9月のニュース




撮影に応じる参加者
着物で楽しむ出雲大社 優雅に散策
島根県・和装で観光名所などを散策するイベント「キモノでジャック」がこのほど、出雲市の出雲大社周辺であり、あでやかな着物や浴衣姿の参加者が、出雲大社を参拝したり、近くの神門通りを練り歩いた。
イベントは、京都の呉服店関係者が着物に親しみを持ってもらおうと2010年から始めた活動で、山陰両県での開催は初めてという。SNS(会員制交流サイト)のフェイスブックなどで参加を呼び掛けた。
今回は同大社周辺の店舗でつくる神門通りおもてなし協同組合(田辺達也理事長)が企画した。着物、浴衣に身を包んだ県内外の約30人は、出雲大社の勢溜と銅鳥居の前で集合写真を撮った後、出雲大社を参拝。神門通りを優雅に歩き観光客と写真撮影もした。
出雲市塩冶町から家族5人で参加した麻野真理さん(32)は「普段とは違う新鮮さがあって楽しめた。着物でのまち歩きが定着するといい」と話した。
イベント企画発案者の着物レンタル店「ご縁スタイル」(同市大社町)の石橋弘規代表(46)は「今後も年1回は開催し、出雲大社周辺を盛り上げたい」と語った。

玉田さんと佐藤さん
丹後ちりめん3百年事業プロデュース 2人に委嘱
京都府・丹後織物工業組合や行政などでつくる「丹後ちりめん創業300年事業実行委員会」は29日、京丹後市峰山町の府峰山総合庁舎で総会を開き、事業を総括する総合プロデューサーを、府の「海の京都」などに関わってきた玉田泉さん(55)と佐藤としひろさん(65)に委嘱した。
玉田さんと佐藤さんはいずれも東京で地域ブランディングなどを手がける会社を経営。これまでに舞鶴市の赤れんが倉庫のブランディング事業に携わり、東京のイベントで「海の京都」を発信するなどしてきた。
今後、丹後の織物業者らと織物産地のブランドイメージ戦略を立てていくほか、幅広い人脈を生かして新商品開発やデザイン、広報などのアドバイザーの紹介、派遣を行う。
玉田さんは「素晴らしい産業が後世に続いていくよう持てる力を全て出したい」、佐藤さんは「丹後ちりめんの歴史や伝統をしっかり学び、伝えていきたい」と話した。丹後ちりめん

展示されたコンテスト対象作品27点
本庄絣 地元でバッグデザインコンテスト
埼玉県・伝統工芸織物「本庄絣」のバッグデザインコンテストが「はにぽんプラザ」(本庄市銀座)で開かれている。
バッグアーティストスクール「レプレ」とのコラボで実現した同コンテストは、「第2回全国創業スクール選手権」で「経済産業大臣賞(創業スクール大賞)」を受賞した「アトリエDEMETAN」(西富田)の内原絵美さんが「伝統工芸士の高齢化や後継者不足のため衰退の危機にある本庄絣の伝統を新しい形で残し、全国に発信していきたい」という思いを込めプロデュースした。
本庄絣は本庄市と児玉郡で生産する絹織物で、県の伝統的手工芸品に指定されている。昭和時代、桑畑が広がり養蚕が盛んだったことから、女性の普段着として太織りを製織したのが始まりといわれている。工程の大部分が手作業で行われ、絹糸を染めてから織物を織る「先染め」によって作られている。裏表がないのも特徴。
同施設1階に設けた投票箱に、気に入った作品の番号を記入して投票する。本庄市長賞、本庄商工会議所会頭賞、本庄絣伝統工芸士賞などの各賞を用意するほか、一般投票により「デザイン優秀賞」を決める。
投票は9月3日まで。デザイン優秀賞作品は9月6日~12日、都内のコレド室町ポップアップストア「わとな」で販売する。

プレゼンを行う参加者
着物ショーなど 川越遺跡活用へアイデア
静岡県・島田市は26日、同市の国指定史跡「島田宿大井川川越遺跡」の活用方法を探るワークショップの最終回を市博物館で開いた。公募に応じた市内外の約30人が3グループに分かれ、整備活用案のプレゼンテーションを行った。
参加者はこれまで2回のワークショップで遺跡の現状を学んだり、「自動販売機の色が風景を邪魔している」「高齢者や障害者に優しくない」など周辺の課題を抽出したりしてきた。
この日発表した整備活用案には、番宿でのカフェ整備や、街道にレッドカーペットを敷いた着物ファッションショーの開催などさまざまなアイデアを盛り込んだ。壁や建物に映像を投射するプロジェクションマッピングの技術を取り入れ、「古いけれど最先端を感じるイベント」の開催などを提案するグループもあった。
市は来年度中の策定を目指す整備基本計画に今回出たアイデアを反映させる方針。ワークショップに参加した静岡大4年の生徒(21)は「川越遺跡を訪れるたびに、良い素材がそろっているのにもったいない印象を受けていた。これから盛り上がっていけば」と期待し、市担当者は「アイデアをどう実現させていくか検討していく」と述べた。

蚕の幼虫(蟻蚕)
100万匹の飼育始まる 蚕の幼虫
栃木・養蚕が盛んな小山市では、蚕の幼虫、およそ100万匹の飼育が始まった。
養蚕が盛んな同市には、ふ化したばかりの蚕の幼虫を一定の大きさまで育てる施設「JAおやま稚蚕共同飼育所」があり、25日は、蚕の卵を採取する業者からおよそ100万匹の幼虫が届き、職員らが飼育を始めた。
幼虫は、大きさ3㍉ほどの黒い体で、職員たちが、桑の葉を原料にした人工飼料を削って与えていた。
施設では、幼虫が2㌢ほどの大きさになるまで育て、9月1日に地元の養蚕農家など7軒に配る予定で、農家が繭を作るところまで育て、来月末ごろ出荷する。
「JAおやま」の須藤日出夫養蚕技術指導員は「秋の繭は春の繭に比べて小粒ですが、均一な太さの糸が取れる特徴があります。養蚕農家によい繭をたくさん取ってもらいたい」と話していた。

東証JQS
ヤマノホールディングス 減収増益
東京都・美容事業、和装宝飾事業、DMS事業を展開する事業持株会社で、東証JQの株式会社ヤマノホールディングス(渋谷区代々木=代表取締役社長 山野義友)は、主力の和装事業は店舗改装を進め、新規顧客を獲得する。大型催事で特別企画を開催し着物の販売が伸びる。ただ、冬物商品の苦戦で不振が続いていたスポーツ事業をRIZAPグループに譲渡し減収。不採算事業がなくなるほか、事業譲渡に伴う売却益を計上し最終増益。年配当は1円増。

だまされるな!
高齢者の消費者被害 泣き寝入りさせぬ対策を
悪質商法などによる消費者被害やトラブルの総額は昨年4兆8000億円に上り高水準で推移している。
中でも、判断能力の衰えにつけ込まれた高齢者が、詐欺的な手口による商法の被害を訴えるケースが少なくない。全消費者相談の3割近くを65歳以上の高齢者が占める。しかも、2025年には65歳以上が人口の3割を超える。
高齢者が受けやすい被害に、商品を大量に買わされる「過量契約」がある。高額な布団や
着物などを何度も買わされるようなケースが典型例だ。
6月に施行された改正消費者契約法に、こうした契約が取り消せる規定が盛り込まれた。
認知症などで判断能力がない場合に結んだ契約は民法上、無効になる。ただし、判断能力がないことを証明するのは非常に難しい。「過量契約」の規定で、通常の分量を著しく超える取引を、消費者の判断能力の有無にかかわらず取り消せるようになったのは一歩前進だろう。
だが、まだ多くの課題が残されている。高齢者に多いのは、投資への勧誘など契約に伴うトラブルだ。年齢などのために判断力が不足した状況につけ込んだ契約を取り消せる規定を新たに設けるかどうか。内閣府の専門調査会が検討してきた。消費者団体の強い要望があったが、「判断力不足の基準が不明確」との反対があり、今月まとめた報告書に盛り込むことは見送られた。
強引な勧誘に伴う納得できない契約の場合、事業者と消費者の力関係で、消費者が泣き寝入りすることは珍しくない。高齢者はなおさらだろう。どのようにすれば被害を防げるのか検討を継続すべきだ。
インターネット通販の拡大に伴う消費者相談も増えている。政府は、ネット取引の注意点などをきめ細かく啓発する必要がある。
 消費者側の備えも大切だ。消費者契約法には、契約が取り消せる不当な勧誘や、不当な契約条項についての規定がある。だが、消費者庁の意識調査の結果を見ると、「(内容を)知らない」との回答が目立つ。
パンフレットなどで積極的に情報を入手することや、高齢者については、家族や周囲の人たちが目配りすることが求められる。

京都の名産品が並ぶ
「京都フェア2017」 シンガポール高島屋
新嘉坡・シンガポール高島屋で現在、「京都フェア2017」が開催されている。
同イベントは今年で2回目。京都はシンガポール人がよく訪れており、人気の観光地として知られる。
「MADE IN KYOTO」にこだわり、「ヒロミ・アート」の金属素材にガラスの上薬を焼きつけて装飾した「京七宝陶器」、「中嶋象嵌」の金銀で模様をかたどり鉄地金にはめ込んで漆で焼き上げた「象嵌細工」、
「絞彩苑種田」の数100年前から衣装の模様表現として使われている絞り染めのくくり模様が小鹿の斑点に似ている「京鹿の子絞り」の伝統工芸品、「聖護院八つ橋総本店」の「八つ橋」など、さまざまな京都特産品を並べる。
シンガポール人来場客の1人は「2年前に京都に旅行で訪れたことがあり、雰囲気がとても好き。今度京都に旅行したら伝統工芸の体験をしてみたい」と笑顔を見せる。
26日にはオープニングイベントとして芸者のダンスパフォーマンスを行い、京都府の山下晃正副知事も出席しオープニングスピーチを行った。9月3日まで。

高倉代表(左)と4織元
キモノプロジェクトに参加 大島紬の織元
鹿児島・2020年の東京五輪に向け、世界196カ国それぞれをイメージした着物作りを目指す「キモノプロジェクト」に、県内の大島紬織元が参加する。4カ国分の製作が動き出し「鹿児島の伝統工芸品の素晴らしさを世界に伝えたい」と力が入る。
プロジェクトは、着物関係者らでつくる一般社団法人「イマジン・ワンワールド」(久留米市=代表高倉慶応)が3年前に始めた。日本の優れた技でできた着物で世界をもてなし、平和と友好のメッセージの発信を図る。現在、10都府県の織物・染め物13産地から115製造元が参加協力している。

模様を入れる小宮さん
東京都内70人入選 日本伝統工芸展
東京・第64回日本伝統工芸展の入賞・入選者が24日付で発表され、都内から70人が入選した。このうち、葛飾区の小宮康義さんの「江戸小紋着尺『トランプ』」が日本工芸会奨励賞、新宿区の室瀬智彌さんの「乾漆合子かんしつごうす『風はどこから』」と、練馬区の神垣夏子さんの「籃胎蒟醤箱らんたいきんまばこ『川霧』」が日本工芸会新人賞を受けた。同展は9月20日から10月2日まで日本橋三越本店で開催される。
染織での入賞・入選者。吉岡政江(新宿区)尾崎久乃(大田区)鈴木典子(渋谷区)大谷智恵(中野区)佐々木苑子(杉並区)伊藤敦子(板橋区)生駒暉夫、高橋寛(練馬区)小宮康正、小宮康義(葛飾区)松原孝司(江戸川区)塩沢照彦(三鷹市).。
遠目に見ると無地に映るほど細やかな模様を布地に染める技法、江戸小紋。その染め職人一家の4代目、小宮さん(34)の受賞作「トランプ」は、長円型の格子の中に、白抜きのハートやスペードなど4つの柄を配した現代的なデザインだ。布は紫色。トランプが持つ、怪しげな世界観を表現した。
着想を得たのは昨秋。米国の大統領選挙が盛り上がっていた時期だが、「(トランプ氏とは)無関係です。偶然ですが、またそれも面白いかな」と笑う。
重要無形文化財保持者(人間国宝)の曽祖父と祖父、紫綬褒章を受章した父を持つ。どことなく「重たい」と避けていた家業を継ぐ決意をしたのは、美大受験の浪人時代。アルバイト気分で自宅の染め工場に入ったつもりが、引き込まれた。細やかな無数の穴で型どられた模様をすり込む難しさ、美しく仕上がった時の喜び。その両方にやりがいを覚えたという。
着物を着る人は減る一方、新しいデザインは増え続けている。小宮さんは「今の人だからこそ作れるものは必ずある。こうした挑戦が、江戸小紋を次の世代に伝えることにつながるはず」と意気込む。

「紅餅」の検査風景
紅花加工品品質良好 山形で収納検査
山形・県産紅花の加工品の出荷を控え、業者に納品する前の収納検査がこのほど、山形市内で行われた。昨年に比べて収穫量は減ったが、品質は良好で、染色に使う深紅の「紅餅」などを丁寧に確認した。
県紅花生産組合連合会(内理加会長)に所属する白鷹町のほか、山形、米沢、酒田、山辺の各市町の生産者約40人が生産した紅餅や「すり花」、食用に使う「乱花」の計255㌔が集まった。色や形、香りなどをチェックし、1等と2等の2階級に格付けした。
今年は春先の低温や、収穫期に雨が多かったことから収穫量が前年比で約14%減少した。大内会長は「品質は今年も良い。日本農業遺産の認定を目指して、これからも生産振興を図っていきたい」と話した。最上紅花

旧蔵内邸
藍染の着物など展示 旧蔵内邸
福岡・築上郡築上町の国指定名勝「旧蔵内邸」で、藍染めされた着物などが展示されている。訪れた人に涼を感じてもらう狙い。31日まで。
藍染め教室で講師をしていたことがある小倉南区の米秀子さん(76)が手がけた作品20点余りを展示。着物やタペストリー、傘といった身の回りで使える作品が並んでいる。旧蔵内邸の高橋幸子館長によると、藍で染められた傘が「実際に使ってみたい」と人気という。また、「風鈴の音や庭園の風景と合わせて、涼しげな藍を楽しんでほしい」と呼び掛ける。米さんは「伝統の技法が持つ美しさを楽しんでもらえたら」と話す。
このほか、大正から昭和にかけての絣(かすり)の着物なども合わせて展示されている。有料。徳島の藍

繰り広げられた華やかな舞台
「竹取物語」を題材に和装披露 伊達
北海道・「竹取物語」を題材にした、和装中心のシナリオファッションショーが22日、伊達市松ヶ枝町のだて歴史の杜カルチャーセンターであった。ピアノやバイオリンの生演奏に乗せて、甲冑姿の武士や着物とドレスの女性、パントマイム、ヒップホップなどが次々に登場する異色の舞台を届けた。
武士団による開拓が始まってから2019年で150年を迎えるのを前に、市内の食品流通会社・ミナミの社長、川南忠士さん(52)が、企業経営者有志との勉強会を原点に立ち上げたシンクタンク・A&S総合研究所が「どこもやっていないことを実現しよう」と、伊達の歴史や今を取り上げる新形態の雑誌の出版に合わせて企画した。
ファッションショーは「女性の生き方」をテーマにした全17幕、2時間を超える長編。モデルは全員、市内に住む16歳の高校生から、40代後半までの主婦や会社員の女性14人が務めた。2回あった公演のうち午後2時に始まった招待客向けの舞台では数10が見守る中、女性たちが衣装の早着替えをしながら、物語性を大切にした、艶やかな演出が目を引いていた。
川南さんは「今までどこもやっていないことを実現したいと考えた」と狙いを話し「新しい世界を伊達という地方都市で提供できてうれしい」と語った。
雑誌の名称は「だての世紀」。ファッション誌を思わせる写真中心の構成で、胆振管内の自治体や企業など約120社を取り上げる予定。10月末の発刊を目指している。

展示販売会の様子
「大島紬」を展示販売 奄美市の紬会館
鹿児島・本場奄美大島紬産地再生協議会主催の展示販売が26日、奄美市名瀬の本場奄美大島紬会館6階で始まった。反物が並ぶ会場では、関係者のアドバイスも受けられる。一般や新成人など利用者に応じて、購入費から一定額を割り引く助成制度が利用できる。販売会は27日まで。
大島紬の着用促進に取り組む、奄美市と龍郷町の2市町では今年度から「本場奄美大島紬購入費助成制度」を創設。同紬協同組合の組合員が生産した「地球印」の反物を購入し、着物などに仕立てた場合、その購入費用の一部を助成している(一般も可)。今後の成人式における成人者の紬着用率アップなども図りたい考えで、「この機会に本場奄美大島紬を購入・着用し、その素晴らしさを実感してほしい」と制度活用をアピールしている。
奄美市の助成制度は市内に在住し、市税等の滞納のない人が対象。商品は本場奄美大島紬協同組合の検査を合格し「地球印」の証紙が貼られた反物で、奄美大島内の紬販売店か、紬組合、紬販売組合から購入し、着物等に仕立てたものが対象。奄美大島

乾衣祭
少し前の話 圧巻の乾衣祭
福岡・ちょっと遅れた報告ですが・・・。
大分県境に吉富町にある八幡古表神社の6日~7日の風景は圧巻だった。
幅34㌢、丈43㌢の着物約700枚が拝殿いっぱいに並ぶ。4年に1度、人形の神が舞い、相撲を取る1200年前から続く「細男舞くわしおのまい・神相撲」で使う「神衣」。こうして毎年8月6、7日、神楽や舞踏も奉納される「乾衣祭おいろかし」の中で伝統の虫干しがなされる。
黒田家(黒田官兵衛・長政)など歴代の中津城主が寄進した着物(神衣)、出征兵士の武運を祈る戦中の神衣も神社に残る。明治以降は一般の氏子からの寄進も認められ、現在では1,000着以上の神衣が奉納されており、乾衣祭のときには色鮮やかな衣が社殿を埋め尽くす。
今年は、諸行事が台風5号の影響で中止。だが虫干しはこれまで欠かした記録がなく、「これだけは取りやめることはできない」と実施された。

前回の様子
日本文化紹介 成田国際空港
千葉・成田国際空港株式会社は、海外からの訪日客に、日本の文化に触れることによって再来日を促すための“日本ならでは”のイベントを用意し、もてなし体制を整える。
9月は、帯で結ぶ花々の展示と浴衣の装い体験、寿司のサンプル制作体験、月見飾りなどを楽しめるイベントを行うという。
和装関係では、帯で結ぶ花々と浴衣の装い体験、着物の帯で様々な花を表現する花結びの展示を行う。今回は、千葉にゆかりのある菜の花、日本の国花であるさくら、夏を感じさせるひまわり等7種の花結びをご紹介する。同時に、日本の夏を彩る浴衣の着付けを実施し、記念撮影等を楽しめるようにするという。

浴衣姿を披露した参加者
ランウエイで浴衣姿披露 川越でショー
埼玉・川越市の蓮馨寺で18日、「川越ゆかたファッションショー」が行われ、参加者たちは涼しげな浴衣姿を披露した。
ショーは「着物が似合うまち川越」を合言葉に、着物姿の観光客誘致などをする「川越きものの日」の制定6周年を記念し同実行委員会が実施。申し込みのあったグループや家族など約60人が参加した。
この日は蓮馨寺構内にステージが設けられ、浴衣姿の参加者が登場。司会者がファッションのポイントを紹介する中、赤いじゅうたんが敷かれたランウェイを歩き、ポーズを決めたりした。
参加した高校3年の根岸舞さんは「作った浴衣を見てもらえるのはうれしい。浴衣を着て、川越の名所を巡りたい」と話していた。

帯のランウェイで浴衣ショー
古民家で浴衣やジャズを楽しむ 川崎
神奈川・築100年以上の古民家で浴衣を着てジャズや料理を楽しむイベント「浴衣 de JAZZ」が19日、川崎市高津区の「澁谷農園母屋」で開かれ、約50人が楽しんだ。
幸区で古い着物を使った和小物や季節の草花によるリースなどを制作している、大蔵優子さんと夫の厳太郎さんが企画。知人のシチリア料理店シェフや「八百屋ジャズ」として演奏活動する青果商のジャズピアニストらが協力し演奏が行われ、同農園で採れた野菜を使った料理もふるまわれた。参加者は全員、浴衣か着物を着用。15畳2間の中央には帯で作った敷物でランウェイが設けられ、浴衣ファッションショーが行われた。
同母屋は、イタリア野菜栽培などに取り組む農家の澁谷義之さん、直子さん夫妻が実家を改築し、2015年9月にコミュニティースペースとしてオープン。「古民家を活用した素晴らしいスペースががあることを知ってほしくて企画した。来年も開きたい」と話していた。

優勝の「溶解」
「ファッション甲子園」 弘前市民会館
青森・弘前市民会館で20日「全国高等学校ファッションデザイン選手権大会(ファッション甲子園2017」が行われた。
高校生によるファッションデザインコンテストの全国大会。17回目を迎えた今年は、40都道府県から126校1605チームが参加し、3009点のデザイン画の応募があった。1次審査で選ばれた35作品はデザイン画をもとに制作した衣装で、同日のファッションショー形式の最終審査に望んだ。
今年の優勝は、学校法人富山第一高校(富山県富山市)の吉野菫さん(3年)がデザインした「溶解」。「コンプレックスの塊が溶け出したところを表現した」という同作品は、白の無地に無数の楕円が描かれており、コンプレックスの象徴として顔の左半分や身体を布で覆い隠すことで「潜んだ美しさ」を創り出した。
準優勝には弘前実業高校(青森県弘前市)の「ヨソオウ」。
審査委員の原由美子さんは「レベルの高い作品ばかりで、これまでに無いほど賞を決めるのに悩んだ。その中でも『高校生らしさ』が光る作品が結果に結びついた」とコメント。審査委員長の大塚陽子さんは「『自らの思いを内に秘めた作品』として魅せることも大切」とアドバイスを送った。

力作が並ぶ展示会
アイヌ文様美しく 「エミナの会」が作品展
北海道・白老郡白老町内のアイヌ工芸サークル「エミナの会」(菅野節子代表 7人)の作品展が、町内末永町のしらおいイオル事務所チキサニで開かれており、アイヌ文様刺しゅうを施した26点が並んでいる
タペストリーやバッグ、きんちゃく、着物が展示されている。着物は2点。木綿の生地にデザインが異なるアイヌ文様が施されている。ふくろうを刺しゅうしたきんちゃくもある。
「エミナ」はアイヌ語で笑うを意味する。「アイヌ刺しゅうを仲間と笑いながら楽しく縫っていき、アイヌ文化を伝えていきたい」と作品とともにメッセージを伝えている。

減配
一蔵好調 増収増益
東京・着物の販売、レンタル、結婚式場運営の東証1部株式会社一蔵(東京都千代田区・埼玉県さいたま市=代表取締役社長河端義彦)は、着物の販売・レンタルは提携店や代理店の拡充に加え、催事の開催で受注が伸びる。ウエディング事業はインバウンドの取り込みにも注力。8月に稼働した山梨県の式場の上乗せ見込む。人件費の増加や新基幹システムの稼働に伴う減価償却費の増加を吸収し増収増益。記念配なくなり、年37円に減配。

インドネシアの着物
五輪キモノプロジェクト 久留米でもお披露目
福岡・2020年東京五輪に向け、世界196カ国・地域をイメージした着物制作を目指す企画「キモノプロジェクト」のお披露目イベントが26日午後2時、久留米市六ツ門町の久留米シティプラザで、完成した30着を公開する。5月には東京で開かれている。
当日、シティプラザと六角堂広場で開催される「久留米フェスティバル」の一環。プロジェクトに取り組む一般社団法人イマジン・ワンワールド(久留米市)が、地元の人たちに国内の伝統技術の粋を集めた着物を見てもらおうと企画した。
マレーシアの着物制作に携わる久留米高の生徒がモデルで出演するほか、インドネシアの着物制作や、久留米絣でキリバスの着物制作に挑んでいる実行委員会の報告もある。問い合わせは事務局☎0942(34)4711。

すだれ大好きです
人 熊本市国際課職員松永ビリーさん
熊本・日本に初めて来たのは2010年7月です。まだ梅雨明けしていなくて、すごく暑かった。雨が多くて「なんだこれ?」って思っていましたね。ドイツは梅雨がなく、真夏でも雨が降ると冷え込みます。日本は雨が降っているのに暑い。体がついていかなくて、人生で一番といえるくらいのひどい風邪をひきました。
日本ではエアコンを使いますが、日差しを防ぐすだれが活躍しています。カーテンとは別の雰囲気があって、しかも安い。昔の日本の家を想像したりして、すごく好きです。
外に行く時は洋服でもげたを履きます。涼しいのでお勧めです。日本人には「バンカラ」のイメージかもしれませんが、外国人から見れば普通のサンダル。「げたがほしい」という外国人は多く、お土産として人気です。木でできているのが珍しいのでしょう。
着物を着ると姿勢が美しくなり、自信にもつながって毎日着たくなるんですね。着物とは5年くらいの付き合いで、土日は必ず着ます。今は着付けの講師もしていて、外国人の友人がメインですが、日本人の生徒さんも増えてきていますね。
浴衣は涼しそうに思われるかもしれませんが、実は暑い。でも色が涼しげな紺だったり、模様が金魚だったり、周りを涼しい気分にしてくれる。周りを気持ち良くさせるのが日本の文化と思います。夏にみんなでビールを飲むのは、日本もドイツも一緒ですよ。
語ってくれたビリーさんは、ドイツ南部のバイエルン州出身で、2014年8月からドイツ国際交流員として熊本市に勤務し、イベントなどで母国の魅力を紹介している。夫は日本人。スキージャンプやカーリングなどウインタースポーツが好きだったが、来日後は高校野球にも興味があるという。

グランプリ受賞した野原さん(中央)
ゆかた女王に野原さん 北中城
沖縄・浴衣の普及、発展などを目的に、呉服店「ら・たんす」はこのほど、中頭郡北中城村のイオンモール沖縄ライカムで第1回ら・たんすPresents「ライカムゆかた女王コンテスト」を開催した。書類審査を通過した女性8人が、自慢の浴衣を身に着け、会場に設置されたランウェイをさっそうと歩いた。初代ゆかた女王には、中頭郡嘉手納町から参加した野原芽衣さん(22)が選ばれた。
コンテストでは、浴衣の着こなしや浴衣に合うヘアスタイル、小物使いなどが総合的に評価された。観客の投票でグランプリ、準グランプリの3人が決まった。コンテストのほか、「ら・たんす」で取り扱う新作浴衣のファッションショーなども開催され、観客は携帯を片手に好みの浴衣を撮影した。
野原さんは「グランプリになるとは思ってなくて、とっても驚いている」と受賞の喜びを語った。野原さんにはトロフィーのほか、20万円相当の着物と帯のセットが贈呈された。準グランプリは、照屋由紀乃さんと常田めぐみさんに決まった。

1500円(税別)あ
「花嫁の着物」スタイルブックを発売 CUCURU
東京・株式会社CUCURU(港区)は和装での結婚式を考える新郎新婦が本格的な花嫁衣裳のスタイル選びに活用できる『花嫁の着物~CUCURUが叶える色遊びコーディネート術』を刊行、22日全国の書店にて販売を開始。
同社は、2016年の表参道店舗オープンより、日本初の花嫁着物専門店とし て、和装結婚式やフォトブライダルのコーディネートやヘアメイクを手掛けてきた。最近はインスタグラムのフォロワーが 1 万人を超えるなど、CUCURUの提供する「楽しい 着物のコーディネート」で作り出す婚礼衣装の世界観に魅了される人が増えてきたという。
今回の刊行物は「花嫁着物って実はとても自由で自分らしくオシャレができるんだと知ってもらいたい、そ して、着物の価値を理解してもらいたいという、CUCURU代表安東夏子の想いが込められた1冊になっております」と同社。
スタイルブックの概要は、名称:花嫁の着物 発売日:8月22日 出版社:界文化社。
問い合わせはCUCURU(くくる)担当者:田中・安東☎03(5766)9960。

ながもち屋アウトレット
格安着物アウトレット 西陣織会館にOP
京都・リサイクル着物を安価に販売する店舗「ながもち屋アウトレット」が、上京区の西陣織会館にこのほどオープンした。レンタルと同程度の価格ながら、品質にこだわった着物を取りそろえた。会館を訪れる訪日外国人客や、着物に関心のある国内観光客の取り込みを図る。
ながもち屋は、1985年に呉服製造卸の新装大橋(下京区)が創業。家庭に眠る着物や帯の委託販売を請け負い、全国の百貨店に進出している。今年は西陣の呼称が生まれて550年の節目にあたることから、同会館が着物のファン層拡大につなげようと出店を要請し、手織り体験コーナーだった2階の一角を貸し出した。
ながもち屋の通常店舗よりも安い商品を扱う新業態の位置づけで、友禅染の着物や西陣織の帯などを3240~2万1600円の価格帯で約500点そろえる。幅4㍍の鏡を据えた試着コーナーを設け、大人数で記念撮影できるようにした。
同会館は「観光客だけでなく、着物に関心のある地元住民の方にも利用してもらいたい」と話している。

打ち合わせ中の藤井、山本、大島さん
養護施設出身者 パレードで着物体験を
東京・児童養護施設で育った女性たちに、振り袖姿の写真撮影を提供している、東京都内のボランティアグループと川越市のNPO法人「川越きもの散歩」が連携して、11月12日、同市で開かれるイベント「川越唐人揃い」の国際交流パレードに、養護施設出身の男女に振り袖・着物姿で参加してもらうプロジェクトを立ち上げ、参加者を募集している。
ボランティアグループは「ACHA(アチャ)プロジェクト」。代表の山本昌子さん(24)は生後4カ月から児童養護施設で育った。施設を出ると、生活費や専門学校の学費をアルバイトで稼ぐのがやっとだった。
「施設出身の女の子たちは、成人式で振り袖は着られないのが当たり前と思っている。着たい気持ちはある。(費用が高額で)現実感がないんです」と山本さん。式に行きたかったが、周囲には「興味ない」と言って欠席した。 児童養護施設は原則18歳で「卒園」して社会に出なければならない。長い年月を過ごした施設を訪ねても、新しい子どもたちが入り、職員たちも忙しそうで「自分の居場所がない」と感じる。「卒園してから22歳ぐらいまでは孤独感が募る。私自身、精神的につらかった」と山本さん。
そんなとき、専門学校の先輩が「自分は大切にされる存在だと思って生きてほしい」と、振り袖姿での写真撮影をプレゼントしてくれた。 「生きる勇気をもらった経験を次の人につなげたい」。山本さんは2016年3月、先輩の愛称にちなんでACHAプロジェクトを立ち上げ、インターネットの掲示板でボランティアを募集。ヘアメークや着付け、カメラ担当がすぐに集まり、4月には初めての撮影を行った。9月からは毎月1回のペースで撮影を行っている。
「写真を撮ることが目的ではなく、孤独感や心の穴を埋めてあげたい」と山本さん。自分が巣立った施設で撮影し、お世話になった職員たちから祝福されて絆や勇気を取り戻す利用者も多いという。
川越きもの散歩は、小江戸・川越で着物の普及活動をする一方、養蚕や絹文化の保護・研究活動も行っている。代表の藤井美登利さんがACHAプロジェクトを知り、山本さんに連絡。国際交流パレードへの参加が決まった。着付けは川越・一番街通りにある「れんたるきものや寛」の大島寛子さんが担当する。
パレードは当日の午後1時からで、今回募集するのは振り袖の女性5人と和服の男性2人。藤井さんは「パレードに限らず、今後も埼玉県内での活動をサポートしていきたい」と振り袖の寄付を呼びかけている。問い合わせは川越きもの散歩藤井090・9329・5513。
振り袖の寄付先はACHAプロジェクトachaproject@outlook.jp。

写真はイメージ
期間限定「着物レンタルバサラ」 新宿駅
東京・JR新宿駅新南改札外にある「Suicaのペンギン広場」に現在、夏季限定の新宿特設店として「着物レンタルVASARA」がオープンしている。
広報担当者は「オープン以来反響が大きく、連日予約も多くいただいている。10代後半から30代の方の利用が中心だが、新宿エリアを通勤で使うなど駅に立ち寄られる方にも興味を持っていただいている」と話す。「花火大会がある時など、ホームページを見て利用してくださる方も多かった」とも。
「他の店だと返却時間が早めだが、当店は着付けや返却時間も遅い時間まで対応している。平日の仕事帰りなどにも、浴衣を着て船に乗ったり食事に行ったり、夜をカジュアルに楽しんでもらえたら」と来店を呼び掛ける。9月17日まで。

平成西郷星の図柄と重田さん
明治維新150年 西郷柄に新しい風を
鹿児島・鹿児島の伝統的工芸品「本場大島紬」。年々生産量は減少し、大島紬に携わる人たちも激減している。この現状をなんとかしようと立ち上がった職人たち。
来年の明治維新150年に向け、鹿児島市の伝統工芸士・重田茂和さん(57)らがつくるプロジェクトチームが、西郷隆盛の逸話にちなむ新しい図柄を使った大島紬の制作に取り組んでいる。
まずは7反を織り上げ、10月にフランス・パリで開かれる薩摩藩パリ万博150周年記念展示会「サツマウイーク」でお披露目する予定だ。
来年には大河ドラマ「西郷どん」も始まる。ここ1、2年が鹿児島が盛り上がって注目される時。このタイミングを逃すまいと、以前から考えていた新しい柄作りを本格的に取り組む事にしたという。そして西郷隆盛のひ孫、西郷隆夫さんがプロデユーサーを務める。
大島紬の柄の1つ「西郷柄」は約30種類あり、西郷さんの事を慕う奄美大島の赤尾木、竜郷などの地域で誕生している。が、平成の時代に作られる新しい西郷柄は、プロデユーサーの西郷さんが「平成西郷星」と名付けた。
「大島紬の業界を盛り上げたい。後継者育成につながれば…」、そんな重田さんの呼びかけに答えた伝統工芸士の有志たちは「こんな平和な時代に作られた西郷星を150年後の未来の人に残したい」と前進する。

精巧な作品が展示されている
西陣織の技沖縄の美を織る 植物園で作品展
京都・沖縄県在住の西陣織伝統工芸士(総合部門)中嶋鉄利さん(66)の染織作品を紹介する「亜熱帯植物染織展」が、左京区の府立植物園で始まった。ランの花をモチーフに独自の製織技法で織り上げた壁掛けや、パイナップルの繊維で織った布を展示した。精巧な技に支えられた奥深い世界が来園者を魅了している。
中嶋さんは、川島織物在職中の2000年に伝統工芸士に認定され、02年に沖縄県立芸術大美術工芸学部助教授に就任。その後、教授となり、昨年3月の退任後はファイバーアーティストとして活動している。
西陣織の新たな可能性を追求しようと作った壁掛けは、たて糸とよこ糸のバランスや一本一本の糸の微妙な色合いを調整することで、絵画のような立体感を持たせた。沖縄で研究を始めた植物繊維の分野では、経糸に絹、緯糸にパイナップル繊維を用いて織った透明感あふれる布を展示した。「アバカ」と呼ばれるバショウ科の植物の繊維で織った張りのある布もあり、日ごろ触れる機会の少ない植物繊維の多様性を身近に感じられる。
沖縄に拠点を移して以降、中嶋さんが京都で作品展を開くのは初めてといい、「多くの人に織物の美を楽しんでもらうのと同時に、専門分野の人には西陣織の新たな発想の1つとして見てもらえればうれしい」と話す。
27日まで。20日午後1時半から中嶋さんの講演、21~23日の午後1時半からは染織の体験講座がある。体験講座は有料。問い合わせは植物園☎075(701)0141。

講師の遠藤さんと山田社長(奥)
着物体験講座 南魚沼と十日町
新潟・ほくほく線沿線の着物産地のメーカーが共同で着付け講座「きものレッスン」を20日から3回シリーズで、南魚沼市と十日町市で開く。10月下旬には受講の成果を披露する「きものカフェ」も予定。主催者は「初心者でも簡単に着るこつをつかむチャンス」とアピールしている。
南魚沼市塩沢の「やまだ織」と十日町市の「桐屋」が主催。「着物があるのに自分で着付けができない」「普段着感覚で着物を着たい」といった顧客の声を受けて企画した。
沿線自治体などでつくる「ほくほく線沿線地域振興連絡協議会」の助成金も活用しており、受講の際にはほくほく線の利用も呼び掛けている。
美容師で着物コーディネーターの遠藤節子さん、やまだ織の山田千晴社長、能の観世流白謡会に所属し英会話教室を主催する石井佑卯子さん=いずれも南魚沼市=の3人が講師を務める。初心者でも簡単に着られるこつを3回シリーズで伝授し、着物の楽しみ方も分かりやすく解説する。山田社長は「着付けを短期で覚えるチャンスです」と話している。
レッスン会場は20日が桐谷の翠山工房、9月3日はやまだ織、10月8日が長命寺(十日町市)。きものカフェは同29日に南魚沼市塩沢の「OHGIYA CAFE」で予定。参加費は全3回で1500円。問い合わせはやまだ織☎025(782)1121。

着物について説明を受ける学生
若者目線で着物の魅力発信へ 十日町
新潟・県十日町地域振興局が長岡造形大学の学生を招き、十日町市の着物工場の見学会などを行った。学生目線での産業活性化策や交流人口拡大に向けたアイデアを提言をしてもらう目的。学生は製造工程を興味深く見て回り、着物の可能性に思いを巡らせた。
同振興局が、「着物のまち・十日町市」ならではの振興策を探ろうと昨年から展開している「人を呼ぶきものプロジェクト」の一環。造形大の「地域協創演習」として2、3年生13人が参加した。
9日は同市寿町3のきもの絵巻館で振袖などの商品の説明を受けた後、吉沢織物昭和町工場などを見学。型友禅や蒸し、水洗い、織りといった工程を巡り、職人の仕事や技術を学んだ。
2年の堀沢佳緒瑠さん(20)は1つ1つが時間がかかる作業で、値段が高いのもうなずける。小物などに生地を使うアイデアもあるのでは」と話した。
学生たちは今後、十日町市で演習などを行い、本年度中に提案をまとめてプレゼンテーションする。

作業中の吉田さん
人 染み抜きで着物文化を陰で支える
熊本・県内では珍しい着物の染み抜きや色合いの修復を専門で手掛ける職人が、菊池市にいる。その道50年の吉田繁さん(70)。洋装の普及で日常的に和服を着る機会は激減した今も、伝統文化を陰で支えている。
九州と山口の技術者でつくる西日本染色補正研究会(福岡市)によると、着物専門で長年営業しているのは熊本県内でほぼ唯一。東京や京都の実力者がそろう全国技能競技大会(1991年)で準優勝するなど、高い技術を誇る。
吉田さんは1年半、京都で手描き友禅を学んだ後、20歳で菊池市隈府の中心部にある今の店を父から引き継いだ。県内では同業者がおらず、ノウハウの蓄積もない。半年以上たった古い染みをどうやって抜くかが長年の課題だった。
80年代、技術を高めようと同研究会が福岡市で開く講習会に月1回参加。国家資格「染色技能士」の染色補正1級を89年に取得後も約20年通い続け、繊維の種類に応じた適切な薬品の選び方などを学んだ。
修復では、汗や食べこぼしによる染みを抜き、脱色した部分に筆で色を足す。「友禅修業の経験が生きています」と吉田さん。機械化すると変色の恐れがあるため、手作業を続け厚生労働省や同研究会によると、着物離れや後継者不足を背景に、染色補正の受験者は平成以降、ピーク時より7割減の30~40人程度で推移している。
吉田さんのもとには、主に日本舞踊や茶道、華道をたしなむ県北各地や熊本市の女性から年間数百点の依頼があるというが、後継者はいない。「糖尿病を患い目が悪くなったため、色を入れにくくなった。元気なうちは続けます」と静かに話した。

クラフトに打ち込む子どもたち
繭玉に見る養蚕の歴史 相模原で展示
神奈川・養蚕業が盛んだった地域の歴史を伝える「藤野の養蚕」展が27日まで、相模原市の古民家「吉野宿ふじや」で開かれている。市立博物館の主催、ふじの里山くらぶの委託事業。入館・参加無料。
会場では養蚕の仕事を写真パネルで紹介。ふ化したカイコをはじめ、地域で織られた反物の和服など約100点が展示されている。
展示に協力した中島充子さん(68=緑区)は祖母から受け継いできた約100年前の反物を使った梅模様の小紋入り和服や、娘や孫娘の節句やお宮参りに欠かせない引っ掛け着物などを自宅で丁寧に保存してきた。今回の展示に合わせて幼少時の養蚕経験などを備忘録として和紙にしたためて紹介。「着なくても、伝えることが大事ですよね。お金では買えない。これが宝物かな」と話していた。
繭玉でパンダやウサギを作るクラフト体験のワークショップが人気で、子どもたちが熱心に取り組んでいた。
20日午後2時からは講和「津久井の養蚕」が開かれる。問い合わせは、吉野宿ふじや☎042(687)5022。

増益確保
京都きもの友禅 増収増益
東京・「振袖」を中心とした高級呉服・宝飾等の販売をする、東証1部の京都きもの友禅株式会社(中央区日本橋=代表取締役社長服部雅親)は、着物など一般呉服は催事企画の時期を見直し受注が増える。
女性向けの成人式用振り袖は客数が増えるものの、競争環境が激化。インターネット上での広告を強化するほか、ダイレクトメールの発送も効率化するなどコスト削減を強化。過度な値引き販売も抑制。最終増益を確保。

寄贈する久保田さん(左)
大正の着物雑誌 銘仙のまちの市図書館へ寄贈
群馬・大正から昭和にかけて銘仙など着物の流行情報を発信した雑誌、「染織之流行」を保管していた久保田ゆき枝さん(80=伊勢崎市馬見塚町)が、大正時代の同誌など銘仙関連の資料を伊勢崎市の市図書館に寄贈した。
同館は企画展などを通じ、伊勢崎銘仙のPRや研究に役立てていく。
銘仙の街として知られる伊勢崎市の銘仙は、1720年(享保5)ころから堅牢な太織、縞物の産地として名が売れ、19世紀に入って生産、取引量を増大させた。玉糸、のし糸を原料とし、居座機いざりばたによる農家の賃織りが主流であったが、1880年代以降、高機たかばた、化学染料、絹紡糸を導入し、絣物の生産を軌道にのせるなどして、以後第2次世界大戦前まで銘仙の一大産地となった。戦後の復興期には化繊やウールの着尺の生産が新たに登場している。銘仙が面白い

受講者増が奏功
日本和装ホールディングス 受講者増で増収
東京・主に和服の販売仲介を行っている東証2部の日本和装ホールディングス株式会社(千代田区丸の内=代表取締役社長吉田重久)は、「きもの着付け教室」の受講回数を減らし、短期間で着付けの習得が可能となったことで、新規受講者数が大幅に増加し、教室に付随する販売機会が増える。
また、グループの内製化で着物の納品点数も伸び、増収となる。ダイレクトメールの送付も重点地域に絞ることで、広告宣伝費用を削減。最終増益。年配当は2円増。

黒留袖の暖簾
着物を再利用した小物など展示会 水戸
茨城・使われなくなった着物を再利用して作った小物などの作品を集めた展示会が、水戸市の県民文化センターで開かれている。20日まで。
会場には着物を再利用して作った、およそ150点の作品が展示されおり、このうち黒い留め袖を再利用したのれんは、妻を亡くした男性から「遺品の着物を残したい」と寄付された着物の生地を使って作られたもので、美しい模様が生かされている。その他、小さく切った着物で作られたうさぎなどの動物の小物のほか、額の中に着物で戦闘機の形を表現したユニークな作品もあり、訪れた人たちを楽しませている。
茨城県ひたちなか市の70代の女性は「作品を見てびっくりしました。こうした展示は次の世代に着物の魅力を伝えることにつながると思いました」と話していた。
作品展を主催した「きもの文化を大切にする会」の後藤祐一理事長は「実際に作品を見て、触ることで着物の魅力を感じてもらいたいです」と話していた。

浴衣の着装を習う小学生
私たち元気印 ゆかた着付け礼法教室
佐賀・「親子で楽しくゆかた着付け礼法教室」は、日本の伝統文化の伝承として、文化庁から佐賀で初めて認可され、佐賀市の本庄公民館で始まった。小学生の親子を対象に12月まで10回コースを無料で開かれる。
指導者の小川京子先生は、長年着物に関わり、着付けや礼法教室を佐賀市内に開いている。
着物についての知識や名称など習い、参加者は1人でゆかたを着装できるように指導してもらう。その後、立ち居振る舞いや、お辞儀の種類と仕方なども習った。文庫帯に帯を結ぶとき、寸法を手幅で図るなど実用的で覚えやすい。参加した小学1年生の女の子は「お祭りに着ていく」と、うれしくて飛び跳ねている。
「親子のコミュニケーションもできますし、日常忘れがちなマナーを改めて学べる場でもあります」と気軽に参加を呼びかける小川先生。連絡先は事務局の平方さん宅090・9571・4630。

プリンターとプレス機と松井社長(左)
着物を一貫生産 福山のアシスター
広島・着物の仕立て・加工を行っているアシスター(福山市伊勢丘・代表取締役松井稔)は、着物のデザインから縫製までを一貫生産する体制を整える。納品までの期間を大幅に縮め、少数の注文にも対応しやすくする狙い。外国人観光客が滞在中に引き渡せるようにもする。 そのために福山市の工場に7月、プリンター1台とプレス機2台を導入した。着物の柄をプリンターで紙に印刷。紙とと生地をプレスし、柄を生地に転写する。事業費は約1600万円で、このうち約1千万円は中小企業庁管轄の国のものづくり補助支援を受ける。
「当社では、品質と信頼性を第一に考え、社内一環生産を実現、ゆのし・ガード加工などの前加工から、着物のお手入れ・しみ抜き・染色補正などのアフターケアまでトータルでご提案できる体制を整えております。至急品対応はもちろんのこと、品質や技術など、安心感をもっていただけると自負しております。着物の仕立て・加工を通じて着物文化の継承に貢献していきたいと思っております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします」と松井社長。

案内チラシ
草花を描く「型紙展示」 讃岐民芸館
香川・四季の草花を描く「型紙」が、高松市の栗林公園内にある讃岐民芸館で開かれている。9月18日まで。
同館が所蔵する染色型紙92点中から約40点を展示。桜や梅、紅葉などを四季折々の草花をモチーフにした繊細な彫りや、多彩な図柄を観賞できる。型紙は着物などの生地を染めるための染色道具だが、道具という枠を超えて、まるでデザイン画や版画作品のように見える。
観覧無料だが栗林公園の入園料が必要。詳しくは同館☎087(833)7411。伊勢型紙

泥染めに挑戦した児童
泥染めミニタオルに挑戦 夏休み体験教室
鹿児島・大島紬産地再生協議会は15日、奄美市名瀬伊津部勝の泥染公園で「夏休み泥染め体験教室」を行った。参加した子どもたちは泥田に入り、服や体が汚れても、楽しみながらミニタオルをそれぞれのデザインに染めた。
同教室は同協議会が毎月15日に定めている「すきすき紬デー」の企画の一環。子どもたちに大島紬を作る工程の1つである泥染めの1部を体験し、身近に感じてもらうことが目的。
この日は子どもたちと保護者約40人が参加。本来、泥染めはシャリンバイ(テーチギ)のチップを煮出した液を用いるが、今回はメヒルギのチップを使用。樹木に含まれるタンニン酸が泥田の泥と化学反応を起こし、徐々に色がつく様子を子どもたちは楽しんだ。また泥田にはイモリやコイなどの生物が生息しており、泥染めだけでなく、自然とのふれあいにも満足げな表情を見せた。
朝日小1年生の亀山隆弘君(6)は母純恵さんと参加。隆弘君は「楽しかったけど、とても疲れた。100点満点の出来映え。染まったミニタオルは手を拭くのに使いたい」と語った。
同施設の野崎松夫伝統工芸士は「泥染めは紬の織りなどとは違って、技術がなくても自由にデザインして楽しむことができる。奄美に生まれ、奄美で育つ子どもたちには、泥染めを通して大島紬について少しでも知ってほしい」と話した。奄美大島

浴衣姿で20歳の誓い
浴衣姿で20歳の誓い 白川村で成人式
岐阜・白川村の成人式が14日、同村荻町の野外博物館「合掌造り民家園」で行われた。晴れやかな表情を浮かべた新成人25人が決意を新たにし、大人の仲間入りをした。
同村の成人式は、雪深い冬を避け、盆の帰省に合わせて行われている。女性は涼しげな色とりどりの浴衣を着用し、男性は浴衣やスーツ姿で出席した。
新成人は大学で学んでいることや仕事などの近況を報告。成原茂村長は「社会の一員として今自分に何が必要で、何をすべきか考えてほしい。進むべき道を考えるということを実践してほしい」と激励した。
新成人を代表して村内で保育士を務める野村日菜ノさん(20=同村)が「白川村で生まれ育った誇りと新成人としての決意を胸に今後の人生を一生懸命歩んでいく」と誓った。現在は仕事で岐阜市に住む脇淵亮さん(20)は「今は経験を積んで、いずれ村に戻ってきたい」と話した。

参加したミス浜松まつり
注染・浴衣・和装展 浜松
静岡・このほど「注染・ゆかた・和装展」(静岡県繊維協会主催)が、ギャラリーモールソラモ(浜松市)で開催された。
同展は、織・染に係わる伝統技術のPRや、新作ゆかたや和装製品の展示など、繊維産地として浜松を紹介するとともに、ゆかたや、和装に多くの方に親しんでもらうことを主旨として開かれた。
会場には浜松本染ゆかたや遠州織物など、江戸時代から作られている、浴衣や着物、生地が並んだが、注染実技体験コーナーも開かれ、大人から子供達、外国人も参加するなど、楽しんでいた。
参加したミス浜松まつりの坪井麻理子さんも注染の実技体験を経験するなど「海外の方々に、遠州織物やゆかたについてお話でき、少し国際交流のような...浜松紹介をする事ができて良かったです。このイベントをきっかけに、さらに浜松を好きになってくれると嬉しいです」と話した。

盾を持つ末松市長
伊勢型紙でトロフィーと盾 鈴鹿8耐
三重・27~30日に開かれる鈴鹿八時間耐久ロードレースが40回目を迎えることにちなみ、鈴鹿市が市長賞として優勝チームに贈るトロフィーと盾が20日夕、市役所で披露された。伝統工芸の伊勢型紙を使用し、世界に鈴鹿を発信しながら記念大会の覇者をたたえる。
トロフィーは高さ85㌢、幅と奥行きがそれぞれ約21㌢のあんどん型で、県産の杉を主に使用。菊と唐草の文様が彫られた伊勢型紙のパネルが正面と裏面に施され、内蔵のランプがほのかに照らす。
歴代の優勝チームなども刻印されているほか、側面に鈴鹿サーキットのコースをかたどったステンレス板を配置。底面には鈴鹿市章と「SUZUKA CITY」の文字が記されている。オコシ型紙商店(鈴鹿市)が企画・製作し、ギルドデザイン(亀山市)が金属加工を担当した。
盾は伊勢型紙の作品が入ったガラス製で、縦37㌢、横27㌢。鈴鹿市長賞を表すローマ字が、大会のロゴとともに刻まれている。大杉型紙工業(鈴鹿市)の製品で、優勝チームのライダー個人に贈られる。
市役所には、オコシ型紙商店の起正明社長(53)とギルドデザインの松葉真一取締役(41)が訪れ、「伝統的なものづくりと新しい技術が融合した」とPR。8耐の決勝の30日に賞品を手渡す末松則子市長は「期待以上の仕上がり」と喜び、「地元チームに優勝してもらいたいが、海外の選手らにも喜んでもらえるのでは」と話した。伊勢型紙

鈴鹿市伝統産業会館
伝統技法で彫刻 伊勢型紙を展示
三重・鈴鹿市寺家の市伝統産業会館で11~12日、「伊勢形紙伝統工芸士展」が開かれた。
伝統工芸士に認定されている職人らの団体「伊勢形紙伝統工芸士会」が、国の伝統的工芸品・伊勢型紙の振興の一環として毎年開催しているもの。
会場には、同会会員13人の作品約50点を展示。きり彫り、道具彫り、縞彫り、突彫りの伝統の4技法で彫られた型紙を来場者らが見入っていた。会員による実演や、彫刻体験なども行われ、来場者は楽しんだ。
同会の大杉明会長(69)は「伊勢型紙は本来、着物を染めるのに使う工芸用具。その世界を知ってほしい」と話した。

花織と城間理事長(左)
琉球絣組合に地域賞 伝統文化ポーラ賞
沖縄・伝統文化の継承や振興に貢献した個人や団体に贈られる「第37回伝統文化ポーラ賞」(ポーラ伝統文化振興財団主催)の受賞者がこのほど、決まり、地域賞に県内から南風原花織の保存・伝承に貢献した琉球絣事業協同組合(島尻郡南風原町=城間律子理事長)が輝いた。10月24日に東京都で贈呈式が開かれる。
城間理事長は「国の伝統工芸品に指定され、地域の皆さんが南風原花織の素晴らしさを再確認でき、このような大きな賞につながったと思う。尊い文化遺産を伝えていけるよう地域一丸となって頑張りたい」と話した。
同組合の設立は1975年。生産者の減少に歯止めをかけるため、81年から琉球絣や南風原花織の後継者育成事業を開始した。
ことし1月、南風原花織が国の伝統工芸品に指定されたことを受け、8月から南風原花織に特化した後継者育成事業も始めた。県内からのポーラ賞受賞は2年ぶり22件目。沖縄の染織

涼やかな雰囲気の館内
美術館のお盆特別企画 浴衣で無料観覧
福井・お盆は浴衣で涼やかに芸術鑑賞。県立美術館は11日、浴衣や着物を着た人が無料観覧できる特別企画を始めた。15日までの5日間で、女性は浴衣の無料レンタル・着付けのサービスを各日30人まで受けられる。開館時間を2時間延長するナイトミュージアムも行われるなど、来館者は落ち着いた雰囲気で“アートな夏”を楽しんでいた。
「お盆はユカタでGO!」と銘打ち初めて企画。同館では現在、開館40周年を記念した特別企画展「名品200選~コレクションがせる日本美術の400年 伝統・革新・発展~」を開催しており、浴衣や着物だと無料で楽しめる。
スタッフも全員が浴衣姿。「ちょっと動きづらいね」とこぼしながらも、笑顔で仕事に励んでいた。展示された名品を浴衣姿で鑑賞する人があちらこちらで見られ、館内は涼やかな雰囲気となった。
坂井市の西田冬奈さん(22)は「浴衣を着たいなと思って、おばあちゃんを誘って来ました」とにっこり。祖母の美紀さん(66)は「浴衣を着て芸術鑑賞すると、涼やかで落ち着いた気持ちになりますね」と喜んでいた。
15日までの期間中は開館時間を午後7時まで延長。12日には、「若冲 極彩色と超細密のシンフォニー」「ルーブル 永遠の美」など映像作品4本を8Kスーパーハイビジョンのフル22・2chサラウンド音響で放映。27日まで。
土橋彰副館長は「県民により親しまれる美術館になれば。秋にも何か仕掛けを考えたい」と意気込んでいた。
浴衣のレンタル・着付けは事前申し込みが必要。問い合わせは同館☎0776(25)0452。

寄贈された着物
下田歌子の生前の着物 実践女子大に寄贈
東京都・実践女子大(渋谷区)の創立者で、女子教育の先覚者とされる歌人、下田歌子(1854〜1936年)が生前、着用していた着物が12日、同大の下田歌子研究所に寄贈された。
所蔵していたのは、少女時代に下田の自宅で働き、今年2月に100歳で亡くなった静岡県磐田市の久志目れんさん。形見としてもらったものだという。
下田は岐阜県恵那市に生まれ。1872(明治5)年から明治天皇の皇后に仕え、和歌の才能から「歌子」の名を賜った。女子教育の視察のため、欧米に単身で渡り見聞を深めた後、99年に実践女学校を創設した。
久志目さんは、高等女学校在学中の1932年ごろから勤めに出た。下田が亡くなる36年まで下田の自宅で働き、黒い着物2着を形見としてもらっていた。
下田の死後、故郷の磐田市に戻り、1男6女をもうける。子や孫に下田の教えや東京時代の出来事などをよく話していたという。久志目さんが晩年、使っていた手帳には「先生にもう一度おあいしたいです。呼びに来てください」と下田を慕う気持ちがつづられていた。
着物を受け取った研究所の湯浅茂雄教授は「下田先生の遺品は太平洋戦争中の空襲で多くが消失しており、頂いた着物は貴重なもの。学生教育にも生かしたい」と言う。久志目さんの長女、大畑とも子さん(76)も「着物が下田先生の元に贈られて、母も喜んでいると思います」と話していた。

「型付け」をこなす廣瀬さん
人 サーファーが究める江戸小紋の美
東京・長さ7㍍のモミの1枚板に置かれた白い反物に、細かな模様が彫られた伊勢型紙をのせて、その上からへらで糊をすうっと置いていく。江戸小紋は江戸時代、武士のかみしもの模様に使われた型染めだ。遠目から見ると無地にも見えるような細かい柄が特徴で、派手なものが禁止された庶民の間でも、ひそかなファッションとして愛された。東京の新宿区にある廣瀬染工場は、100年近くにわたりその技を受け継いでいる。
クーラーのない工場で吹き出る汗をものともせず、繰り返し作業するのは、若き4代目・廣瀬雄一さんだ。へらを握る指先を見ると、布を染める時に使う染料が青くしみ込んでいる。 大学卒業後、2002年に家業である江戸小紋の道に入ったが、それまではウィンドサーフィンのシドニー五輪強化指定選手だった。20代後半がピークとされる競技で、年齢的に08年の北京大会までは目指したいと思っていた。その夢をかなえてからでも職人はできる。しかし祖父や父からかけられたのは「大学卒業がタイムリミット。ここでやらないと職人としては使えない」という容赦のない言葉だった。「やりたいこと」と「やらなきゃいけないこと」のはざまで、心は荒れた。
「やらなきゃいけないこと」を選んだのは、「おじいさんがやってきたことを孫の僕が継ぐことで喜んでくれるから、っていう純粋な思いかもしれない」と話す。よみがえるのは幼い頃、祖父や父、たくさんいた職人たちが立ち働く工場を好奇心からのぞいた時に伝わってきた空気感。「伝統って心をつないでいくものなんだろうなって思うんです。その心っていうのは工場で大事にされてきた何か。技と同時に伝えていきたいものがたぶんそこにあって、無意識のうちに体に入っていたのかなって思っています」
伝統的な着物はもちろん、海外を含めてより多くの人に知ってもらおうと12年にブランドを立ち上げ、ストールやネクタイも染める。どくろやサメなど新しい小紋を自らデザインすることもある。いずれ海外のブランドとコラボレーションしてオートクチュールを作り、江戸小紋の可能性を広げていくことが今の廣瀬さんの夢だ。
その一方で、型紙の制作現場などに足を運び、素材を吟味して「原点に戻る」ことも忘れない。「型紙は3枚の美濃和紙を柿渋で貼り合わせているんですが、その柿渋も丈夫な紙にするためにはこの柿じゃなきゃダメとか、その中でも斜面に立っている木がいい、とかあるんですよね。型紙が安定していると、糊付けするときにムラがでないんです。糊もタイ産の安いもち米じゃなくて、国産のもので作ると粘りすぎずキレのいい糊になる。日本の良質な材料を突き詰めることが、いい小紋をつくることにつながっていくんです」。
爪の先まで職人にそまっている。「今は気にならなくなった」という色づいた手が、その証しだろう。伊勢型紙

3歳男児用被布着物
3歳男児の七五三着物 豊彩株式会社
京都・京都着物レンタル夢館(下京区、豊彩株式会社)では、フォーマル用着物の全国宅配・来店着付のサービスラインナップを年々拡大しているが、今年度より3歳男児向け被布着物レンタルと3歳男児袴レンタルを開始した。
七五三の起源は平安時代。当時は赤ちゃんの死亡率が非常に高かったため、 7歳までの子供は神の子とされてきた。3歳、5歳、7歳に神社や寺などに行き、この年まで無事に成長したことへの感謝とますますの成長と幸せを神に願ったのが起こりという。
「そもそも、男児の祝いが5歳だけなのは、男児は5歳になるまでより疾病などで失われやすかった、ということなのでしょうが、生活レベルと医療技術が上がった現代、七五三祝の意味は変わっていると思われます。子どもが無事に3歳まで育ったことは男女関係なく目出度いことであり、男児も3歳から皆でお祝いしたい、というご両親やご祖父母のご意向は強くなっているのではないでしょうか」と夢館。

里山散策を楽しむ参加者
浴衣姿でかやぶきの里巡る 美山
京都・南丹市美山町北地区の「かやぶきの里」を浴衣で歩くイベントがこのほどあり、地元や京都、大阪、滋賀から参加した12人が、里の歴史や文化も学びながら散策を楽しんだ。
美山町知見の「cafeふるや」と同市八木町の文化交流施設「わざどころPON」が催した。cafeふるやで浴衣の着付けと食事をした後、かやぶきの里へ移動。里内の知井八幡神社や美山民俗資料館を見学し、地元ガイドの説明を聞きながら、昔ながらのかやぶき屋根が並ぶ里内をゆったりと散策した。
兵庫県尼崎市から訪れた30代の夫婦は「仕事に疲れていたのでリフレッシュできた」と話していた。
今後もかやぶきの里で同様のイベントが開かれる予定。

先行企画の写真より
着物楽しんで 訪日客にレンタル開始
神奈川・JR川崎駅東口近くの大型商業施設「ラ チッタデッラ」(川崎市)などが9月1日から、訪日外国人に着物や浴衣姿で川崎の街や観光地を楽しんでもらおうと、有料の和服体験サービス企画「KAWASAKI Kimono Walk」を始める。和服の似合う撮影場所なども紹介し、写真投稿などの会員制交流サイト(SNS)を通じて川崎の魅力を発信してもらうとともに、市内への誘客効果も期待している。
近くのホテル「オンザマークス東京川崎」と中原区内の着付け教室「みやうち着物学院」との共同事業。「ラ チッタデッラ」がイベント用に所有する着物浴衣計50セット(帯や草履含む)を、同ホテルを通じて訪日外国人に貸し出し、同学院が着付けを担う。川崎太師や旧東海道、かなまら祭り、風鈴市など近隣の観光スポットや伝統行事などを紹介する英語版ぱんふれっとも配布して、川崎の魅力を堪能してもらう。
サービスは当面、女性が対象で、料金はヘアアレンジも含めたセントで5千円。プレイベントとして今月12日「ラ チッタデッラで行われる「チッタの夏祭り」fで訪日外国人女性6人に無料で浴衣レンタルと着付けサービスを提供。この日は特別にプロカメラマンによる写真撮影も無料で行う。
同施設は「2020年の東京五輪・パラリンピックや羽だ連絡道路開通で、訪日外国人の増加が期待されている。少しでも当地ならではの誘客ができれば」と話している。問い合わせは同ホテル☎044(221)2250。

ライトアップのイメージ写真
創建時の流行色にライトアップ 臨江閣
群馬・前橋市を代表する近代和風建築で、大規模改修を終えた臨江閣別館(同市)が11日から、建てられた約100年前に流行していた着物の色でライトアップし、製糸業で栄えた前橋のイメージを建物に重ね、「生糸のまち前橋」を発信している。
市と観光、商工関係者でつくる前橋・光のまちづくり連絡協議会が実施し、全国各地でライトアップを手掛ける高橋匡太さん(京都市)が演出。
明治大正時代に着物の色で人気だったという色を採用。明るい青の新橋色と紫に近い茄子紺色の組み合わせと、緑の若竹色と赤に似た薄曙色の組み合わせなどで照らす。来年2月末までの毎日、夕方から午後11時まで行う。
19日には開館記念イベント「まえばし和の文化の集い」(市など主催)も臨江閣で開く。日本舞踊や華道、大正琴といった市内の文化団体が発表したり、茶席を設けたりする。前橋出身のテノール歌手、角田和弘さんらのコンサート、群馬県文化財保護審議会副会長の村田敬一さんの講演も予定している。臨江閣の一般公開や貸し出しは9月1日から行う。
ライトアップの問い合わせは市未来の芽創造課☎027(898)6427、和の文化の集いは市文化協会事務局☎027(221)4321へ。

新作の米織を吟味する来場者
色鮮やかな作品並ぶ 伝統の米沢織物
山形・特産の米沢織物の新作を展示する求評会が8日~9日、米沢市の上杉神社臨泉閣で開かれ、東京や京都の呉服問屋の関係者らが出来栄えを評価した。また、会は一般公開された。
求評会は長らく休止していたが、産地のPRと地元消費者へのアピールを兼ねて米沢繊維協議会が2014年に再開して今回が4度目。同協議会の呉服部会に所属する13社が手掛けた男女の新作和服計120点を展示し、参考出品として長井紬と白鷹紬の着物5点も飾られた。
色やコンセプトなどのテーマを昨年からなくし、制作者それぞれの好みで作られた絵羽や着尺模様の着物や帯、はかまなどが並ぶ。5年ほど前までは黒を基調にした暗色系が多かったが、ここ数年は明るい色合いが多く取り入れられる傾向にあり、水色や黄色、ピンクなど鮮やかな作品がひときわ目立った。
来場者による審査投票が行われ、入賞作6点が来年2月、東京の展覧会で発表される。連絡先は米沢繊維協議会☎0238(23)3525。

案内ポスター
ゆかたファッションショー 川越蓮馨寺
埼玉・川越市の蓮馨寺で18日、「川越きものの日6周年記念『小江戸川越ゆかたファッションショー』」が開かれる。主催は、川越きものの日実行委員会。
同実行委員会では、「きものが似合うまち川越」をテーマに、毎月18日に蓮馨寺で無料着付け、抹茶販売などさまざまなイベントを開いており、昨年から28日も加えた。同イベントは、川越市提案型協働事業補助金事業の一環とした活動開始から6周年を迎えた記念事業として開催される。
ファッションショーでは、参加者が浴衣姿を披露。蓮馨寺講堂のステージをウオーキングし、中央でポーズを取る。司会者は参加者の紹介とファッションのポイントを読み上げ、参加者には記念品を贈る。参加無料で、出演料、ヘアメーク代、クリーニング代の支給はなし。
参加対象は、男女問わず。グループ参加可(グループは5人まで)。事前予約制で先着60人。会場での着付けはないため、当日、15時30分までに浴衣を着て会場まで行けることが必要。作務衣、甚平は除外。参加申し込みは、10日まで。
担当者は「浴衣や着物の魅力に触れることができるイベント。夏の夕べを浴衣で涼んでみては」と呼び掛ける。
問い合わせは同実行委員会☎049(227)8233。

思い切った浴衣いかが
花火大会のコスチューム? 浴衣が定番
岐阜・毎夏、全国花火大会が開かれる岐阜市の長良川河畔は、今年も大勢の浴衣姿の女性たちで華やいだ。日本人の夏の普段着だった浴衣はいま、若い人の間でイベントを楽しむ衣装として定着している。若者たちは浴衣にどんな魅力を感じているのだろうか。
「浴衣を着ると、花火大会という日本の夏の風景と一体化した気分になる。心の動きを楽しんでいるのでは」。装賀きもの学院(岐阜市)の安田多賀子院長(80)は、若者が花火大会に浴衣を好んで着る理由を推し量る。
花火大会、長良川、情緒ある町並み。若者たちは夏の一場面の登場人物になりきって“コスプレ”を存分に楽しむ。安田さんは「岐阜は和の風景が色濃く残っていて、浴衣が似合う地域」と、舞台装置としての岐阜の魅力も指摘する。
若者の間で浴衣がコスチュームへと移り変わったことで、白地に藍染めが一般的だった色柄も多種多様に発展している。
たんす屋NEXT岐阜高島屋店の山口幸代店長(58)は「今年の新作は大きめの柄で、色のきれいなデザインが多い。花火大会に着ていくなら、夕闇に映える華やかな柄がお薦め」と話す。「帯に飾りひもや帯留めを絞めて、着物風に着るのが人気」でコーディネートの幅も広がっている。
「若い人ほど落ち着いた色を選ぶ傾向が強いが、和装は思い切った色や柄を取り入れた方が面白い」と山口さん。全国花火大会当日は、岐阜市内で浴衣のレンタルを行う団体も多い。自分に似合う1点を見つけてみては。夏姿ゆかた心得

着物姿で授業を受けた児童
明治・大正期の授業 着物姿で体験
静岡・磐田市の国指定史跡旧見付学校で4日、明治、大正期の授業の体験会が開かれ、地元の小学生23人がかすりの着物姿で国語と工作の授業に臨んだ。児童らは明治期の小学読本から引用した旧仮名遣いの単語や文章の朗読に挑戦。鉛筆とノートの代用として、チョークのような石筆で石盤に絵を描くなど、現代との勉強道具の違いも学んだ。
教師役の同施設職員も和装で参加し、木の机が並ぶ教室内は100年前にタイムスリップしたような不思議な雰囲気に包まれた。
工作の授業では地元の住民ボランティアの指導で紙鉄砲を作ったほか、竹馬やこま回しなど昔の遊びを楽しんだ。
同市立富士見小5年の男子児童(10)は「『てふてふ』をちょうちょと読むのが難しかった。着物で授業を受けて、昔の人の感覚が少し分かった」と話した。
旧見付学校は1875年に建てられ、現存する擬洋風建築の木造小学校校舎では国内で最も古い。現在は歴史展示施設として使われている。

塩沢つむぎ記念館
織りの文化発信 塩沢つむぎ記念館
新潟・塩沢つむぎ記念館は、織物の産地として知られる南魚沼市塩沢に1991年10月、「織の文化発信拠点」として開館した。1階は塩沢の織物の着物やその布を使った工芸品などを展示・販売。2階は機織り体験などができる工房になっている。
1階の展示場でひときわ目を引くのは国の重要無形文化財でユネスコの無形文化遺産にも登録されている「越後上布」(南魚沼市)と、国の伝統的工芸品「村上木彫堆朱(ついしゅ)」(村上市)の技術を織り交ぜてつくった最高級のブローチ。円形、楕円、四角形など手のひらに乗るほどの堆朱の台座に越後上布をはめ込んだ。南雲正則館長(65)は「帽子につけてハットブローチ、バッグにつけてバッグブローチと楽しみ方はいろいろあります」と話す。
2階では織物ができるまでの作業工程を見ることができ、越後上布の織り実演が行われている。
年間を通じて「織りの文化を楽しんでほしい」とさまざまなイベントを企画する。現在開催中の「手織り体験コンテスト夏の陣」(27日まで)は手織りで作品を作るもの。「繭玉キャラクター人形作り体験」は絹織物の原料の繭玉を使い、キャラクター人形を作る。「夏休みの思い出にぜひ、どうぞ」と呼びかける。今後も「つむぎ語り短歌・俳句大会」(9月3日~11月12日)、「まゆ玉クリスマスリース作り体験」(11月19日~12月23日)と盛りだくさん。
南雲館長は願う。「長い歴史を持つ塩沢の織物を多くの人に知ってほしい。自分自身の目で見て、実際に手で触れて感じてほしい。先人が守り継いできた伝統の技術、これからも次代に受け継いでいかなくてはならない伝統技術を」。
問い合わせは同館☎025(782)4888。塩沢の織物

押元さんと水面
注目歌手に斬新衣装 押元末子さん
米国・ハリウッドのエンターテインメント業界で衣装デザイナーとして活躍している沖縄県出身の押元末子さん(55)は、デビュー当時から女性演歌3人組、水雲みずもの衣装をデザインしている。
水雲は、ドジャース対マーリンズの試合前セレモニー「ジャパンナイト」で日米両国の国歌を斉唱。その時に押元さんデザインの「着物ドレス」を着用、球場を埋め尽くした観客に披露された。
女性演歌グループである水雲は、演歌歌手の氷川きよしさんらを育てた作曲家・水森英夫さんが手がけ、2013年から活動開始。9月6日発売の「帯屋町ブルース」でメジャーデビューする予定。
押元さんは水雲のためにデビューから現在までに5種類の衣装全15着をデザインしている。「ジャパンナイト」での衣装のデザインコンセプトを「誰がみても目を惹く色」とし、「沖縄で生まれ育ったので、沖縄の海の色やハイビスカス、ブーゲンビリア、ヤンバルの緑をミックスした色合いを使った」と説明した。また「5万人近くの観客が予想されるセレモニーなので、大きいスクリーンに映し出された時に水雲が浮き出るようにし、華やかに大きく見えるようにデザインした」とも話した。

地産にこだわった男縁帯
畳縁使った男性用帯制作 染織近藤
岡山・呉服専門店の染織近藤(市内北区丸の内)は、畳縁たたみべりを使った男性用の帯を発売した。畳縁製造の高田織物(倉敷市児島唐琴)に製造を委託。特産ジーンズ風のステッチをあしらい、岡山地方に根差した畳を使用することで岡山らしさを演出している。
畳縁を生かして和の物が出来ないかと考え、角帯を制作したという。 高田織物とコラボレーションする中で、企画、検討を重ね、縫製・色柄・素材・耐久性にまでこだわりながらの試作品の制作。軽くて丈夫で地元の素材で、ジーンズの縫製で、オール岡山にこだわり、男縁帯おとこふちおびと命名して完成。素材は麻66%、綿34%
「畳縁ですので、ハリがあります。良く締まるので締め心地は良いです。リバーシブルで年中使用可能で、ゆかた、紬などに着用して頂けます」と同社。

博多織屋次平の帯
博多織屋次平展 天神
福岡・アクロス福岡(中央区天神)2階の匠ギャラリーで22日から、「博多織屋次平展」が開催される。27日まで。
立体的なふくれ織りなど個性的な帯を手掛ける「博多織屋次平」の作品を集めた同展。会場では約100点を展示するほか、子ども向けの博多織の折り鶴キーホルダーや折バラ作り体験ができるワークショップ、親子で楽しめる「博多織検定」などを行う。
開催時間は10時~18時(最終日は16時まで)。

着物で・・のチラシ
着物で歩く城下町 佐伯
大分・佐伯市観光協会は、城下町を着物で散策してもらう事業「着物で歩く城下町」に取り組んでいる。今年から規模を拡大し、9月3日(8月13日を除く)までの土日祝日限定で開いている。
「歴史と文学のみちを着物で歩いてみませんか。ゆかた、きもの、矢絣・・・、日本の文化を大切に親しみを込めて着付けいたします。夏の城下町、小気味良い下駄の音が石畳に跳ね返る。歩くほどにひらりとなびく袖や裾は着るも眺めるも心涼し」と主催者。
若き文豪国木田独歩も暮らした城下町では「文豪ストレイドッグス」と城下町佐伯国木田独歩館のコラボレーション企画も開かれている。
歴史と文学の風が城山の木々を揺らし、まるでタイムスリップするかのようなひと時を楽しめそう。
着物レンタルは、2000円((レンタル・着付け・クリーニング代込=予約優先)。問い合わせは佐伯市城下町観光交流館☎0972(23)1101。

元の場所に47年ぶりに暖簾を掛けた
江戸期の町家に戻る 鳥栖の呉服店
佐賀・
鳥栖市の旧長崎街道沿いに江戸後期に建てられた町家。かつてここで営まれていた呉服店「佐賀屋」が、移転先から47年ぶりに戻ってきた。にぎわいが薄れた街道筋に、幼少期のころのような活気を取り戻したい。先代の没後1年半が過ぎ、4代目当主がそんな思いで決断した。
4代目の陶山すやま和之さん(58)によると、町家は1845(弘化2)年、現在の鳥栖市秋葉町に庄屋の屋敷として建てられた。白壁造りの木造2階建て、延べ約340平方㍍。陶山さんの曽祖父は明治30年代の1900年ごろに近くで呉服店を創業。大正初めに町家を買い取り、店舗兼住宅として使ってきた。
陶山さんが幼い頃、前の通りは米屋や魚屋、げた屋などが軒を連ね「なんでも買い物できた」。だが時代とともに市の中心が北寄りに。70年、3代目の父がその一角の大正町地区に店を移した。陶山さんが店を継いだのは2002年。着物離れが深刻だった。衣装レンタルに特化し、若い女性にアピールする新型店を福岡都市圏などで展開、最大8店舗まで拡大した。
昨年1月に父が死去。あらためて実家である町家の周りに目を向けると、なじみの店は姿を消し、空き家が目立った。「このままではマンション街道になってしまう」と感じた。今年5月、本店を町家に移した。畳の間に上がり、たんすや棚に畳んで入れてある着物を見てもらう。そんな昔ながらの店にした。
「60歳を目前に、やっと自分自身の魂のふるさとに戻ってきた。先祖から引き継いだものを次の世代につなげていきたい」。店番をした幼少期を振り返り、陶山さんはそう語る。同じような問題意識を持つ地区内外の15人で街おこしグループを立ち上げる話を進めている。着物の顧客が出入りするだけでなく、地域に開かれた場にしたい。12月には室内でミニコンサートを開く予定だ。中庭にある蔵をカフェにする夢も膨らませている。問い合わせは同店☎0942(82)2384。

打ち水をする諏訪商議所女性会
浴衣で打ち水 諏訪商議所女性会
長野・諏訪商工会議所女性会(北原厚子会長)は4日、諏訪市大手の柳並公園周辺で打ち水をした。夏の電力消費がピークになる昼の時間帯の節電意識の向上につながればと、県商工会議所女性会連合会の呼び掛けに応じて4年目。浴衣などを着て水をまき、涼しさを演出した。
午前11時ごろ、会員約10人が同公園に集合。柳並公園や並木通りなどの歩道にひしゃくやじょうろで少しずつ水をまいた。
この日は気温が上昇し、諏訪の最高気温30.4度。8月に入って初めて30度を超えた。長野地方気象台は同日、県内に高温注意情報を出し、熱中症に注意を呼び掛けた。北原会長は「打ち水で気分だけでも涼しくしたい」と話していた。

新幹線の線路沿いに咲く紅花
車窓に彩り添える 関根の紅花が見頃
山形・米沢市関根のJR奥羽本線沿いの休耕田で、地域の人たちが育てた紅花が風に揺れ、車窓の風景に彩りを添えている。
県の花で観光客を歓迎しようと、地元の山上地区の住民でつくる「敬師の里未来づくり委員会」(高橋三男委員長)が主体となって初めて栽培。関根駅に近い線路両側にそれぞれ2千平方㍍ほどの休耕田を借り受け、関根小の子どもたちと一緒に5月に種をまいた。婦人会のメンバーなどが草取りを行い、7月初旬に花を付け始め、中旬から見頃に。お盆の時期まで楽しめるという。
高橋委員長は「山形新幹線が県内に入り、最初の地が山上。車窓から紅花が見える地域として定着するよう来年以降も栽培を続けたい」と話している。最上紅花

大黒屋金物店の「藍と端縫い」
藍と端縫い 羽後でまちなか美術館
秋田・雄勝郡羽後町の西馬音内本町通り周辺で4日~6日、「まちなか美術館『藍と端縫はぬいまつり』」が開催されている。
日本三大盆踊りの1つにも数えられる「西馬音内盆踊り」の衣装を、盆踊り会場近くの個人宅や商店などに展示する同企画は今年で18回目。これまで8月の第1日曜に開いてきたが、今回から期間を3日間に延長している。
西馬音内盆踊りの衣装は、端布はぎれを縫い合わせた「端縫い衣装」の独特なデザインや「藍染めの浴衣」の個性的な文様が特長のひとつ。各家庭で代々受け継いできたものも多い。
100年以上前の絹布を使いハギ合わされた衣装や、内蔵や長持などに保管され現在は使われていない衣装も数多く展示し、「大正期に自宅で染められた」「先代の母がその祖父の着物を使い作った」など、1つひとつ物語を添えたパネルも設置する。
同町の住民は「盆踊り前、この時期になると衣装を出して虫干しし、大切に使ってきた。こうやって古い衣装が陽の目を見て、多くの人に見てもらえるのは着物も嬉しいのでは」と話す。
まちなみ推進協議会の佐藤良友さんは「町の人に協力してもらい今年は40軒ほど参加してもらった。開催日数を延長したこともあり、空き家を活用した展示スペースを設置するなど新しいことにも挑戦している。普段目にする機会の少ない特別な展示品を見て楽しんでいただければ」と呼び掛ける。

ふるさと館が開館記念
開館記念夏祭 「博多町家」ふるさと館
福岡・今年年で開館19年目を迎える「博多町家」ふるさと館(博多区)が、恒例の開館記念夏祭りを、6日(日)に開催する(午後4~8時)。
ヨーヨー釣りやかき氷などの縁日、演舞台(博多の伝統芸能、博多中吹奏楽部の演奏ほか)、ビアガーデンなどが催される。また、通常は有料になっている同館展示棟が無料開放される。また、31日(木)まで、浴衣で博多まち歩きも開催。
同館が提供するレンタル浴衣と着付けのサービスで、浴衣を着たまま博多の町の散策を楽しめる(要電話申し込み)。会場は同区祇園町のレンタル着物マイン博多店。多数の種類から選べる浴衣(巾着、帯、肌着、げた付き)と着付け、同館展示棟の入館料を含んで1人3200円。男女不問で1日先着10人。子ども用の浴衣はない。
同館は、明治中期の博多織の織元「三浦家」の町家を平成7年に移築復元し、当時の博多の暮しを再現している「町家棟」のほか、「みやげ処」「展示棟」の3棟で構成され、福岡市の指定文化財に登録されており、町屋棟では博多織の実演・体験をすることができる。
明治・大正の時代を中心に博多の暮らしや文化を広く紹介しており、博多の歴史、祭り、伝統などを感じながら楽しめる。問い合わせは同館☎092(281)7761。

浴衣でスイスイ女子大生
着物で乗れる自転車 川原町をスイスイ
岐阜・市のNPO法人ORGAN(オルガン)が運営する長良川デパート湊町店で6日から、着物や浴衣でも乗れる自転車「kimono BIKE」のレンタルが始まる。レンタル開始を前に1日、試乗会が行われた。
オルガンによると、同店周辺の川原町地区は町並みに風情があり、着物を借りて町歩きを楽しむ人が多いという。岐阜大仏(大仏町)や伊奈波神社(伊奈波通)など川原町周辺にも気軽に足を伸ばしてもらおうと、導入した。
バイクは岡山県の自動車部品メーカーが開発。立って乗り、足を踏み込むことで進む。電動アシスト機能もあり、楽に進むことができる。赤色と黄色の2台を導入した。料金は3時間1500円。試乗した岐阜大地域科学部1年の藤田夏未さん(19)は「着物でも乗りやすい。多くの人に乗ってもらい、いろいろな所を見てほしい」と話した。

参道を彩る竹あかり
外宮に浴衣で参拝 竹あかりが参道を彩る
三重・浴衣姿の人たちが伊勢市の伊勢神宮外宮を参拝する「外宮さんゆかたで千人お参り」が1日あり、約2700人が参加した。20回目を迎えた伊勢の夏の風物詩。今年は竹筒を中からろうそくなどで照らす「竹あかり」を設置し、夜の外宮周辺を彩った。
1日に伊勢神宮を参拝し、五穀豊穣などを願う「八朔参宮」に倣ったイベント。外宮周辺の活性化につなげようと、外宮にぎわい会議などでつくる実行委員会が毎年企画している。
太鼓演奏の後、参加者は火除橋を渡って神域を進み、外宮を参拝した。外宮参道や火除橋の手前には、大小さまざまな竹あかりが並び、日が暮れると竹筒の幻想的な灯が辺りを包んだ。夏姿ゆかた心得

ファイナリストの面々
グランプリ決定 新橋「ゆかた美人コン」
東京・第22回新橋こいち祭」会場で7月28日夜、「ゆかた美人コンテスト」の最終選考公開審査が行われた。
同コンテストは年齢性別、自薦他薦は問わず、応募条件の「浴衣が似合うと思う人」であれば誰でも参加できるのが特徴。今年も都内を中心に全国から多数の応募があった中、事前に書類選考で選ばれたファイナリストが同日の審査に臨んだ。
グランプリに輝いたのは埼玉県新座市出身の大竹彩加さん。賞金10万円とハワイ4泊6日ペア旅行などの副賞が贈られた。準グランプリには横浜市出身のキャッシュ デイナ 愛倫さん、審査員特別賞には港区出身の梶谷真智子さんがそれぞれ選ばれ、賞金や温泉ペア宿泊券などが贈られた。
グランプリが発表されると、大竹さんは「グランプリを取れたらうれしいなと思っていたが、本当に取れるとは思っていなかったのですごくうれしい。応援してくれた家族と友人に喜びを伝えたい。副賞のハワイ旅行へはお母さんを連れていきたい」と喜びを口にした。
同コンテストを見ていた30代女性は「舞台にいるファイナリストの皆さんの華やかな浴衣姿や立ち振る舞いがとても美しかった。同じ女性として、個性豊かな女性たちの魅力に見とれてしまった。浴衣が着たくなった」と話す。
受賞者は今後1間、新橋に関するさまざまな行事やイベントに協力する予定。

キャンペーンのチラシ
「ゆかたキャンペーン」 松本・塩尻・木曽
長野・松本市など中信地域の美容室や飲食店で現在、浴衣に関連するサービスを受けられる「ゆかたキャンペーン」を開催している。主催は長野県美容業生活衛生同業組合中信支部。
美容室は、松本地域140店舗をはじめ、塩尻地域20店舗、木曽地域17店舗が参加。着付けやヘアメークなど、浴衣に関するメニュー10%引きなどのサービスを提供する。松本地域の飲食店47店舗では、浴衣での来店でドリンクやデザートをサービス。ほかにも雑貨店や畳店など7店舗でも各店で割引や雑貨の進呈を行う。2日~6日、JR塩尻駅前広場で開かれる「しおじり山賊焼きサマーフェスタ」では浴衣コンテストも実施する。
今回で4回目となる同企画。2014年、地域活性化を掲げて取り組みを始め、昨年からは美容組合が中心となって展開している。同組合中信支部長の竹田仁美さんは「城下町には着物が似合う。着物は敷居が高いという人にもまずは浴衣で気軽に楽しんでほしい」と話す。
夏祭りなどイベントに合わせての出店も行い、着崩れを直すサービスも予定する。5日の「松本ぼんぼん」では松本城大手門枡形跡広場に、16日の松本山雅FCC.のホームゲームではアルウィンにブースを設ける。「いろいろなところと連携しながら、地域を盛り上げていきたい」と竹田さん。「着物は観光資源にもなる。いずれは松本城で浴衣ファッションショーができれば」とも。
キャンペーンは17日まで。参加店など詳細はホームページで確認できる。信州紬

デザインの構想を練る関係者
小千谷縮 東京五輪向け企画に参加
新潟・小千谷市の織物関係者でつくる団体が、2020年東京五輪に向けて世界各国をモチーフとした着物を製作するプロジェクトに参加する。市内の工芸作家・樋口隆司さん(69)が、南太平洋のサモアをイメージした小千谷縮の振り袖を作ることが決まった。関係者は「地域の伝統工芸をアピールしたい」と意気込んでいる。
プロジェクトは着物文化を発信するのが狙い。一般社団法人イマジン・ワンワールド(福岡県)が、全国の織物産地などに参加を呼び掛けている。本県からは小千谷市のほか、十日町市の着物メーカーがクロアチアをモチーフにした着物で参加する。東京五輪に出場が見込まれる約200カ国の着物を作り、20年に福岡県や東京などでお披露目のイベントを開く予定だ。
小千谷市では西脇商店、西義、和光の織物問屋3社が中心となり、団体「イマジン ワンワールド小千谷プロジェクト」が発足。小千谷縮は涼しく着こなせる麻織物のため、温暖なサモアを担当することになった。
樋口さんは12月の完成を目指し、デザインの構想を練っている。サモア国民に多いとされるタトゥー、ラグビー、国旗の南十字星などが念頭にあるという。
小千谷プロジェクトは振り袖製作費用の100万円を目標に寄付を募っている。西脇商店(小千谷市)の西脇一隆社長(56)は「市民の誇りである小千谷縮の作品を多くの人に見てほしい」と話した。
問い合わせは西脇商店☎0258(83)2024。小千谷縮布

京町家風のみそや別館
老舗企業の挑戦 橋本のみそや呉服店
和歌山・区画整理が進む住宅地の中に、京町家風の建物が目を引くようにたたずむ。そこだけ別空間を思わせる「みそや呉服店別館」(橋本市)は1884(明治17)年、京都からわざわざ大工や職人を連れてきたというだけあって、趣のある建築物だ。
みそや呉服店は大正時代までは自宅を兼ねた呉服店として使われ、後に銀行などが支店として使用した。1960年代半ばからは呉服店の倉庫になっていたが、一帯の再開発に伴って価値が確認され、2004年に国の有形文化財に登録された。
今春、約2年をかけた修復工事が終わり、再び店舗として息を吹き返した。同店の谷口善志郎社長(78)は「古い町並みや古い生活用具がなくなっていくことに疑問や危機感があった。私にとって別館は、店のいわれや働いていた人たちの歴史が詰まった大切な場所。未来に引き継がなければ、と思った」と話す。
近年の呉服小売りの市場規模は3000億円弱で、最盛期の10分の1ほどに減少しているという。谷口社長は「着物が日常着だったのは、昭和50年ごろまでではないかな? 今では冠婚葬祭の時でさえ、着物を着る人は少なくなってしまいました」と嘆く。着物のイメージと言えば、落語家、相撲取り、芸事の先生.。「特定の人たちの職業着になった感があります」。
大学を卒業後、京都で約2年間修行し、店を継いだ。古株の番頭や先輩の失敗談を見聞きしながら仕事を覚えていったという。産地や問屋を訪ね歩き、得意客の家では、よもやま話をしながら日がな1日過ごすことも多かった。「のどかな時代でした。安い着物は10年もたつと、みすぼらしくなるんですが、いい物は50年後にタンスから出しても古い感じがしない。お客さんも長い年月をかけて着物の良しあしを学ぶ余裕がありましたが、今はそういう機会自体がなくなった」と振り返る。スピードや効率を重視し、大量消費する世の中は、着物とは折り合いが悪いようだ。
時代に合わせ、婦人服や宝飾品などのアクセサリー、和洋雑貨の販売も手がけるようになった。「商売人にとっては『何を売るのか』よりも『どうやって商売を続けていくか』に意味があるんです。うちも呉服を扱うまでは、元々味噌屋でしたから」 。
今でも日に1度は必ず店に顔を出すようにしているが、中心になって動くのは長男の谷口勝彦マネジャー(43)だ。谷口社長は「まだまだ勉強が足りない」と言いながらも「着物の魅力をどうやって伝え、新しいお客さんを開拓していくのかは若い世代が考えるしかない。日本人には米のメシが欠かせないのと同じように『着物を着たい』という欲求はあるんですから」と期待を寄せる。

語る着物市長
人 門川大作着物市長
京都・今では「着物の市長」が定着してきたが、就任当初、和装は式典など特別な日だけだった。それが変わったのは、9年前、パリで行われた京都市との姉妹都市50周年の記念行事に全て着物で参加した時からだ。それまでは1回3000円で着付けをお願いしていたが、外国では自分で着なければならず、市田ひろみ先生(服飾研究家)のDVDを見て練習をした。それ以来、着物で通している。
毎日、朝風呂でその日のスケジュールを考え、襟や羽織紐などの小物を含めたコーディネートを決めている。今では身支度に5分とかからない。
なぜ着物なのか。京都市には、指定を受けた74もの伝統産業があるが、いずれも厳しい。しかし、日本の文化を支えているのは伝統産業である。私は、京都御所と二条城に挟まれたまちなかで生まれ育ったが、近隣には伝統産業に関わる職人の方々の家が多かった。その多くがマンションや駐車場に変わってしまったが、今でもがんばっている人たちが私の和装を非常に喜んでくださっている。
それだけではない。京都には世界に冠たる先端企業が多くある。その源流は染織、印刷、仏具・神具、陶磁器などの精緻なものづくりにある。伝統産業は文化を支え、イノベーションを起こし、先端産業をも生み出す。それが京都の強み、大切にしたい。
今、日本では、外国人観光客が急増している。和食、日本酒、茶道、華道、武道、庭園などが注目を集めているが、その背景にある「もったいない」「絆」「おもてなし」といった言葉に代表される日本の精神文化や自然との共生も評価されていると思う。しかし、日本人自身がその奥深い魅力に気付いてないのではと感じる。
その一つに、日本酒を飲んだ時の若い人たちの感想がある。「おいしい。ワインみたい」と、まるで外国人のようだ。でも、そんな世代に「伝統文化、伝統産業を大事にしよう」と率直に訴えても煙たがられるだけ。だから、京都市では2013年、全国に先駆け、議員提案で「乾杯は日本酒で」という条例が施行された。産業振興だけでなく、文化条例としての意義があり、全国に広まっている。
今日も着物で、たもとには、匂い袋とマイ箸、マイおちょこをしのばせる。日々、日本文化を楽しみ、宣伝に努めている。
着物市長は1950年、京都生まれ。立命館大二部法学部卒。2001年京都市教育委員会教育長、08年2月から現職。文部科学省中央教育審議会部会委員や世界歴史都市連盟会長なども兼務する。

水耕栽培の紅花が花を!
紅花の水耕栽培「咲いた!」 河北町
山形・本年度から試験的に紅花の水耕栽培に取り組んでいる西村山郡河北町で、鮮やかな黄色い花が咲き、関係者を喜ばせている。
栽培を担ったのは、地域おこし協力隊員などの女性3人が町のPRのために今年5月に結成した「べに花おとめ」。通常の栽培よりも約1カ月遅い5月30日に種をまいて発芽させ、根が十分張った後、紅花資料館近くの旧西部保育所跡地にあるハウスに移し、液体肥料入りの水を張った容器で栽培した。うどんこ病や、ハモグリバエといった害虫の被害に遭った葉を取り除くなど管理を続けた結果、今月24日ごろに開花。40輪ほどの花が咲いているという。
べに花おとめの一人、小池優加さん(27)は「花が咲いて素直にうれしい。もっとうまく栽培できるように知識を増やしていきたい」と話していた。
今回咲いた紅花は紅花資料館や町役場などに飾る予定。問い合わせは町政策推進課☎0237(73)5165。最上紅花

ちりめん織機
7月度生産実績 丹後織物工業組合
京都・7月に入り、毎年のことながら和装教育の一環である小中高生の浴衣着付け教室、浴衣コンテストなどを中心としたイベントが日本各地で行われており、そのほとんどが盛大に盛り上がっている。メーカーの方でも、銘仙の浴衣や着物風の浴衣などを提案し、こちらもにぎやか。また、ポリエステル製の着物のレンタル店が急増し、街中に着物姿の人が増えている。このことも喜ばしいに違いない。が、一方で、伝統産業の西陣織の職人は減少し、「20年後には技術がほとんど残らないのではないか」と関係者は懸念。「鮮やかな柄で安く、洗濯できるので人気なのは解るが、上質な着物にも目を向けてほしい」という新聞記事も目にした。
さて、丹後産地の7月の生産量だが、残念ながら昨年同月を僅かながら下回った。
総生産量は26.213反で、昨年同月の26.799反を586反下回った。操業日数は21日で前年同月と同稼働日であった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。▼一越・古代=74(248)△変り無地=4.786(4.551)□小計=4.860(4.799) ▼紋綸子(軽)=2.390(2.665)▼紋綸子(重)=3.801(3.924)△銀意匠・朱子一重=10(9)△紋・無地意匠、朱子二重=12.559(12.353)▼絽織・紗織=1.147(1.417)△その他の紋=179(168)▼金・銀通し=966(1.153)▼縫取・絵羽=301(311)■小計=21.353(22.000) ■合計=26.213(26.799) ▲パレス=765(911)△紬=237(227)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。
丹後ちりめん

ケイコロールと山元さん
人 京友禅職人山元桂子さん
京都・舞台衣装を専門に手がける山元染工場(中京区)の京友禅職人の山元桂子さん(34)。破れ格子、松の葉、チョウなど、伝統的な和柄をポップな色使いと大胆な配置であしらった着物は、多くの映画やテレビドラマを彩ってきた。
京友禅の魅力は、手仕事ならではの「甘さ」にあるとみる。布を染める際、工業製品なら規格外としてはねられる柄のかすれやにじみもあえて残す。一つひとつ違うのが良さか?。
高校で美術部顧問の教員に独特な色彩感覚を褒められ、勧められるまま京都造形芸術大(左京区)へ進学。現代アートにのめり込んだ。大学院時代は表現の幅を広げるため京友禅染の研修に初めて参加。自由な発想を形にできる楽しさにたちまち夢中となった。
昨年、染めものの新ブランド「ケイコロール」を本格始動させた。きっかけは、長女が通う保育園の卒園祝い作り。小学校でも使える巾着袋を染めた。娘の友達の顔を思い浮かべながら染めたら、納得のいくものができたという。
手拭い、ポーチ、髪留め、おにぎりを包む袋。家族の笑い声が聞こえてきそうな商品がそろう。全国展開する和雑貨店での販売も4月に始まった。
「家族の暮らしを、もっと明るく楽しく彩る。そんな染めものを、これからも追い求めます」 と山元さん。
三重県出身。大学院での研究テーマは「日本の装飾文化」。みこし装飾から携帯電話をキラキラ飾る「デコ電」まで、派手好きな日本人の精神に迫ったと屈託がない。

江戸時代末 三井家旧蔵
展覧会「世界の絞り」 文化学園服飾博物館
東京・世界で広く使われる絞り染めの衣装を集めた展覧会「世界の絞り」が、渋谷区代々木の文化学園服飾博物館で開かれている。江戸後期~昭和時代に作られた絹や木綿の着物、アジア・アフリカ各国の民族衣装など約130点あまりの作品を展示し、多彩な絞りの美とその技法を紹介している。
絞り染めは、染め残し部分を作ることであらゆる文様を表すもの。染め残しを作るためには「糸で括る、縫い絞める、型で挟む」などさまざまな方法があり、その表情は、染料のにじみ具合で偶然に生み出される素朴で抽象的な文様から、染め残しをあらかじめ計算して絵画的文様を表した緻密なものまで様々だ。9月4日まで。
有料。問い合わせは同館☎03(3299)2387 ※
夏季休館:11日(金)~20日(日)。有松・鳴海絞り

NPOメンバーと大塚さん(中央)
足利銘仙アロハP NPOが賛同者募集
栃木・足利市のNPO法人「スタイリッシュライフ」(佐藤秀雄代表)が、アロハシャツの起源の一つとされる絣の織物「足利銘仙」の古布や銘仙柄のプリント生地を使ったアロハシャツの製作などを行う「足利銘仙アロハプロジェクト」をスタートさせた。日本からハワイへの移住が始まって150年にあたる来年3月の「ホノルルフェスティバル」に向けた取り組みで、ホームページを開設して賛同者を募っている。
同フェスは、ハワイ州政府、日本政府後援のハワイ最大の日米交流イベント。23回目の昨年3月、足利市のご当地アイドルグループ「渡良瀬川43」のリーダー、大塚みかさん(20)が足利銘仙の古着で作った舞台衣装でステージに立ったことがプロジェクトのきっかけになった。
衣装は日系人たちに大好評で、移民1世が日本から持ってきた着物を仕立て直した開襟シャツがアロハシャツの原型とされていることなどが話題になったという。
同行した大塚さんの所属事務所社長、江黒俊介さん(43)が、銘仙とアロハシャツの関わりを軸にした交流の可能性について現地の旅行代理店などと話を進め、運営は同NPOが定款を変更して取り組むことになった。
計画の柱は、開襟シャツの再現と銘仙柄の新作アロハシャツの製作。新作の銘仙柄は足利商工会議所が管理している銘仙柄データベースから提供を受けて生地にプリントし、ハワイのメーカーに発注。100〜300枚を想定しており、賛同者から出資を募って製作費に充て、できあがったシャツを配布するクラウドファンディングの採用も検討している。
また、ハワイの音楽家と渡良瀬川43のコラボレーションで親善友好ソングを作り、来年3月9~11日の同フェスで披露するほか、CD制作も予定している。交流のきっかけを作った大塚さんは「初の海外イベントで自分の世界が広がった。デビュー以来着続けている足利銘仙を通じた交流活動に参加でき、うれしい」。また、プロジェクトリーダーを務める佐藤有子さん(49)は「未来につながる懸け橋になりたい」と話している。

色鮮やかな古裂が並ぶ会場
織りなすわざと美 呉服店が「古裂」を展示
京都・江戸末期創業の呉服店「ぎおん 齋藤」(東山区)社長、齋藤貞一郎さん(69)は、古い染織品の断片「古裂こぎれ」の収集家としても知られる。そのコレクションから厳選された約90点が細見美術館(左京区)の「布の道標 古裂に宿る技と美」展で紹介されている。20日まで。
山桜を思わせる花や葉の文様を散らした「花文辻が花染」(室町~安土桃山期)や、松や梅といった樹木にキキョウなどの秋草を刺しゅうした「岩に百花文慶長裂」(江戸期)。会場には色鮮やかな品々が」並ぶ。
齋藤さんは慶応大学法学部で学び、弁護士を夢見ていたが、23歳で跡取りとして京都に戻った。当初は着物を身近に感じられなかったが「歴史を勉強すれば見方が変わるかもしれない」と、40年ほど前から古裂を集め続けている。
自然を題材にした意匠の美と、それを表す技が凝縮されていることを実感し、どんどん魅せられた」と齋藤さん。4年前には、正倉院から流出したとされ、紫の地に黄の糸で唐花文様を織り出した「唐花文錦」(奈良期)も入手。収集品は約300点に及ぶという。
集めるだけでなく現代の生活にどう生かすかを考えてきた。出品した「立波に楓文かえでもん古裂切付訪問着は「ぎおん 齋藤」で19世紀の古裂の楓や波の文様を切り抜き、現代の着物に縫い付けたもの。洗練されていながら、どこか懐かしさを感じさせる着物に仕上がっている。
齋藤さんは「工夫を凝らし、手間をかけて作った古裂の美意識を継承していきたい」と力を込める。問い合わせは同美術館☎075(752)5555。

1852円(税別)
金子貫道の事績を本に 丹波布保存会初代会長
兵庫・丹波布復興の立役者でありながら、一般にその存在が忘れられている金子貫道氏について調べ、まとめた著作「丹波布復興の父 金子貫道」が神戸新聞総合出版センターから発行された。著者は丹波市柏原町の西楽寺、滝川秀行住職(68)。同市青垣町の大燈寺住職だった金子氏は丹波布技術保存会の初代会長を務め、自ら丹波布を制作。時代のニーズに応じた丹波布を生み出そうと、妻と共に奮闘した。滝川住職は、「この本が、丹波布に関わる人の視野を広げるきっかけになればありがたい」と話している。
金子氏は明治29年(1896)、愛知県春日井市の生まれで、11歳の時、青垣町の高源寺に弟子入りした。昭和44年(1969)死去。
昭和29年、有志8人と丹波布復興協会を設立。翌年、改名された丹波布技術保存会の初代会長に就任した。同32年、丹波布は文部省の無形文化財に指定されたが、金子氏は「安住してはならない」と釘をさした。指定を受けたことで丹波布は完全に復興したとする見方に異議を唱え、「『用に忠実なるもの』こそ正しい民芸。この自覚に乏しいものは早晩滅びる。用に忠実であるためには、絶えず創意工夫を怠ってはならない」と主張した。
金子氏は、34年に保存会会長を辞任、36年に退会。紡績糸や化学染料を使用しようとして保存会と対立したと言われているが、滝川住職はそのような事実はないと言及。技術保持者がみずからの生産機構を作らなければ丹波布は発展しないとする「生産機構の改善」についての提言が保存会に受け入れられず、排斥されたという。
同書の問い合わせは、滝川住職090・6205・8234か丹波布技術保存会事務局☎0795(87)2608。
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