4月のニュース




話  題
富士山や桜、鶴などを取り入れた作品と星野さん
日本の美 NYで表現
フラワーデザイナーの星野さん

横浜市青葉区のフラワーデザイナー星野久美さん(47)が、米ニューヨークのメトロポリタン美術館で5月15日に開催される「花と芸術の祭典~花でつなぐ平和の輪~」に着物と折り紙で作った造花や鶴を組み合わせたオブジェを出品する。
イベントは一般社団法人「花のある街振興会」の主催。オブジェは高さ約1.8㍍、幅約3㍍、奥行き約1㍍の大きさで、着物からは富士山が浮き出るようにし、1000輪の桜の花や約500羽の折り鶴のほか、草履や着物の帯なども折り紙で作った。扇子やかんざしなどの小物も用意し、和風の美を表現する。
フラワーデザイナーを養成する教室を開く星野さんは、今回のオブジェを教え子ら約30人と3月から制作してきた。ウン悪く、「ダイヨ」の折り紙で有名な老舗の折り紙・和紙製造会社(経営破綻)から折り紙や和紙を買い取った総合卸売業者(神戸市)が星野さんの趣旨に賛同。材料は無償提供された。
星野さんは「昔からなじんできたダイヨの折り紙を使って日本ならではの繊細で美しい作品を見てもらい、日本文化に触れてほしい」と意気込んでいる。

きものニュース
世界196カ国のイメージを着物と帯で表現する「KIMONOプロジェクト」
「東京キモノショー」 日本橋
東京・日本橋三井ホール(日本橋室町)で、「東京キモノショー 2017 ひらめきと きらめきの 和のセッション」が始まった。華道、茶道、能、書道、和紙、着物など和の伝統文化と芸能のコラボ企画を展開する同イベント。
会場にはカジュアルからフォーマル、婚礼衣装、古典からモダンまであらゆるジャンルの着物をコーディネートしたマネキン人形200体を並べた「キモノスタイル200」展示をメインイベントに、狂言師・野村萬斎さん主演の池坊555周年記念映画「花戦さ」公開に先駆け衣装展示を行うほか、池坊若手華道家と花を生ける「IKENOBOYS」パフォーマンス、喜多流シテ方の塩津圭介さんが手掛ける「若者能」などを行う。
敷居が高くなりがちな古典能をツイッターで同時解説するなどの活動で注目を集める「若者能」では、今回初の試みとして特殊なゴーグルとスマートフォンを使って、能舞台を体感できる「VR能体験」を行う。
ドームシアター型茶室「星霜軒せいそうけん」では、日替わりでテーマや趣向を変えた「ひかりの茶会」を販売する。
世界最速でミシュラン1つ星を獲得したというフレンチ「TIRPSE」(港区)がプロデュースする限定カフェでは、新感覚の和洋折衷スイーツ「富士山カヌレ」を販売する。
開催時間は11時~19時(最終日は17時まで)。入場料は、一般=1.000円、高校生以下無料。7日まで。

型紙を紹介
「型染と型紙」展 三木の染色文化紹介
兵庫県・着物を染める伝統技法や道具を紹介する特別展「型染と型紙-播州三木とその周辺」が、姫路市書写の書写の里・美術工芸館で始まった。江戸から明治期にかけて、三木市などで盛んだった染色文化を約160点の資料で伝えている。
型染めは、彫刻刀などで文様を彫った和紙の型紙を使って着物に図柄を描く染色技術。三重県・伊勢が一大産地だったが、近年の研究で三木でも型紙を売る「型屋」が数多く存在したことが明らかになっている。
特別展では、さまざまな型紙と、型染めの羽織や反物などを展示。小さな点を縦横に整然と彫り、武士の裃に多用された型紙「通し」のほか、二つの型紙を組み合わせて濃淡のある藍色の図柄が描かれた着物などが目を引く。
三木の型紙は約50点を紹介。確認されている中で最古の「稲束に蛇籠散し」は1805(文化2)年作製との記録が残る。姫路藩の名産だった高砂染の反物や京都の型紙などもある。
山本和人学芸員は「日本独特の文化を知ってもらえたら」と話している。
5月28日まで。詳しくは同館☎079(267)0301。伊勢型紙

数多く並ぶ夢二の作品
大正ロマン描いた夢二展 和装来館無料
兵庫県・大正ロマンを代表する画家竹久夢二(1884~1934)の作品を集めた「夢二ロマン 神戸憧憬しょうけいと欧米への旅」が、神戸市東灘区の神戸ファッション美術館で始まった。6月25日まで。着物や浴衣などの和装の来館者は無料で入館できる。
会場には、舞妓姿の美人画や屏風絵のほか、関東大震災直後の東京を描いたスケッチ画など200点余りを展示。同館によると、夢二は少年時代の一時期を神戸で過ごしたといい、担当者は「エキゾチックで異国情緒あふれる夢二の作風は、神戸での体験が影響しているのではないか」と話している。
29日午後1時半から、国際浮世絵学会の中右瑛常任理事が「大正ロマン講座」と題して講演す(要申し込み)。
有料。問い合わせは同館☎078(858)0050。

着物コレクションの展覧会入り口
松坂屋の宝パリ魅了 収集の着物120点
松坂屋が収集し、名古屋市博物館などが所蔵する着物の展覧会が、パリの仏国立ギメ東洋美術館で開かれている(既報)。
「着物・オ・ボヌール・デ・ダム(女性の幸せ)」展と銘打ち、同店のコレクションの中から120点を公開しており、5月22日まで3か月にわたり開催。松坂屋をグループ傘下に置くJ・フロントリテイリング(JFR)によると、入場制限が必要なほど人気を呼んでいるという。
名古屋の呉服店「伊藤屋」を前身とする松坂屋は1931年、最高級の呉服を作るため、京都に染織参考室を設置したのを機に、小袖や能の装束、振り袖などを収集。約5000点に及ぶコレクションは現在、創業の地である名古屋のJFR史料館と、名古屋市博物館に引き継がれている。
2008年まで門外不出だったが、松坂屋創業400周年の11年、このコレクションの展覧会を名古屋市中区の松坂屋美術館で開催。欧州屈指のアジア美術コレクションを誇るギメ美術館が興味を持ち、5年に及ぶ協議を重ね、今回の展示につながった。海外での大規模展示は初めてという。
展示会場では、「伊藤屋」の家紋入りののれんがかけられ、公家、武家、町人などの身分ごとに異なった江戸時代の着物の様式や柄を紹介。呉服を注文する際に参考にしたとされる図案集「小袖
形本」と、図案を基にして出来上がった小袖も並べている。また、デザイナーのコシノジュンコさんが手掛けた花魁おいらん衣装を始め、クリスチャン・ディオールやイブ・サンローランなど仏の有名デザイナーによる着物をモチーフにした作品を展示している。
JFRによると、ギメ美術館は、展覧会が人気を集めていることについて「フランスを始め、欧州の人たちは日本の伝統文化に造詣が深く、現代のファッションとどう結びついているか関心が高い」と分析。JFR史料館の村瀬淳史事務局次長は「着物文化がどう変化してきたのかを伝えることで、日本の伝統について知ってもらえるいい機会になった」と話している。
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