3月、南北につらなる山脈が冷たいやませをを遮ぎるとはいえ、日本有数の米所である庄内平野は、あたり一面純白だ。そのうえ激しい季節風が粉雪を舞い踊らせ、春まだ遠しが実感だ。
山形空港から陸羽西線で約1時間、庄内平野の東部に位置する人口6400余の松山町に、その発祥起源を庄内藩に持つ製糸工場がある。一条座繰を原点に持つ松岡製糸工場がそれだ。選ばれた繭で選ばれた工場が珠玉の糸を紡(ひ)く。これこそが和木沢絹なのだ。