のきものサロン「和の國」が「福幸ふっこうてぬぐい」を発売している。発案した代表の茨木國夫さん(55)は「県民の心の『福幸』の助けになれば」と話している。
地震後、頻繁に目にする「復興」の文字から「福幸」の語呂を思いつき、「自分にできることで復興を応援しよう」と誰もが手軽に使える手拭いの制作を決めた。
手拭いは、熊本の水の豊かさをイメージしたさわやかな水色。熊本城や阿蘇五岳、くまモンがデザインされている。頭にかぶる、首に巻くなど、用途を変えても絵や文字がきれいに見える配置になっている。「裂いて包帯にできるなど防災グッズにも」と茨木さん。「復興支援をしながら和文化の良さも感じてほしい」と語った。
1枚1080円。綿100%。収益の1部を熊本城の復旧支援金として寄付する。「和の國」の店頭のほか、電話での注文も可能。同店☎096(359)0805。

渡辺会長から表彰を受ける古山学長
西陣織550年 織物の発展祈念
京都市・「西陣の日」の11日、西陣織産業の発展を願う祭典が今宮神社(北区)境内の織姫社前であり、関係者約100人が業界の繁栄を祈った。応仁の乱(1467~77年)で西軍の陣が築かれた地が「西陣」と呼ばれるようになり、その地の織物を「西陣織」と呼ぶようになった。それにちなみ、応仁の乱発生から500年後にあたる1967年、業界関係団体で組織する協議会が11月11日を西陣の日に定めた。今年は550年の節目にあたる。
また、西陣織会館(上京区)で記念式典があり、渡辺隆夫・西陣の日事業協議会長が「観光地で着物がはやっているが、産業の振興には至っていない。皆様と手を携え、一層まい進していきたい」とあいさつした。西陣織の産地振興に貢献したとして、京都工芸繊維大の古山正雄学長に「西陣大賞」が贈られた。

かわいらしく七五三
和装の子ら200人 平安神宮
京都市・左京区の平安神宮で11日、京都織物卸商業組合(中京区)主催の「七五三詣り」が行われ、和装姿の子どもたち約200人とその保護者らが神前で、健やかな成長を祈った。
七五三は子どもたちの健康を願う神事として11月15日前後に全国の神社で行われている。同組合は幼少期から着物文化に親しんでもらおうと、数え年で3歳の男女、5歳男児、7歳女児を招待した。子どもたちは、縁起物の福ザサや千歳飴を受け取った後、内拝殿の祈とうに臨んだ。7歳女児の代表として神前に玉串をささげた大原野小1年嶋田波瑠さん(6=西京区)は「計算が上手になるようお願いしました」と話した。七五三の日

ちびっこきもの行列
出石藩きもの祭り 城下町鮮やかに
兵庫県・江戸時代の城下町をイメージして着物姿で町を散策してもらう「出石藩きもの祭り」が11日~12日、但馬ちりめんでも有名な豊岡市出石町の市役所出石庁舎前広場などで開かれた。昨年まで恒例の「出石皿そばおかもち競走」はなかったが、人力車や試乗体験のEVカーが新たに登場した。
出石まちづくり公社、但馬國出石観光協会、豊岡市商工会出石支部などでつくる実行委の主催。「交通安全ちびっこきもの行列」では、小学生以下の約50人が町内を練り歩き、「シートベルト 後ろの席も 締める癖」などの標語を唱和。最後は広場のステージで、風船を飛ばした。
他に出石中学校や弘道小学校の吹奏楽演奏、「出石藩きものクイーンコンテスト」などもあった。12日は小坂小学校の吹奏楽演奏、出石高校の書道演技などが開かれた。きもの姿大抽選会、屋台村などは両日を通して賑やかに行われた。但馬ちりめん

蔟に見入る来場者
養蚕業の歴史紹介 綾部で特別展
京都府・「くらしを支えた蚕糸業展」が11日、綾部市青野町のグンゼ博物苑で始まった。養蚕農家に残る大正・昭和期の道具52点を一堂に集めた初の特別展。生きた蚕も展示し、近代日本を支えた蚕糸業の歴史がひと目で分かる。
元蚕糸業関係者らでつくる府蚕糸同友会が10年かけて中丹地域で収集した蚕糸具を展示した。蚕に与える桑の葉を刻む「桑切包丁」や、蚕を入れて繭を作らせる「改良わらぞく」など、道具を通じて養蚕手法の変遷が分かる。
製糸機械の実演もあり、来場者が繭から糸を紡ぐ工程に見入った。蚕も、卵からかえったばかりの体長3㍉の「蟻蚕ぎさん」と、大きくなった7㌢の「熟蚕」が展示され、懐かしむ元農家の男性もいた。
初日のこの日は、蚕を研究する森肇・京都工芸繊維大副学長が講演した。遺伝子を組み換えた蚕の特殊な糸を化粧品や細胞培養に活用する自身の研究について話した。
特別展は19日まで。300円。18、19日は子ども向けの「まゆ人形作り体験教室」を午前、午後にそれぞれ開く。松岡姫
 和木沢絹 今は無き石西社

島原大夫が大夫道中
島原太夫招く 学ぶ集いに若者ら60人
岡山市・外国人旅行者の急増などを背景に、岡山らしい「和のおもてなし」を考える集いが東区のスタジオ「FAITH」で開催され、参加者らが京都の島原から招いた太夫2人を囲んで、舞やお座敷遊びの世界を堪能した。
「着物を普段着にプロジェクト」(KFP)を提唱する北区の着付け教室主宰、那須七都子さん(49)や、和気町のメークアップアナリスト、旦真寿美さん(44)らが企画。お茶屋やお座敷遊びの経験のない岡山の若者らを中心に約60人が参加した。
スタジオでは最新の照明、音響設備を駆使した演出の中、約400年の歴史を持つ島原の司太夫、葵太夫の母娘が太夫道中や、伝統の舞「いにしへ」などを次々に披露。
参加者は「金比羅舟舟」や「ギッチョンチョン」といったお座敷遊びも体験し、岡山にもかつて存在した花街文化に興味があるという就実短大2年、田辺はるかさん(20)は「初対面の人同士を即座に仲良くさせるプロの技に感動しました。岡山の花街文化も復活させ、世界中のお客さんを喜ばせたい」と笑顔。
企画した那須さんは「岡山には後楽園や倉敷美観地区など外国人客を魅了する場所はあるが、人との交流面での魅力も必要。東京五輪に向け、岡山ならではの和のおもてなしを今後も考えたい」としている。

越田社長(左)と佐藤さん
インターンの学生 事業拡大の戦力に
石川県・着物レンタルの心結ここゆい(金沢市=越田晴香社長)が、インターンシップ(就業体験)の金沢大生の協力を得て事業を広げている。新しいプランを体験してもらう学生集めや写真共有アプリ「インスタグラム」のフォロワー数の増加など、地元大学生が重要な戦力としてビジネスに貢献している。
体験しているのは3年生の佐藤くるみさん(20)。北陸新幹線開業後の観光や人の変化に興味があり、そうした動きを肌で感じられる心結を志望し、2月から勤務している。従業員20人の心結にとって初めてのインターンシップ。
熱心に取り組んだ活動の1つが「変身写真プラン」の創設。華やかな着物やドレスを着て本格的なヘアメークもしてモデルのような写真が撮影できるサービスで、台湾などで人気がある。心結は導入を検討し、満足度調査も兼ねたプランの体験会を企画。佐藤さんは大学の留学生センターにも協力してもらい、外国人を含む百人の学生の体験モニターを集めた。「質を高めるためのノウハウの蓄積ができたし、撮影データを商品を売り込むPRに生かせた」と振り返る。
インスタグラムの同社ページのフォロワーについては、「着物」「旅行」などに関する写真を投稿する人をフォローすることで投稿者に心結を知ってもらうようにし、今春で50人程度だったのを3千人超に伸ばした。現在は申込者の出身県や年齢層などから地域ごとの動向を分析し、効果的な情報発信のアイデアを練っている。「これだけ実践的に取り組めるインターンシップは少ない」と手応えを話す。
 
茶道体験をする3世ら
海外移住3世らが茶道体験 大濠公園
福岡市・大濠公園日本庭園茶会館で11日、海外に移住した福岡県出身者の子や孫らを招いて着物の着付けや茶道を体験する催しがあった。日本文化に触れてもらうのが狙い。
県の受け入れ事業でブラジルやカナダなど6カ国から留学中の8人が参加。4月から県内の大学や専門学校で勉強しており、この日は茶のたて方などを学んだ。
茶を味わうのもつかの間に、参加者らは慣れない姿勢に悪戦苦闘。ボリビアから来た徳永アレハンドロ勇一さん(20)は「まずは正座をできるようになりたい」と照れ笑い。
   1日ー12日
キリバスの国旗
キリバスの着物完成 久留米
福岡県・久留米市の一般社団法人イマジン・ワンワールドが東京五輪・パラリンピックに向けて世界196カ国の振り袖を作るKIMONOプロジェクトで、久留米絣の着物が完成し、高倉慶応代表理事らが10日、市役所で楢原利則市長に報告した。
南太平洋の島国キリバスをイメージし、波や太陽、同国の国鳥グンカンドリなどが描かれている。同市の作家、松枝哲哉さん・小夜子さん夫妻が10種類以上の藍色を使い分けるなどして絵画的なデザインを織り上げた。
高倉さんは「60番目の完成。現在40カ国以上を制作中で来春には100カ国にしたい」とあいさつ。楢原市長は「久留米絣の振興、市のイメージアップも期待したい」と応じた。この着物は11日に同市中央町の呉服店「蝶屋」で公開された。久留米絣

かすり祭案内ポスター
秋のかすり祭 ひろかわ藍彩市場
福岡県・江戸時代後期から200年以上の歴史を持ち、日本三大かすりの1つとされる久留米絣。かすれた素朴な柄と着るほどに肌になじむ風合いの良さが特徴。八女郡広川町には、伝統的な手織りと大量生産できる機械織りの織元が集まり、その多くが見学者向けに予約制で工房を公開している。
「太原のイチョウ巡り」とコラボして、18~19日に「秋のかすり祭り」が開かれる。
広川町産業展示会館では、久留米絣織元による展示販売会が催され、祭ならではの特別価格にて提供される。一方、ひろかわ藍彩市場では反物や洋服、端切れなどの展示即売会が行われる。いずれも町内の織元11軒が参加する。
また、久留米絣協同組合では工房見学が可能な織元を紹介している。問い合わせは藍彩市場☎0943325555、工場見学は同組合☎0942443701。久留米絣

揚田さん、鈴木さん、脇坂さん
きもの親善大使に3人 長浜
滋賀県・「2018長浜きもの親善大使」の選出大会がこのほど、滋賀県長浜市元浜町の曳山博物館広場で開かれ、色鮮やかな振り袖姿の女性たちが着こなしの美などをアピールした。
地元特産の浜ちりめんなどの和装振興を目的に、県呉服小売商連合会が毎年開いている。20回目の今年は、これまでの「びわ湖きものの女王」から名称を変更し、長浜市や近江八幡市などから9人がエントリーした。
自己PRやステージ上での歩く姿などを審査した結果、揚田葵衣さん(21=長浜市)、鈴木ほのかさん(20=栗東市)、脇坂明日香さん(25=長浜市)の3人が大使に選ばれた。来年の1年間、長浜市を中心に県内の催しに参加する。浜ちりめん

案内ポスター
歴史的街並み着物姿で散策 結城
結城市の歴史的な町並みを結城紬などの着物姿で散策するイベント「着物day結城」(市観光協会主催)が11日~12日の両日、同市北部市街地を会場に開かれる。街なか散策や人力車乗車会、和をテーマにした多彩なワークショップなどが繰り広げられる。
同祭では、着物着用での特典は盛りだくさんは言うまでもないが、着物を持ってない、着付けができない人のために、結城紬きものレンタルや着付け支援も用意されている。「晩秋の着物を着て結城の街を散策してみませんか?」と主催者。
問い合わせはきものday結城実行委員会事務局(結城市商工観光課内)☎0296(32)7123。結城紬

宣伝チラシとスタッフ
着物で婚活 足利の宗泉寺
栃木県・着物姿で異性との交流を深めるイベント「きものdeホラー ドキドキ出会い編」が11日、松田町の宗泉寺で開かれる。30歳以上の独身男女が対象で、ゾンビメークのスタッフによるおもてなしを楽しめる。
着物を着て楽しく歩ける場所をフェイスブックで紹介している「足利きもの散歩」が主催。ゾンビマニアのYukiさんがメークを担当し、市民劇団PPP45のメンバーがゾンビ役を務める。会場では軽食を取りながら交流し、ゾンビ姿の劇団員がもてなす。
会費は男性4500円、女性1500円。女性は着物での参加が条件で、レンタルや着付け(料金2千円)もある。男性は洋服での参加も可能。

写真に収まる菊池さん家族
復興に成長重ね七五三 震災6年8カ月
岩手県・東日本大震災から11日で6年8カ月。七五三のシーズンを迎え、沿岸部の神社では家族連れがまちの復興とともに子どもの健やかな成長を願っている。
青空に赤や黄色の紅葉が映える釜石市浜町の尾崎神社では10日、同市大渡町の会社員菊池直樹さん(41)が家族5人で参拝した。華やかなピンクの着物を身に着けた長女すずちゃん(6)は「大きくなったらバレリーナになりたい」と千歳あめを手に笑顔を見せた。
震災で同市大町の自宅が被災し、その3カ月後にすずちゃんが誕生した。直樹さんは「震災当時は大変だったけれど、無事に七五三を迎えられて良かった。元気に成長してほしい」と優しいまなざしを向けた。11月15日と七五三

情緒ある町並みを散策あ
着物姿で歴史的建造物巡り 小樽
北海道・着物を着て小樽の街を散歩するイベント「キモノDE小樽秋歩き2017」がこのほど開かれ、市内外から30~70代の延べ10人以上の男女が参加した。旧岩永時計店や日本銀行旧小樽支店金融資料館などの歴史的建造物を巡り、情緒ある街並みを堪能した。
同イベントは和装の楽しさを知ってもらい、市内の着物人口を増やそうと2008年に小樽市松ケ枝1の会社員八尾幸治さん(36)が考案。2009年以降は「小樽雪あかりの路」にも合わせ開催している。
札幌市の会社員生水智子さん(40)は花唐草模様の着物で参加した。「雨の予報だったので洗濯のできるポリエステル素材を選びました」と話していた。

写真は昨年のウォークラリー
奈良着物ウォークラリー開催 11月15日
奈良市・着物の販売やフォトスタジオ事業を行う、(株)京ろまん(奈良市)は、15日に市内で『奈良着物ウォークラリー2017』を行う。
当イベントは今年で2回目となり、着物を楽しむと同時に、奈良に訪れる訪日観光客を通じて、世界に日本文化である着物をアピールしたいという思いから実施。昨年は約100名が参加した。今年は一般参加も募集し、昨年以上に大人数での実施を予定しているという。
11月15日の“きものの日”は、一般社団法人全日本きもの振興会が制定した記念日であり、昨年からは経済産業省をはじめとする官公庁でも和装で仕事をするなど、着物を着ることを推進してる。
「今回のイベントは、着物を楽しむ人を増やすことはもちろんのこと、日本文化である着物の美しさや所作の美しさが奈良に訪れた国内外の観光客の心に残るようにと“きものの日”である15日に『奈良着物ウォークラリー2017』の開催を決定しました」と主催者。
ラリーのコースはJR奈良駅東口広場~奈良三条通り~猿沢池(所要時間約40分)となっているが、詳しくは同社☎0742(27)2700。

HIROKOLEDGE
iPhone X向けケース販売 ソフトバンク
ソフトバンク コマース&サービス株式会社は、「SoftBank SELECTION」ブランドより、着物アーティストの高橋理子が展開するブランド「HIROKOLEDGE」とコラボレーションしたiPhone X向けケース「HIROKOLEDGE Design Soft Case」と「HIROKOLEDGE Design Stand Flip」を、10日より、SoftBank SELECTION取扱店およびオンラインショップにて発売を開始し、オンラインショップでも予約の受け付けを始めている。
「Soft Case」は、シンプルな配色を施したソフトケースで、「000 MONO」と「003 MONO」の2アイテムを用意しており、「Design Stand Flip」は、円と直線のみで構成された幾何学模様のデザインが特長のケースで、外側にはカラフルで落ち着いた色使いを取り入れ、内側には優しいライトブルーの色味を使用したスタンド機能付きのフリップケースとなっている。
なお、「HIROKOLEDGE」とのコラボレーションケースは、人気ブランドやクリエイターなどによる優れたデザインのスマホアクセサリーを展開する、ソフトバンク株式会社との共同プロジェクト「Designers' Style」の製品として販売し、「スマートフォンをお使いの全てのお客さまに、“自分らしさ”や“持っていて楽しい”などスマートフォンの新たな価値を提案していきます」としている。

1000万円かけられた大砂物
着物での来場者無料 池坊全国華道展
京都市・江戸前期から続くいけばな展「旧七夕会池坊全国華道展」が8日、京都高島屋グランドホール(下京区)で始まった。
今年はいけばなの多様性を示す「十人十菜といろがテーマ。華道家元池坊の池坊専永家元(84)は、食を連想させるなどの理由で、いけばなでは避けられる柿を用いた作品「夕映えの柿」で人生の円熟を表現。池坊専好・次期家元(52)は、竹に赤い実のサンキライやピンポン菊を配し、色味豊かな作品に仕上げた。ほかに門弟の力作約130点が並んだ。
会場では、初代・池坊専好が主人公の映画「花いくさ」の中で、専好が豊臣秀吉をいさめるため、前田利家邸でいけた「前田邸の大砂物おおすなもの」(幅7.2㍍)も再現され、来場者の注目を集めていた。
専好・次期家元は「古典から現代的な作風まで、池坊の世界観の広さをご覧いただけたら」と話した。13日まで。10日からは池坊会館(中京区)でも展示が始まる。両会場で延べ1500点を展示。着物での来場者は無料。問い合わせは池坊華道会☎075(231)4922。

晴れ着姿の子どもたち
健やかな成長願い 県内神社七五三参り続々
石川県・15日の「七五三」を前に、爽やかな秋晴れとなった5日、県内の神社で家族連れの参拝が相次ぎ、子どもの健やかな成長を願う光景が広がった。
金沢市の尾山神社には約130組の家族が訪れた。着物や羽織はかまに身を包んだ子どもがおはらいを受け、千歳飴を手に両親や祖父母らと記念撮影に収まった。
5日の県内は広い範囲で晴れた。最高気温は金沢16.4度、輪島15.7度など平年より1~3度低かった。七五三の日

男物デニムの着物
デニム産地PRしたい 福山市・井原市
広島、岡山県・両県にまたがる国内最大級のデニム産地を知ってもらおうと、福山市などが、PR活動を繰り広げている。写真や動画作品のコンテストを実施するほか、市職員有志は勤務中にデニムをまとって“さりげなく”紹介する。国内外の有名ブランドに生地を供給する指折りのメーカーもあり、関係者は「デニムの良さを伝えたい」と話す。
県境で接する福山市や岡山県井原市には、デニム生地のメーカーが約15社ある。福山市の調べによると、国内で生産される生地のほとんどが備後や備中で生み出されているという。国内ジーンズの産地岡山県の児島のブランドや、海外の名だたる有名ブランドにも提供している。一方で、産地としての知名度は低い。
デニムは、ジーンズのほか、着物やスーツなどもつくることができるため、用途は幅広い。そうしたデニムの楽しさをPRしようと、福山、井原両市やメーカーなどが連携して「備中備後デニムコンテスト」を開催。
写真や動画のほか、イラスト、ロゴマークの4部門で作品を募る。各部門の最優秀賞者には、賞金5万円を贈呈。賞金と引き換えにオーダーメイドのデニムスーツを仕立てることができる。ロゴマークは賞金10万円。
コンテストは来年1月11日まで。問い合わせは福山市産業振興課☎084(928)1039。デニムの着物

三崎昭和館
半世紀前の七五三衣装を展示 三浦
神奈川県・ 「七五三」(15日)に先立ち、子どもの衣裳を紹介する特別展が、三浦市三崎の郷土資料館「チャッキラコ・三崎昭和館」で開かれている。市民から寄せられた晴れ着など約15点を展示している。14日まで。
昭和30年から40年代にかけて使われた各年齢の晴れ着や髪飾りなどが並ぶ。7歳は「紐解きの祝い」として女児を祝い、「着物の付け紐を取り去り帯を変える儀式」と説明している。入場無料。問い合わせは同館☎046(882)3156。

町並みに合って素敵!
大正レトロ楽しむ 「ちづ宿ハイカラ市」
鳥取県・大正時代にタイムスリップしたような気分が楽しめる「第6回ちづ宿ハイカラ市」が5日、智頭町の智頭宿一帯で開かれた。往年の名車がずらりと並ぶ中、大正レトロの着物で装った“ハイカラさん”が行き交い、風情あるまち並みを引き立てた。
スバル360やフェアレディーZなど、県内外の愛好者らが持ち寄った約40台のレトロカーによるオープニングパレードで盛大に幕開け。JR智頭駅前を出発し智頭宿まで向かう華やかなパレードに、観光客らが夢中になってシャッターを切った。
重要文化財石谷家住宅前でハイカラさんコンテスト、智頭宿街道でハイカラ市が開かれたほか、もんぺファッションショーや紙芝居など趣向を凝らしたイベントが各所で繰り広げられた。
鳥取市秋里の主婦、吾郷美穂子さん(32)は着物姿でレトロカーに乗り込み、大満足の様子。「古い車がこんなに集まることはない。レトロなまち並みを歩いて楽しみたい」と話した。

高橋ひかる
KGCスペシャルサポーター 高橋ひかる
東京都・女優の高橋ひかるさん(16)が、着物のすばらしさや女性らしさ、和の美しさを競い合うイベント「きものクイーンコンテスト2018」のスペシャルサポーターを務めることが分かった。高橋さんは「自分で着物が着られることは、とても素的なことだと思うので、着物文化を少しでも広めるお手伝いができればと思っています」とコメントを寄せている。
高橋さんは、2014年に「第14回全日本国民的美少女コンテスト」のグランプリに輝き、16年に竹野内豊さん主演の映画「人生の約束」で映画デビュー。NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」に出演したことも話題となった。
コンテストは、着物の着付け教室「ハクビ京都きもの学院」と芸能事務所「オスカープロモーション」が共同で企画・運営している「きもの美人日本一」を決定するイベント。今回は18年2月17日に浅草公会堂(台東区)で開催予定。18年1月22日まで16歳以上の参加者を募集している。

作品と木本さん
手描き友禅 長府毛利邸で作品展
福岡県・北九州市小倉の染色工房や教室を主宰する下関市出身の木本能正さん(73)による手描き友禅作品展が、同市長府惣社町の長府毛利邸で開かれた。
草花や和柄をあしらった色とりどりの振り袖や帯、絞りの着物など、木本さんと教室の生徒らの作品72点を展示した。染色の道具や制作工程もも紹介し、木本さんの解説もあった。
木本さんは中学時代に着物が作られる工程を見て友禅染めに興味を持ったという。24歳ごろから工房に弟子入りし、京都などで学んだ。37歳で工房を継ぎ、図案から下絵、地染めなどのさまざまな制作工程を1人で行っている。
木本さんは「着物の良さを伝え、日本の伝統が廃れないようにしたい」と語る。

人力車着物で無料
着物姿でレトロな旅情 人力車で有田の裏通り
和歌山県・江戸時代の町屋など国の伝統的建造物群保存地区に指定された町並みや、有田独特のトンバイ塀のある裏通りを人力車で散策する催しが5日、有田町であった。家族や友人と訪れた観光客が、風情のある町並みを普段と違う目線で楽しんだ。
開催中の有田まちなかフェスティバルに合わせ、有田観光協会が初めて企画。人力車2台が見どころを紹介しながら走った。
同観光協会でレンタルした着物姿で乗車した唐津市の宮崎加矢子さん(55)と井上千春さん(52)は「ゆらりゆらりと気持ちいいスピード。風も心地よく、ゆったりできた」とレトロな町並みを味わっていた。
人力車は19日も午前11時~正午、午後1~3時に受け付ける。料金は1人500円(着物の人は無料)。問い合わせは有田観光協会☎0955(43)2121。

生涯現役です
現代の名工は話す 着付師の鈴木さん
東京都・厚生労働省が5日発表した平成29年度の「現代の名工」に選ばれた着付師の鈴木則子さん(79=葛飾区)は語る。
「着物は日本の文化であり、民族衣装です。それを絶対に絶やしたくありません」。
着物の着付けに携わって半世紀以上。鈴木さんは技術指導などで全国を駆け回る。専門学校で非常勤講師も務め、「最近は若い人も興味を持ってくれる。男の子も習いたいと言ってくれます」とにっこり。
着物の原点は、源氏物語などの平安文化を彩った装束(十二単・束帯)。約40年前からこうした着装の技術を学び伝え、明治座や国立劇場で発表会を催してきた。
古典にとどまらない。日々新しい帯結びにチャレンジしている。帯の幅は約30㌢、長さは約4㍍60㌢。この1本の生地を“キャンバス”に無限のアイデアが生まれる。「街を歩いていてすてきな花があったとか、いろんなものを見る習慣があり、突然ピッと思いつく」。
児童養護施設で暮らす子供たちの七五三を祝うため、昨年からボランティアで着付けを始めた。子供たちは晴れ着を身につけると、表情ががらりと変わる。「施設に入っている子はこういう機会がなかなかありません。思い出をしっかりと植え付けてあげたい」。
年に1回、約200人で銀座を着物で練り歩く活動も続けてきた。「これからもどんどん広めて、着物人口を増やしていきたい。たぶん死ぬまでやるでしょう」。鈴木さんは生涯現役を誓った。

コンサートを鑑賞する着物姿の女性
着物姿でコンサート満喫 秋の長浜
滋賀県・着物姿で、まちなかでの遊びや学びを楽しむイベント「長浜きものの集い」が3日、長浜市の中心市街地一帯であり、女性らが音楽鑑賞や文化講座で深まる秋のひとときを過ごした。
10月の「長浜きもの大園遊会」の関連イベントとして、市などでつくる「長浜きものの集い事業部会」が地元特産の「浜ちりめん」による和装振興を目的に開き、今年で20回目。県内を始め、京阪神や北陸などから約300人が参加した。
女性らは同市元浜町の大通寺境内に集合。長浜市地域おこし協力隊のメンバーでソプラノ歌手森屋結さんら県内を中心に活躍する音楽家4人のコンサートに聴き入った。増田梨恵さん(29=栗東市)は「着物姿でいると日本に生まれて良かったという気持ちになれる。すてきな雰囲気の中で、音楽を楽しめた」と話していた。
この後、同寺周辺に30の文化講座が設けられ、参加者らが和菓子作りや紅茶の入れ方などに取り組んだ。浜ちりめん

情緒ある街並みを堪能する参加者
着物姿で歴史的建造物巡り 小樽
北海道・着物を着て小樽の街を散歩するイベント「キモノDE小樽秋歩き2017」が3日開かれ、市内外から30~70代の延べ10人以上の男女が参加した。旧岩永時計店や日本銀行旧小樽支店金融資料館などの歴史的建造物を巡り、情緒ある街並みを堪能した。
同イベントは和装の楽しさを知ってもらい、市内の着物人口を増やそうと2008年に小樽市松ケ枝の会社員八尾幸治さん(36)が考案。2009年以降は「小樽雪あかりの路」にも合わせ開催している。
札幌市南区の会社員生水智子さん(40)は花唐草模様の着物で参加した。「雨の予報だったので洗濯のできるポリエステル素材を選びました」と話していた。

工女姿で踊りながらパレード
「富岡製糸場工女まつり」 袴でパレード
群馬県・「富岡製糸場工女まつり」が4日、富岡市の製糸場周辺で開かれ、はかま姿の工女に扮した人々が街中をパレードした。製糸場の設立指導者でフランス人技師のポール・ブリュナにちなんだシャンソンのコンサートもあり、連休で製糸場を訪れた大勢の観光客らを楽しませた。パレードには、地元の高校生や一般公募で集まった工女姿の女性たちの他、明治政府で官営製糸場設立に尽力した渋沢栄一や伊藤博文らの仮装をした関係者計約130人が参加。
製糸場の工女たちのドラマを描いた公開中の映画「紅いたすき~富岡製糸場物語~」で主演した水島優さんを先頭に、上州富岡駅から製糸場までの約1㌔を練り歩いた。
途中雨に見舞われながらも、女性たちは明治時代から歌われた「富岡小唄」に合わせて踊りも披露し、観光客が立ち止まって写真を撮っていた。
製糸場でのコンサートでは、東京在住で約10年前から県内でも活動するシャンソン歌手のMIKAKOさんが、絹の着物を仕立て直したドレス姿で登場。「世界遺産の中で歌えるなんてなかなかないこと。いにしえの重厚感を感じる」と話し、繭の倉庫だった東置繭所に歌声を響かせた。
まつりは、NPO法人「富岡製糸場を愛する会」が、日本の近代化に貢献した工女に光を当てようと製糸場が世界文化遺産に登録された2014年から主催し、4回目となる。

制作中の木村さん
長野の現代の名工 染織作家の木村さん
長野県・木村不二雄さん(57=須坂市)が極めるのは、のりを使い、模様の輪郭部分を白く残して華やかに染め分けできる「友禅染」と、リンゴや桜の樹皮などの植物から色を抽出する「草木染」を合わせた「信州手描き友禅」と呼ばれる手法。化学染料と比べて「やわらかさや落ち着いた色を出せる」のが特徴だ。
都立大学理学部(現・首都大東京)卒業後は神奈川県職員に就職。自然保護に関わる仕事をしたかったが、なかなか希望の部署に異動できなかった。今後の人生について悩んでいた際に出会ったのが、長野市出身の染色作家小山仁郎氏。31歳のときだった。「絵が好きで、手先が器用だったので、それを生かせる仕事をしたかった」。県職員を辞め、小山氏に弟子入り。工房に住み込み、約9年間熟練の技を学んだ。
独立後は信州の自然を着物やスカーフに落とし込む。初めて着物に描いたのもリンゴの木だ。新緑の葉や赤く色づいた実、雪が積もった枝。「美しい信州の四季を表現したかった」 。
現在、木村さんと同じ技法を使う作家は県内に5人ほど。「草木染の美しさを多くの人に知ってもらうことが、伝統を守ることにつながると信じています」と話す。

公開された風神図(手前)と雷神図
西陣織の風神雷神 織りなす美展示
京都市・「西陣」の呼称が生まれて550年になるのを記念し、西陣織の伝統技法で織られた「風神雷神図」が、西陣織会館(上京区)で展示されている。12日まで。
縦157㌢、幅173㌢の二曲で、風神雷神図を描いた俵屋宗達を代表とする琳派の誕生400年を記念し、約7年かけて制作。2年前に一度公開された織物を今回は表装して展示した。爪先をノコギリ状に刻んで文様となる糸を1本ずつかき寄せて織り描く「西陣爪掻本綴織つめかきほんつづれおり」の技法で表現している。
手がけた4人の職人のうち、雷神図の1部を担当した伝統工芸士の中尾友美さん(44)は「雷神の眼光の鋭さや黄、緑、紺などのグラデーションにした髪の毛などに注目してほしい」と話していた。

家族と白大島を着た綾子さん
大島紬を購入した主婦 奄美大島を訪問
鹿児島県・大島紬に魅せられて奄美大島で5年間、織りの技術を学んだ清田寛子さんは、東京の呉服専門店銀座もとじの織姫さん。
都会で初の作り手となった清田さんは、奄美の宇検村に祖母を持つ横浜出身。龍郷町で5年間修業した後、縁あって同社に入社、機織りを実演し、作り手とお客をつなぐパイプ役として注目されている。
清田さんが銀座で初めての作品白大島を織っていた。仕事半ばの6月に、彼女の姿と、女性らしさが漂う白龍郷のデザインに感動した埼玉県の阿部綾子さんは、早速、夫・勝延さんに相談。「またとない機会」と大島紬では〝先輩の夫〟は大賛成して購入を即決した。そして2日、東京で織り上がった最初の大島紬を購入した綾子さんは2日、初めて産地を訪れ紬の工程などを見学したという。しかも、購入した白大島を着用してという念の入れようだった。奄美大島

参道を歩く家族連れ
七五三参り健やかに 西宮神社
兵庫県・「七五三参り」の季節を迎え、西宮市社家町の西宮神社は、晴れ着姿の親子連れでにぎわっている。3日も約300組が訪れ、子供たちの健やかな成長を祈願した。
子供たちは本殿で祈とうを受けると、巫女から千歳あめをもらって笑顔を見せたり、記念撮影したりしていた。月内を中心に約5000組の参拝客を見込む。
大阪府豊中市の野村悠斗君(4)は両親や祖父母ら家族8人で参拝し、「かっこいい着物が着られてうれしい」と笑顔。父親の正明さん(44)は「元気に健康に育ってほしいと祈りました」と話していた。七五三の日

 振袖
「紅花紬展」 倉吉の呉服店
鳥取県・倉吉市の呉服専門店「エスプリ・ドゥ・フルール」(稲毛女久美社長)が、「山形紅花紬展」を開いている。5日まで。紅花紬は、紅の花からごくわずかだけ取り出せる紅色の染料で染め上げた、希少価値が高い山形県の先染め織物。
会場には山形から“紅花の神様”と称されている野々花工房が来店するほか、藍染めなど天然素材にこだわった着物を中心に展示即売する。
稲毛社長は「化学染料では出せない、味わいのある作品ばかり。ぜひ直接確かめてほしい」と話している。
午前10時~午後7時(最終日は午後5時)。問い合わせは☎0858(23)1500。最上紅花

散策する参加者
着物でランチや散策楽しむ 三条会商店街
京都市・「きものの日」(15日)を前に、着物姿でランチや散策を楽しむ催しが4日、中京区の京都三条会商店街であり、20~60代の女性19人が華やかな装いで市街地を彩った。
着装の楽しさを伝えるため、京都きもの学院京都本校が昨年に続いて企画したもの。参加者は同校講師から着付けを教わった後、商店街を歩き、カフェでの昼食や買い物などで思い思いのひとときを過ごした。
台湾から留学中の朱聖雯シュセイウンさん(24=左京区)は「日本文化の奥深さを知った。これからも季節ごとに着てみたい」と笑顔だった。きものの日

力のこもった手作り品が並ぶ
染め物や織物展示 能代の工房
秋田県・手作りの染め物や織物を展示した作品展が、能代市上町の「夢工房 咲く咲く」で開かれており、繊細な作品約100点が来場者の目を楽しませている。4日まで。
同市の佐藤勝悦さん(61)と山形県鶴岡市の榎本美芳さん(54)が、植物から採った染液で染めた反物や手織りした作品を展示。
佐藤さんは盛岡市の山中でムラサキ草を採取。根から採った染液などでストールや着物の帯を染め、鮮やかな紫色を出した。
榎本さんは「つづれ織り」という技法で、薬師寺(奈良県)の聖観世音菩薩像などを細やかに織り上げた。来場者は写真を撮るなどしながら観賞していた。
佐藤さんは「100%天然の植物で染め上げた美しさを見てほしい」、榎本さんは「きめ細かい作品をじっくり楽しんでほしい」と話した。入場無料。

あんどんづくりに没頭する児童
「秩父夜祭」へ あんどん作り 西小児童ら
埼玉県・秩父市立西小学校4年生の児童約50人が1日、秩父夜祭のイベント「絹市 ちちぶめいせんマルシェ」に向け、あんどんの制作に取り組んだ。秩父の絹織物や着物を扱うマルシェ会場の小道を、手製のともしびで明るく照らす。
絹織物は昭和初期ごろまで秩父の主産業で、夜祭の時に大きな絹の市が開かれたとされる。マルシェはかつてのにぎわいを取り戻そうと、官民の各団体が昨年、復活させた。
児童たちは市職員らから手ほどきを受けながら、あんどんづくりに精を出した。紙に花柄や雪だるまなどの絵を描き、幅、高さとも約30㌢、奥行き約20㌢木枠に絵を貼りつけた。
井上杏羽さん(9)は「紙に色を塗るのが楽しかった。みんながあんどんに照らされて楽しい気分になるといいな」と話していた。

日本橋三越
百貨店の福袋 着物と羽織をあつらえて・・・
東京都・今年も残すところ2カ月を切り、百貨店各社が来年の初売りに並べる福袋を相次ぎ発表している。話題を呼んで新年から購買意欲を盛り上げようと、目玉商品の中にはバイヤーが1年前から準備してきたものも。各社がそろって打ち出すのは、特別なぜいたくを味わう「体験型」の福袋だ。
伊勢丹新宿店は自動車のF1シリーズの1戦、モナコグランプリを観戦する「夢袋」を発売。旅費や宿泊費を除いても1人250万円と値は張る。
日本橋三越本店は着物と羽織をあつらえて高級クラブで飲食する「男の銀座遊び体験」を売り出す。飲食2人分で32万4千円と、こちらも高価だ。
約400種類、3万個の福袋を用意する松屋銀座店は「体験型」を前年の13種から37種に増やす。陸上のトラック種目で日本人初の世界大会でのメダルを獲得した元陸上選手、為末大さんが子供にかけっこを指導する福袋(15人限定)はシューズ込み2万円。一方、高島屋は将棋好きの子供向けの福袋として、公式戦29連勝を達成した藤井聡太四段の師匠、杉本昌隆七段による講義と多面指しでの対局などをセットにし、新年にちなみ2018円で販売。親子30組を募る。
東武百貨店池袋本店は「寿司食べ放題60分」を発売。同店の「立喰い寿し すしつね」で、40種以上のすしを選べる。2人で2018円と激安だけに1組限定の抽選販売だ。
そごう・西武の目玉は、西武鉄道のレストラン列車「52席の至福」を借り切って、池袋-西武秩父駅間を走りながら結婚披露宴を開く福袋。計26人まで出席でき、指輪や料理、引き出物など含め201万8千円。

丹波布の商品が並ぶ店内と千尋さん
丹波布製品 柏原にアンテナショップ
兵庫県・丹波布佐治木綿の技術の保存や普及などを進めている「丹波布技術保存会技術者協会」(同市春日町)の有志6人がこのほど、柏原町商店街に「工芸の店 KABURA」(同市柏原町)をオープンした。同協会副代表で、同店代表のイラズムス千尋さん(46)は「観光客や地元の方が丹波布を使うきっかけづくりの店にしたい」と話している。
バッグやコースター、小銭入れ、ペンケースなど、普段使いできる小物や反物を展示販売する他、店内で常時、糸紡ぎ教室を開くほか「手縫いのコースター作り」(11月)、「手縫いのブックカバー作り」(12月)など、期間限定のワークショップも開く。
同協会は2010年、丹波布伝承館(道の駅あおがき内)で開講の長期教室の修了生「丹波布技術認定者」が結成。展示会や勉強会を開くなどしている。来月には同店2階に同協会の事務所を置く予定。 問い合わせは同店☎0795(71)1683。

丹産生地使用のドレス
パリコレドレス見て 丹後織物
京都市・「丹後ちりめん回廊」の日本遺産認定を記念した「丹後が伝える『技』と『魅力』展」が1日から下京区の京都高島屋で始まっている。丹後産生地を使いフランスのパリコレで披露された衣装展示や職人の実演、着物・小物の販売など多彩な催しを企画し、海外展開と国内需要の喚起に挑む丹後織物の世界を紹介する。
丹後織物は、和装需要の低迷で丹後ちりめん生産量がピークの3%になるなど厳しい状況が続く。だが業者有志が丹後の伝説にちなんだブランドを開発したり、海外出張用の着物を考えたりするなど苦境打開に向けた動きも強まっている。
記念展ではパリコレのドレス5点を飾り、丹後ちりめんの着物や帯などを並べる。洋装のネクタイやスカーフなども展示販売し、丹後織物の幅広さを知ってもらう。藤糸のより合わせ、螺鈿箔らでんはく作りなどの実演で技術の高さをアピールする。
丹後ちりめんに墨描きを行う草木染作家の堤木象さん(60=京丹後市)は「丹後織物の現況と未来に向けた可能性を見てほしい」と話す。5日まで。京都高島屋☎075(221)8811。

合掌する子どもたち
晴れ着に歓声 外国人が七五三詣
兵庫県・外国にルーツを持つ子どもらの健やかな成長を祈願する「外国人七五三詣」が10月29日、神戸市の生田神社で開かれた。日本の伝統文化に親しんでもらおうと、40年ほど続く恒例の神事。今年は神戸開港150年目を記念して規模を拡大し、米国や英国、インドなど世界約10カ国の約30人が参加した。
子どもらは赤や白、ピンクなど色鮮やかな晴れ着を巫女らに着付けてもらって登場。きらびやかな姿に変身したわが子に保護者らは歓声を上げ、しきりにカメラのシャッターを切っていた。
鶴やチョウ、かぶとなど見慣れない図柄の衣装に子どもらも大はしゃぎ。神事の後は千歳飴をもらって満足そうだった。カナダ人の女児(7=同市)は「着物に描かれた花がかわいい。色も好きなので、うれしい」とほほえんだ。

宮入映作「月華」
藤織りの魅力も紹介 きざはし会展
京都市在住の工芸作家が最新の染織作品を出展する「第10回きざはし会展」がこのほど、宮津市の国の有形文化財「清輝楼」であった。60畳の大広間には丹後の自然をモチーフにした作品の他に、今回初めて、丹後藤織り保存会(同市上世屋)が織り上げた反物やのれんも展示し、その魅力を紹介した。
染織作家の宮入映さんは「藤織りには圧倒的な力強さがある」として共同展示を提案した。その存在感は、装飾をそぎ落としたシンプルさにあるという。山のフジから繊維を取りだし、それをつなぎ合わせた糸で織る。細見巧さんは凹凸のある布を手に取りながら「暮らしのぬくもりを感じる。ここに我々が立ち返るべき工芸の原点がある」と話す。藤織り保存会の井之本泰会長とのギャラリートークも行われた。藤布

作品と中来田さん
色彩豊かな作品並ぶ 型絵染作品展
兵庫県・淡路島出身の染色家中来田万里さん(京都市)による型絵染の作品展がこのほど、淡路市浦のサンシャインホールであった。色彩豊かな壁飾りや着物、雑貨など約200点を展示販売した。
旧津名郡淡路町の岩屋で生まれ育った中来田さんは、中学生の頃に目にした紅型の染め物に感動し染色家の道へ。京都市の短大で技術を学んだ後、1995年に工房「真朱」を開設。数々の公募展に入選した経歴を持ち、99年からは毎年、故郷で作品展を開いている。
会場には、動物園のロバを描いた大型の掛け軸やフクロウをテーマにしたタペストリー、ザクロの殻の色素でザクロをデザインした着物などを展示。ずらりと並ぶカラフルなコースターや財布、バッグなどの雑貨も数多くならんだ。
中来田さんは「近年は鮮やかな発色の作品を好むようになったが、綿や麻の落ち着いた色彩の作品も多くそろえた。多くの人に型絵染の美しさに触れてほしい」と話していた。

晩秋蚕に桑を与える職員
養蚕ビジネス広がる 4年で6社参入
群馬県・世界文化遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」の誕生で絹文化への注目が高まる中、群馬県内で養蚕ビジネスに参入する企業が相次いでいる。世界遺産に登録された2014年以降に養蚕を始めたのは6社を数える。養蚕の生産性向上や付加価値の高い商品の開発、販路開拓が進めば、繭増産や雇用創出につながる可能性がある。
人材サービスのパーソルサンクス(東京=中村淳社長)は6月、富岡市にとみおか繭工房を開設し、障害者雇用を目的に養蚕業に参入した。スタッフのほとんどが初心者で、繭生産は
春蚕はるごが目標100㌔に対して70㌔キロ、晩秋蚕は200㌔キロに対して140㌔にとどまった。
スキルを身に付けるのに時間がかかるため、高品質な繭を売って稼ぐ本来の養蚕ビジネスはすぐにはできない。そのため同社は、障害者が世界遺産のある富岡で生産するというストーリーをPRしている。
「富岡シルクのブランド力にビジネスチャンスがある」と中村社長。繭や紡ぎ糸で作ったグッズ、桑の木を素材にした和紙を作るなど、付加価値を付けて利益を出す方針だ。
養蚕を手掛ける企業の多くは自社製品の原料を確保するのが狙いだ。化粧品製造販売の絹工房(同市)は企業養蚕の先駆けで、シルク成分配合化粧品に繭を使っている。15年は240㌔、16年には430㌔の繭を生産した。今年はあえて量を220㌔に減らし、人工飼料を使った飼育法の研究に乗り出した。
養蚕事業部マネジャーの金子聡さんは「人工飼料で年間通じて生産できるシステムが整えば、雇用や増産など事業計画も立てやすくなる」と説明。社員の誰もが作業に従事できるよう、効率化やマニュアル化にも取り組んでいる。
16年度の県内の繭生産量は45.8㌧で、本年度も同程度と見込まれる。企業の生産量は全体の1割以下で、関係者はのびしろがあるとみている。県蚕糸園芸課絹主監の岡野俊彦さんは「技術が習熟してくれば生産規模が拡大し、新規就農者の雇用の受け皿にもなる」と話している。松岡姫

クリエーターに生地を見せる安田さん
パリコレで発信へ 丹後織物
京都府・京丹後市と与謝野町の織物業者4社が、10月29日同町加悦の旧尾藤家住宅で、フランス・パリの高級服ブランドのクリエーター2人と交流した。丹後織物の海外販路の拡大を進めようと、各業者が培ってきた技術で織った生地などを紹介した。
丹後ちりめん創業300年事業実行委員会が、有力ブランド「オノラトゥヴュ」のリヴィア・ストイアノヴァさん、ヤッセン・サムイロフさんを招いた。2人は昨秋も丹後を訪れ、今年1月のパリコレで丹後産素材を使ったドレスを発表。来年のパリコレでも丹後織物を採用するという。
夏用の着物生地製造「安田織物」(同町)の安田章二さん(46)は、銀糸でツバメとチドリを織り込み、グレーや紺色などに染めた生地を披露。クリエーターたちは肌触りを確かめたり、生地を首に巻いたりして「とてもきれい。ショールやストールにも使える」と話した。他の業者も絣り染めの生地や着物生地で作ったつまみ細工を紹介した。前回のパリコレにも生地を提供した丹後ちりめん製造「田勇機業」(同市網野町)の田茂井勇人さん(53)は「丹後の織りの技術を世界に発信するチャンス」と期待した。丹後ちりめん

紋切型でない面白さ
紋切り遊び 京都紋章組合が出版
京都市・京都紋章工芸協同組合(中京区)は、折った紙を切って家紋を作る「紋切り遊び」を紹介する書籍「平安紋鑑 もんきりあそび」を出版した。昭和初期の家紋を制作することができ、「紋付を着る機会が少なくなっている中、子どもたちに家紋への親しみを持ってほしい」と望んでいる。
同組合は、着物に家紋を描く職人で構成し、今回は創立70周年記念に企画した。家紋は公家や武士が使い始め、江戸期に庶民に広がったとされ、紋切り遊びも当時から親しまれてきたという。
書籍では、昭和初期に発行され、職人の教科書とされた家紋の見本帳「平安紋鑑」に掲載された約4千種類の中から、カニやツタ、カキツバタ、いかりなど約70種類を、由来やエピソードとともに紹介。戦国武将の小さなのぼり旗などが作れるシールや折り紙50枚を付けている。1冊972円。
29日に左京区のみやこめっせでイベント「つなぐ Succeed 家紋継承」を無料で開き、紋切り遊び体験や伝統工芸士の実演を行う。また書籍は京都市教育委員会を通じ、市内の小学校に寄贈する。本についての問い合わせはseamon@nifty.com。家紋のこと

PRする大森さん千姫の会のメンバー
着物姿でお得にぶらり 姫路駅前
兵庫県・着物でそぞろ歩きを楽しむイベント「姫路きもの祭り」が11月26日、JR姫路駅北側一帯で開かれる。2年目の今年は11月を「着物月間」と銘打ち、飲食店などの協力店約25店を和装で訪れると割引や特典のサービスが受けられる。
着物姿の1000人が一堂に会すギネス記録づくりを目指す「千姫世界記録の会」の主催。メンバーでイベント会社代表の大森正雄さん(41)が中心となり、昨年から企画している。
着物月間では、カフェや回転ずし店のドリンクが1割引きや、呉服店で着物の丸洗い優待券、美容室で初回利用1000円オフなどのサービスが受けられる。
祭り当日は、兵庫県立大生が扮する千姫と一緒にそぞろ歩きが楽しめるほか、二階町商店街の特設ステージで和太鼓や三味線の演奏と日本舞踊の披露も。二階町と西二階町の各商店街で尺八体験や和雑貨の販売などもある。
また、着物月間の協力店の特典利用者を対象にしたスタンプラリーも実施。スタンプを集めると、食品などが当たる抽選会に参加できる。大森さんは「着物を着ることを楽しむ機運を育んでいきたい」と話す。

佐藤さんの1作品
斬新な着物スタイル 写真集出版
山形市・着物姿の女性をモチーフにした写真集「KIMONO times」を、中野目の佐藤彰さん(37)が出版した。サングラスやハイヒールとの組み合わせなど、着物の概念にとらわれない斬新なスタイルで日本の美を表現し、その世界観に魅せられた全国の協力者がモデルを務めている。
佐藤さんの創作意欲の源泉は、負のエネルギーだという。世の中の醜さに絶望して心のバランスを崩し、高校入学直後にパニック障害に陥った。この経験から「明日死んでも後悔しない覚悟」で音楽や絵に没頭。30歳のころ、当時の恋人の着物姿を撮影した際に「進むべき道だ」と直感、専念することを決めた。
本業はサクランボやリンゴを栽培する果樹農家。写真や着付け、メークなどは全て独学という。農閑期に撮影した作品を会員制交流サイト(SNS)上で公開すると話題となり、県内外からモデル協力などの申し出が舞い込むようになった。作品に共鳴した着物研究家で十文字学園女子大(埼玉県)のシーラ・クリフ教授の勧めで昨秋、写真集制作に着手した。
モデルは自身やクリフさんを含め50人ほどで、日本舞踊家や会社員などさまざま。皆が佐藤さんの世界観に共鳴し、各地から自費で山形を訪れ、無償で協力した。自宅をスタジオ代わりにし、照明には円形の蛍光灯を使うなど経費をかけずに質の高い作品を仕上げた。
和洋混交の着こなしと、ポーズの美しさが目を引く。着物は大胆な柄のアンティークものを多用し、革ジャンや帽子、ヘッドホンなど、意外性のある取り合わせを試みた。大正ロマンを代表する画家竹久夢二の美人画などに影響を受けたしぐさには独特の美が漂う。
心の繊細さ故に苦しんだ時期を振り返り「美しく心動かされるものに支えられ、生きてくることができた。美に向かう点で共通する人の支えがあり写真集は生まれた」と感謝する。日本的な魅力が、海外で通用するモードにもなり得るとし、「人を感動させる作品が作れるなら山形を世界の中心にできる」と力を込めた。
A4判144ページ。初版は1000部で1部5940円。クリフさんによる日本語と英語の解説が付く。問い合わせは出版社リブロアルテ(東京都)☎03(6411)1081。

求評会は15・16日
10月度生産実績 丹後織物工業組合
京都府・同じようなコースをたどった2つの台風が日本列島に被害をもたらし、総選挙ではクーデターまがいの茶番劇?
そんな中、10月の丹後ちりめんの生産量は、25.167反で、昨年同月の26.625反に対し1.458反のマイナスとなった。無地、紋無地とも微減で、操業日数は21日で前年同月と同。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。△一越・古代=145(52)▼変り無地=3.889(4.405)■小計=4.034(4.457) △紋綸子(軽)=2.458(2.366)▼紋綸子(重)=3.236(3.253)△銀意匠・朱子一重=7(3)▼紋意匠・朱子二重=12.472(13.350)▼絽織・紗織=1.312(1.364)▼その他の紋=148(360)△金・銀通し=1.289(1.169)▼縫取・絵羽=211(303)■小計=21.133(22.168) ■合計=25.167(26.625) ▼パレス=667(809)▼紬=203(265)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。
丹後ちりめん

着物文化を外国人に紹介したい
カザフの女性が着物レンタル店 別府
大分県・着物に魅せられたカザフスタン出身のジャンサヤ・メイルマノワさん(26=別府市)が、同市北浜でレンタル着物の専門店を始めた。外国人観光客にも気軽に着物文化に触れてもらおうと張り切っている。
市中心部のビルの4階に、専門店「エンゼル」はある。店名は「別府は『地獄』のイメージが強いから柔らかさを出した」。常時50着以上の着物から好きな色や柄を選ぶことができ、SNS(会員制交流サイト)で発信することを条件に無料で撮影もできる。「外国人は日本の『かわいい文化』が好き。ピンクが入った着物を好みます」と説明する。
メイルマノワさんは同国出身で立命館アジア太平洋大学准教授のセリック・メイルマノフさんと結婚し、約2年前から別府で暮らす。同国で挙げた結婚式で初めて、日本の友人がプレゼントしてくれた着物を着た。その感動が忘れられず、今年に入ってから着付けの勉強を始めた。
勉強熱心で、半年足らずで全日本和装コンサルタント協会3級講師の資格を取得。昨年秋から約1年間、別府大学で日本語を学び、試験に必要な知識も得た。現在は1級講師を目指すとともに日本舞踊も習い、どっぷりと日本文化に漬かる毎日だ。
客はほぼ外国人。外国人ならではの視点で、着物に関する知識も丁寧に伝えている。まちづくり団体と協力し、好きな着物を着てお薦めスポットを巡るまち歩きも11月から開催する。「日本には素晴らしい歴史や文化がある。まちの中に着物姿の人があふれるようになるのが夢」と話している。
着物体験は1着1000(税込み)。和室での撮影もできる。問い合わせは同店☎080(3222)9662へ。
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