7月のニュース



水衣と長絹の前で語る志村さん(中央)
石牟礼、志村の能衣装 京都で完成披露
京都市・今年2月、90歳で亡くなった作家石牟礼道子さん原作の新作能「沖宮」の舞台衣装を、親交の深かった染織家の志村ふくみさん(93)らが制作し、29日、右京区の都機工房で完成披露を行った。臭木くさぎで染めた「ひはなだ色」の水衣と、紅花で染めた緋色の長絹を前に、会見した志村さんは「石牟礼さんは水の中から、海の底から新しい生命がよみがえり、芽生えてくることを表現しようとした。あの世から力を与えてくださっている」と話した。
2011年の東日本大震災後、生命の尊さ、自然への畏敬が薄れる現代日本に危機感を抱いた石牟礼さんは、志村さんと往復書簡を交わす中、新作能の構想を育んだ。物語は、島原の乱の後、干ばつの村のために天草四郎の乳兄姉の少女あやが人柱に。緋色の舟で沖に出たあやは、四郎に導かれて沖宮へ沈んでゆくという筋立てになっている。
志村さんが熊本の石牟礼さんに持参した染め糸の中から、シテの四郎にひはなだ色、あやに緋色を使ってほしいと申し出があったという。紅花は植物染料で唯一、花で染められる。志村さんは「石牟礼さんは色に敏感。(二つの色は)自然界を背負って出てくる、深くて豊かな色」と語った。
昨年10月、長女洋子さんや工房のメンバーと制作を始め、この2点と、竜神の狩衣も織り上げた。志村さんは会見で「石牟礼さんが亡くなり胸が潰れる思いだが、彼女の気持ちを成就させなきゃいけない。日本のこれからのために、能の舞台に乗せて差し上げたい」と力を込めた。 「沖宮」は全国3カ所を巡演し、10月6日に熊本・水前寺成趣園能楽堂、同20日に京都・金剛能楽堂、11月18日に東京・国立能楽堂上演。チケットは7月1日から発売。一般1万円、補助席7千円。申し込みは0570(02)9999。二人の能衣装
 日本の朱最上紅花色

動画を紹介する国際交流員
着物の似合う街発信 金沢の5文化施設
石川県・金沢市は7月1日、文化施設の外観を背景に着物姿の動画や写真を撮影し、会員制交流サイト(SNS)に投稿した入館者の観覧料を無料とする事業を始める。市内5施設が対象となり、11月末まで展開する。28日、金沢くらしの博物館でPRイベントが行われた。着物や浴衣でそぞろ歩きを楽しむ観光客に金沢の魅力発信の担い手になってもらい、誘客の呼び水とする。
金沢市泉鏡花記念館、金沢文芸館、寺島蔵人邸、金沢くらしの博物館、市老舗記念館で実施する。市は和装で街歩きを楽しむ旅行客の増加に着目し、「着物が似合う文化施設SNS発信事業」と銘打って企画を進める。
入館前に施設の外で写真や動画を撮影し、「#きもので金沢文化施設」と添えてSNSに投稿した後、同施設の受付で投稿画面を提示すると、当日に限り無料で観覧できる。グループの場合は1人の提示で全員無料となる。加賀の染色

1階の店舗をリニューアル
売り場拡張し、和モダンテイストに 呉服すがたや
愛媛県・1925年創業の呉服すがたや(株)(今治市風早町、田中雅仁社長)は今秋、呉服販売店を全面リニューアルする。
同社は46年に表記住所に移転。京都の町家をイメージした和雑貨販売の「ぎゃらりぃ風早」を併設し、店内を抜けて東側奥にある母屋のビル1階を呉服販売店「呉服すがたや」として営業している。
ビルが築後約45年経過しているのに加え、今年1月に長男の田中良明氏(29)が4代目として家業入りしたのを機に店舗を全面リニューアルすることにした。
売り場と台所の間仕切りだった壁を取り壊して全面ワンフロアにし、売り場面積を約1.5倍の50坪に拡張する。
着物は古典柄を中心に取り揃え、リニューアルに合わせて振袖のラインナップを充実させる。同社では顧客向けに着物を着てランチを楽しむイベント等も定期的に開催しており、「より幅広い世代の方に利用していただける店づくりを目指す」(田中社長)考え。
内外装は共に和モダンに刷新し、和のテイストを感じられるよう茶道具や美術品等も展示。7月下旬に着工し、リニューアルは11月中旬を予定。「7年後の創業100周年に向けて内容を高めていく」(同)としている。7月5~10日にセールを実施する。

協力して浴衣の着付けをする生徒
浴衣の帯結び学ぶ 有田中で着付け教室
和服の良さを体感しようと、有田町の有田中(中島尚校長)で26日、浴衣の着付け教室があった。1年生約80人が、ゲストティーチャーから着方のこつや帯の結び方を教わり、着心地を確かめた。
着物専門店よきもの家の山川公一代表(有田町)、武雄市の田代美容室の田代良枝代表が講師を務めた。生徒たちは浴衣の丈の調節の仕方や、帯は男子が貝の口結び、女子は蝶結びを学んだ。慣れない着付けに戸惑いながらも、お互いに帯を結び合って「きれい」などと笑顔を見せていた。
富永耀仁さん(12)は「男の人の着付けは簡単そうに見えたけど、やってみると難しかった。日本の伝統文化を大切にしたい」と話していた。同町内では「きものでありたさんぽ」や皿踊りなど着物に親しむ催しがあるため、和服への理解を深めようと教室を開いた。

蚕に触れる生徒たち
蚕育て絹で校旗 群馬の58校でスタート
群馬県・自分たちで育てた蚕の繭で絹製の校旗を製作する「校旗を作ろうプロジェクト」(県主催)がこのほど、県内58校で始まった。各校で約500匹ずつ飼育し、1カ月後に繭を収穫する。
館林特別支援学校(青木
央子校長)では、蚕の一生や飼育の仕方を映像や養蚕指導員の設楽知良さんの講話で学んだ。子どもたちは届いた蚕を興味深そうに見たり触ったりした。天尾凜佳さん(中学部3年)は「かわいかった。元気な蚕をいっぱい育てたい」と話した。
同校は2013年に県に移管したが、校章は以前のままだった。今年4月に3つの教育目標とツツジをイメージした新校章が完成したのに合わせ、プロジェクトに参加した。
繭は7月上旬に回収、碓氷製糸(安中市)で生糸にし、桐生市の織物工場が校旗を作る。来年1月に県庁で発表会を行う。

浴衣作りに取り組む留学生
バングラ留学生 浴衣作りに挑戦
静岡県・浜松市の浜松医科大に通うバングラデシュからの留学生6人が24日、同市北区細江町の元着物講師山本幹子さん(84)の自宅で浴衣作りに取り組んだ。夏の風物詩に触れて日本文化に親しんだ。
山本さんは知人の紹介で5年ほど前から、同国の留学生を対象に習字や生け花といった日本文化の体験会を開いている。以前、縁日で浴衣姿の来場者を見た留学生が「自分も着てみたい」と山本さんに相談したのをきっかけに、4月から週1回ほど手縫いでの作製に取り組んでいる。
同日は山本さんと知人の水田悦子さん(61)の手ほどきを受けて仕上げ作業を行い、お気に入りの色や模様の浴衣を完成させた。留学生(27)は「浴衣を着て花火大会に行くのが楽しみ。母国に戻ってからも着たい」と話した。

日本文化を体験 重~い
米国の留学生が十二単を体験 那須塩原
栃木県・国際交流を通じ異文化理解を深めようと、那須塩原市内にホームステイしている米国アリゾナ州のグレンデール高の生徒が21日、黒磯南高で十二単や甲冑かっちゅうの試着、書道などを通じ、異文化体験学習を行った。
同校は1982年から国際理解教育の一環として短期留学生徒の受け入れを実施。グレンデール高との交流は今回が初めて。
体験学習には生徒の男女7人と教員1人の計8人が参加。十二単を見た生徒は「全部着るのに何分かかるの」と驚いた様子。20分ほどで試着を終えたサンディ・バスケス・カリオさん(15)は「着物は重いけど、かわいいです」と笑顔で話した。
書道の体験では、生徒たちがカタカナで自分の名前などを木簡に書いた。一行は7泊8日の日程で24日まで黒磯南高の生徒宅などに滞在。同校の授業を見学するなどした。

1周年を迎えた西村さん
宇部の着物レンタル店 もっと着物楽しんで
山口県・宇部市西岐波の着物レンタル店「岡の辻にしむら」が24日、1周年を迎えた。
着付け講師歴13年の西村結花さんが「着物が身近ではない人の多さ」を感じて、「もっと気軽にファッションの選択の一つとして提案したい」と自宅兼店舗で開いた同店。
店内には、西村さんがシーズンごとに京都で仕入れる着物を約100点用意して貸し出し、TPOに応じた着物選びや着付け、着用後のクリーニングまでのサービスを提供する。訪問着や色無地などの「普段着キモノ」ほか、袴や振袖なども用意する。
西村さんは1年を振り返り「思いのほか若い人に多く利用していただけることがうれしい。購入するよりも気軽に着ることができ、気分によって好きなデザインを選べるのが好評」と笑顔を見せる。
夏のイベントや秋の七五三、春の卒入学シーズンの利用が多く、客層は20~40代、特に20代後半から30代の女性が多いという。
西村さんは「ワンシーズンの間にリピートをしてくださる方もおられ、需要を感じると同時に私の思いが伝わっていると感じる。着物は敷居が高く高価なものだと思われがちだが、友達と会うときや飲み会など、カジュアルなシーンでも着用できることを伝えたい」と話す。

Quiet Life
伝統の世界に新風を とよた真帆さん
東京都・1967年東京生まれ。学習院女子高在学中にモデルデビュー。後に文化学院美術科で絵画を学ぶ。女優として映画・テレビの出演多数。近年は京友禅の絵師や服飾プロデューサーとしても活躍する。そんな真帆さん語る。
私の絵が京友禅の絵柄になるのは、絵が日本画の技法で描かれているからです。
西洋の油絵は人物やモノを形作る輪郭線がないのが普通ですが、日本画にはあるんです。私の絵は、輪郭を金色のペンなどで描きます。全くの偶然ですが、これが金の染料で輪郭を描く京友禅の絵と同じだったんですね。
例えば「Quiet Life」(写実的に描かれた)という着物の作品、鳥や木の枝から花びらに至るまで、金で縁取りされているのが見えますか?
京友禅の職人さんたちが、新しい絵柄を求めていた、という事情もあります。着物はモミジやサクラ、松、鶴などの柄が主流なんです。いわば古典です。無難とも言えますが、もっと遊び心が欲しい、というような人もいる。
だから私は、チョウやトンボ、貝など、新しく、自由な絵柄を生み出したい。若い人が京友禅に親しむきっかけになってくれたら幸せだなあ。

世界最大級の養蚕工場
ハイテクが紡ぐ「蚕業革命」 山鹿市
熊本県・山鹿市の廃校跡地に2017年完成した建物で繭の量産が始まった。求人案内のあつまるホールディングス(HD、熊本市)が約23億円を投じて建設した世界最大級の養蚕工場だ。延べ床面積は約4千平方メートル。高品質のシルクの原料を効率的に大量供給し、生産性向上を目指す。まさに「蚕業革命さんぎょうかくめい」をここに見た。
蚕は伝統的な飼育法では餌になる新鮮な桑の葉を確保できる春から秋に年3回程度しか繭が取れない。餌やりや掃除は手間がかかり、感染症にかかりやすい難点もある。ところが、あつまるHDの島田裕太常務執行役員は新工場で「年間を通して高品質の繭を出荷する」と強調する。
熊本大学物質生命化学科の太田広人特任准教授らと連携し、蚕が1年を通じて食べ、餌やりの手間も減らせる人工飼料を開発している。近くの山頂の耕作放棄地に設けた25万平方㍍の桑畑で無農薬栽培した桑の葉を乾燥保存し、特殊な添加剤を加えて与える。工場は無菌のクリーンルームで感染症の危険もなくした。蚕にとり快適な温度や湿度も保つ。
蚕は現在30万頭を飼い、できあがる繭を集める収繭しゅうけんも毎月手掛け始めた。3年で3千万頭とし、繭の生産量を年間50㌧と国内最大の群馬県を上回る規模に増やす。高品質のシルクの原料を安定供給する体制を築き、「化粧品やバイオ医薬品などに応用範囲を広げる」(島田常務)。
山鹿市の中嶋憲正市長は「新たな産業を生み出す大きな可能性がある」とみて、桑畑の候補地の紹介や廃校跡の提供などさまざまな形で事業を支援してきた。有数の産地だった山鹿市での養蚕復活へ、今後も「シルク産業に関連する研究施設の誘致など全面的に応援していく」方針だ。
農林水産省によると、養蚕農家はピークの1930年に約220万戸あったが、現在は約350戸に激減し、高齢化も著しい。しかし、飼育管理方法の向上や遺伝子組み換え技術の応用により、新たな可能性が開けてきた。農水省は「農山漁村にバイオ産業と雇用を生み出せる」とみて蚕業革命と名付けたプロジェクトを各地で支援する。

染め型紙と筒井さん
色、柄様々な染め型紙 三木で展示
兵庫県・江戸-明治時代に三木の特産だった染め型紙が、兵庫県三木市大塚のギャラリー湯の山みちで展示されている。主に着物の模様に使われた複製の58点を出展している。7月末まで。
8本足のタコと桜▽格子状の模様と竹▽鳥とわら-といった独特の組み合わせの型紙が並ぶ。背景には赤や青、緑に刻々と変色するライトを設置し、違った風合いを楽しめる。2枚または3枚で一つの模様を作る型紙もあり、完成図と共に展示する。
みき歴史資料館(同市上の丸町)で7月14日に始まる企画展にも出品するという同ギャラリー館長の筒井俊雄さん(89)は「公共施設で展示できるまで知られるようになったのは進歩。今後もいろいろな種類を紹介したい」と話している
入場無料。問い合わせは同ギャラリー☎0794(82)7873。伊勢型紙

3ヶ月後予想価650円
日本和装ホールディングス フィスコ予想
東京都・主に和服の販売仲介を行っている業界大手企業の日本和装ホールディングス株式会社(千代田区)は、和服の販売仲介。無料の「きもの着付教室」運営や着物・帯の販売仲介の手数料が収益源。京都と松江の拠点開設に加え、首都圏を4拠点に営業強化。18年12月期1Q(第一四半期)は増収、利益は黒字転換と回復。年間配当は1円増配。
18年12月通期は増収、増益と堅調な推移を予想。着付け教室のカリキュラム短縮、簡素化で集客アップ。イベントやツアーに加え、男性向け着物専門店も強化へ。海外の不採算3社を閉鎖。株価は緩やかに年初来高値へ。

新成人「私たちも被害者」
はれのひ社長逮捕 融資金詐取
神奈川県・はれのひの詐取事件で、神奈川県警は23日、粉飾した決算内容の財務書類を銀行に提出し、融資金をだまし取ったとして、社長の篠崎洋一郎容疑者(55)を詐取容疑で逮捕した。捜査関係者によると「実際には契約していない晴れ着の代金を「売掛金として架空計上し、収支を黒字に見せかけていた。県警は粉飾決算の解明を進める。
今年の成人式に店舗が突然閉鎖され、多くの新成人が晴れ着を着られなくなった問題は、混乱を引き起こした会社のトップが」逮捕される刑事事件となった。
捜査関係者によると、篠崎容疑者は2016年9月、売り上げを約5000万円水増しした15年9月期の決算書などを横浜銀行(横浜市)に出し、新店舗のの開店資金名目で融資金3500万円をだまし取った疑い。
篠崎容疑者は23日午後、渡航先の米国から成田空港に到着後、県警の捜査員に任意同行を求められて車まで移動し、県警本部で事情聴取を受けていた。

篠崎洋一郎
はれのひ社長聴衆へ 粉飾決算・融資詐取容疑
神奈川県・今年1月の成人式の直前に店舗を突然閉鎖した着物販売レンタル「はれのひ」(破産手続き中=横浜市)が粉飾した決算内容の財務書類を提出し、銀行から融資金をだまし取った疑いが強まったとして、神奈川県警は、詐欺容疑で本格的な調査に乗り出す方針を固めた。近く篠崎洋一郎社長(55)への事情聴取を行う。
複数の関係者によると、同社は2016年9月、千葉県柏市での新店舗の開店資金名目で、神奈川県内の銀行から3500万円の融資を受けた。しかし、この時点で実際には債務超過に陥っており、銀行に提出した決算書などは、売り上げを架空計上するなどして黒地に見せかけたものだった疑いがあるという。
神奈川県警は、問題発覚後から同社の財務状況を調べており、経営が悪化する中で融資を受けた経緯について篠崎社長から事情を聞く必要があると判断したもの。

平山さん(左)は斬新商品を揃える
ユニーク商品で市場開拓 京の和装業界
京都市・老舗企業のイメージが強い京都の和装業界で、新規参入の事業者がユニークな商品づくりで存在感を放っている。オーダーメードで着物を仕立てる高級誂え友禅や、モダンなデザインの若者向け着物などで、インターネットによる情報発信や通信販売で消費者と直接つながっているのも特徴だ。時代のニーズをつかむビジネスで地歩を固めつつある。
誂え友禅の「京きもの連佳れんか」(北区)は今春、初めての展示会を自社のアトリエや東京で開いた。繊細な色合いの本格的な手描き友禅や刺繡の着物、帯を出品。来場者は両会場で約200人に上った。同社がSNS(会員制交流サイト)などで発信した作品やコーディネートを見てファンになった30~60代の女性たちが多かったという。
社長の野原佳代さん(35)は「来場者から、自分のためだけの着物が欲しいというニーズを聞いた。同性に相談できるのがうれしいと喜んでもらえた」と手応えを語る。
野原社長は、京都の呉服店勤務を経て独立した。消費者と対面して要望を聞き取り、職人とともにオーダーメードの着物を作る。和装は流通構造が複雑で、消費者の好みが職人に伝わりにくく、価格も高くなりがちだ。そこで、職人に直接発注する「特別な一点もの」に商機を見いだした。目指すのは女性が映える着物づくり。「万人向けの着物だけでなく、その人の好みや年齢、雰囲気にぴったりの着物が求められている」と意気込む。
綿や麻の洋服地を用いた着物を製造販売するミミズクヤ(下京区)は、服地販売店に勤務した経験を持つ花山菜月さん(31)が2014年に起業した。水玉やチェックなどの柄を用いた着物で、シャツやワンピースのような感覚で着られるのが特徴。価格も1万円台からとお手頃だ。
SNSで話題になり、昨年の売り上げは14年の4倍近くに増えた。顧客は20代が中心だが、最近は50代にも広がっているという。花山さんは「欲しい着物がなかったので自分で作り始めた。かわいい着物は消費者に支持される」と自信を深める。
着物のインターネット通販をいち早く始めたのは、和装メーカーのモダンアンテナ(右京区)。グラフィックデザイナーだった平山佳秀さん(46)が07年に起業した。
ラムネの瓶が並ぶ浴衣やイギリスの国旗をあしらった帯、ジャージーのような白いラインの入った小紋等、斬新なデザインを少量生産。「ファッションが好きな人に着物を届けたい」という狙いが、消費者に直接アプローチできるネットショップという形態にぴったりはまった。ユニークな着物として雑誌に取り上げられ、今年5月にはカナダでも展示会を開いた。
和装産業に詳しい立命館大の吉田満梨准教授(マーケティング論)は「流通構造の変化やインターネットの普及、世代交代が重なり、参入障壁が高かった和装産業で新しいものづくりをする業者が出てきている。消費者が着物に求める多様な価値を反映しており、市場はより魅力的になりつつある」と分析している。

日本の夏を楽しもう
裏路地浴衣祭り2018 大社の杜みしま
静岡県・三嶋大社前にある商業施設「大社の杜みしま」(三島市大社町)で23日、イベント「路地裏ゆかた祭り」が行われる。
同イベントは市内の呉服店3店が同施設に集まり浴衣の販売や着付けサービス、レンタル衣装などを中心に行うもの。浴衣姿の来場者には、冷やし甘酒を無料配布するほか、足水の体験なども行う。各店舗では割引や増量のサービスも展開する。同施設のチーフコーディネーターの大塚徹さんは「これから暑くなっていく季節となり、浴衣は高温多湿の日本に向いている夏の衣装。日本の夏の過ごし方をもう1度振り返るきっかけになってくれれば」とイベントの趣旨について話す。
当日は浴衣体験のほか、日本の昔遊びを体験できるコーナーも。ベーゴマやめんこなどのほか、ヨーヨーすくいなども体験できるという。
大塚さんは「浴衣の素晴らしさを知ってもらい、自分が楽しむだけでなく、多くの人と共感できれば。浴衣で楽しむ粋な文化をここから発信していきたい」と話す。問い合わせは大社のみしま運営事務局☎055(975)0340。

昭和の雰囲気の残る横丁で
レトロな結婚式 大洲でカップル参加募る
愛媛県・昭和薫るポコペン横丁で結婚式を挙げませんか--。11月3日に大洲市肱南地区で開かれる「おおず浪漫祭」の実行委(市など)は、同祭のメインイベント「レトロウエディング」に参加するカップル2組を募集している。応募は7月20日まで。
地元住民の提案で始まり今年で2回目。同地区は城下町の町並みや明治時代の建築物など、歴史ある文化が残る。古民家で着物に着替えた新郎新婦は、全員着物姿のスタッフらに祝福され、タイムスリップしたような雰囲気で街中を歩き、挙式会場のポコペン横丁へ。地元住民らに見守られた人前式で愛を誓う。
1年以内に婚姻届を出す予定か、届けているが挙式をしていないカップルで、SNSや広報紙に氏名や写真を掲載できることなどが条件。参加は無料で前日の宿泊やプロによる撮影などの特典がある。応募多数の場合は、応募動機などから選考する。
申し込みは市ホームページにある申し込みフォームに必要事項を記載し、事務局へメールする。問い合わせは同実行委☎0893(24)1717へ。

「辻が花」の小袖
絞り染めの歴史着物などで紹介 名古屋
愛知県・絞り染めの歴史をたどる企画展「日本の絞り 天平より伝わる絞りの華」が、名古屋市の古川美術館分館の為三郎記念館で開かれている。京都市の染色家・吉岡幸雄さんの所蔵品を中心に、奈良時代から昭和初期までの染色技法の発展を着物など約20点で紹介している。
今月末から市内で開催される「国際絞り会議」に合わせて企画された。正倉院宝物と同時期の制作で、法隆寺伝来とされる奈良時代の素朴な絞り染め「紺地格子襷文絞纐平絹こんじこうしたすきもんこうけちひらぎぬ」をはじめ、中世になり刺しゅうや絵などが加わり発展した「辻が花」や、錦絵のように豪華な文様となった江戸時代の「小袖裂集」などが展示されている。7月1日まで。

単衣小1万円
和装販売店首都圏で拡大 カタログ通販のベルーナ
埼玉県・カタログ通販のベルーナ(上尾市)は着物や和雑貨を販売する和装事業を拡大する。首都圏を中心に、5年後に全国で480店に増やす方針だ。子会社化するさが美グループホールディングス(GHD)では低価格商品も投入する。和装市場は縮小が続くものの、和装に慣れていない消費者も増えており、新規顧客を開拓する好機と判断した。同社は呉服専門店のさが美を買収して子会社化する予定で、18日にTOBを終了している。取得額は約59億円になる見通し。グループ企業で和装事業を手掛けるBANKANわものや(名古屋市)と合わせて、和装事業を拡充する。
さが美は現在、全国に160店舗を展開し、顧客には和装慣れした人が多い。従来の着物の価格帯は20万~100万円と比較的高額品が中心だったが、合成繊維などを使って価格を抑えた新商品を投入し、新規顧客を呼び込む。数千円台で購入する商品もそろえるという。
さが美とは別に、同社は和装を販売するグループ企業、BANKANわものやを傘下に持つ。店舗数は現在79。自宅で洗える着物など和装初心者向けの品ぞろえが強みだ。2018年3月期の売上高は13年3月期比で2倍弱の86億4000万円。
同社はBANKANわものやとさが美の店舗数を19年度から年間15%のペースで増やし、5年後には合計で480店に増やす計画だ。設備投資額は年間約2億円を想定する。BANKANわものやの形部幸裕社長は「まずは和装初心者のニーズに応える。和装になれれば、求める商品の幅も広がる」と説明する。
さが美の買収は和装事業で働く従業員の育成効果も期待できる。和装愛好者を顧客に抱えるさが美の従業員は和装文化に詳しく、着物の手入れに関する知識も豊富という。こうした知識をグループ全体で共有し、若手の研修などに生かす。
矢野経済研究所(東京)が18年3月にまとめた調査によると、17年の呉服小売市場規模は2710億円。一定の規模は維持するものの、縮小傾向が続いている。ただ、若者を中心に和装を経験してみたい層が広がっているとの見方もある。関連記事

大原女姿の早川さん
大原女の衣装着付け担い13年 早川さん退任で実演
京都市・左京区大原で大原女の衣装着付け体験事業を13年間担ってきた大原観光保勝会専務理事、早川昭子さん(74)が、今月末で退任することになった。退任記念の講演会と着付け実演が、24日午後2時から東山区の京都女子大である。
大原女はかつて薪を頭に載せ市中に売りに行っていた女性。保勝会では毎年春に「大原女まつり」を主催するほか、観光客向けの体験なども行っている。
早川さんは2005年に前任者を引き継いだ後、観光客向けの着付け体験以外にも新たに地元の子どもや母親に向けた着付け指導を始め、伝統の保存に努めてきた。高齢になったことや後継者が見つかったことなどで退任を決めたという。早川さんは「多くの人に出会い、大原を知ってもらう機会が持てたのが最大の幸せ」と話す。
24日は研究者などでつくる「京都販女ひさぎめ文化研究会」の例会として開催、京都女子大家政学部の青木美保子准教授らの講演に続き、早川さんが衣装着付けを実演する。当日先着30人を受け付ける。参加費500円(学生無料)。問い合わせはNPO法人京都古布保存会☎0774(26)1889。

いつまで続く
はれのひ後遺症 社長欠席で債権者集会
神奈川県・成人の日を前に突然営業を取りやめた振り袖の販売・レンタル業「はれのひ」(破産手続き中)の債権者集会が20日、横浜市内で開かれた。晴れ着トラブルの被害者や金融機関の担当者など約80人が出席したが、篠崎洋一郎社長は姿を見せなかった。
破産管財人によると、負債総額は約10億8500万円に上るとみられる。はれのひが所有していた着物約820着は別の業者に1620万円で譲渡され、来年以降の成人式のためにレンタル契約していた人は無償で借りられるとしている。
集会では、篠崎社長と連絡が取れておらず、海外にいるとみられることを説明した。関連記事

デニムに施す染色体験
染色体験できるアトリエ開設へ 京都デニム
京都市・京都デニム(下京区)が、新アトリエの開設に向けクラウドファンディングで資金を募っている。
着物メーカーが立ち上げた同ブランド。着物に使われる友禅の技法を使ってデニム生地を染め、ジーンズを中心に小物などを販売する。
アトリエは染色体験や新商品の試作スペースとしての利用を想定。新たに壁紙や障子といった衣食住の「住」に関するプロダクトのショールームとしても活用する。場所は店のはす向かいで、現在改装工事が行われており、7月の中旬のオープンを目指す。
宮本和友店長は「京都デニムが考えている次の展開を知ってもらうことも含めてクラウドファンディングを選んだ。人が手で作るものの優しさや美しさを身にまとう特別な体験を身近に感じられる施設にしたい」と話す。
支援はクラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で3000円から受け付ける。支援に対し、5000円の支援ではぬいぐるみの「でにぐま」や、9800円の支援に対してはデニムのエプロンといったリターンを用意する。クラウドファンディングは7月19日まで。問い合わせは同社☎075(352)1053。シルクデニムのきもの

ショーに向けて練習をする女性
イマジンワンワールド 伊賀で着物ショー
三重県・伊賀市西明寺の市文化会館で7月5日から8日まで、世界各国の自然、文化、歴史をデザインした着物の展示やショーの催し「伝統美×世界のKIMONOコレクション in IGA」が開催される。市文化都市協会が主催。福岡県久留米市の一般社団法人「イマジンワンワールド」が20着以上の着物を貸し出す。
同法人の着物ショーは三重県内初で、催し最終日の8日に開催。着用するモデルはプロに加え一般からも募り、20人以上の応募者から面接や姿勢の審査などで15人が選ばれた。三重県内のほか大阪や和歌山からも参加する。
本番に向け、モデルを対象に歩き方や着物の見せ方の講習が16日、同会館であり、モデル女性らは自前の着物姿で講師の指示を受け、舞台上でポーズやターンを練習した。伊賀市内の上野高三年、児玉花陽さん(17)は「母の勧めで参加した。着物の美や各国の伝統を伝えたい」と意気込んだ。
同法人は2020年の東京五輪に向け、企業などの協賛を得て世界190の国と地域をイメージした着物と帯の制作を進める。ショーは東京、福岡、京都、名古屋などで開催してきた。伊賀での開催は帯締めに伊賀くみひもが使われたのがきっかけ。20着以上の出品は地方開催で過去最大という。城下町の工芸品伊賀組紐
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起業した太田さん
タンスに眠る着物シェア 起業家が新ビジネス
京都市・タンスに眠っている着物を預かり、所有者間で互いに利用してもらうビジネス「シェアクロゼット」を、京都市の女性起業家が始めた。手入れや着付け、コーディネートなど、着物初心者がつまずきやすい課題を引き受けて解決する。着物を気軽に楽しめるサービスとして注目されている。
下京区の太田由恵さん(28)。「ゆっけ」のニックネームで着物の相談会を市内の飲食店で開いたり、中古着物を格安で販売したりして、若者に着物の魅力を広げる活動を展開している。
シェアクロゼットの店舗「水端みずはな」は4月、下京区にオープンさせた。利用者は、月額3千円で着物や帯5点を預け、他の利用者と共有のタンスに保管してもらう。着物を着たくなれば、2週間前に予約した上で店舗に行き、他の利用者の所有物も含めてタンスに入っている着物を好きに選べるという仕組み。コーディネートの幅が広がるのも特徴の一つだ。
着物を日常的に着る上でハードルとなる保管場所や手入れ、着付け(別料金)などは、店舗が請け負う。着物に関する相談や買い物同行なども行う。
呉服店での勤務経験がある太田さんは、母親や祖母から譲り受けた着物を持っていても、多くの人が着付けや手入れなどが不安で実際に着用するのが難しいと感じていた。「誰もがつまずくところを解消すれば、もっと簡単に着られる。着物を始める人の入り口になろう」と考え、起業した。
太田さんは「着物はいつもよりすてきに見えるファッション。まず楽しいと感じてほしい」と話している。問い合わせはinfo@mizhana.comまで。

小物も豊富に品揃え
今年のユカタは「アースカラー」 蝶屋ゆかたまつり
福岡県・今年創業80周年を迎える「きもの蝶屋」(久留米市)が、21日(木)より雑貨館インキューブ天神店にて、今年で17年目になる夏定番イベント「蝶屋ゆかたまつり」を開催する。8月14日まで。
「今年のトレンドアースカラーやウィンターカラー など一見夏とは逆のイメージで涼しさとオトナ感を演出します。その他、インスタ映えするボタニカル柄や大柄ポップ柄、また、着付けが簡単なセパレート式ユカタや着心地の良い接触冷感素材、綿麻素材のユカタなど幅広いバリエーションを取り揃えています」と主催者。
会場は、緑を基調とした装飾やアロマなどで働く女性のための癒やし空間を演出し、今年らしい浴衣が、約300種類以上並べられる。
問い合わせは担当:緒方、山本☎0942(34)4711。夏姿浴衣心得

9月5日開催
京の着物産業 サミット契機に再生を)
京都市・日本の民族衣装ながら、着物の需要は縮小を続けている。生産から流通まで和装業界は危機的な状況にある。その最大の集積地は京都だ。一方で最近、京都では観光客や若者の間でレンタル着物が人気を集め、意欲的な担い手が活躍するといった光明も見える。
折しも9月に京都市内で全国の和装業者らが集い、平成最後の「きものサミット」が開かれる。古い商慣行の改善などを議論するという。京都は率先して新時代の和装のあり方を提示し、再生に向けた改革を引っ張ってほしい。
和装の市場規模は1980年前後の1兆8千億円を頂点に低迷が続き、今や3千億円を切る。西陣織工業組合の出荷額は90年の最盛期から9割近く縮小。京友禅京小紋生産量はピークの2%、丹後ちりめんは同じく3%に落ち込む。
市場の縮小は賃金の低下、人材の不足を招く。西陣織では2万人を超えた織り手が約千人にまで減った。年金受給者が多く、副業に頼る若手・中堅も少なくない。
戦後の洋装化の中、和装業界は高級路線で生き残りを図る。だが経済の低迷もあり、「高くて着にくい」などとして消費者の着物離れが進んだ。実際、着物の価格や品質は不透明な面が大きい。今年1月には横浜市の振り袖販売・レンタル業者が突然営業を停止し、新成人が晴れ着を着られなくなる「はれのひ問題」も起きた。
委託販売や長期手形といった取引、「高売り」「圧迫販売」ともいわれる手法など旧態依然たる商慣行を、消費者目線で改めることが欠かせない。適正な価格と生産者らへの応分の報酬を実現することで、消費者が安心、納得して着物を買える環境を整えるべきだ。
国の調査では着物を着た経験のある女性の多くが、今後も着たいと考えており、中でも20代は8割に上る。京都の観光地でも国内外の若者がレンタル着物で歩く姿が目につく。すぐに着物の購入に結びつくわけではないが、和装の潜在力は感じさせる。
ネット販売や産地直販などの選択肢が広がっているほか、若い職人や経営者が企業や研究機関、異業種と連携し、意匠や生産技術を活用した新商品を開発したり、ITを導入する動きも出てきた。
京都市での開催は9年ぶりとなるサミットは、東京五輪を視野に着物文化を内外に発信し、その価値を再認識する好機だ。若手・中堅の意見も積極的に取り入れ、消費者の目に見える形で業界が変わるような改革の弾みとしたい。=京都新聞社社説=

ガーナの着物
五輪のキモノで 魅力広めたい 大島紬
鹿児島県・2020年の東京五輪に向け、世界196カ国をイメージした着物を作る「キモノプロジェクト」に鹿児島県から大島紬の織元大瀬商店(鹿児島市)など4社が参加しており、それぞれシンガポール、ガーナ、タンザニア、ホンジュラスの着物を制作している。大島紬は国の伝統的工芸品に指定されており、世界の注目が日本に集まるをチャンスと捉え、その魅力を広めてほしい。
大島紬を取り巻く状況は厳しい。県によると、ピークには生産量97万1000反(1976年)、生産額508億9000万円(80年)を記録した。だが、着物離れが進み、2017年は2万5000反、10億7000万円まで減少している。
本場大島紬織物協同組合(鹿児島市)と県は、プロジェクトを大島紬振興につながるチャンスと捉え、4社の作品を県内で展示する機会を設けられないか検討するという。
大島紬の良さを地元で再認識することは、魅力を発信していく上で大きな力となるに違いない。多くの県民が作品と触れ合い、良さを味わえる場を実現してほしい。
プロジェクトに向け、いかに効果的な発信をするか。鹿児島が誇る伝統工芸品の大島紬を守り、発展させるため、知恵を絞ってもらいたい。=南日本新聞社社説=

前回の審査風景
「倉敷小町」募集 天領夏祭り実行委
岡山県・7月21日にJR倉敷駅周辺で開かれる「倉敷天領夏祭り」の実行委員会(倉敷市、倉敷商工会議所など)は、祭りを皮切りに1年間、県内外のイベントで倉敷の魅力を発信する「倉敷小町」のメンバー3人を募集している。
市内に在住または通勤・通学する18歳以上が対象。7月8日に1次審査を行い、祭り当日にアリオ倉敷(同市)で公開の最終審査を実施する。選ばれた3人には、10万円相当の旅行券とともに、デニム製の制服と着物が贈られる。
祭りの公式ホームページで応募用紙をダウンロードし、必要事項を記入して実行委の事務局が入る倉敷商工会議所(〒710―8585、倉敷市白楽町249の5)へ持参または郵送する。ウェブでの申し込みも可。いずれも顔写真の添付が必要。締め切りは6月24日(郵送は同日消印有効)。問い合わせは実行委☎086(424)2111。

改正民放成立
18歳成人呉服業界に危機感 福岡でも
福岡県・伝統文化でもある着物に触れる機会が失われるんじゃないか。県内の着物仕立て業者は表情を曇らせた。業界にとって成人式は一番の書き入れ時。振り袖は購入なら1着40万~50万円、レンタルでも10万~20万円の売り上げが見込める。だが高校3年での成人式となれば、進学を控えた親の財布のひもは固くなる。「成人式は制服で」というムードが広がりでもすれば影響は計り知れない。
全国の呉服業者でつくる「日本きもの連盟」は昨年12月、法務省や衆参両院などに要望書を提出。「長年の慣習として定着している」として20歳での成人式の維持を求めた。
成人式を行う市町村も困惑を隠さない。仮に18~20歳を対象にする場合、新たな会場探しを迫られる可能性がある。北九州市によると、市内の18~20歳を成人式の対象にすると3万人規模になる。現行の「北九州メディアドーム」では収容しきれないため、別の施設を探す必要があるという。
成人式は法律で規定されておらず、主に市町村の判断で開いている。北九州市は「検討はこれから」と苦慮。福岡市は「開催日や時間を分けるのかも含めて考えていく」、熊本市は「他都市の状況を見つつ、早めに決めたい」としている。関連記事

化粧品とともにブランド展開
無菌養蚕シルクでタオル きものブレイン
新潟県・着物のアフターケア事業で業界トップシェアを誇る㈱きものブレイン(十日町市)はこのほど、自社無菌養蚕工場産のシルクを使った今治タオルを商品化した。
シルクは手術用の糸に使われるほど人の皮膚に近い繊維といわれ、絹糸になる「フィブロイン」とその外側を包む「セリシン」と呼ばれるタンパク質で構成する。セリシンは人と共通する18種類のアミノ酸で構成し、近年の研究で保湿や抗酸化等の効果が期待できることが解明されてきているという。
同社は着物のアフターケア事業を通じてシルクを研究する中、一般的な白繭と比べてセリシンを豊富に含むみどり繭に着目。2015年に無菌人工給餌周年養蚕システムの事業化に成功し、自社ブランド「絹生活研究所」の第1弾商品としてセリシンを使った基礎化粧品と手づくり石鹸と合わせて、フィブロインを使ったタオルを開発。
タオルはオーガニックコットンの超長綿と制菌効果の高いエリ蚕のシルクを使用し、超長綿83%・シルク187%で肌触りにこだわった組成で仕上げた。種類はハンドタオル、フェイスタオル、バスタオル。製造はタオルメーカーの㈱藤高(今治市)が手掛けた。
現在、クラウドファンディングサイト「Makuake」で先行販売中。同社では「『絹生活研究所』は無菌養蚕によるるみどり繭の生産からシルクエキスの抽出まで国内にこだわったモノづくりが特長で、タオルは赤ちゃんや肌の弱い人も安心して使うことができる」(経営企画部)と説明。今後の市場調査をもとにアイテムの拡充も検討していく考え。

貸し出されるキット
結城紬の未来を紡ぐ 「糸取り」養成に本腰
茨城県・日本を代表する高級絹織物で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産にも登録されている結城紬の生産の先行きが危ぶまれている。材料の糸を紡ぐ職人「糸取り」が減少し、高齢化も著しいためだ。産地・結城市の関係者が、後継者の養成に乗り出した。
結城市で2月に開かれた会合で、初めて糸を紡ぐ人向けの道具や糸の見本、解説DVDなど一式を「スターターズキット」として貸し出すための説明が行われた。キットを借りた人は、一定期間内に決められた量の糸を納め、対価を受け取る。定期的な講習会でスキルアップを促し、職人として定着してもらう。参加者は26人。関東だけでなく、山形県や山梨県の人もいた。結城市の森律子さん(41)は、幼い長女を連れて参加。母親が糸取りで、以前から興味があったという。「糸が足りなくなりそうだとは知らなかった。地元の伝統工芸に少しでも貢献したい」と力を込めた。
説明会で糸紡ぎの実演を披露した国認定の伝統工芸士の植野智恵さん(下妻市)は「地域だけでは担い手が足りなくなる。1人でも多くの後継者をつくりたい」と、産地外からの参加者を歓迎した。
卸商協同組合によると、18年度は筑西、下妻の2市でも新たに糸取り説明会を開く予定という。スターターズキットも40セットほど貸し出したため、追加で5.60セット用意する。
今後、原料供給、生産、卸など、結城紬に関わる5つの組合が連携し、糸取りの後継者養成に本腰を入れる。本場結城紬を訪ねて

繭の品質を確認する生産者
自信の繭生糸へ旅立ち 小山で初出荷
栃木県・養蚕が盛んな小山市で生糸の原料になる今年最初の繭の出荷が14日、行われた。
小山市やその周辺では、およそ10軒の養蚕農家が繭の生産に取り組んでいるが、農協の出荷所で、今年最初の繭の出荷作業が行われ、市内の2軒の農家が真っ白な繭を持ち込んだ。
持ち込まれた繭は小ぶりの品種の「改良小石丸」というブランドでとても細い生糸が取れ肌触りがいいことから着物やスカーフに加工されている。
農家の人たちは、3㌢ほどの繭を台の上に広げて汚れがあるものや形が悪いものを取り除いたあとトレーにのせて繭の出来を確かめた。繭は群馬県の製糸工場へ運ばれ製品に加工される。
「JAおやま」によると、14日出荷された繭は去年と同じ程度の量のおよそ600㌔で、ことしは10月中旬までに9㌧の出荷を目指すという。
養蚕農家の福田芳男さん(66)は、「ことしは暖かかい日が多くえさになる桑の生育がよかったため、蚕も大きく育ち、繭の出来もいいです。多くの人に着物の着心地を楽しんでほしい」と話した。松岡姫 和木沢絹のふる里を尋ねて 今は無き石西社

泥染めの解説する松元さん(左)
泥染めワークショップ 奄美の伝統文化発信
東京都・合同会社Simply Nativeとキサブローはこのほど、渋谷区渋谷の100BANCHで泥染めのワークショップを行った。フェイスブックなどを通じて集まった人たちは、持ち寄ったTシャツなどを染める体験を通じて、奄美の伝統文化に触れていた。
奄美出身の松元ゆきのさんが、着物作家のキサブローさんとともに参加。事前予約のチケット制で3回にわたったイベント「泥染めアップサイクル」は、各回10人の限定で全て売り切れとなり、海外からの追加参加を含めて40人が体験した。
午前10時の回に参加したのは、東京近郊からやって来た女性たち。泥染めの工程や歴史などを松元さんから説明を受けた後、トートバックやTシャツなどに仕上がりのイメージを膨らませながら、輪ゴムを巻いていた。
独特のにおいの中でのチャレンジ。「タンスの中から大島紬が出てきたことで奄美に興味を持ちました」と、笑顔で話す人。また、茨城から参加した母娘は、「藍染めの経験はありますが、泥染めは初めて。とても楽しいです」。そう言葉を弾ませていた。昔を残すマリンブルーの島

着物選びを楽しむ女性たち
ちりめんの里できものマルシェ 与謝野
京都府・丹後ちりめんのふる里、与謝郡与謝野町加悦のちりめん街道周辺でこのほど、「きものマルシェ(市場)」が開かれた。
浄福寺(与謝野町)の本堂には畳いっぱいに着物が並べられ、ベレー帽をかぶった若い女性たちが試着をしながら、買い物を楽しんでいた。日常のお出かけにも着物を選ぶようになったという。見ていると、自由な発想で着物を楽しむスタイルが広がりを見せているようだ。丹後ちりめん

実行委員長の薬真寺さん
ジャパンキモノコレクション 催事結果知事に報告
大分県・着物を通じて日本文化に親しむイベント「ジャパンキモノコレクション」が先月27日に別府市の別府ビーコンプラザで開かれ、実行委員長の薬真寺紀子さん(53)=大分市=ら4人が12日、県庁に広瀬勝貞知事を訪ね結果を報告した。
着物によるファッションショーや着こなしを競う「大和撫子コンテスト」があり、約140人が来場した。
薬真寺さんらは浴衣姿で登場。広瀬知事は「海外からの観光客やAPU(立命館アジア太平洋大学)の留学生らに日本の文化を伝えていってほしい」と話すと、薬真寺さんは「おもてなし文化をはじめとした日本文化を広げていきたい」と話した。今後は県外での開催も目指していく予定だという。

ショーで着る浴衣を選ぶ学生
「マドレー染」復活へ一歩 浴衣4種販売
京都市・大正期に京都で開発され、昭和末期に廃れた「マドレー
」を復活させようという動きが出てきた。開発して商標を持つ老舗企業と、大学や百貨店が協力し、本来の技法とやや異なるものの、浴衣で再現した。関係者らは「本格復活につながれば」と期待している。
マドレー染は、糊を混ぜた染料を板の上に落として円櫛などの特殊な道具でかき混ぜて多様な模様に仕上げ、布地に転写する「糊流し染」の一つ。
中京区の二条城近くにある染色業「日比野」(現マドレー)が大正期に考案し、1970年代には着物やスカーフなどに多用されたが、職人の後継がいなかったことから、昭和の終わり頃には技法が途絶えた。開発者のひ孫であるマドレー社長の日比野淳平さん(42)が、青木美保子・京都女子大准教授と知り合い、文献や染色職人の助言を得ながら、2016年春に試作として、生地を染め、京都女子大生がドレスに仕立てた。
ただ、職人がいないままの現状で、本格的に事業として再開するには難しい。このため、高島屋京都店(下京区)の協力を得て、まず過去のマドレー染の模様を生地に印刷する簡易な手法で再現した浴衣を発売することにした。紺地に白い波が渦巻いたような模様や、薄いピンク地に赤いバラの花柄が描かれたものなど4種類を作り、他の浴衣とともに同店呉服売り場の特設コーナーで販売されている。
23日には学生がモデルとなって、同コーナーでマドレー染の柄を含む浴衣を披露するファッションショー(午後3時からと同5時からで各回約30分)も開く。2年生の西沢和音さん(19)は「ピンク系のマドレー柄は初めて見たが、今っぽい感じでいい」と話していた。日比野さんは小学生の頃、工場で職人が糊を混ぜたり、生地を蒸したりしていた光景を覚えている。当時の職人が残した色柄見本も手元にある。「スカーフやストールなどの小物から始め、マドレー染の本格復活につなげたい」と話している。

チラシに使われた着物
「型染むら雲三彩文着物」 柚木沙弥郎個展
東京都・日本民芸館(目黒区)の戸を開けると、色とかたちが飛び込んで来た。95歳の型染めの第一人者、柚木沙弥郎の作品が吹き抜けの壁に映えている。思想家の柳宗悦(1889~1961年)が収集した工芸品を中心に展示する同館で、現存作家の個展は版画家の棟方志功以来43年ぶりだという。
展示を見ると、小ぶりなパターンの繰り返しで染め抜いた布もあれば、1枚の布全体に大胆に幾何学的な図様を配したものもある。さまざまなバリエーションのなかで、どれにも共通するのは、目にすると心が躍ること。古来、魚介類や植物の文様はさまざまに描かれてきたが、人間や動物の模様は柚木作品ならでは。とぼけた表情のヤギやウサギ、サボテンのそばのメキシコ人を見ると、にんまりしてしまう。
2階の一室では、抽象的な文様の布と、アフリカやアジアの所蔵品を並べるという試みも。アフリカの仮面や日本の土偶と、柚木作品が響き合っている。同館学芸部の月森俊文さんは「かわいらしいだけでなく、強さがそこにある。プリミティブな造形が持つものと同質のものを柚木作品は持っている」と語る。
力強さといえば、展覧会チラシにも使われてい着物。柔らかな曲線と明るい色彩で構成されているにもかかわらず、実際に見ると、色とかたちが拮抗きっこうし、ある種の緊張感もはらんでいる。24日まで。

張り切る神田のスタッフ
老舗呉服店海外に活路 観音寺市の神田
香川県・少子化や人口減で国内市場の伸びは期待しにくい着物業界。逆風の中、観音寺市で呉服店を営む神田は、4月末に米国の和服販売業者と提携し、米国市場の開拓に乗り出した。
観音寺市の中心部にある呉服店「きもの御司神田」。店内は反物が並ぶどこにでもある呉服店だが、英語で「これは作れますか」とメールで問い合わせが来る。「日本ではいない体形だな」。神田光一郎社長や従業員は大柄な米国人からの発注に、袖をまくって対応に乗り出す。
同社は4月末に米イリノイ州の和服販売業者、タンジェリン・マウンテン社と提携した。タンジェリン社が米国でオーダーメードの高級着物の注文を受け付け、神田は仕立屋と協力して着物を作り、米国に発送する。タンジェリン社は着物の歴史や着付けの講習会を開き、現地で需要を掘り起こす。
地元の需要減をインバウンドで補えないか検討したが、「東京や京都なら採算に合うが、観音寺では厳しい」(新規事業開発担当の岡本紘宜氏)という結論に達した。
今後の生き残り策を模索する中、17年9月にウェブサイトを開設。ネットで注文の受け付けを始めるなど老舗の呉服店は変わろうと先手を打った。そして同年10月、テレビ番組を通じて米国で活躍するタンジェリン社を知り、ラブコールを送った。今年2月にタンジェリン社の5人が来店。質の高い着物を販売してきた実績が評価され、「米国で一緒にブランドを作っていきましょう」と提携にこぎ着けた。
提携後、最初の1カ月で12件の問い合わせがあり、手応えを感じた。岡本氏は「年間30~40件程度の注文は見込めるのではないか」と期待する。
2019年には創業100年を迎える。地域住民の晴れやかな舞台を着飾ってきた100年を経て、外国人にも愛用される呉服屋として次の100年へと突き進む。

職人が早朝から作業
「藍こなし」始まる 上板町
徳島県・藍の葉を刻んで乾燥させる「藍こなし」の作業が7日、板野郡上板町下六條の佐藤阿波藍製造所で始まった。9月中旬まで行われる。
藍師の佐藤好昭さん(54)ら職人8人が午前5時から作業を行った。刈り取ったばかりの葉を約2㌢の長さに切断した後、送風機で飛ばして茎と選別。屋外で均一になるよう薄く広げ、ほうきで裏返して乾燥させた。約2日間天日干しをした後、袋詰めして製造所の倉庫に保管する。
9月上旬には葉を発酵させる「寝せ込み」の作業が始まり、12月に藍の染料・すくもに仕上げる。
佐藤さんは「4、5月に適量の雨が降り、立派な葉に育った。今年も品質の良いすくもを作りたい」と話した。絹に踊る徳島の藍

応接間で打掛を着た姉妹
旧蔵内邸の来館者回復傾向に 築上町
福岡県・美しい庭と木造の豪華な邸宅で知られる国名勝の旧蔵内邸(築上郡築上町)は、4月に開館6年目を迎えた。初年度(2013年度)の年間来館者が最高で、その後は減少傾向を示したが、17年度に初めて増加に転じた。旧蔵内邸に似合うイベントの開催に加え、スタッフ独自のおもてなしが功を奏したかたちだ。
「着物を着ることもできますよ」。庭の見える応接間で、高橋幸子館長が声を掛けた。
2年前から赤や白の打ち掛けを無料で着て、庭などを背景に写真を撮ることができるようにした。韓国では写真共有アプリのインスタグラムを通じて、旧蔵内邸は人気があるという。
本格的に着物体験をPRしたのは、今年に入ってからだ。このほど行った旧蔵内邸を夜間開放しての「ホタルの夕べ」では、多くの人が打ち掛けを羽織った。2度目の来館という小倉南区の会社員井本志津香さん(35)は「ゴールデンウイークに初めて来た時に夜間開放を知り、姉を誘って来た。着物姿の写真は両親に見せます」と笑顔を見せた。

毎日着物で田中さん
着物で通勤 案ずるよりも産むが易し
東京都心のオフィス街に毎日着物で通勤している神奈川県在住会社員田中達彦さん(51)。
田中さんはIT技術者で、呉服業や観光業、「和のお稽古」とも無縁。実家に日常的に着物を着る人も無。それが2011年ごろ、妻の影響で着物のおしゃれに開眼。やがて「業務に支障はないし、ふだんから会社に着ていってもいいのでは」と思うようになったという。
田中さんは話す。「着ていく前は『周囲の目』が気がかりでしたが、注意されるのも覚悟で出社してみると、同僚にはすんなり受け入れられ、「ダイバーシティー(多様性)だね」と言う役員も。外部の人から「おしかり」を受けることもありませんでした」。初対面の相手から「なぜ?」と聞かれることは多々あります。でも,、3回も会えば「そういうもの」と思ってもらえる。そうなればもう楽ですよ。街で話しかけられたり、外国人から記念撮影を求められたり。着物だからこそ起こるハプニングも楽しんでいます」。
ちなみに、着物というと友禅とか紬とかを思い浮かべるが、田中さんは主に木綿素材を愛用している。予算は1着あたり「仕立て代込みで3万円台」。1万円台で購入した反物を女房殿が仕立てることも多いそうだ。

藍の長板染め博多帯
映える浴衣で夏満喫 浜松で着こなし・振る舞い講座
静岡県・松坂屋静岡店でも5月31日に「ゆかたプラザ」を開設。担当者によると、昨年は伝統的な紺や白地など落ち着いた柄の人気が高かったという。最近はSNSの普及で、ひときわ目立つ柄が注目されていることもあり、今年は上品ながらも大胆な柄の“映える浴衣”がはやりそうだと予測する。ただ、浴衣は毎年買い換えるものではないため、小物にも注目。帯だけを新調したり、飾りひもを付け加えるなどして「雰囲気を変えるのもお薦めだ」と話す。
同店では約10種類のブランドを取りそろえる。来店していた市内の20歳の女子大生は「“浴衣美女”になって、花火や祭りに行きたいですね」とシーズンへ向けて品定めをしていた。
一方、着ることが比較的容易で、初心者でも着やすいのが浴衣。日本環境マネジメントは浜松市の浜松労政会館で、浴衣を美しく着こなすだけでなく、身のこなしも伝授する「浴衣でしぐさ 美人メソッドレッスン」という講座を初めて開く。同社の尾上悟子さん(53)は、「私のような年齢の人から見ると(浴衣を着た時の)歩き方にも疑問符をつけたくなることがあるのでは」と講座の意義を強調する。
専門の女性講師を招き、7月17日は「浴衣での美しい振る舞い」、24日は「下駄の美しい歩き方」と2講座を実施。尾上さんは「着物でもいいんですが、少し軽い浴衣文化を広めていきたい」と語る。問い合わせは浜松労政会館☎053(454)5491。

繭を作る野生種の幼虫
天蚕 愛荘で繭作り
滋賀県・愛荘町蚊野外の「手おりの里金剛苑」で、蚕の野生種「ヤママユ」の幼虫が緑色の繭を作り始めた。今月末ごろまで楽しめる。
ヤママユは天蚕とも呼ばれ、同苑では保護を目的に50匹ほどを飼育している。同苑の村西和雄さんによると、毎年4月中旬から下旬にふ化し、6月初旬から徐々に繭が見られる。今年も、長さ8~10㌢の幼虫がドングリの葉に繭を作っている。
村西さんは「梅雨の季節の風物詩。珍しい光景を楽しんでほしい」と話す。見学希望者は、同苑に連絡すると、幼虫が繭を作るタイミングを教えてもらえる。問い合わせは同苑☎0749(37)4131。天蚕糸

「成人式は20歳で」と求める声も
18歳成人式 悩ましい呉服業界
長野県・成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げる民法改正案と関連法の改正案。政府は今国会での成立、2022年4月の施行を目指すが、「18歳成人」でさまざまな影響が予想されるのが成人式だ。高校の制服での出席が増え、振り袖を着る人が減る―と気をもむのは県内の呉服業界。1月の「成人の日」は大学などの受験期に当たり、県内自治体も1月の式典の前倒し開催など何らかの対応を迫られる。さらに22年度は18〜20歳が一斉に成人式を迎えれば、会場確保も課題となる。政府は式の在り方について検討を始めており、関係者は動向を注視している。
「成人式の対象が18歳になれば、振り袖を着る機会が失われる」。長野市の呉服店「まるため」の小池正司社長(64)は気に掛ける。高校生で成人式を迎えれば、制服で出席する新成人も相当数見込まれ、重要な商機を逃しかねない、と考えるためだ。
小池社長が理事を務める日本きもの連盟(事務局・京都市)は、式典の参加年齢を20歳のままにするよう政府に要望している。「受験を控えた18歳の若者が新成人としての自覚、誇りを持って式典に参加できる環境は整っていない。慣習として定着した20歳が最もふさわしい」と主張している。
施行初年度は18~20歳がまとめて成人を迎え、一つの式典会場に新成人が入り切らないことが予想される。松本市が1月に市総合体育館で開いた成人式は、対象人数が2300人余に上った。市教委の担当者は「3学年分が一緒に式典を開けるスペースはない」と困惑している。
政府の連絡会議は今後、全国の自治体から意見を聞いた上で対応を検討するとしている。

遠州織物作って売って発信したい
遠州織物の魅力、女性たちが発信
静岡県・3月の土日、浜松市の中心部でイベント「いとへんのまち」が開かれた。織物や染めの関係者が主催・出展し、今年で3年目になる。着物を着て訪れる女性が年々増えている。
主催者で、遠州織物の普及を図る「染め紡ぐ浜松」代表の廣上明子さん(48)は「浜松の織物業は下請け構造で、都会に納入されて、作った人さえどこで売られているか知らない状態。だから後継者も不足している。遠州織物のブランド化が必要」と話す。小学校3年の時に北海道から引っ越してきた。遠州が古い産地と知ったのは、4年ほど前。「地元でも遠州織物の歴史や良さを知らない人が多い。関係者はもっと頑張って発信してほしい」と奮起を促す。
浜北区の岸田明日美さん(33)は昨年秋から、遠州木綿の製造と販売に携わる。古くからある池沼織工房に勤め、工場で自ら作業をし、その現場を公開。生地や小物を売る店舗とHPも設けた。彼女は「少量でもいいから良い物を消費者と結びつきながら売りたい。製造現場も見てもらって、自然な肌触りの魅力を身近に感じてほしい」という。
中区で起業した磯部千絵さん(35)の売りは「イタリア」だ。3年ほどトリノに滞在した経験を生かし、浜松の織物会社とコラボしてイタリア風デザインのバッグを製作・販売する。現地で買い付けた靴や小物を売るセレクトショップも開く。「遠州の伝統工芸と実用的でおしゃれなイタリアのデザインを組み合わせ、海外で評判を得たい」と話す。小学校2年の時に宇都宮市から浜松に引っ越してきた。浜松市や商工会議所が設けた「はままつ起業家カフェ」で知識を得た。「浜松は自由で、起業したい人を応援してくれる。起業を目指す女性は周りでも増えている」という。
中区で中小企業の輸出コンサルティング会社「エイグローブ」を経営する小粥おさ美さん(48)は今年2月、女性起業家を表彰する「J300アワード」で、最高の大賞に輝いた。磐田市出身で、米ハーバード大で学び、「メイド・イン・エンシュウ」を売り込もうと奮闘している。「海外展開に踏み切る社長の共通点は一つです。『小さいことを心配するより、まあやってみるか』という人です。私もそのタイプ」 。
遠州の女性は、自らやらまいか精神を発揮し、男性を支えてもきた。もっともっと期待したい。「女性にできない理由はありません」と小粥は明快だ。

テーマはロック
「ロック」に着物ショー ファッションカンタータ
京都市・和装と洋装の競演を通じて新たな服飾文化を発信する「ファッションカンタータ」が9日、下京区の京都劇場で催された。テーマは「ロック」で、日本の伝統美と革新的なデザインを融合させた着物のショーに、公募の招待客ら約3千人が見入った。
舞台では、京都の友禅やろうけつ染めの作家ら5人による和装26点、デザイナー山本里美さんが手掛けた洋服20点が披露された。
ロックの本場・米英両国の国旗を大胆に描いたり、西アフリカの伝統柄をあしらったりした着物を、モデルが身にまとって登場した。洋楽の名曲に合わせ、女優の黒木メイサさんらがポーズを決め、歌手の大黒摩季さんが歌声を響かせた。
ファッションカンタータは26回目で、和装団体などでつくる開催委員会と京都商工会議所が主催した。

河高さんの指導を受ける男子生徒
浴衣の着付け 平生町の平生中生が学ぶ
山口県・熊毛郡平生町曽根の平生中学校はこのほど、浴衣の知識や着付けを学ぶ授業を初めて開いた。2021年度からの新学習指導要領で、和服の学習が義務付けられるため、前倒しで企画。2年生の全約90人が体験した。
全日本きものコンサルタント協会認定校の柳井市の「河高秀子きもの学院礼法教室」で講師を務める河高秀子さんと同教室のスタッフが指導。浴衣の歴史や男物と女物の帯の違いなどを説明した。
生徒たちは実際に、女子は「花文庫」、男子は「貝の口」と呼ばれる帯の結び方を実践。同教室のスタッフの手を借りながら、帯ひもを使って浴衣を体に合わせて結んでいった。約20分かけて浴衣を着終わると、社員撮影を夏の装いを楽しんだ。

ICHIKURACO,LTD
一蔵 増収減益
東京都・和装事業、ウエデイング事業の大手、株式会社一蔵(千代田区丸の内・さいたま市=代表取締役社長河端義彦=証券コード6186)は、着物の販売やレンタルが好調。学生向けの情報交換サイト運営や大学サークル支援などを通じ名簿を獲得。成人式の着物需要を取り込む。
結婚式場事業は競争激化で苦戦するが、着物が補い増収。結婚式事業の中国進出費用などを吸収し営業増益。前期に特別利益を計上した反動で純利益は減少。

除幕する市田さん(右)と門川市長
「琳派」400年の石碑 市田さんが寄贈
京都市・服飾評論家の市田ひろみさんが琳派400年を記念した石碑を京都市に寄贈し、琳派ゆかりの地北区の鷹峯で8日、除幕式が開かれた。式には石碑が設置された市立鷹峯小学校の6年生38人や門川大作市長らが参加した。
琳派は江戸時代、本阿弥光悦と俵屋宗達が創始した絵画の流派で、尾形光琳によって確立された。光悦が徳川家康から鷹峯の地を拝領して400年を迎えた2015年には、各地で記念する催しが行われた。
着物に関わる仕事を50年してきたという市田さんは「この地から、光悦という大芸術家を中心に着物の技術や工芸などさまざまな技が生み出された。私は着物を通して京都の文化を世界に紹介しています」と話した。
自然の石を用いた記念碑は高さ約2㍍で、本阿弥家の家伝「本阿弥行状記」の言葉が彫られている。

蚕の飼育について学ぶ児童たち
カイコ大事に育てます 岡谷の神明小
岡谷市の岡谷蚕糸博物館が市内外の小中学校や保育園に呼び掛けて行うカイコ学習で、今年も春蚕の配布が始まった。7日は同市の神明小学校2年生2クラス52人が同館を訪れ、餌の桑の葉の与え方などカイコの飼育について学習し、3齢の幼虫100頭の配布を受けた。
今年も申し込みのあった市内外の小学校13校と保育園11園に合わせて4000頭を配布する。
博物館を訪問した神明小2年生の2クラスのうち、1組は1年生の時に蚕を飼育した。2組の児童たちは1組の蚕を見て、「自分たちも飼いたい」と希望し、博物館から配布を受けることになり、2クラスそろって学びに来た。
児童たちは、同館学芸員の林久美子さんから3齢の幼虫と、すでに5齢まで成長した幼虫を見せてもらい、餌の桑の葉の与え方など飼育の注意点について聞いた。1日3食きちんと雨などでぬれていない桑の葉を与えることや、カイコが病気にならないように手を洗って世話をすることなど、「カイコのお父さんお母さんになったつもりで育てて」という林さんの話に耳を傾けた。
実際に博物館の庭にある桑の木から葉を摘んでカイコに与えることも体験。2組の井出綾音さんは、「桑の葉の取り方や飼い方を教えてもらってよかった」と話していた。松岡姫 和木沢絹 今は無き石西社

掘り出しものが・・・
浅草今昔きもの大市 展示即売
全国の今話題のアンティークリサイクル着物が着物文化中心地『浅草橋』に集合する。
『浅草今昔きもの大市』は23日(土)~24日(日)、浅草橋ヒューリックホール(台東区)で開催される。全国(札幌、福岡・愛媛・京都・滋賀・大阪・静岡・横浜・東京)から厳選された着物関連業者約25業者が日本独自の伝統である着物をテーマにリサイクル着物、アンティーク着物、帯、古布、和装小物等を持ちよりの大セール。
『見て、触れて、感じて』と主催者は呼びかけている。なお、開催中「着物買取相談も」行う。

傘の花咲く
京都梅雨入り 寺社・花街に着物と傘の花
京都市・大阪管区気象台から「近畿地方が梅雨入りしたとみられる」と発表があった。平年の6月7日より1日早く、昨年の6月20日より14日早い梅雨入りとなった。近畿地方も本格的な雨の季節に入ったということか。今後、梅雨前線は西日本の南の海上に停滞し、前線上の低気圧が近畿地方の南岸を東へ進む見込みだという。
梅雨前線の影響で、京都府内は週末まで曇りや雨が続く。そんな雨の6日、市内では修学旅行生や外国人観光客らが着物姿で傘を差しながら、寺社や花街の散策を楽しんだ。
祇園で着物をレンタルし、友人と一緒に着飾って歩いた兵庫県西宮市の会社員、佐藤実佐さん(26)は「京都には何度も来ているが、着物を着ると気分が上がる。雨の中も楽しいものです」と話していた。

作品と冨田さん
模様浮き立つ着物 京の着物デザイナー
京都市・金箔と型染めの技法を用いて立体的な模様を施した着物を、上京区の和装デザイナーの男性が作り上げた。歌舞伎に題材を取ったルーマニアの演劇をモチーフにしており、同国で開かれる国際演劇祭で9日に披露する。
冨田伸明さん(55)。国内外のファッションショーなどで着物の魅力を発信している。ルーマニアでショーを開いた縁で知り合った同国の演劇関係者から、ヨーロッパ三大演劇祭の一つで7日に始まるシビウ国際演劇祭への出展を要請されたため、今までにない着物を作ることにした。
イメージしたのはルーマニアの演劇「スカーレットプリンセス」。歌舞伎の演目「桜姫東文章」を題材にした作品であることから、桜やコスモスを図柄に取り入れることにした。手仕事でなければ実現できない表現をしようと、型染め職人に依頼し、金箔を砕いて混ぜた染料を丹後ちりめんに何度も重ねて模様を浮き出させた。100回以上の試作を繰り返したという。
国際演劇祭の関連イベントでモデルが着用する。冨田さんは「型染めの素晴らしい技術は世界に通じる。着物を広める大きなチャンスになる」と期待している。

両家がまとう伝統の花織
結婚衣装は新婦の手織り 知花花織
沖縄県・国の伝統的工芸品指定の「知花花織ちばなはなおり」の衣装を着た結婚式がこのほど、宜野湾市内で開かれた。染織家として活躍する新婦の金良美香さん(39)が、自身や新郎、家族の衣装を手作り。新郎の政輝さん(39)は「一生に1度の晴れの日にふさわしい衣装。妻がとても誇らしい」と喜んだ。
きらびやかなグレーが特徴の政輝さんのはかまは、美香さんが今年4月デザインし、1カ月かけて織った。美香さんは「知花花織は晴れ着の衣装として地域の人々に愛されてきた伝統工芸。結婚式で着ることは伝統継承にもつながる」と意義を強調。身に付けた政輝さんは「愛情がこもっている。フィット感もたまらない」と照れくさそうに笑った。
大学でデザインを学んだ美香さん。卒業後は県内のデザイン会社に就職したが、たまたま地域の広報誌で「知花花織の研修生募集」を見たことがきっかけで退職し、花織の世界に飛び込んだ。「もともと伝統工芸に興味があった」。現在、知花花織事業組合(沖縄市)に所属し、日々、織機と向き合っている。
斬新さと伝統を併せ持った美香さんの作品は評価が高く、これまで沖展や工芸フェアでいくつも賞を受賞した。両家の家族が着用した花織は、過去の受賞作品を着物に仕立てた。
母の花城菊枝さん(68)は「大切な日に美しい知花花織を着られて本当に幸せ。4年前に亡くなった夫も天国で喜んでいる」と涙ぐんだ。
同組合の小橋川順市理事長は「自らの結婚式に知花花織を着用するという気持ちは地域社会の誇りである。末永く幸せになってほしい」と祝福した。伝統的工芸品

明石ちぢみ=参考写真
十日町明石ちぢみ&ゆかたコレ 日本橋のB新潟
東京都・新潟県の伝統的工芸品である「十日町明石ちぢみ」の新作や2018年新作ゆかたを発表するイベントをが13日(水)から19日(火)まで、日本橋の三越本店前「ブリッジ新潟」(だいし東京ビル1F)にて開催される。
今回は、NHK大河ドラマ「西郷どん」の放送を記念し、大島紬とのコラボレーションも企画されている。あわせて「2018 SUMMER CLEARANCE」も併催される。「お買い得品をご用意致しますので、是非、ご来場下さい」と主催者。
問い合わせはブリッジ新潟☎03(3243)2840。

ここでも着物が活躍
メダカすくいや着付け体験 黒江めった祭り
かつて職人の町として栄えた海南市黒江地区で町歩きを楽しむイベント「黒江めった祭り」が3日、同地区一帯で開かれた。メダカすくいや着物の着付け体験などさまざまな体験プログラムが用意され、多くの市民らが風情ある町並みでの散策を楽しんだ。
同地区には軒下でメダカを飼う風習があるとされ、同市などでメダカを指す方言「めった」や「めったん」にちなんで「めった祭り」と呼ばれている。メダカをきっかけに町の魅力を感じてもらおうと、地元有志がつくる実行委が昨年から開催している。
この日、会場の一つの黒江公民館周辺では、メダカすくいや着物の着付け、蒔絵体験などさまざまな催しが開かれたほか、メダカや、メダカの飼育に適した紀州漆器や限定の手ぬぐいなどが販売され、飲食ブースも多数並んだ。訪れた家族連れらは、元気に泳ぎ回るメダカをすくうのに奮闘したり、着物を着て漆器店が並ぶ町並みを歩いたりしてイベントを満喫していた。

花摘み作業を手伝う岡田さん
青花紙の技術継承に情熱 草津の学芸員
滋賀県・古くから草津市やその周辺で栽培されてきたツユクサ科のアオバナ。コバルトブルーの花を搾った汁を幾度も和紙に塗り重ねて乾燥させた「青花紙」は、京都や加賀などの友禅染、京鹿の子絞の下絵を描く絵の具として使われている。大正時代には約500軒の農家が生産していたが、今は草津市内の3軒だけになった。
「真夏の炎天下で毎日、花を摘まなければならない厳しさから『地獄花』とも呼ばれます。高齢化や着物の需要減、化学染料の登場などで農家は減っていますが、草津の歴史を語る上で欠かせない、途絶えさせてはいけないものです」。同市などが生産技術の保存、継承に向け、今年度始めた後継者づくりの講習会「あおばな紙担い手セミナー」の説明会で、県内を中心に集まった参加者に草津宿街道交流館学芸員の岡田裕美さん(27)は語りかけた。高齢の生産者の努力、その家族への継承だけに頼っていては、着物文化を下支えしてきた技術が失われてしまうとの危機感を持つからだという。
広島県府中町出身。関西学院大、大学院で民俗学を専攻の岡田さん。2015年に草津市の学芸員に採用され、草津宿街道交流館に勤務。翌年、青花紙に関する展示に携わった。生産農家に話を聞き、作業も体験。その苦労を身をもって知った。その年、東京文化財研究所から、同交流館に青花紙についての共同研究の申し出があり、染織が専門の同研究所の研究員と、2年がかりで調査、研究を進めてきた。
画材としてどう使われているかを知るため、京都の絵師らを訪ねた。「青花紙が断然描きやすい」「依頼者から化学染料を指定されなければ、青花紙を使いたい」との評価も得た。 双方を使い分ける人もいた。「もしかすると化学染料ともうまく共存できるのではないか。ちょっとだけ前向きになれました」。共同調査の中でつかんだ手応えだった。
市は文化行政としてできる手段の一つとして、無形民俗文化財への指定を目指す。そのためにも、後継者をつくり、保存団体を確立しなければならない。13人の受講者でスタートした「担い手セミナー」に情熱を注いでいる。青花紙

旧平賀家住宅前庭園
大正ロマン華やか再現 銅製錬の町川西
兵庫県・銅の製錬で栄え、大正時代に人やモノ、文化が集まった川西市・東谷地区の魅力を知ってもらうイベント「東谷ズム」が3日、市郷土館(市下財町)とその周辺で開かれた。着物やはかま姿の来場者も見られ、大正ロマンの華やかさを再現していた。
同地区は、豊臣秀吉が「多田銀銅山」を運営した安土桃山時代から製錬の町として栄えた。その後、大正2(1913)年に能勢電鉄が開業し、銀行や証券会社、芝居小屋などが立ち並んだ。当時の歴史や文化を再認識し、地域活性化につなげようと、2012年から市民がイベントを企画している。
昭和初期の鮮やかな紫色の着物姿で訪れた川西市東多田、会社員、奥千歳さん(35)は「大好きなアンティークの着物を着られる貴重な機会なので楽しめました」と笑顔で話した。イベントを企画したヒガシタニズム実行委の米田憲一委員長は「イベントを通じて東谷のことをたくさんの人に知ってもらえれば」と期待していた。

モデルとなって歩く女性たち
和装で奈良井宿散策 撮影イベント
長野県・塩尻市の奈良井宿で2日、3日、和装で木曽路を歩く姿を撮影する恒例イベント「きもの町歩き&フォトコンテスト」があった。歴史情緒あふれる宿場町を着物姿の75人が歩き、写真愛好家ら92人が思い思いにシャッターを切った。
着物姿の参加者たちは和傘を手にしたり、人力車に乗ったりして街を散策。レンズを向ける写真愛好家たちから視線の向きや歩く速さで要望があると快く応じ、ポーズを決めていた。3回目の参加という須坂市の金井健二さん(77)は「気持ちはみんなプロ。趣のある宿場町だけに撮影しがいがある」と話した。
木曽漆器祭・奈良井宿場祭の実行委員会が主催。フォトコンの応募作品は7月に審査し、入賞者には旅行券などを贈る。

着物収納スペース
日本文化より手軽に 白山市の国際交流サロン
石川県・白山市松任文化会館内にある市国際交流サロンが4月にリニューアルし、使い勝手が良くなったと職員や利用者から好評だ。外国人に貸し出す着物の収納スペース、畳やそうを常備する多目的室などが整備され、より日本文化に親しんでもらいやすくなった。
同館の改修に伴い、カルチャー棟2階に移転・拡張。職員や利用する外国人、市国際交流協会の会員らが引っ越し作業をした。床面積は約1.6倍の266平方㍍になった。
サロンには、市民が寄贈した振り袖や小紋、浴衣、羽織・袴等20着以上の着物がある。外国人を対象に貸し出し、忘年会や茶道体験といったサロンの行事のほか「卒業式や地域の祭りで着たい」という要望にも応えてきた。
これまでは手狭な倉庫にまとめて保管していたため取り出すのにも一苦労だったが、移転で収納スペースを拡充。寄贈された桐たんすなどを使い、着物の柄や種類が一目で分かるよう整理した。
新設の多目的室には箏を常に置き、演奏を学ぶ外国人が練習しやすいようにした。畳を敷けば和室風にできるため、利用者が茶道サークル発足の準備を進めているという。職員の角田雅子さんは「市内や近隣に住む外国人が近年、増えている。より気軽に足を運んでもらえるサロンを目指したい」と話している。

入場する昨年度の小町娘
小町娘の引き継ぎ 小野小町の生誕地
秋田県・湯沢市の観光PRを務める小町娘が代替わりする「小町改めの儀」が1日夜、平安時代の歌人、小野小町の生誕地とされる湯沢市小野であった。
儀式では、スーツ姿で待ち受ける今年度の小町娘たちの前へ、着物に市女笠姿の昨年度の小町娘たちがしずしずと入場。小町の象徴の市女笠を脱いで渡し、任務を引き継いだ。
公募で選ばれた7人の小町娘は、1カ月間にわたり行儀作法や和歌の朗詠を学んできた。同所で9、10両日に開催される小町まつりが初仕事で、練習の成果を披露する。その後は1年間、全国約40カ所に出かけて地域の魅力アップに協力する。

パンフレット用の写真撮影
南砺市観光協 訪日客プラン企画
富山県・訪日外国人旅行客に着物姿で庄川遊覧や日本遺産「木彫りのまち・井波」の散策を楽しんでもらう体験プランを南砺市観光協会が企画し、7月の試行、来年の本格実施を目指している。
井波や五箇山・白川郷、砺波市の庄川温泉郷、金沢の宿泊客の2日目プランとして、香港、台湾、東南アジアなどの旅行客に提案する。会員制交流サイト(SNS)映えなど写真撮影ポイントにも配慮し滞在型観光につなげる。
パンフ用の写真撮影は、富山情報ビジネス専門学校(射水市)で学ぶミャンマー、ベトナム、フィリピンの20代の女性3人がモデルを務めた。井波のレンタル着物店の協力で着付けをした後、和食のランチを楽しみ、シャトルバスで庄川峡へ。遊覧船のクルーズを満喫した後、再び井波に戻って八日町通りを散策するコースをたどった。
市観光協会によると、市内の訪日客の宿泊客数は年間約1万人。市は2022年度までに12000人に拡大したい考えだ。担当者は「ここでしか撮れない写真を大切にプランを企画したい」と話した。

和装の魅力伝えたい
京都・ミスきもの 市長を表敬訪問
京都市・平成23年から行われている着物オーディションで、和服の魅力を発信し観光都市・京都をPRする今年の「京都・ミスきもの」に選ばれた4人が、京都市役所に門川大作市長を表敬訪問し、「協力して京都と着物のよさを伝えたい」と意気込みを述べた。
4人は、坂元美友さん(21)=滋賀県大津市、谷村栞里さん(20)=上京区、平田あさ美さん(30)=東山区、森美咲さん(25)=京都府向日市。すでに4月から各地の京都物産展などで活動を始めている。
普段から着物で執務する門川市長は「ミスターきものです」と自己紹介。「活動の場を広げたいのでよろしくお願いします」とあいさつした。
ミスきものは今年が8期生。京都府内在住あるいは通勤・通学の満18~30歳未満の女性が応募の条件で、今年は166人の応募があったという。4人は交代でさまざまな行事やレセプションに出席し、「京都の顔」として着物姿でアテンドする。
谷村さんは「京都に住んでいても着物は遠い存在。選ばれて身近なものと感じたので、みなさんに伝えたい」と抱負を話した。

集まれ!きもの女子・きもの男子
5月度生産実績 丹後織物工業組合
京都府・各地で着物レンタルがブームになっていることは周知の事実。着物姿で町歩きを楽しむ人たちが増えていること自体は確かによろこばしいことではある。でもその多くは1日限りのレンタル品で、購入に結びつかず、和装産業相変わらずの苦境が続く。そんな中、「着付けを習い、自分で着られるようになっても行く所がない人は多い」。「桐ダンスがないと着物の保管は大変でしょ?」。「着物離れの原因は着付けの難しさにある」。それぞれが着る機会づくり、着物シェアクローゼットの設置、簡単できれいに着られるように改良した「カンキレきもの」の開発など、京都で打開策を模索している。金沢でも着物レンタル店と加賀友禅作家が協力し、金沢の街並みに合う貸し出し用の加賀友禅を制作するという。
そんな中での5月の総生産反数は20.935反。昨年同月の22.874反にマイナス1.849反と、相変わらずのじり貧が続く。操業日数は18日間で前年と同日数。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。
△一越・古代=140(81)▼変り無地=3.414(3.974)■小計=3.554(4.055) ▼紋綸子(軽)=1.752(2.488)▼紋綸子(重)=2.592(3.397)△銀意匠・朱子一重=19(0)▼紋意匠・朱子二重=10.881(10.958)△絽織・紗織=939(906)△その他の紋=161(61)△金・銀通し=842(651)▼縫取・絵羽=195(268)■小計=17.381(18.729) ■合計=20.935(22.784) ▼パレス=522(552)▼紬175(203)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。
丹後ちりめん

シャツを着る理事長と知事
大島紬使いクールビズ 産学連携でシャツ
鹿児島市・大島紬の生地を使ったクールビズシャツが31日、三反園訓知事に贈られた。鹿児島純心女子短期大学(鹿児島市)と本場大島紬織物協同組合(同)が産学連携で試作した。関係者の意見を参考にし、将来の商品化を目指す。同短大の生活学科の学生は授業の一環で大島紬を使ったドレスを作り、学園祭や県内のイベントで披露している。
産地の振興に一役買おうと2年前に同組合と研究グループを立ち上げ開発したクールビズシャツは、女性用が襟元のリボン、男性用が前ボタンの回りに大島紬をあしらった。
奄美大島で生産されたという西郷柄の生地を使った1枚に袖を通した三反園知事。「若返った気分。着心地がいい」と笑顔を見せ、PRに力を入れることを約束した。
本場大島紬織物協同組合の窪田茂理事長(奄美市名瀬出身)は「外国人観光客向けの洋装品にも力を入れている。素材として使ってもらえたら業界に活気が出る」と話した。

最高級の京友禅着物姿で登場
最高級の京友禅にうっとり 上戸彩
女優の上戸彩(32)が5月31日、都内で行われた水族アート展示会『アートアクアリウム2018』記者発表会に出席。同展の広報大使として3度目就任となった上戸は、夏らしく水色を基調にした最高級の京友禅着物で登場した。
最近着物を着なくなったという上戸は「(着物を着ると)気持ちがピシッとしますね」と姿勢を正し「涼しげなブルーで夏が来る感じがします」とにっこり。
上戸が着用した着物は、5月31日の花である「センダン」に金魚を絡めた手書き糸目京友禅。日本の四季を二十四の節気に分け、さらに5日ずつ分けて計72の季節に分けた二十四節気七十二候(にじゅうしせっきしちじゅうにこう)の一期間に合わせ、5日間しか着用することができない着物に、上戸は「贅沢ですね」とご満悦の様子だった。

和の心や文化継承
ジャパンキモノコレクション 別府市
大分県・県主催第1回『世界温泉地サミット』併設イベント
してジャパンキモノコレクションがこのほど、別府市のビーコンプラザであった。訪れた約140人は華やかな着物のショーなどを楽しんだ。
「世界での認知度が高い日本の伝統美である「着物」も装う機会が少なくなり、今や成人式、結婚式など晴れの日に身に付ける物としての位置付けになっています。帯を締めれば気もしまり言葉使いまで女性らしくなる・・そのような着物を“憧れ”から“愛着”にしていけるよう国内外の女性を対象にジャパンキモノコレクションを開催いたします。世界各地からご参加の皆様と着物を身に付け、和の催しを楽しみ文化交流して頂ける機会をお届け出来たらと思います」と主催者。
同時に『人を繋ぎ、県を繋ぎ、国を繋ぐ』 をコンセプトに地方創生、社会貢献を視野に入れた女性の視点によるイベント、「大和撫子コンテスト2018」も行われた。

舞扇の扱いを習う子どもたち
子どもたち文化を学ぶ 沼田
群馬県・沼田市邦楽協会の「伝統文化日本舞踊こども教室」が、市中央公民館で始まった。市内の幼稚園児から小学6年生までの21人が、12月まで計20回開かれる教室に参加する。
年齢や日舞の経験から、グループに分かれ「紙人形」「羽根の禿かむろ」「祇園小唄」「藤娘」の踊りを習い、10月の邦楽舞踊発表会と11月の子ども伝統文化発表会で披露する。
教室は15年目を迎え、子どもたちは着物の畳み方や帯の結び方、礼儀作法や着物での立ち居振る舞いも身に着ける。
園児の時から毎年参加しているという、東宮椛乃さん(沼田小5年)と林典奈さん(沼田北小5年)は「友達と一緒に習うのが楽しみ。発表会は緊張するが、楽しい」と話している。
協会の岡嶋稜子会長は「日舞を通して日本の伝統文化に親しんでほしい」と子どもたちに期待している。

上濃さん、越田さん、毎田さん
金沢の街に合う友禅 作家とレンタル店がコラボ
石川県・金沢市の着物レンタル店と加賀友禅作家が協力し、金沢の街並みに合う貸し出し用の加賀友禅を制作する。「金沢は着物が似合う街」との印象が広がり、レンタルした和服姿でそぞろ歩きを楽しむ観光客が増えている。ただ、料金が比較的安く、はっきりした色彩の化学繊維の着物が人気の中心なため、「街の雰囲気に合う加賀友禅を着こなしてほしい」と考えて企画を始動し、11月までに5着の完成を目指している。
着物レンタル店「心結ここゆい」の越田晴香社長(31)と、加賀友禅作家毎田仁嗣さん(43)が中心となって企画した。金沢市のきものカラーコーディネーター上濃雅子さん(49)も加わり、ひがし茶屋街や兼六園など、観光地の景観と調和するような色合いを意識して制作する。貸出料金は1着1万円台を予定する。
越田さんは2010年に着物レンタル店を始めた。加賀友禅も扱っているが、洗濯しやすく、料金を1万円未満に抑えられる化学繊維の着物の利用率が6割を超える。
地元の伝統工芸の魅力を伝えきれない現状にもどかしさを感じていたところ、毎田さんから共同制作の依頼を受け、今月、本格的な打ち合わせに入った。レンタル用は街歩きやパーティーなどでの利用を想定し、淡い色調が多い訪問着より、ややはっきりした色合いに仕上げる構想だ。
デザイン案を固め、9月以降にクラウドファンディングや知人を通じて賛同者から制作費の一部を募る。毎田さん以外の加賀友禅作家にも協力を呼び掛け、12月から完成した5着を心結で貸し出す。加賀友禅

軽やかな着心地PR
能登上布新素材でショー 中能登で7月
石川県・中能登町は7月、町内の繊維業者が生産し始めた新たな着物素材「ネオ能登上布」を使ったファッションショーを初開催する。町祭「織姫夏ものがたり」のメイン事業として、町内の60歳以上の女性と孫の2人1組がモデルを務める。ステージ上から各組に、本来の能登上布と共通する軽やかな着心地などをPRしてもらい、繊維産業の振興につなげる。
ファッションショーは、障害者や高齢者が暮らしやすい町づくりを進める町のチーム「障害攻略課」が、町内の繊維業者らでつくる団体「TEXSIL」と連携して企画した。
ネオ能登上布は、県無形文化財「能登上布」の魅力を知ってもらうきっかけづくりの一つとして、テクシるが考案した。能登上布の通気性の良さや軽さなどの特長を生かしながら、本来の麻ではなく、ポリエステルや綿の素材に変えることで、価格を抑える。3年以内にこの素材を使った着物の商品化を目指している。
ショーは7月28日、町レクトピアパークで開き、計4組のモデルが出演する。同町の女性ものづくりグループ「崇神・遊すじん ゆうの会」が仕立てた華やかな着物をまとって舞台に上がる。町企画課の担当者は「ショーが、古くから伝わる能登上布の魅力を知ってもらう足掛かりになればうれしい」と話した。

PRする実行委員会のメンバー
問屋町でファッションショー 7月
岐阜県・繊維業者が集まるJR岐阜駅前の問屋町地区の活気を取り戻そうと、若手社長らが企画したイベント「Tonya EXPO」が7月15、16の両日、問屋町一帯で開かれる。日本の伝統衣装の着物や浴衣の魅力を発信するファッションショーや、国産食材が味わえる物販などさまざまな催しが繰り広げられる。
実行委員会が主催し、今年2月に引き続き2回目。今回は「日本、祈り」をテーマに、日本の魅力を再発見してもらうとともに、同町を知ってほしいとの願いを込めた。
同町や金華橋通り、同駅北口駅前広場を会場に、美濃和紙などの和紙の紙すきやちぎり絵作り体験も実施。2020年東京五輪で追加種目になったスケートボードが注目される中、特設ステージを設けてプロスケーターによるパフォーマンスが行われる。七夕に合わせてデニムの端切れに願い事をしたためて飾り付ける企画もある。
実行委の林伸将代表は「夏らしい企画を用意したのでぜひ参加してほしい」と来場を呼び掛けている。

茶の湯着物語り利用券
バス乗り放題松江ぐるり 3種類のバスパック
島根県・松江市交通局はこのほど、市内の観光地を巡るバス「ぐるっと松江レイクライン」を含む市営バス全線が2日間乗り放題になる乗車券と、観光施設への入場券などがセットになった3種類のバスパックの販売を始めた。
市が2016年に市民1万人に行ったアンケートによると、回答者の48.9%が過去1年間に1度もバスを利用していないと回答したことから、バスパックの販売により利用者増を図ることになった。
3種類のうち、同市八束町の日本庭園「由志園」の入園料と乗車券のセットは1600円(税込み)で、通常料金より560円安い。
乗車券に加え、着物のレンタル料と、松江歴史館の入館料、同館内の「喫茶きはる」での抹茶と和菓子がセットになった「茶の湯着物語」は4800円(同)で、最大1810円が割引になる。
「日本三大菓子
松江の抹茶セット」は、市内の菓子店6軒のうち3軒で抹茶とお菓子を楽しむ券と乗車券がついて2000円(同)で、通常より最大800円安くなる。
市交通局は今年度、前年度の2万人増の290万人の利用を目指しており、三島康夫局長は「観光客だけではなく、市民にも利用してもらいたい」と話し、今後は他のコースも計画していく方針を示した。
市交通局(松江市平成町)や松江テルサ(同市朝日町)で販売している。問い合わせは市交通局☎0852(60)1111へ。
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