1月のニュース



古布を持つ尾崎さんと寄玉さん
一度は途絶えた地場産品 復活の動き
兵庫県・一度は途絶えた地場産品を、若手の力で現代に通用する製品として復活させる動きが高砂市内で見られる。おしゃれに敏感な層を意識し、昭和初期に廃絶した「高砂染」の柄を生かしたストールもその一つ。
同市で6月、高砂染の再興を目指す会社エモズティラボが発足した。高砂染の魅力に引かれた寄玉昌宏さん(32=加古川市)が代表、創始家の一つ尾崎家当主の尾崎高弘さん(51=同)が相談役を務める。
高砂染の特徴は、全面に散らされた松葉柄。かつて祝いの席に欠かせなかった謡曲高砂に登場する「高砂神社の相生の松」がモチーフだ。高砂染は江戸期に幕府への献上品に用いられ、姫路藩の保護下で全盛を極めた。幕藩体制の崩壊で後ろ盾を失うと、技術や質が低下し、昭和初期には姿を消したという。
エモズティラボは復刻版の着物作りと同時に、松葉柄をアレンジしたストールの開発を進めている。いずれも古布から写し取った柄を基に型を作り、型染めの技法を再現。生地は西脇市の織物業者に依頼し、来年春の完成を目指す。
寄玉さんは「高い技術や、祝いの精神を詰め込んだ復刻版を土台に、現代版の高砂染を作りたい」と意気込む。

検査する担当員
産率縮小も前年割れ続く 17年産大島紬
鹿児島県・奄美市の本場奄美大島紬協同組合(山田伸一郎理事長)は29日までに、本場奄美大島紬の2017年生産実績をまとめた。
検査反数は4.402反で前年比330反の減。減産率は6.97%で前年の7.3%より若干縮小した。生産額は3億5730万2千円(前年比2823万9千円減)だった。
本場奄美大島紬協同組合は「締め機や図案などの技術者の後継者育成が課題。行政や大手呉服店と連携し、後継者育成強化に取り組みたい」としている。奄美大島

議場の全員が紬姿で審議
議場華やぐ「紬議会」 奄美市議会
鹿児島県・
大島紬産地の活性化を目指し、紬の着物姿で議案を審議する奄美市議会の「紬議会」が26日開かれた。議員、市当局側の計約50人全員が紬姿で議場に集い、活発な論戦を展開した。
旧名瀬市議会が1977年、12月定例会最終本会議での紬着用を始めたのが始まり。議員が率先して紬の町をアピールし、今では低迷する紬産業の再生を狙う。この日は議案や陳情など26件を審議。報告や討論などで何度も登壇する議員もおり、そのたびに議場が華やいだ。
母親の形見という着物で席に着いた師玉敏代議長は「普段、着けていないだけに、やっぱり身が引き締まる。紬業界の浮揚につながればいいと思う」と話していたた。
奄美大島

ほっと「心がなごむ」
割烹着が人気 京都きものまち
京都市・割烹着はもともと着物の上から着用できるよう考案されたもので、エプロンと同様に前から羽織ることができ、やや長めの丈で、着物の袖が納まるよう袖幅がゆったりと、服の前面と袖全体の汚れを広範囲でカバーできる形になっている。
洋装のときにも、着物のときと同様に広い範囲で衣類を守り、汚れを気にすることなく家事や作業に取り組めるとあって、近ごろ、割烹着ユーザーが増えているという。
デイリーユースにぴったりのオリジナル柄を多数揃えているのが、京都の和装ブランドKIMONOMACHI本店(下京区)。ネコやクマ模様、花柄やレモン柄などのかわいらしいデザインを取り揃えている。
「ベーシックな和柄もあり、コーディネートの幅が広がります。日々の気分やシーンに合わせて選びたくなるカラフルな色柄は、毎日の家事が楽しくなりますよ。また、親しい人へのギフトにも最適です」と同店。販売元・問合せ先は同店☎075(354)8511

振袖姿のナナちゃん
名鉄名古屋駅前の「ナナちゃん」 振り袖姿に着替え
愛知県・名鉄百貨店本店(名古屋市)前の「ナナちゃん」人形が25日夜、振り袖姿に着替えた。
赤地に金色の花柄模様の振り袖に、身長6㍍10㌢の「ナナちゃん」のスラリと伸びた手足が通された。「邪気や悪いものをはね(羽根)のけ皆さまに幸せをお届け」する意味を込めた「羽子板」のモチーフを手元に持たせ、「願いを込めて天に届ける」という、ナナちゃんや鯛、ダルマなどめでたい柄の「連凧」を後ろに向かって飾る。
頭には髪飾りを付け、顔には羽根つきで負けた際に墨で書かれたように目の周りに「○」、頬に「×」を付けている。振り袖姿ナナちゃんは2018年1月9日まで。

京都手しごと祝いものあ
新春催事「京の祝い事」 阪急うめだ本店
大阪市・京都職人工房が、新春に合わせ「祝い事」をテーマとした催事を、阪急うめだ本店10階うめだスークで1月10日より開催する。16日まで。
28名の職人による250点以上もの工芸商品をテーマに沿って展示する。会期中には京都の若手職人たちによるトークセッション・ワークショップ・実演も行われる。「京都の工芸とふれあえる7日間、お楽しみください」と主催者。
3つのエリアを設け、それぞれにまつわる商品を展開・販売をしていくが、信仰では、扇子、魔鏡、金箔ブックカバー、御朱印帳 etc、装いでは、着物、帯、ストール、財布、アクセサリーetc、飾では、陶磁器、漆器、西陣箔箸、金彩箸置きetc。問い合わせは京都リサーチパーク株式会社産学公連携部(担当山口)☎075(315)8491。

案内ポスター
池田重子横浜スタイル展 そごう美術館
神奈川県・そごう美術館(横浜市)で「引き継がれる美意識 池田重子 横浜スタイル展 昔きもの~現代KIMONO」が開かれている。海や船、異国情緒をモチーフにコーディネートされた着物など約150点が展示されている。1月8日まで。
池田重子さん(1925~2015年)は横浜で生まれ育ち、着物のコレクター、デザイナー、コーディネーターとして活躍した。類いまれな美意識で選ばれた和装品のコレクションは「池田重子コレクション」として知られている。「時代布と時代衣裳 池田」を東京都内で創業し、「昔きもの」ブームの火付け役となった。
会場には、ハイカラなセンスを感じさせる装いやクリスマス、お正月など冬の集まり向けの衣装などを展示。婚礼衣装や振り袖などのコーディネートに加え、重子さんと次女の由紀子さんが美容家のIKKOさんのためにデザインした着物、再現された重子さんの私室なども公開されている。
同美術館の二宮一恵学芸員は「池田さんは亡くなるまで横浜で展示会がしたいとおっしゃっており、遺志をくんだ展示になっている。これを機会に若い人にも着物に関心を持ってもらえればうれしい」と話している。
来年1月6日の午後3時から、展示室内で池田由紀子さんによるギャラリートーク(無料、入館料は必要)が開かれる。入館料は大人1000円、大学生・高校生800円、中学生以下無料。会期中、一部展示替えあり。

当日ガンバルメンバー
着くずれ110番設置 足利の成人式会場
栃木県・成人式の際、新成人の着物の乱れを直すボランティアグループ「着くずれ110番」が1月7日、足利市内の各会場で活動を行う。葉鹿南町の着付け教室「前結びさちこ和装学苑」の生徒ら約30人が参加してブースを設け、無償で新成人の着崩れに対応する。
「着くずれ110番」は1996年、同教室代表の故箱田佐知子さんと、義理の妹の洋子さん(59)の2人で始めた。当初は1カ所のみだったが、現在では市内の9会場全てで実施。ボランティアのメンバーも増えていった。
当日は成人式会場の一角に看板を設置。メンバーは薄いブルーの専用Tシャツを着て対応する。各会場に2~4人を配置し、帯や袖の乱れを直す。

糸と蛍光繭(上の3つは普通繭)
緑色蛍光繭 宮坂製糸所で繰糸
長野県・岡谷市郷田の岡谷蚕糸博物館併設の宮坂製糸所(宮坂照彦社長)で、群馬県前橋市内の養蚕農家が民間レベルでは世界で初めて量産化した遺伝子組み換えによる緑色蛍光繭から糸を取る繰糸作業が行われている。同社で生産された「緑色蛍光シルク」は全量が京都の織物業者に納入され、インテリア製品として商品化される。遺伝子組み換え蛍光シルクの商業ベースでの生産も今回が世界初。同社の高橋耕一専務(51)は、「高付加価値化で養蚕農家から製糸工場へとつながる蚕糸業の活性化につながる」と期待を込めている。
遺伝子組み換えカイコを開発した国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の飯塚哲也上級研究員、高橋専務、高林千幸岡谷蚕糸博物館長が11日、同館で発表した。 飯塚上級研究員によると、遺伝子組み換えカイコは2000年に開発。これまでに蛍光シルクや細胞接着機能のある絹糸、通常のシルクより強度のあるクモ糸シルクなどが開発されてきた。
蛍光シルクの生産について高橋専務は、「先細りの蚕糸業にあって高付加価値は、カイコの新たな可能性を感じさせてくれる」と期待。高林館長は、「遺伝子組み換え繭の繰糸は宮坂製糸所でしかできない特化した『ものづくり』といえる。市内で遺伝子組み換え繭の生産ができれば、繭から糸、さらに製品化まで岡谷で行うことが可能で、岡谷ならではのブランド化も期待できる」としている。

参考写真・藤織りの帯
丹後ちりめんきもの大賞 藤織りの白岩さん等2人
京都府・丹後織物工業組合(京丹後市)は22日、今年度の「丹後の職人」に藤織りの白岩光子さん(54)を認定し、「丹後ちりめんきもの大賞」に「喫茶ブルータンゴ」経営、亀田昌子さん(71)を表彰した。
「丹後の職人」は丹後ちりめんが産業として縮小し、担い手の高齢化で技術伝承が困難になる中、職人の目標となる人を認定して産業振興を図るもので、2014年度からスタートした。
白岩さんは1988年、府指定無形民俗文化財の藤織りを手がける帯製造の「小石嘉織物」に入社。藤織りの技術伝承講習会を受講し、藤糸を使って製糸した帯地が丹後織物工業組合認定の「丹後帯第1号」となった。藤糸は太さ、色目の違いから紋様や配色の全体のバランスが必要とされ、卓越した技術は京都市の取引メーカーからも高く評価されているという。
白岩さんは「仕上がりがきれいにできた時は本当にうれしい。これからもできる限り(この仕事を)続けたい」と話した。
亀田さんは1年を通して着物姿で接客を続けており、着物の普及への貢献が大きいと評価された。「丹後ちりめんは冬に暖かく、夏に涼しいことが一年中着てみてわかりました」と話した。藤布

案内ポスター
正月の昔遊び 小金井市
東京都・小金井市の江戸東京たてもの園で1月6、7日の午前11時~午後3時、イベント「正月の昔あそび」が行われる。
イベントでは、おはやしや雅楽の演奏、茶会、ベーゴマ大会、羽根つき、書き初め、コマの絵付け、ミニたこづくりなどが楽しめる。材料がなくなり次第終了のものや、人数に限りがあるものも。
両日は着物で訪れると入園料2割引きになる。
開園は午前9時半~午後4時半(入園は午後4時まで)。一般400円。
スケジュールなどの問い合わせを同園☎042(388)3300.。

12.960円
着物カジュアルに 手染めのデニム地に革の帯
北海道・ポップな印象の着物をそろえる「キモノ ハナ」(札幌市北区)で、美容師でスタイリストの佐藤一樹さん(HAIR Position)がまず選んだのは、紺地にダイヤの模様やストライプ柄をあしらった1枚。帯もストライプ柄。トランプ模様の半襟と、ハートマークの帯締めが愛らしい雰囲気だ。
帯の色は今回、着物の模様にもある赤を選んで統一感を演出したが「黄色など反対色の帯を合わせてもOKです。着物は華やかさや遊びがあってもいい」と佐藤さん。化繊の生地で、家庭で洗濯ができる。
2着目は男性の着物から。手染めのデニム地で、全く同じ模様のものは他にない「1点もの」。白いシャツとズボンの上に着て、革製の帯を締める。「ジーンズにジャケットを羽織る感覚でコーディネートしてみました」と佐藤さん。足元はスニーカー。中折れ帽とちょうネクタイが粋な印象敵だ。
近年は男女を問わず、夏に浴衣を着る人が増えてきた。「着物も全体的に、伝統的なものから洋服的なものに近づいてきています」と佐藤さん。「特に今回選んだ化繊やデニム地は、どちらも普段から洋服で慣れ親しんでいる素材なので、着物でも違和感なく着やすいと言います。あまり堅苦しく考えず、まずはお正月から挑戦してみてはいかがでしょう」と佐藤さんは薦める。デニムの着物

着物手帳2018
着物手帳2018 5人にプレゼント
東京都・「和の生活マガジン 花saku」編集部が、伝統とモダンを融合させ、四季を鮮やかに彩る「着物手帳 2018」を5人にプレゼント。23日消印有効。はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を記入のうえ、〒103―0024、東京都中央区日本橋小舟町9の4、イトーピア日本橋小舟町ビル4F、PR現代「花saku」編集部、「着物手帳」プレゼントK係まで。
今年の手帳は、名物裂、古代裂の「あらいそ」とコラボレーションし、和のエッセンスが満載されている。定価1350円(税込送料別) サイズA6版(文庫サイズ)2
12頁 オールカラー 透明カバー付き 柄提供あらいそ。

2020年は創業300年
小紋で博多町歩き 12月28日まで
福岡市・「博多町家」ふるさと館(博多区冷泉町)が提供する、レンタル着物と着付け(マインキューブ川端店)のサービス。着物を着たまま博多の町の散策を楽しめる。小紋(肌着など込み)と着付け、同館展示棟の入館料を含んで1人3300円。1日先着10人。子ども用の着物はない。事前に申し込む必要。
{博多町家」ふるさと館は、明治中期の博多織織元の町家(住居兼工房)を移築復元し、福岡市の指定文化財に登録されている「町家棟」のほか、「みやげ処」「展示棟」の3棟で構成されている。
明治・大正の時代を中心に博多の暮らしや文化を広く紹介しており、博多の歴史、祭り、伝統などが楽しめる。「櫛田神社」がすぐ近くにあり、博多の祭とともにさまざまなイベントで賑わい、多くの観光客が訪れる博多の観光スポットとなっている。予約は同館☎092(281)7761。下秋月の博多織

18年カレンダー販売中
11月度生産実績 丹後織物工業組合
京都府・10月、西陣の日記念式典が西陣織会館で行われ、渡辺孝夫西陣の日事業協議会長が「観光地で着物がはやっているが、産業の振興には至っていない。皆様と手を携え、一層まい進していきたい」とあいさつした。観光地での着物の柄や素材を見ていると「さもありなん」であるが、悪いことではない。
11月の丹後ちりめんの生産量は、23.926反で、昨年同月の24.839反に対し913反のマイナスとなり、今月も昨年対比で1.000反近くの減少で終わった。目立ったのは変わり無地の昨対85.8%。気になるところだ。操業日数は20日で前年同月より1日少なかった。
品種別の生産量は次の通り。単位反。()内は前年。△一越・古代=169(145)▼変り無地=3.598(4.193)■小計=3.767(4.193) ▼紋綸子(軽)=2.100(2.432)△紋綸子(重)=3.122(3.065)▼銀意匠・朱子一重=4(23)△紋意匠・朱子二重=12.494(12.293)▼絽織・紗織=1.236(1.365)△その他の紋=136(97)▼金・銀通し=854(1.010)△縫取・絵羽=223(215)■小計=20.159(20.501) ■合計=23.926(24.839) ▼パレス=803(809)▼紬=173(315)。
前年比、白マークはプラス、黒マークはマイナス、±は0。
丹後ちりめん

3Dプリンターで再現、鋳枠と従来の織機のロッド
久留米絣の伝統守れ 久工大が織機の部品製造
福岡県・筑後地区の伝統産業、久留米絣の織元が集まる広川町で、100年前の旧式「織機」や、独特のかすれた柄を出すための防染用「くくり機」のメンテナンスの問題が浮上している。部品交換が必要なのだが旧式で既にメーカーも製造をしていないからだ。絣組合は久留米工業大(久留米市)に部品製造を依頼、11月下旬から部品の鋳造が始まった。
組合が最も熱望するのが、織機のモーターの回転を機械に伝える「ロッド」と呼ばれる鋳物の部品。大学は別の金属加工なども検討したが、硬さが同程度でないと別の部品を損傷する恐れもあることから、同じ鋳造技術で製作することにした。
今月7日には学生らが中央で二つに割ったこの枠を砂に埋め込み、溶かした鋳鉄を流し込む型づくりを行った。8日に高校生の実習と合わせ、1500度に熱した鋳鉄を型に流し込む作業を実施し、3台分が完成したという。
指導した鳥栖工業高の森祐二教諭は「鋳造は物づくりの基本となる技術。3Dプリンターという新しい技術も加わって社会に貢献できることは喜ばしい」と語った。
同大によると、近く大学内に織機を持ち込み、鋳造した部品を装着して耐久試験などを行う予定という。同大機械システム工学科3年の内木場凌太さん(21)は「部品製造に携わることで、鋳造を初めて経験することができた。これからも絣の製造現場の期待に応えていきたい」と意気込んでいる。久留米絣

来年の抱負は?
着物姿で登場 賞金女王の鈴木
東京都・日本女子プロゴルフ協会(LPGA)は18日、都内のホテルで創立50周年記念パーティーと年間表彰式「LPGAアワード」を行った。同協会会員ら約800人が参加。今季の賞金ランキング1位、メルセデスランキング1位に輝いた鈴木愛は華やかな桃色の着物姿で登場。前出の2冠に加え、「ベストショット」賞を受賞し、3冠を達成した。「こんなに沢山の賞を頂けることはめったに無いので、本当に嬉しいです」と喜びの笑顔を見せた。
敢闘賞はツアー初参戦で賞金ランク2位に入ったイ・ミニョン(25=韓国)、LPGA資生堂ビューティー賞は上田桃子(31)が受賞。新人賞の畑岡奈紗(18)は、鈴木と同じあでやかな着物姿で「米国で苦労したかいがあった。日本に帰って(力を)発揮できて良かった」と話した。
また小林浩美会長は「諸先輩方が頑張ってきた。私たちもさらに頑張り、ツアーの価値向上を」と言葉に力を込めた。

ウーハギ作業の様子
芭蕉のウーハギ始まる 知名町
鹿児島県・大島郡知名町下城の沖永良部芭蕉布会館(長谷川千代子代表)では、糸芭蕉の木の切り倒しと繊維をはぎ取る「ウーハギ」作業などが、中旬から始まっている。来年3月まで作業は続き、1年分の原材料(糸)を採取する。
16日は、会館近くの畑で栽培する糸芭蕉の木を切り倒した後、スタッフ6人が集まって会館中庭でウーハギの作業を行った。切り倒した糸芭蕉の幹は、長さ1.2㍍ほどで、3年間育てたものが繊維を取るのに適しているという。採取する部分で硬さが異なり、外側は硬く、芯の近くになるほど柔らかくなる。
糸芭蕉の木からはぎ取った繊維は、鍋で煮詰めて柔らかくし、余分な繊維を取り除く。この工程を3月末まで繰り返す。
今年7月から芭蕉布を学んでいる福田かおりさん(石川県=38)は「自然の素材で作る芭蕉布に興味があって沖永良部島に来た。ウーハギの作業は初めての体験。先輩らの指導を受けながら、少しずつ上手くなっていきたい」。
工房の長谷川代表(78)は「糸取り作業の体験もできるので、子どもからお年寄りまで多くの人に工房に来てもらいたい」と話した。喜如嘉の芭蕉布
 奄美大島

多彩な図柄の羽裏が並ぶ
男性着物の隠れたおしゃれ 西陣で展示
京都市・上京区大宮通一条上ルの「西陣くらしの美術館冨田屋」で、男性の着物の裏地にあたる羽裏をテーマにした「秘蔵アンティーク男の着物展」が開かれている。見えない部分に凝らした美麗なデザインの羽裏を施した着物約30点を展示している。
明治、大正、昭和にわたる男性の着物の中で、脱いだ時にしか見られない羽裏を表側に出して披露している。織物を中心に京都らしい嵐山や近江の琵琶湖の風景、歌舞伎の「勧進帳」の場面、富岡鉄斎が描いた羽裏などさまざまな図柄があり、京都の隠れたおしゃれを感じ取れる。
19日まで。有料。問い合わせは冨田屋☎075(432)6701。

自宅に届くポストカード
着物で「自撮り」ポストカードに 金沢
石川県・着物レンタルショップ「心結ここゆい」は、観光客が「自撮り」した着物姿の写真を使い、ポストカードを作って自宅に届ける取り組みを始めている。思い出の写真で利用者の再訪につなげる。
ポストカードは、裏面に観光地で撮影した写真が大きく掲載され、写真に合わせたひと言を利用客が記入できる仕組みとなる。
同店の店頭に掲示された専用のQRコードを読み込んだ後、接続先のサイトの指示に従って写真を選び、金沢での訪問先や体験したことなどを問うアンケートに答えれば手続きが完了する。1週間前後で自宅にポストカードが届く。

ホテルのスタッフ研修へ
の導入も提案していく
着付けの英語覚えて広めて 高松の呉服店
香川県・高松市丸亀町の「ふくや呉服店」が、近くの英会話教室と協力して、外国人と接する機会の多い学生やホテルの従業員向けに、1月から浴衣の着付け講座を始める。訪日外国人が気軽に着物の魅力にふれてほしいとの願いからだ。模擬講座を開いたところ評判は上々で、企画した同店従業員の浜野由絵さん(38)は「交流の輪が広がれば」と期待している。
今月13日に店内で開いた模擬講座には、香川大の留学生2人と学生2人が参加した。浜野さんと、英会話教室「えいたLanguage Shelter」のフィリピン人講師が指南役だ。着丈を合わせ、帯を結ぶという一連の作業に、みんな悪戦苦闘。それでも、留学生は英語でポイントを教わりながら帯をきれいに結び終えると「So great!(すごい)」と笑顔を見せた。
ピンクの花柄の浴衣に水色の帯を合わせたブルンジの留学生ダンシル・ニゼイマーナさん(25)は「着物は美しく、ずっと憧れていた。自分で着られて自信になる」と満足そうだった。
「着物にもっと気軽にふれてもらうために、着付けを教えられる人を増やしたい」。浜野さんはそんな思いに駆られ、英会話教室「えいた」に協力を打診。講師と一緒に英語のマニュアルを作り、着付けを覚えてもらって講座を開く態勢を調えた。
講座は1月27日にスタート。詳しくは同店☎087(851)2179。

初売りで詰め放題実施
たんす屋仙台店 移転オープン
宮城県・イオン仙台店(青葉区)で営業していたリユース着物ショップたんす屋仙台店が、このほど青葉区中央の庄文堂ビル1階に移転オープンした。
リサイクル商品は、正絹訪問着や留め袖、振り袖など種類が豊富なのはもちろん、色・柄もさまざま。全て丸洗い後、消臭・抗菌加工を施されている。
リユース着物は1万円前後から用意。新品着物や端切れを合わせて1000点以上取りそろえる。この他、買い取りや丸洗いも受け付けている。
2018年1月3日(水)〜8日(祝)は初売りでは、着物・帯の詰め放題3240円と正絹端切れの詰め放題1080円を行う。

羽織袴で登場した村田
年賀状受け付け開始 着物で登場チャンプ村田
東京都・2018年配達の年賀状受け付けが15日、始まった。日本郵便はJPタワー(丸の内)で記念式典を開き、晴れやかな着物姿で登場したプロボクサー、村田諒太選手(31)とフリーアナウンサー、高島彩さん(38)がそれぞれの年賀状を披露した。
10月に世界ミドル級王者となった村田選手は「応援ありがとうございましたと年賀状で伝えたい」と笑顔。高島さんも「感謝の思いを改めて手書きで伝えてほしい」と勧めた。
年賀状を52円で配達するのは2018年1月7日まで。期間を過ぎると通常はがきと同じ62円となり、追加で10円切手を貼らなければならない。2人は「返信は早めに、お得なうちに」と呼びかけた。元日に届けるには25日までに投函する必要がある。年賀状の販売は1月5日までで、お年玉くじの抽選は1月14日。年賀はがきの当初発行枚数は約25億8600万枚で、前年比約2億7千万枚減った。

千總の訪問着
訪問着と振り袖 千総が京都市に寄贈
京都市・京友禅の老舗「千総(ちそう)」(中京区)が女性用の訪問着2組と振り袖3組(469万円相当)を市に寄贈した。1555(弘治元)年創業で株式会社改組50周年の1987年から毎年寄贈を続けており今年で31回目。
西村総左衛門会長と仲田保司社長が今月8日、中京区の市役所を訪れ、門川大作市長に引き渡した。寄贈された着物は、左京区にある「市ひとり親家庭支援センター」(☎075(708)7750)で、1人親家庭や児童養護施設に入所中の子供たちに5000円以下の有料で貸し出している。結婚式や成人式、卒業式用などに役立て、昨年は34件の利用があった。

縞縞の小倉織
日本の美テーマに2本上映 小倉昭和館
福岡県・北九州市小倉北区の映画館「小倉昭和館」は16日から、「日本の美しさ」をテーマにした映画2本を上映する。来年1月5日まで。
圧政を敷く豊臣秀吉に花の美しさで一矢報いる華道家元、初代・池坊専好を主人公にした野村萬斎、市川猿之助、中井貴一主演の「花戦さ」(2017年)と、川端康成の名作「古都」をベースに、2組の母と娘の人生が交差する様子を描いた松雪泰子、橋本愛主演の「古都」(16年)。作品には多くの生け花や美しい着物、京都の町並みが登場する。
初日は池坊小倉支部員が松や竹などを使った正月らしい「立花」を実演。
正月3が日は、着物の来館者に小倉織の端切れで作ったしおりをプレゼントする。
問い合わせは昭和館☎093(551)4938へ。

優美な音色を響かせた
加賀友禅 着物ショーや音楽で魅力発信
石川県・「加賀友禅に魅せられて」(一般財団法人北國芸術振興財団主催、一般財団法人石川県芸術文化協会、加賀染振興協会等共催)は13日、金沢市の北國新聞赤羽ホールで開かれた。女性音楽家ユニット「Kotoha」が新曲「加賀友禅」をお披露目するなど、満席の観客が、コンサートや着物ショーを通じ、優雅で美しい加賀友禅の魅力を感じ取っていた。
コトハは加賀友禅特使の横笛奏者藤舎眞衣さん、箏奏者の北村雅恋さん、ハープ奏者の上田智子さんが結成した。今回がデビューコンサートとなり、上田さんが作曲した「加賀友禅」では、浅野川の友禅流しや、美しい色を音に込め、和洋の響きを広げた。「アメイジング・グレイス」や「雪の華」も披露した。
着物ショーでは加賀友禅大使が、加賀友禅技術保存会員の所蔵する気品あふれる訪問着などをまとい、高い芸術性を伝えた。スペシャルトークでは陶芸家の十一代大樋長左衛門さんと茶道裏千家今日庵業躰ぎょうていの奈良宗久さんの兄弟が、金沢に根付く着物文化について語った。加賀友禅

成人式当日さながらの練習会
成人式に向け着付け師が練習会 宇都宮
栃木県・来年の成人の日まで1カ月を切った12日、宇都宮市大通りの着物店「しゃなり」で、着付けの練習会が行われた。
着付け師ら32人が着付け担当とモデル役に分かれ、仕上がり時間を15分に設定して作業を開始。完成後は、新成人らしい華やかさと若々しさを演出できるよう、襟合わせの位置や躍動感のある帯の結び方などを確認した。
マネジャーの若林千夏さん(45)は「一生に1度の晴れ着。良い思い出をお手伝いできるよう万全な準備で臨みます」と話した。
県内市町の成人式式典は1月3日と7日に行われる。同店では2日間で計400人に着付けるという。

議事進行する柳沼氏
議長席に着物「女性」 柳沼氏が議事進行
福島県・12月定例県議会一般質問で、副議長の柳沼純子氏が女性で初めて議長席に座り、議事進行した。
約10年間にわたり、自身の代表質問や一般質問の際には着物で登壇してきた柳沼氏。この日も着物姿で臨み、「初めて女性が議長席に座る重みを感じ、伝統と文化を重んじて、自分にとって一番の正装で臨んだ。気が引き締まる思い」と話した。
柳沼氏は今年10月の臨時会で副議長に選出され、女性では県政史上初の副議長に就いた。定例県議会の一般質問では慣例で、議長と副議長が前後半で交代し、議事進行する。

最終選考に残った参加者たち
華やかに競う 「ミスきもの」1次選考
京都市・和装や京都観光の魅力をPRする「2018京都・ミスきもの」の第1次選考会が10日、中京区の京都烏丸コンベンションホールで開かれ、最終選考会に臨む女性20人が選ばれた。
京都織物卸商業組合などでつくるオーディション開催委員会の主催で8回目。書類審査を通過した応募者のうち123人が参加した。京都府内に在住か在勤在学中の18~30歳の女性が、あでやかな振り袖姿などを披露した。
最終候補に選ばれた同志社大2年の谷村栞里さん(19=上京区)は「高知県の出身だが、母の古里である京都で着物をアピールできるのは光栄」と笑顔で話した。
来年3月の最終選考会で4人の京都・ミスきものを選ぶ。

10年前に創作した色留め袖
友禅染に魅せられて 86歳女性が創作活動
福岡県・行橋市行事の元教師、上畑ヨシ子さん(86)が作る友禅染作品が多くの人の評判を得ている。定年後の趣味が講じて、一時は教室を開くまでに上達。多くの仲間を得ての創作活動は衰えを知らない。
「唇は濃いピンクで色づけしてね」。月に1度開かれる上畑さんが主宰する趣味の会。5人の主婦が参加している。上畑さんの気の置けない仲間だ。
6日にあった会のテーマは来年の干支えとにちなみ「戌年いぬどしを描こう」。ウォルト・ディズニーのアニメーション「101匹わんちゃん」をモチーフに上畑さんが見本を描いた。5人はその見本を下敷きに、筆で輪郭をなぞって染料で色づけ。その後、染料を定着させるためにアイロンをかければ出来上がりだ。
色づけの際、誤って染料をハンカチに落とし、SOSを出す仲間には「大丈夫だから」と手を貸して素早く修正。「失敗してもどうにでも修正できるよ」と上畑さんは笑顔を見せた。

弓浜絣のオリジナルのれん
若手職人と詩画作家がコラボ 弓浜絣
鳥取県・弓浜絣協同組合(境港市)の若手職人3人と地元の詩画うたえ作家が共同制作した弓浜絣ののれんが完成し9日、米子市久米町のANAクラウンプラザホテル米子内にある日本料理「雲海」の入り口に掲げられた。大山開山1300年祭にちなんで「大山と雲」がイメージされており、温かな雰囲気で客をもてなす。
米子全日空ホテルから名称を変えてリニューアルオープンしたことに伴って企画。詩画作家のはらだとしこさん(65=米子市)が、大山と雲を象形文字で表現した原画を元に、中村武志さん(39=西伯郡)と山下智香さん(38=境港市)、佛坂香奈子さん(33=同市)の職人3人が、県西部に伝わる伝統工芸品・弓浜絣ののれんに作り上げた。全体のコーディネート役を、伯州綿利活用研究会の稲賀すみれ代表が担った。
のれんは、幅2.1㍍、縦1㍍。4月からデザインの打ち合わせを行い、8月末から約3カ月間かけて制作したという。織りを担当した山下さんは「筆遣いをかすりで表現するのが難しく、新しいチャレンジだったが、いい感じに仕上がってよかった。地域に弓浜絣がさらに浸透していってほしい」と話した。日本の絣
 

巨大豆腐に献針する生徒
着物女子が巨大豆腐に献針 織田学園
東京都・JR中野駅周辺で5つの専門学校を運営する織田学園(中野区)の織田きもの専門学校と織田ファッション専門学校が合同で8日、針供養祭を行った。会場は織田学園第8校舎地下ホール。
同祭は、普段より裁縫道具として針を使っている両校の恒例行事。着物や洋服を縫う際に変形した針の労をねぎらうもので,
10時から会場の特設祭壇に準備されたお神酒・海の幸・山の幸・果物の前で、中野氷川神社の神主による神事が執り行われた。
神主が玉串を奉納した後、両校の校長や教員・職員、着物姿の女子生徒約100人らを含む約300人による「針供養」が行われた。針を刺す豆腐は30丁(30×50×20㌢)サイズの特注豆腐2丁。祭壇に5人から8人ずつ登壇し、各自持ち寄った針を豆腐に刺して針をねぎらった。

解説する大城さん
南風原の「ぬぬさー」 京都で初の催し
沖縄県・琉球絣や南風原花織の産地である島尻郡南風原町はえばるちょうで、絣や花織の魅力を発信し人とのつながりを広げる試みに取り組む3人組のユニット「NUNUSAAA」がこのほど、京都市の浮島ガーデン京都で展示販売とトークイベント「琉球の美しいもの展」に参加した。NUNUSAAAが県外でイベントを開催するのは初めて。メンバーは「手応えはあった。絣や花織を知ってもらうきっかけになればうれしい」と今後に期待を寄せている。
3日間開かれたイベントでは、NUNUSAAAが作ったストールや、わずかな糸のほつれなどがあり一般的な市場に出回らない反物が展示販売された。トークイベントでは、製作工程を動画で解説しながら「伝統ってなに?」をテーマに、絣や花織の製作にかける思いなどを語った。
メンバーの1人、大城幸司さん(36)は「販売よりむしろ情報発信が目的」と指摘。「産地の代表としてこういう場所に出て、これをきっかけに絣や花織を知ってもらえればうれしい。継続してノウハウを積み重ね、次の世代にも引き継いでいきたい」と振り返った。
NUNUSAAAは来年1月か2月にも福岡県でトークイベントを開催予定。沖縄の染織
 日本の絣

イケメンが参加者をエスコート
迎春きもの女子会 ドレスコードは着物
愛知県・2018年1月14日、着物をドレスコードとした「迎春きもの女子会」が名古屋市の“アルカンシエルガーデン名古屋”で開催される。イベント主催はZERO GRAVITY。
同女子会は、普段着る事の無い着物を着て非日常的な1日を体験することで“プリンセス”の様な時間を楽しもうということがコンセプトとなっている。イベントは前半と後半とに分かれており、前半は着物女子100名で熱田神宮を参拝、後半は神宮から車で豪華結婚式場「アルカンシエル」へと移動、セレブ感を満喫できる企画となっている。テーブルには豪華な料理と大人気のスイーツ、アルコール、ノンアルコール等全て飲み放題バックにはプロの演奏家達による楽器の生演奏が流れるという演出。
参加費6500円。詳しくはZERO GRAVITY
0120ー888ー127。

晴れやかな会場
刺繍と着物がコラボ 米沢で作品展
山形県・米沢市の日本刺繍作家中嶋朱実さん(58)の作品展が、市のまちなかギャラリーアートステーションで開かれている。緻密で繊細な刺しゅう作品と古い着物が組み合わせて展示され、和のコラボが来場者を楽しませている。
刺繍約30点、着物約15点を展示。米沢織の生地に絹糸でカエデを縫い込んだ額装品や、菊をあしらったびょうぶ、桜がモチーフのブローチのほか、明治から昭和にかけての年代物の着物が並んでいる。
中嶋さんは羽二重織物の産地としてかつて栄えた福島県飯野町(現福島市飯野)出身で、実家も機屋だった。結婚を機に米沢に移り住み、米織との出合いについて「赤い糸で結ばれている」と語る。今回は自らの生い立ちを見つめ、作家生活30年を振り返る回顧展として企画。「見て触れて、風合いや肌触りを味わってほしい」と話している。10日まで。時間は各日午後1~5時。入場無料。

仕上がったデザイン
マレーシアの着物の図案完成 久留米高生アイデア
福岡県・2020年の東京五輪に向け、世界196カ国を表現した着物を作る「KIMONO PROJECT」の一環で、久留米高校英語科の2年生が取り組んできたマレーシアの着物の図案がまとまった。京友禅の匠の手で来春、色鮮やかな着物が完成する予定だ。
同校の取り組みは昨年の2年生の「着物文化」の調べ学習がきっかけ。プロジェクトを知って「久留米高でもやろう」と学校側に提案し、後輩にあたる現2年1組の40人が、4月から総合学習の時間に制作に挑むことになった。
マレーシアを選んだのは英語科に同国出身の留学生、邱子恩ヒューズアンさん(1年)がいた縁だ。2年生は彼女から多民族で多言語という国情について説明を聞き、六つの班ごとに民族衣装や歴史、世界遺産などについて調べた。何を図案に採り入れるか考え、40人それぞれが描いた。
制作を担う京友禅の「タケハナ染匠」(京都市)の竹鼻進さんが、40人の図案を総合する形で先月末、3通りのデザインを生徒に提示。今月7日の授業で、完成した図案が紹介された。
基調は黄色。マレーシア国旗にある星を袖に、月を身ごろに、赤と白のしま模様を袖や裾にそれぞれあしらった。国花のハイビスカスを、1組の人数に合わせて40個ちりばめた。
「イマジン」スタッフの刑部おさかべ優美帆さん(29)が竹鼻さんから届いた図面を広げて説明すると、生徒たちが歓声をあげた。信國春菜さんは「私が描いた星の図案が採用されていて、びっくりした。完成が楽しみ」。怡土いど真里奈さんは「黄色はマレーシアで好まれる高貴な色だと学んだ。その黄色がベースになるなんてうれしい」。授業を主に担ってきた刑部さんは「生徒たちは着物とマレーシアへの興味をどんどん深め、一生懸命取り組んでくれた。すてきな着物になると思います」と話した。
タケハナ染匠では、図案をもとに制作に入る。制作費は、液化天然ガス調達でマレーシアに縁のある西部ガスが負担。来年春に完成し、3月21日に久留米市役所でお披露目の予定だ。

ピーク時は2万7千トン
群馬県内繭生産量 前年並み維持
群馬県・本年度の県内の繭生産量は45.75㌧で前年と同量を維持したことが、県のまとめで分かった。高齢化を背景に養蚕農家は121軒と前年から4軒減ったが、初冬蚕の生産量が4割近く増えた。
蚕期ごとの生産量は春17.83㌧(前年比0.7%増)、夏6.98㌧(11%減)、初秋2.91㌧(12.2%減)、晩秋14.72㌧(1.3%増)、初冬3.31㌧(39.3%増)。夏蚕の時季が暑く、掃き立て量の多い晩秋に雨や寒さが続いたことが響いた一方、作柄の良い初冬蚕に取り組む農家が増えた。
県内の繭生産量は1968年度の2万7千㌧をピークに右肩下がりで14年度に46.91㌧まで落ち込んだ。打開策として県が蚕糸業継承対策事業を拡充した15年度に増産を目指す農家や新規参入が相次ぎ、前年度比0.45㌧増の47.36㌧となり32年ぶりに増加した。
1日の県議会一般質問で、渋谷喜久農政部長は「引き続き、JA、市町村などと連携し、蚕糸業の維持継承にしっかり取り組みたい」と答弁した。

植物染料で描いた作品と木村さん
「現代の名工」木村さんの作品展 長野
可愛らしい淡いピンクのリンゴの花や雪が積もった枝、紅葉する山々といった信州の自然が描かれた着物。昭和の町並みを描いたキャンバス。須坂市の旧小田切家住宅には繊細なタッチで描かれた作品が並ぶ。いずれも「現代の名工」に選ばれたばかりの草木染友禅の染め物職、木村不二雄さん(57=須坂市)の作品だ。
優しく温かみのある色合いが草木染の特徴で、ヤマモモの樹皮から取れる黄色、クリの葉からの茶色、サクラの樹皮からの赤みのある茶色といった染料で作品が作り上げられる。木村さんはオオイヌノフグリなどあまり題材には選ばれない雑草も取り上げ、「身近な自然の良さを感じてほしい」と語る。
東京都出身で、神奈川県職員として約10年働くうちに「自然に関わる物作りがしたい」と思うようになった。草木染友禅の繊細な絵柄に引き込まれ、長野市に工房を持つ小山仁郎氏に弟子入りした。
9年間の修業後、2000年に独立。最初は牟礼村(現飯綱町)に工房を構え、約10年前からは須坂市に拠点を移し、草木染工房「風(ふう)」で作品づくりに励んでいる。目に付いた植物や景色を記録するのが日課で、自宅には「ネタ帳」である大量のスケッチブックが積み上がる。木村さんは「作品から生命の力強さを感じてもらえれば」と語る。
24日までで、着物や帯など作品計26点が並ぶ。16、23日には木村さんが展示会場を訪れる。問い合わせは旧小田切家住宅☎026(246)2220。

市長に説明する高倉さんと田中さん
五輪参加国の着物 唐津がボスニア担当
佐賀県・2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて参加196カ国・地域をイメージした着物を制作する「KIMONO PROJECT」(代表高倉慶応)が唐津でも始動する。
唐津市では唐津商工会議所が中心となって着物や茶陶、茶道など「和文化の薫るまちづくり」を提唱しており、高倉さんらが制作を打診。候補国を探す中で、大志小が14年から交流を重ねるボスニア・ヘルツェゴビナが浮上した。
来年秋の完成を目指し、費用は着物、帯の制作費を含め300万円。商工会議所に事務局を置き、市民や団体、企業に寄付を呼び掛けるとともに、旧大島邸などを会場に各国の着物展示会やファッションショーを計画。金子財団の支援を受け、唐津市とも連携していく方針で、11月29日には峰達郎市長に支援を要請した。
ボスニア・ヘルツェゴビナでは1992年、独立と民族間の対立が絡んで内戦が勃発。首都サラエボ包囲戦は市民が無差別に殺りくされ、84年のサラエボ冬季五輪施設も破壊されるなど深い傷跡を残しており、高倉代表は「戦争の惨禍と平和の希求を土台にした唐津の取り組みはプロジェクトの象徴そのもの」と評価。地元中心メンバーとなる呉服店主の田中勝幸さん(67)は「着物が似合う唐津の風土を内外に発信する機会にもしたい」と話す。問い合わせは唐津商工会議所、電話0955(72)5141。

広作品と永田さん
日本伝統工芸展から 広瀬絣「秋の声」
島根県・第64回日本伝統工芸展松江展(日本工芸会など主催)が6日、松江市の県立美術館で開幕する。伝統美あふれる280点を24日まで展示する。県内からは4人が入選した。
そのうちの1人永田佳子さんの(65)作品は、藍色と白が基本の広瀬絣「秋の声」。微妙な藍のグラデーションが図柄に奥行きをもたらす。永田さんが表現しようとしたのは「秋の空の澄んだ冷たさのある空間」。その情景から心に浮かんだ「静謐せいひつ」という言葉のイメージを文様に投影させたという。
基本にした図柄は、何年か前に1度描いたものの作品として展開せずにいたものだった。基本のモチーフは単純な形でも、それが繰り返されて文様になるとそこに別の世界が生まれる。「人も1人の時と大勢が集まった時では全く違うのと同じ」 と話す。
亡き父天野圭さんは藍染め業を営む紺屋の3代目だった。永田さんは20歳を過ぎてから織りを始める。父の跡を継いで工房を開く弟の天野順さん(59)とともに作品を送り出す傍ら、技術を引き継ぐ伝習所で指導する。約30人が文様の設計から織りまでの工程を学んでいる。
文様を出すには、染色前の白い糸をビニールテープで括り、染まらない部分をつくる。括られた糸の中で、藍と白の間の微妙な中間色が生まれる。そこに人知を超えたものが作用していると感じるという。
「着てもらってこその絣。心地よく着てほしい」と願いながら織り上げる。「その時々で人の思いが込められてきた絣。そういうものを作った人たちがいたことを伝えられれば」と永田さん。日本の絣

案内ポスター
九州の「絞り」一堂に 朝倉
福岡県・企画展「九州絞り大全~甘木絞りと博多絞りを中心に」が朝倉市の甘木歴史資料館で開かれている。遠藤啓介副館長は「九州の絞りを一堂に集めたのは初めてだろう。
見応えがあるので、ぜひ訪れてほしい」と話している。12月10日まで、入場無料。
甘木絞りは、「城郭文様」や、「松に鷹文様」などなど、久留米絣のデザインと見間違うようなデザイン性があり、相互の関連例が大きいことが伺える。他産地の絞りとはデザイン性で全く異なっていることに大きな特徴を持つ。その他、豊後・別府絞り、熊本の高瀬絞りなどが展示されている。詳しくは歴史資料館 ☎0946(22)7515。

職人としても頑張る木村さん
ネット小口出資CF活用 鈴鹿の伊勢型紙
三重県・特定のプロジェクトのために個人がインターネットを通じて小口のお金を出資するクラウドファンディング(CF)が成長している。出資の形態も多様化し、利回りなどの見返りを求めない手法が地方活性化に一役買い始めた。お金を出す個人が求めるのは「応援してよかった」という充実感だ。新しい地方支援の形に注目が集まる。
後継者不足に悩む地場産業にも個人マネーが浸透し始めている。例えば和の世界。伝統的な着物生地の染色に使う「伊勢型紙」の産地、三重県鈴鹿市。若手職人の木村淳史さん(27)は今年3月、古民家を後継者育成の道場に改装する資金をCFで募り、当初目標を上回る290万円を集めた。
木村さんはいま、県内外から訪れる生徒に道場で型紙作製を指導する。伊勢形紙協同組合の林庸生理事長は「デザイナーやクリエーター、職人の卵などが集まり始めた」と効果を実感している。
「CFは打ち上げ花火にすぎない」と指摘する声もある。お金を集めて終わりなのではなく、事業を成長させていく成功事例が出なければ一過性のブームで終わってしまうかもしれない。木村さんは「若手の職人を増やして伊勢型紙の商品力を高めていきたい」と意気込んでいる。
国内CF市場は急成長している。矢野経済研究所によると、17年度は前年度比46%増の1090億円の見込み。今のところ高い利回りを提示して出資を募る「貸付型」が9割を占めるが、市場拡大とともに新しいタイプも登場している。それは「寄付型」という仕組み。貸付型と異なり、出資者に金銭の見返りはない。伊勢型紙

からむし織の着尺や日傘が並ぶ
からむし織 国の伝統的工芸品に
福島県・昭和村で約300年の歴史をもつとされる「奥会津昭和からむし織」が11月30日、国の伝統的工芸品に指定された。苧麻ちょまとも呼ばれるイラクサ科の植物からむしから繊維を取りだし、糸にして織り上げる過程は手作業で、着物やシャツなどの製品は夏向きの高級品として知られている。
村では1994年から「からむし織体験生」を募集。村で生活しながら畑作業から織りまで一連の工程を学ぶ事業を続けている。
30日の記念セレモニーで馬場孝允村長は「次の世代に受け継いでいくためには将来を見通せる仕事にすることが重要だ」と指摘。「指定を契機に、製品を労力に見合う価格で市場に評価してもらうための意匠開発や販路開拓を、村としても支援していきたい」と語った。
1月のニュースはこちら  ▲ この頁の最初へ